ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「談ス」@青山円形劇場(9/22昼・9/23昼夜)

 改めまして、もう終わってから1週間が経とうとしていますが談スです。何せ、人類資金舞台挨拶ひげもじゃぶりの生未來さんなので、緊張しまくったりするんだろうなーと、なんだったら泣いちゃったりするんじゃないの?とか、いろいろ事前に思っておりましたが、まったくそういう感慨はなく。とてもフラットな気持ちで開演を迎え、客席後方からふらりと現れた未來さんにも、あら未來さん出てきたわ、くらいの波風立たない心持ちで、何なら余裕すら覚えるくらい平坦に楽しんでしまいましたよ。でも、それで良かったなと思っています。1年いなかったけど、別に何も変わらなかったわわたし。でも、1年ぶりの未來さんは、あれデカい!?という印象でした…でかいというか厚みが増したというか。大きくなったなぁ。ウエイトもきっと変わってるんだろうなぁ。あと裸足を間近で見て、うん、相変わらず親指でかいな、と(笑)。ひっつめ髪もNHKで観ていたので驚かず、おひげがなくて何よりでした。そしてお腹がとても痛そうだった…(笑)。
 感想とかメモとか何もしていないので、3回分まとめてざっくりと。

  • オープニング。とにかくお腹が痛そうでした。んーんーんと呻吟しながらお腹を押さえ、なでなでし、空いてる席に座って一息ついたり、またよろりと立ち上がって舞台の端に腰掛けたり。顔も何だか変な顔してて、とにかくお辛そうで…。
  • チャコールグレーに黄色のアクセントが入ったTシャツに、黒いひざ下がタイトなパンツ、裸足、襟元には黄色いバンダナを三角に巻いていました。
  • 舞台上に上がってもお腹痛い。それはそれは美しい姿勢で気張ってみる(笑)けど出ない。そうか出ない方か…それも辛いよな…。
  • ていうか未來さんにそっちのイメージ*1が皆無なもんで、ほんとに辛さ知ってるのかしらとか思ってしまったすみませぬ。
  • 踏ん張ると顔色がぶわーっと赤くなって額に血管が浮き出すのが何か…ちょっと怖かったです。そういう時に脳溢血とかなるひと多いって聞くじゃない…。
  • 23日マチネ、舞台上に上がった未來さんから、ほんのりとアルコホルのにほひを検出しました(笑)。ま、マチネだからね…!
  • やっぱり解消されずに苦しむ。苦しそうに仰け反って、上を仰いで、上体をどんどん倒して、マトリックス的な形にまでなって、…ぬるり、と口から何か出てきた(笑)。そっちから出るの!?
  • ていうか口にずっとそれ含んでたから何か変な顔してたのか! 23日マチネで一回、ぶふってなってたよね…ずっと口閉じてるのも大変そうだな。
  • ぬるり、と現れた人形の腰を、ヨイショと伸ばして直立させてから口からつまみ出し、舞台の片隅に円形に固めて立ててあるチョーク群の上に立たせる。人形は軍服みたいなのを着た西洋人男性のフィギュアでした。何の人形かなぁ。
  • 何かから逃げるような、まとわりつく何かを鬱陶しそうに払うような仕草をする未來さん。やめ、いちいち、もー、なんて意味はわからないけどニュアンスは通じる、くらいの言葉をつぶやきながら舞台上にうつ伏せに寝そべったり。
  • やがて、やはり奇声を発しながら現れる平原さん。平原さんはシャツにパンツの裾が短めのスーツ姿。舞台上に上がるのが辛くて仕方ないみたいな感じ。一生懸命上がろうとするんだけどなかなか上がれなくて、うーうー唸ったり絶叫したり(笑)。
  • で、やっとのことで上がると嬉しそうにうんうん頷いて笑顔(笑)。チョーク群の上に自分のお人形(はジャケットとジーンズっぽかった)を乗せて満足そう。
  • 23日の昼か夜か、どっちだったか、なかなか人形が立たなくて苦戦する平原さん。
  • そんな平原さんにふらりとじわりと近づく未來さん。え、何、ちょっと、と避ける平原さん、いやいやいいから、って感じにさらに近づく未來さん。平原さんの右手を取ってその手のひらを眺め、伸ばさせた腕の下に入り込むようにして平原さんの左の腰あたりに手を伸ばす。のを止めて、「いやいやまずいでしょ」「近いって」
  • まぁまぁって感じに未來さんが手を伸ばして、そこから始まる二人のダンスが、探り探りだけど、そうやってできていくのかな、とか思わされる感じですごく面白い。ちゃんと振りとして出来てるものなんだけど、偶発的に生まれる感じがね。面白い。こうしたら、こうなって、じゃあこうする?みたいな。
  • やがてそれが、いち、に、の掛け声と共にリズミカルになって、動きがつながってダンスになっていく。いち、に、one、two、eins、zwei、uno、dos、えはっど、しゅたいむ、右、左、男、女、で一周。
  • 23日夜は、いち、にぃ、がいち、いち、になっちゃって、平原さんが「えっえっ二進法?」「あ、十進法ね」とかいろいろ云ってた(笑)。
  • いち、に、のいち!で平原さんの首に手刀を入れる未來さん。をちょっと!と止めて「softly!」と注文する平原さん。ソフトリィな手刀がとてもエレガントです。
  • 次のアインスで平原さんの首を取る未來さん、手の形がアイーンっぽくてアイーンス!って云ってるの可笑しい。
  • 男、女、の男を云う未來さんが毎回何故かカマっぽくて可愛いんです。何故カマっぽいのかはともかく。
  • 23日マチネ、男、女、の途中で平原さんのジャケットのボタンが未來さんのズボンのベルトループに引っかかって取れなくなった。ら、「男と? 女が? くっついた?」ってアドリブで楽しそうに云う未來さん(笑)。平原さん、焦って外そうとしながら笑ってた。
  • いちーーーーっ!とか、おとこーーーっ、て云いながら床上でお尻でくるくる回る未來さんが止まってから、それを引き起こす時の差し出される平原さんの手、それに答える未來さんの手、がどっちもとてもエレガントで好きです。
  • 何かいろいろ云ってたなー、水! 山!とか。未來さん吹き出して「ま、まあいいや」って。いいのか(笑)。23日ソワレは「水!」「えーと、何だ、や、火!!」ってすごい考えて答えてた(笑)。
  • 22日は、未來さんが心!って云ったら平原さんも心!って云っちゃって、えっ(笑)、ってなってた(笑)。心、体、くらいのつもりだったんだよね?
  • そして続く一、二、のダンスに突如乱入する大植さんの「さん!!!」それに乱されて止まってしまう未來平原ダンス、何度もやり直すけどその度に、2の次に3が入ってきて続かなくなる。この大植さんの異物感が凄い。
  • 凄い違和感を醸しながら、そこから徐々に入り込んで融和していくのも面白いんだ!! さりげなく加わる3が愛しい(笑)。
  • 数字じゃなくなっても参加する大植さん。山! 水! 川! でとっても自然あふれる感じになったり、魚! 肉! と来てまさかの数の子!!とか。さすがに未來平原も笑い出してたよ。
  • このときのポーズがまたおかしくって。まず未來さんが1なり肉なり山なり云いながら左膝を直角に持ち上げるように上げると、平原さんがその持ち上げられた足の脹ら脛を掴んで、自分も同じように左足を上げながら2なり魚なり水なり、を云い、するとその平原さんの足に連なるように大植さんが、同じく平原さんの脹ら脛を掴み、3なり数の子なり川なり、を云いながら、その先には続かない左足を上げる、という…うーん言葉で説明しても何もおもしろくないな!! すっとぼけた表情で、邪険にされるのにもめげずに、するっと加わってくる大植さんが何ともユーモラスでキュートなんですよ。
  • おかしかったのは23日ソワレかな。「時計!」って突然未來さんが言い出して、平原さんがえっ、…ええっ!?って自爆しちゃったの(笑)。あれは何が正解だったんだろうか…。
  • 仕切りなおして、光! 影! …でもやっぱり猫が好き!! って、猫が好きが最後のきっかけ的なのなのかな。初日も云ってたの覚えてる。
  • あっでも23日ソワレは「タバコ!」「煙!」「…といえば…??」みたいなのもあったよね。どこだったか忘れたけど!
  • 白、黒、を高速でぴしぴしやってるふたりに大植さんが「あかあああ!!」って入るのも可笑しい。
  • いち、に、さんになってどんどん動きがアクロバティックで力技になっていくのが凄い。みるみるうちに、どこがどうなってるのかわかんなくなっていくの。
  • 23日ソワレ、騎馬戦の騎馬の上の人みたいに未來さんが乗っかって、ちょろっとベロ出して腕組んでどやどやしくなってるの、かっこよかった(笑)。
  • 未來さんの足の間で寝転んだ二人がいち、に、でそれぞれ外側に転がって、さん!で未來さんが足でそれを戻すの、なかなか戻らなくて何度もさん! さん!! さん!!ってがんばっておいてふっと飽きたみたいに大植さんから足をするりと抜いて去るのもおかしかった…あの切り替えがたまらん。
  • チョークを数本持ってきて、おもむろに床に円を描き、円の両側にLとVEを書き加えて、低い良い声で「LOVE…」とつぶやく未來さん。円の中にチョーク2本を並べて置いて、その上に渡すように人形を寝かせる。それから3人でそのチョークの形を作って、「LOVE」。
  • からの、右肩を下に寝そべったふたりがぱたんと倒れるとその上に渡って仰向けになっていた未來さんが床に落ちて頭をごちんとする、という一連も好きです。毎回頭痛そうにしてたね。
  • 勇気って書く場所がほぼ、勇気だ愛だと〜を書く場所で、書き始める平原さんにむかって未來さんがずっとフンフン抗議してたけど結局そこから動かなくて、勇気だ愛だとが少し反時計回り側にずれてたのは23日ソワレですね。平原さんに「ふんふん云わないの!」って怒られてた(笑)。
  • 書かれちゃってる勇気を見下ろしながらちょっと不満そうな顔してる未來さん可愛かったです。
  • 勇気はチョーク3本を、三角錐的に立てる形。23日昼はなかなか立てられなくて苦戦してたっけ。
  • 3人で等間隔に立って手を挙げて、中心に向かって倒れて3人で支えて、支え合いながらちょっとずつ距離を広げる。けど、平原さんだけほとんど動かないっていう(笑)。
  • そこから手を離して平原さんだけ前に倒れるんだっけ?
  • 次は円を描いてその両サイドにHとPEを未來さんが書き足し「HOPE」、チョーク2本を縦に積んで立てる。これも23日昼はなかなか立たなかったような。チョーク違うのに取り替えたりして。平原さんから未來さんにバトンタッチしたりして。
  • で積んだチョークの前に人形を一体立たせる。その人形役を先に取ろうとする平原さん、でも大植さんと未來に入れ替えられて、結局下の段をやる羽目に(笑)。
  • 未來さんを肩の上に乗せて立ち上がり、平原さんの肩の上で立つ未來さん。「はい、揺るぎない希望〜」って大植さんに云われて、下半身をぐらぐら揺らす未來さんの、それでも動かない上半身にこれが体幹というやつか!!と感心しきりです。揺るがない!!
  • また違う場所で、カツカツとチョークを走らせる未來さん。書かれた文字を読む平原さん。「勇気だ…勇気だ愛だと…騒ぎ立て…? 勇気だ愛だと騒ぎ立てずに、その気に…?」って読みながらもう何となくチャゲアス出てきちゃってるっていう(笑)。
  • コンタクトしそうで支えない、とかやるのはここだっけ。やー、がとても良い声な未來さんに惚れるんだ。
  • 平原さんとコンタクトしながら初回はやたらやんやん云ってた未來さんがとっても可愛かったです。何だあれは。
  • 何となくうっすらヤーヤーヤー、から、あのフレーズで歌ってしまう瞬間の、あーあ歌っちゃったー!感がたまらん。
  • 頭逆立ちでも良い声でやーやー歌うひと。
  • 頭逆立ちの足を支える手が離れる瞬間にぱっと手をつく反応速度とか。
  • またアクロバティックな動きから、未來さんのお腹の上に平原さんが腰掛けてその腿の上に大植さんが乗る、と未來さんがいたたたたた!!!ってなって、いたたたた!!ってなりながら平原さんのお尻の下からいなくなって、つまり実質平原さんは空気椅子状態で腿の上に大植さんを乗せている、という恐ろしい状態に。そりゃ腿ちゃん痛いよね!!
  • 腿ちゃん痛い、から生まれるモモチャンという謎の生物。す、と両手をうさぎの耳みたいにして「モモです…」ってなるのたまらん。あの空気の色が変わる感じ!
  • 声にエコーかかって「あれ…声が…遅れて…」って何となくいっこく堂みたいになるのも可笑しい。
  • 頭上から手を外し床に置くと、「身体が軽くなった」と軽快なステップで身軽に動きまくる平原さん。元気な人の踊り、とか云いながら。モモちゃん実体はその耳部分なんだな…憑依的なモノなんだな…。
  • お客さんの前に降りて握手を求め、応じると「痛い痛い痛い痛い!!」ってなる。で舞台上に戻ると、「この感触を胸にやらせて頂きます」とか云ってまた踊るの。腕とか肩とかがぐぎっとなる不思議なちょっと痛そうなやつを。謎だけど面白くて目が離せない。
  • めっちゃ行くぜ!!って気合いの入ったステップしまくってからすっとぶみたいに対岸の客席に降りてくる平原さん、は23日ソワレかな、
  • お父さん!!とか謎の言葉を交ぜつつ、制御が効かなくなっていく。初日は「モモが! モモが制御できない!!」とか云っててとてもモモちゃん暴走モードっぽかった。エヴァ的な。
  • からのすっ…と戻る「モモです」たまらん。モモチャンたまらん。大好きだ!!
  • モモチャンの一連の間に他の二人が何をしていたか思い出せません。しゃがんで待機っぽかったような気もする。とにかくモモチャンしか見ていなかったようで(笑)。
  • そんなこんなで*2、ジェニファー・ウォーレンの「The Hunter」が流れ出し、片隅で座り込んでいた未來さんがふと見上げると、上から白い円柱がそろりそろりと降りてきて、大植さんとふたりでそれを見届ける。最後はちょこっとだけドスン!と落ちる。吊されてた金具を大植さんが外し、上へ戻っていくホイストを少し見送るふたり。
  • 円柱を挟んで向かい合わせに立つ未來さんと大植さん。円柱に手を触れて、左右にふらふらと揺さぶると、呼応するように大植さんの身体もふらふらと揺れる。だんだん早く大きくゆさぶる未來さん、同調する大植さん。
  • から、円柱を床に倒さないように身体で支えながらぐねぐねと動き始めるふたり。倒れてくる円柱を腰で支えたり、首で支えたり、してた。
  • でコンタクトっぽくなるんだったっけ。コンタクトというかアクロバティックな動きの。平原さんは人形を2体持って、うごめくふたりの間に割り込むように人形を置いてみたり。その人形に被さるように円柱が置かれて、すると平原さん「あっ暗い、暗いよ」とか行ってた。
  • 円柱の上に人形を立たせてみたり。
  • そのうち人形に喋らせ始める平原さん。何か、上司と部下みたいな設定のようです(笑)。「すんとしてますねー」「そうだな…白光りしてるよな」「白光り? そんな言葉あるんですか?」「いいんだよ。この白さが何というかね、この世の闇を際立たせるみたいなね」「はぁ」「いやだからね、この世がどれだけ黒いかね、そのおかげでこれだけの白さでいられるんだよ」「…は?」「だから、これは我々の犠牲の上にね、成り立ってるんだよ」みたいな会話をひとりで演じる。なんか、可笑しい始まりなんだけど…白い巨大な円柱が、だんだん、不穏なものに姿を変えていくのを目の当たりにしているような、そんな怖さも感じるシーンだったな…。
  • でも可笑しいんだけどね!
  • 上司と部下の会話が、だんだん人形から離れて、向かい合って俯いてじっと立っているままの未來さんと大植さんを人形代わりに使い始める平原さん。脱力した手とか、顔とかを動かして、人形の当て振りをさせる。
  • あっここで待機中の俯いた未來さんの、鼻先やら眉間やらから、ぽたたっ、ぽたたっ、と何故か2滴ずつ汗が滴り落ちて、床に小さな水溜まりができていた。のをやたらじっと見ていた覚えが(笑)。
  • 何だっけ、これはずっとこうしてここにあって、我々の子孫はこれの上で暮らすことになるんですよね、とか、それってつまり投げ出してるってことじゃないですか、とか、部下の反撃が始まる。なんだかね、そびえ立つ白い円柱が、原発の排気筒とか、そういうものに見えてきてしまって…うわ、とちょっと身構えてしまった。気持ち的に。でも可笑しいのが何というか、絶妙なバランスでね(笑)。
  • 「僕はこの前、緑色の服を着て、これにすりすりしたんです。そしたら、緑色の服が白くなったんです。それで僕は思いついたんです、これを学校に持って行って、黒い板にすりすりして、消して、そしたら識字率があがりますよ!!」あっやっぱり黒板と白墨なの?(笑)
  • 最初は聞く耳持たなかった上司が、「うむ、続けて」とか聞き始めるのもおもしろい。しかもそれを、脱力した未來さんと大植さんに口パクやら当て振りやらさせながら云わせるからもうたまんないです。手とかぶらぶらしてるけど熱弁してるの。
  • 上司役の平原さんに熱意はあるのかと問われて、「熱意はあります!!」と未來さんの片手を持って応える部下役の平原さん。その未來さんの手がぐにゃぐにゃで、指をぴんっとさせようとしたりしながら、「熱意はあります! ぐにゃぐにゃだけど!!」って(笑)。上司係の大植さんも何か云わされるたびに顎を捕まれて口パクさせられて、なすがままで立っているんだけど、けっこうふたりとも途中からぷるぷるしてて大変そうだった。
  • 22日はふたりともぷるぷるしながら何とか耐えてる感じだったけど、23日マチネはもう堪えられないっぽく吹き出しそうになってて平原さんが「こら! 何を笑ってるんだ!!」とか云って、それで余計に決壊してた(笑)。ソワレは、未來さんは何か無我の境地みたいな死んだ魚のような目をしていて、でも大植さんはぷるぷる肩が震えてた。あれはやる毎に辛くなっていくヤツですよね…。
  • 熱意を示させられる未來さんが、ぐにゃぐにゃの両手を胸を張るように左右に開かされて「熱意!」ってさせられるのが好きです(笑)。
  • 22日はこの黒板白墨を世界中の学校に設置する計画を「これをぼくは、こどもの白計画と名付けました!!」とか云ってたんだけど、23日はマチネソワレともなくなりましたねこどもの白計画…。
  • から3人でコンタクト、というか両脇をふたりが抱えてびよーんとひとりが宙を飛ぶような、ダイナミックな動きが。あと大植さんの上? 背中?に平原さんが腰掛けて、未來さんがその手をそっと取って「はいおじいちゃん、熱意ー」って介護したりとか(笑)。22日は「はいおじーちゃん座ってー」だったかな。23日マチネは「はいおじいちゃん、熱意ー」「ねついー」でソワレが「はいおじーちゃん、熱意ー」「あついー…」ってなってた。
  • で降りてPassion!ってすてきなポージングを決める平原さん。くるりと振り返ってもう一回Passion!
  • で何かぎっこんばったんみたいないろいろどこがどうなってるのかもうわからない感じに身体がぐるぐるしたりごねごねしたりして、結局お相撲っぽくなるんだけど、行司の未來さんが真ん中に挟まったままのこったのこったって廻しを取る体勢になる平原さんと大植さん。行司そこでいいの!?とか云いながらでものこったのこったして、そのぎゅうぎゅうに挟まった間から、やっとのことで抜け出した未來さんが、チョークの群をぐしゃーっとぶちまけながら床に転がり出る。このカタストロフ…!
  • チョークまみれで床に転がる未來さん、「やっと出た〜…すっきりした〜…」と。冒頭のお腹痛いのところに繋がるんですね。
  • そのまま、散らばったチョークをぺきぺき折り潰しながら、のたうち回るように床の上で全身を転がし跳ねさせる。どんどん砕けて床を白く染めていくチョーク。ふらりと立ち上がって、よろよろ…普通じゃない動きでよろめいたり倒れ込んだりまた立ち上がったりしながら、「出すか出さないか、っていうのはね、まぁある程度、コントロールできるんですよ。でもね、その、出すモノの、色とか、形とか、太さとか、硬さとか、においとか、はね、コントロールできないんですよ」そんなことをすごい勢いですごい動きをしながら呟くように語る未來さん。不確定要素、とかも出てきたワードだよね。
  • そんなひとりで暴れまくっている未來さんに構わず、チョークで床に絵を描いていく平原さんと大植さん。「ラブ経由の〜」とか「あっそっち行く?」とか自由なことを云いながら、舞台全体にぐねぐねと線を描いていく。
  • そしてすっと立ち上がり、大植さんが素敵な英語で「Good morning, everyone」と、そして隣に立つ平原さんがすかさず、「皆さんこんにちは」と通訳。何か、そういうことらしいです(笑)。
  • 22日と23日マチネは何か、いかにも通訳っぽい控えめな感じだったんだけど、ソワレは何だかオラオラな通訳さんにキャラ変わってました平原さん。
  • Mr.Oueによる腸内ツアーの始まり(笑)。床に描いていたのは人体の内臓…消化器でした。足からくぐり抜けるように口へ入りこみ、No Do! のーどぅー、喉、と喉を通り抜けながら、ラララ〜♪と良い声で歌う大植さん。23日ソワレは通訳の平原さんが「わたしは日本に来るといつもカラオケに行きます」って訳してた(笑)。
  • 胃にたどり着くとなかなか広いようで、ジャパニーズスタイル!とか云いながら体育座りでくつろぐふたり。と、Oh, bubble-bath!?とぶくぶくされて溶かされ始める。胃ですからね消化始まりましたね。
  • 次へ向かう…途中、ちょっとはみ出して描かれた出っ張りに平原さんが入りそうになるのをNo, No!!と止める大植さん。「Never, ever, liver」決して、行ってはいけない、肝臓。だそうです。すばらしいジョークを云うぞ、とか前振りしてた気がする(笑)。
  • で腸へ。狭いところをつま先立ちで進むふたりが可愛い。Here, It's called super...とか云ってて、ここは、チョーー…です。とか。
  • スーパーマンとかスーパーイダーマンとかいろいろ云ってたよね(笑)。超…井田さん?ってなるのが好きでした。
  • 小腸あたりを通過している最中にコースアウトしてしまう平原さん。へるぷみーへるぷみーと云いながらくるくる回ってどっか行っちゃいそうになる平原さんに大植さん、「ひっさーつ! おえーつ!!」と自分のお腹にグーパン叩き込む。でうええええってなって戻ってくる平原さん。
  • なのだけど、必殺、嗚咽に聞こえて(笑)。いや、嗚咽じゃないよね、えずいてるんだよね? だから必殺おえーーっつ、なのかもしれない。
  • そして無事再会できたふたりなのだけれど、We have to say SAYONARA なのだそう。何故なら、I am コケイブツ, you are liquidなのだから。そうですね…腸内ツアーですものね…。
  • 一連の腸内ツアーの間、未來さんは、ふたりがツアーで回っている腸内の絵にいろいろと描き足していました。口のあたりにぐるぐる水玉模様みたいなのを描き加えて「WATER FLEA」(ミジンコ)、胃のあたりに胴と頭と触覚足して「ANT」(蟻)、肝臓に角生やして目とか模様とか描いて「COW」(牛)、腸の手前にハート型の葉っぱをたくさん生やして「PLANTS」(植物)、最後の終着点近くに円柱が立っていて、それを囲むように人型を描いて「HUMAN」、あとミジンコが何ヶ所か23日ソワレ終演後には見えました。
  • そしてコケイブツは何とか外に出て、わたしはとても茶色い、何故ならグレイトホリデーを過ごしたから!!とか英語で云いながら、着ていたタンクトップを顔に被る大植コケイブツさん。
  • そのタンクトップの上から、デッサン用の炭みたいなもので顔を描き加える平原さん。あ、すごくいい〜、うん、いいよ〜すっごく、においとかね〜、ちょっとあるけどね〜、あっもうほとんどわかんないかも。とメイクさんみたいな感じで。そして何故か未來さんはチョークで大植さんの股間のあたりを白く塗っていた(笑)。
  • 顔を書き込んだ白いタンクトップの、顔部分をはぎ取るように未來さんが手を入れて、手のひらに顔を写し取ったみたいに、手のひらに仮面を乗せているみたいな感じで、タンクトップを巻き付けてコンタクト。どんどんひっぱられて伸びていくタンクトップ。
  • でろでろに伸びちゃったタンクトップをあーあ!って見て、脱いでから、プロレスの仮面みたいにそれをかぶる大植さん。こどもがちょっかい出すみたいに、そのズボンのウエストとか足とかを、ぱいんぱいん♪と楽しそうにつまんで引っ張る未來さん。すっごいいたずらっ子みたいな顔してて可愛かったけどせからしいな!
  • 23日ソワレはやたらぱいんぱいんぱいんぱいん!って引っ張りまくってたな。
  • からの、おもむろに引っ張った大植さんのズボンの中に顔を突っ込んで合体!!ってする未來さん。この合体フォーメーションがすごかった(笑)。ええと、大植さんのズボンの股部分に顔を突っ込んで、大植さんの両足を肩の上に抱え上げて、大植さんの頭は未來さんのお尻あたりに来て、逆さ大の字状態で、す。
  • 22日は変身!!がったい!!って云ってたような。変身!!だったのが、23日ソワレには合体!!になってた(笑)。
  • で、その合体フォーメーションのまま、ウイーンウイーンとか云いながら歩いてきては、に゛ゃ゛ーー!!って奇声を発し4本の手を広げて威嚇する、という(笑)。これ正直、ほんとにちょっと怖かったですよ。何がどうなってるのかわからなくて!! 人体ゲシュタルト崩壊的な!!
  • そして平原さんへ向かって威嚇する、と、平原さん両手を頭上で耳にして、「お父さーーん!!!」えええええ(笑)。
  • 「お父さーん!! モモだよー!!!」「う゛え゛え゛え゛え゛え゛*3」何この感動の再会っていうか感動していいのかよくわからない再会!!
  • 感動の再会しながらお父さん、「必殺! 耳立ち!!」って突然、耳(=大植さんの両足)で立ち出したり! つまり耳立ち中は逆さまになってるのは未來さん(笑)。耳立ちからの、耳回り!と片足…いや、片耳でターンする大植さん。
  • 22日と23日マチネは、耳立ち中の大植さんに逆さ大の字の未來さんが「ちょ、はやくはやくはやく!!」って元に戻るよう促してたけど、ソワレは耳立ちから元に戻ってから大植さんに、「ちょっと休めた?」と気遣っていました。お父さんフォーメーションきつそうだもんね…。
  • お父さんが耳立ちしたら、モモちゃんも頭上のお耳を床に付けようとして耳立ちのまねしようとしててめっちゃ可愛かった。
  • お父さん!と呼びかけるモモちゃんに向かいお父さん、22日は「息子よー!」「娘だよ!!」、23日マチネは「娘よー!」「男だしー!!」、ソワレは「息子よ…!」「娘だしー!! 女だしー!!」…なかなか噛み合わない親子だったようです(笑)。
  • で、お父さんとモモちゃんが何かぐちゃぐちゃしてる間に、大植さんがお父さんの耳からずるーんと抜け落ちて、ズボンは未來さんの顔にかぶされたまま残ってて、床にうつ伏せた大植さんがぽつりぽつりと「若者たち」を歌い出す。
  • 23日ソワレで、未來さんの頭から取れかけてたズボンを大植さんが雑にかぶせて裾を首にマフラーみたいに巻き付けたのはその後だったっけ??
  • 何か、非常に力業な大技が繰り広げられていたような気がする、大変そうだった、ような…。
  • 大植さんが客席に向かって英語で演説するのはその後?
  • imagine!とか、I will dance for you!とか云ってたような気がするけどあんまりわかってませんでしたすみません。
  • だんだん照明が白っぽく落ちてきて、未來さんと平原さんが静かに濃密に踊ってて、大植さんはトーキョーとかチャイナとかモスコウとか都市名を呟きながら折れたチョークをHOPEとかLOVEとか書いた場所に一生懸命立てて、なかなか立てられなくて、会場内にじわじわと低周波の電子音みたいなのが広がっていって、ひたひただったその音はいつの間にか会場内を満たしていて、舞台上に1本立っている折れていないチョークを囲んで3人が立ち、照明が3人だけを浮かび上がらせ、チョークを中心にして立った3人が前に倒れ込んで肩のあたりでぶつかり支え合う。起きあがって、少し距離を広げて、もう一度。
  • だいぶ広がって、…ちょっと広すぎない?って感じに位置を調整して、また倒れ込む、瞬間に暗転。
  • カーテンコールはまたHunterが流れてた。23日ソワレには、客電着いたらミラーボールも回っていました。
  • いろんな方向にむけてお辞儀して、未來さんが出てきた通路からハケる3人。何度も出てきてくれました。ひらり、と舞台に上がるのがかっこよかったな。
  • どっちからハケるのかわからなくなる大植さんも可愛かった(笑)。
  • 終演後、客席から出ると、チョークの小山と人形が飾ってあって、写真を撮ったりできました。そして23日ソワレのカテコ時には大植さんから、終演後の舞台は写真撮影OK、あとチョークがたくさんあるので、よかったらもらってください、学校に持っていくと識字率が上がりますとか、そんなご挨拶が。舞台の写真も撮らせてもらったし、チョークも少しだけ頂いて来ました。
  • あ、あと余談ですが。物販でオリジナルのTシャツを販売していて、売り子さんが卍丸さんだったんですが、22日の終演後には満島ひかりちゃん、23日終演後には石橋穂乃香ちゃん、という大変豪華な売り子お手伝いさんがいらっしゃる物販でした(笑)。

 感想というか、印象としては、7割方お腹抱えて笑っていたのですが、残り3割、特に後半からラストにかけて、ずん、と重たい感触を伴って、でもその重さも全然、嫌いじゃないし厭でもないし、むしろ好ましい重さでした、わたしには。
 廃棄物、白い煙突、受ける恩恵とその後に残されるもの、コントロールできるもの、できないもの、不確定要素、固形とliquid。微生物、虫、動物、植物、人間、愛、勇気、希望、そんなものたちの上に廃棄物をまき散らし、汚物にまみれてスッキリした先にあるものは、何なのだろう。破壊と混沌、その中に立つ都市、そこに生きる人、モノたち。最後に1本立つチョークが示すものは、そのチョークを取り囲むのは。そんなことを頭の片隅に引っ掛けながら、それでも、目の前で生身の肉体が、汗を散らし息を乱し躍動するその、あまりにも圧倒的なエネルギーの発散に、ただ目を奪われるしかない、そんな70分でした。どんなに言葉を重ねてこねくり回した理論も、生身の身体が動いている様を目の当たりにする、その説得力にはかなわないな。
 あと、これはすごく個人的な感想というか妄想なのですが。書きかけで放置してあったテキストファイルの片隅に、きゅうかくうしおの頃に書いたメモが残っていて、そこに「役を纏わない表現はしないのかなー」「未來さんのダンス作品は標題音楽的、今回も。だいぶ抽象化されてるけど。ストーリー性があって、キャラクターがあって、具体的なメッセージ性があって、それをいったんばらして再構築したような*4」「いわゆるコンテンポラリーダンス絶対音楽的だよね、そっちはやらないのかなー」なんてことが書いてあったのね。で、シアガの談スインタビューの冒頭で、これに近いことに触れてあったりして、おお、なんて思っていたりして。で、今回、誰かの役を演じる為の手段としてではないダンスを初めて目にすることができて*5、あっすごい、わたしがぼんやり、こうなったらいいのになーと勝手に思っていたことが叶ったじゃない!と。勝手に嬉しくなっているのであります。
 で、その、誰かを演じて人前に立つというのではない立ち方、の起点を考えると、ヘドウィグだったような気がするんです。っていうのは、ヘドウィグのラストのMidnight Radioを歌ってるのは誰なのか、っていうのを当時いろいろ考えて、トミーを内包したヘドウィグ、の辺りに落ち着いていたと思うのだけど、ヘドの公演が終わってしばらくしてから、後藤まりこちゃんのライブを観に行って、そしたらすごく腑に落ちたのね。ヘドウィグのラストで白いミニのワンピース姿で登場するイツァークが、あれは一体誰なのか、イツァークはヘドウィグによって奪われた自己*6を取り戻して最後に戻ってくる存在のはずなんだけど、まりこイツァークはドラァグじゃなかったし、じゃあ一体何を取り戻して戻ってきたんだろう、とずっと疑問だったのが、霧が晴れるように(笑)理解できたのね。ライブで見たまりこちゃんが、正しくあの、白いミニワンピの裾を翻してステージ上を自在に駆け回る、ラストの姿そのまんまだったから。ああ、あれはヘドウィグという作品によって奪われていた「後藤まりこ」性を取り戻したんだ、と。ということは、イツァークが奪われていた「後藤まりこ」性を取り戻し、本来の後藤まりこの姿となって現れるラストなら、じゃああの場で、銀の十字架を額に残して、階段の下でよろけて立ち上がった人間は、あれはヘドウィグという作品によって奪われていた「森山未來」性を取り戻した、森山未來そのものだったんだ、と。なぁんだ、あそこに立っていたのは森山未來本人だったんだ!と、わりと最近はたと気がついたのですよわたくし。ということは、役を纏わずに立つ、という在り方の起点は、ヘドウィグにあったんじゃないかなー、なんて、それ以前の作品はどれも、役を演じることによって舞台上に立ち現れる誰か、であったから。そこをさらに拡張させて増幅させて、もしくは落とし込んで、「今」につながっていたら、それはちょっと嬉しいな、と勝手に妄想しているのでした。という、それだけ。

*1:出ないで苦しむ方の…

*2:すいません記憶が…

*3:奇声

*4:←これはきゅうかくのこと

*5:イスラエルでやってきたのはそれなんだろうけど、それは観られていないからね

*6:ドラァグクイーンとしての自分