ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「プルートゥ」@シアターコクーン(1/13昼)

 土曜日マチネ行ってきました。2階正面のお高見席でしたが、ちょうどよく抜けの良い視界でとても見やすかったです。

 今回は何だかやたらと涙腺に来てしまって、夜は新年会の予定が入っていたのにぐじゅぐじゅしてしまっていろいろ流れ落ちてしまいました。やっと、こちらの受け手としての準備が整った感じ…スポンジお水吸えるようになったよ…。初演とはまた違う部分に対して、違う場所がぐぐっとなっているような気がするので、その違いもまた面白いなぁと自分で思っています。これが3年か…。

 演出変更もちょこっとあった…ような気がするけど確かではないしこの日が最初かどうかもわからない、けど若干違っていたような。

 いつものを。

 

  • おくちもぐもぐしながらしゃべるトビオ可愛いなぁ。なぁに?がはぁひ?になったり。
  • でも「トビオは、その料理が大嫌いだった」って云われて手元に視線を落とすの、剥落した表情と相まってほんと可哀想…ちっちゃくなる…。
  • 初演の天馬博士の「お前は失敗作だ」、けっこう強く云ってたけど、今回はぽつんと、呟くように、自分に向かっても云っているようで、これはこれでとても悲しい。
  • アブラーがサハドのメモリーチップを抜き取る時に、「メモリーチップを抜き取る」っぽい音が鳴ったけど前からだったっけ。
  • ゲジヒトの朝。叫び声で目覚めてから少しの間、夢の残りが再びゲジヒトに忍び寄ろうとするけど、目覚まし時計のアラーム音でそれがぱっとマニピュレイターに変わる。制御された意識と無制御の意識って感じなのかな? どっちも同じ人工知能なんだけどちょっとゆらぎがあるよね。
  • 朝の部長。「おう、ゲジヒト!」ってなんかちょっとフランクだった(笑)。
  • ちょっと飛ばしてゲジヒトとアトムの対話シーン。座ってネクターを飲むアトムが、足を揃えて浮かせているの可愛いなぁって思うんだけど、あれも華奢見せ効果だなぁ。
  • 軽く伸びをしてふっと肩の力を抜いたり、足をプラプラさせたりも全部マニピュレイトされてて細かいなぁ。自然な子供の仕草だけど全てプログラムに制御された動きなんだ、って視覚的に入ってくる。
  • ネクター飲み干したら体内に入った感じがマニピュレイターさんによって表現されていた。染み渡る感じ(笑)。
  • そういえば今回はリュックとコートがうまい具合に着脱できてるね。
  • ウランが来ちゃってやれやれ顔のアトム可愛い。「帰って勉強でもしてろよ!」って、宿題でもって云ってなかったっけ。
  • ゲジヒトと追いかけっこするアトムのかわし方が、見事な「ひらり」っぷりで美しかった…あれは捕まらないな…。
  • ゲジヒトのメモリーチップに目を閉じてアクセスするお顔が美人で好きです。
  • ゲジヒトの記憶に驚いたり衝撃を受けたりしてびくってなる反応も可愛いです。内容は大変なことだけど…。
  • マニピュレイターさん手首テーピングしている方が増えているね…どうか最後までお怪我ありませんように!
  • お茶の水博士とテーブルで向かい合って話すシーンで、後ろに突いた手の指をぱたぱたさせるアトムと、一緒にぱたぱたするマニピュレイターさんたち、が好きだったんだけど、今回見かけなかったような気が…見落としただけかな…?
  • 花畑の男にお茶の水博士を呼んでくる、ってウランが告げるところでちょっと噛んでた。
  • ウランと話す時のお兄ちゃんは大体可愛い。ロボットに感情?って云いながら誰よりも表情豊かなロボットさんたち…でもその豊かな表情ひとつずつがきっちり制御されているロボットさんたち…。
  • アトムがすいっと移動させたデータにウランがタッチして受け渡し完了。
  • 竜巻シーンの照明、上から見るとすごくぐるぐるしていて竜巻だった。渦巻いてた。
  • 竜巻シーンでアトムがフードかぶっちゃってて珍しいなぁと思ったんだけど、いつもはスナップで止まってるからかぶらないんだよね。今日は止まってなかったみたい。
  • マニピュレイターたちが吹き飛ばされるように消えて、苦悶の表情を浮かべるアトム。ロボットの壊れる≒死ぬ、って人工知能へのアクセスが不通になる状態、なのかな…。
  • アトム手術中(?)、タブレットで何かを見せたりじゃんけんしたりしている科学者の皆さん。
  • お茶の水博士と天馬博士が上下で話している最中の、「間違う頭脳…」の辺りで下段の奥から姿を現すゲジヒトの片手がクラスター砲になってた。…けどそれがどういう意味なのかちょっとわかってないから次気を付けて観よう。
  • トビオのお墓にはやっぱりキャンドルが灯ってる。
  • アトムの像?の前にお花供えてあるのね。やっぱり記念碑か何かなのだろうかあの強そうなアトムは。
  • 白いアトムから花束を手渡されるウランが、何となく、天馬博士から選択をゆだねられたみたいに見える。「どうするね、ウラン?」って云われてるし。
  • ウラン大量破壊兵器で別人になってもいいから兄を蘇らせることを望んだ、ってことだろうか。それを天馬博士は受け入れた?
  • 2幕。せっかくマイドアリーした缶からお金くすねられても気づかないアリが不憫でなぁ…。
  • アブラーの奥のテーブルについた人がコップを煽ったまま固まっているからどうしたんだろうと思ったら、周囲のゲジヒトとアブラー以外みんな固まっていたので、時間が止まっていたんですね。サハドの写真をアブラーに見せる辺り。
  • チューリップは上手の5本を担当。
  • Dr.ルーズベルトアレキサンダー大統領に知らないとは云わせないって文句云われて「Oh! ゲジヒトのこと?」ってちょっとアメリカンに応えていた(笑)。
  • 教授の語尾がねぇ気味なのが味わい深い。彼はねぇ植物を愛していたんだねぇ~。
  • あっサハドがオランダで下宿していたのはお花屋さんだったりするの? そんでそこの女性からゲジヒトはヘレナへの花束を買った? もしくはお花屋さんじゃないけどお花いっぱい咲いてたから切ってわけてもらった? ってこと?
  • …わかってなさすぎる。
  • ユーロ圏の地理関係がそもそも感覚としてわかっていないので、オランダで買った生花をドイツに持って帰れるのかとかがわからないんだな…大丈夫なのか。案外近いんだろうか。あとユーロ内は生花の検閲とかないのか。
  • 研究施設の地下でプルートゥが出てくる時のスピードが、いつもはや!!ってなる。すごい迫力。怖い。
  • プルートゥというかサハドはお花に会いたかったんだろうね、だから研究施設に戻ってきちゃったんだね…怖くて行き場がなくて帰るところもなくてここに戻ってきたんだよね…。
  • サハドとプルートゥの動きがシンクロしているのが一望できるのとても良い…。
  • ゲジヒトの死を告げるニュースと共に踊るダンサーさんを、ブラウの人工知能の人がその頭を上から押さえ込むようにして姿を隠させるのかっこよかった…。
  • ロボットの結婚とか、子供を申請するってどうなってるんだろう。ゲジヒトとヘレナはどうやって出会って結婚したんだろう。それは愛とか心とか感情とかとは別なんだろうか。
  • 目を覚ましたアトム、数式の後に「来るな!!」って叫んで、その声に自分でびっくりしているような、自分で怖がっているような顔をするの…。
  • 今日のアトムはカタツムリ2回目で震えてなかったな。あれ何だったんだろう…良かった…。
  • でも、拾い上げたカタツムリを手のひらに乗せた、その手の指が鉤状に折り曲がるように力入ってて、観ていてぎゅっとなりました。
  • お茶の水博士の元を飛び出して、雨の中彷徨うように歩き、カタツムリに足を止めて見下ろしてしゃがみこむ、のは、マニピュレイトされた動きだけど、びりびり以降はマニピュレイターいなくなるのね。感情を持ったアトムが、自らの心にしたがって動いているから、かなぁ。次回もうちょっとちゃんと観る。
  • 博士にギュッとされるのと、抱えられるようにハケていくの、とても可哀想で可愛くて大好きです…小さく見える…。
  • ヘレナに、ロボットは嘘をつけませんから、って云ってから、斜め上を見るアトム。嘘ついたねー。
  • ホバリングは毎回とても…気持ちがアガります…何がそんなにツボなのか自分でもよくわからないんだけど。
  • 2階席正面だと飛んでいくアトムの軌跡が音で追える。ちょっと下を横切って行ったよ。
  • ブラウのところに現れたアトムが、口元や首を触るの何なんだろう。ゲジヒトは特にしていないし、たまたまかな。ちょっと何か…良かった。
  • 前回観ながら、ブラウその後どうなるのかな…なんて思ったけど、槍抜いたらそう長くはもたないのか…そっか……。
  • アトムとブラウの手が合わさるの。すごく好きだ。物語上ではロボット同士の、実際には無機物と人間の、肉体の壁みたいなものが接触面から互いに侵食していくような、「何か」の交流めいたものが見える、気がする。
  • …ロボット同士だったら特に、データをやり取りしない限り交流や交感は生まれないはずで、接触タイプのセンサーがアトムには備わっているだろうけどブラウにはどうなんだろう。もしあるのならメモリーチップを交換しなくてもやり取りできるもんね。
  • ブラウの手を胸に当てて、ゆっくりと回るアトムが、柔らかいけど少し苦しそうに悲しげにも見える、何とも云えない表情をしていて、とても綺麗なんだけど胸が詰まる。
  • そのまま踊り出す継ぎ目のなさも好き…動きが繋がっているのももちろんだけど、「踊った!」感を感じさせない、いつの間にかするりと群舞に混ざっている感じが…好きだ…。
  • ブラウがふわふわ出ていくのも好きー。どうやって動いてるのかよくわからないけど好きー。
  • ウランが向き合う踊り、やっぱり自分の「心」との対面って感じがするんだけど、ウラン自身が踊るのは、ウランが自覚している部分の心、感情の発露で、上から見下ろし対面するのは、彼女(のAI)が自覚していなかった感情とか、ウランが知っているのとは違う形での感情の発露とか、なのかな。花畑の絵を見て美しいと感じ涙を流すような部分しか知らなかったウランが、複雑で重たくてぐちゃぐちゃな部分と初めて向き合った、とか。
  • 何かしらあそこに理屈をくっつけたくて仕方がないのです(笑)。
  • アーノルドさんがんばって! 応援したくなる!!
  • お茶の水博士もがんばってー!! 博士っていうか吉見さんっていうか(笑)。
  • アーノルドさんの「避難してくださーーい………」のフェードアウトっぷりが良かった。
  • プルートゥ戦。アトムが「君は憎しみの塊だけど、僕の方がもっと大きいよ」て云い放つ時、照明が真っ赤になっていて、ぞっとした。あれ前はなかったよなぁ。憎しみの色に染まるアトムとプルートゥ
  • 折り取ったプルートゥの角を片手で高く掲げるアトムの、憤怒の表情がね、怒りと憎しみに駆られているのだろうけどやっぱり哀しくて、アトムのそんな顔は見たくない…ってなってしまう…。
  • 折り取った角でプルートゥの片腕をもぎ取る。すごいな…機構にもすごいな…ってなる…。
  • もいだ腕を投げ捨ててから後方に宙返りするの綺麗。
  • 今日とても泣けてしまって困った。倒れたプルートゥを挟んで、アトムとハサドが座って話している絵を、上から見下ろすのがとても…泣けた…。憎しみを悲しみに変えられるのが人間なのかな…。
  • ボラーに呑み込まれたアトムを最初にプルートゥが助けて、呑み込まれた後もう一度サハドとプルートゥがアトムを外へ押し返すようにして、2回救うんだよね…たまらん…。特に2回目のハサドがアトムを押し出す時にプルートゥの片腕がアトムをさらっていくのたまらん……。
  • 大きなアブラーと小さなアトムのシルエットの対比もすごく良い。
  • アブラーとサハドが支え合うように肩を並べて消えていった後、もうちょっと長くチューリップとか花畑とかいろいろを見せてくれると余韻というか…もうひと波来そうなんだけどな…ちょっと畳み急いでる感じがしちゃう。
  • …って初演の時も云ってたような気はする。
  • でもめっちゃ泣いたけどな。
  • ブラウの足にすごく興奮します。引きずってる…足がある…。
  • それでもブラウは人間を(もう)殺さないんだよね。どうしてだろうね。
  • 今日のくまちゃんはちょうど良い感じにぽとり…と落ちました。首が。
  • 瓦礫の山でプルートゥを探すアトム、角を見つけて大事そうに握りしめる。
  • 「願う」ことができるのも人間、なのかもしれない。希望を持てる。後ろじゃなくて前を見る、か。
  • プルートゥの墓標に名残惜しそうに手を残して、後ろ髪弾かれるように振り返りながら、お茶の水博士と離れていくアトム。心をそこに留まらせておくような顔と身体の表情がね…真骨頂って思うね…。
  • カテコ、今日は3回目の最後に自分で拍手していました。良かった! 表情までは見えなかったけど硬くはなさそうで良かった…。

 再演始まって前方からも後方からも観ているけど、今日はとても泣けてしまいました。2階なのにね…距離関係ないね…。今回は、アトムにはもちろんだけどプルートゥとサハドにも泣かされている気がします。あんな風に花を愛するロボットが、あんな無骨な、少し動いたら花なんて潰してしまう体に閉じ込められたら、哀しいだろうなぁ。それでもチューリップの近くに戻ってきちゃういじらしさ…プルートゥ可愛い…可哀想…。