ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「鎌塚氏、振り下ろす」@本多劇場(7/11夜)

 放り投げて、すくい上げて、からの振り下ろす! 鎌塚氏シリーズ第三弾を観てきました。お馴染みの面子に加え、今回はついに、北村有起哉参戦ということで、元々大好きな作品がさらに期待度アップでしたが、うん! 間違いない! 今回もすごく楽しくて、ほとんど笑ってるのにちょっと泣かされて、ラストの爽快なんだけど終わってしまう寂しさもある美しさにまたじんわり…という。今回は、親子の絆みたいなものが説教臭さの欠片も、微塵の独善押しつけがましさもなく、さらりと、でもじんわり染み込んだ底の方で小さく震えるような、そんなタッチで描かれていました。良かった…形の違う2組の親子関係がどっちも愛しくてとても良かった…。
 アカシさんケシキさん堂田夫妻ウサさん、のレギュラーメンバーは盤石で、相変わらずみんな元気そうで良かった!という感じ。今回ゲストのゆっきー侯爵様は、残念だけどかっこよくでも残念でそこがチャーミングでした(笑)。そしてベンガルさんが…相変わらず、観劇前にキャストをチェックを怠るので、出て来て吃驚してしまった(笑)。おおベンガルさん! が、アカシさんの…!! お噂はかねがね、という気がしてしまうのがまた面白いです。四角い感じがなるほどなーと納得させられ、でもまさかのキャラで(笑)。
 個人的に、ゆっきー演じる中之院伯爵が秘密を知るシーンがすごく…涙腺緩まされてしまいました。ああいうの弱いです…ぬいぐるみとか余計に…。ほんと、そこ以外はほとんどお腹抱えて笑ってるかひくひくクスクスしてるかのどっちか、って感じなんですけどね! 前回の「すくい上げる」ではひかりちゃんが中森明菜を熱唱するシーンがありましたが、今回はともさかさんがしっとりと、「Wの悲劇」を歌いあげて下さいました。…なぜ今歌う?というシーンで(笑)。
 あと気になるのはタイトルシーン、何をどんなふうに振り下ろしちゃうの今回は!?ってやつ…今回は、何と云うか、待ちかまえていたことをすっかり忘れて観ていて、いざそのシーンになってから、あっ振り下ろした! そうかそうだった振り下ろすんだった!と、ちょっとぼけた感想になってしまいましたが(笑)。でも所謂、印籠シーンを、新鮮に観られたのはお得だったかなと。初めて観た「放り投げる」の鮮烈さ*1に比べると、どうしても印象が弱くなってしまうのは、シリーズ3作目だし仕方がないと思うのだけど、その分そこがクライマックスってわけでもない作りになっている…というか、お約束はちゃんとやるよ的なオマケなのかもね、もう。それでもあると嬉しいものですお約束。よっ、待ってました!ってなるもんね。忘れてたからびっくりしたけどね(笑)。
 何となく、シリーズ物って3作で一段落、三部作、みたいなイメージがあるけど、鎌塚氏は是非ともそういうのにこだわらず続いてほしいなぁ…と思います。まだまだアカシさんの完璧なる執事っぷり、観たいなぁ!

*1:意外さと美しさで涙出ちゃった