ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

女体シェイクスピア004「失禁リア王」@吉祥寺シアター(9/9夜)

 女体シェイクスピア行ってきましたー! リア王かーぼんやりしか知らないなぁ今回三輪子出ないしなぁと思いつつ、旅行の翌日だったので若干お疲れ気味でもあり、わっくわく!という感じの行きではなかったのですが、帰りはギラッギラしながら帰ってくることになりましたよ!! かっこ良すぎて!! 目玉1ペアじゃ全然足りなくて!!
 女体シェイクスピアとは、読んで字の如く女性キャストのみで演じられるシェイクスピア劇で、蜷川さんのオールメールシリーズの女性版みたいな意味です。中身は全く違いますが。毎回、上演時間90分というコンパクトさで、シェイクスピアのエッセンスがぎゅぎゅっと濃縮されています。今回で4作目、わたしが観るのは3作目。悩殺ハムレットも見てみたいなぁ。
 えーと、とにかく、わたくし興奮し過ぎて、逆に感想とか書きにくい感じで…めっちゃくちゃ、格好良かったです…。これまでも、女体シェイクスピアの演出は、シンプルなセットの中でめちゃくちゃカッコイイ女優さんたちがカッコイイ演出でカッコよくキメまくる(特にエンディング)のが定番でしたが、今回の格好よさは…凄かった。格好良さがボディに連打される。ちょ、ま、そんなかっこいいの立て続けに無理…って云ってるうちにさらにカッコイイのがゴスッと入るから耐えられない。あの、純粋に「格好良さ」で泣いたの、久しぶりです。これまでも芝居観て「があっごいいいいい!!!」と涙を流したことは何度かありましたが*1、それに匹敵するいや超えるかも知れないかっこよ泣きでしたよ…いやびっくりした。かっこいいわ。2列目ど真ん中という素晴らしい席もあったのかもしれないですが、ほんとに…たまらんかった。鳥肌じゃ追いつかない時に涙って出るもんですね。今回「女体シェイクスピア」という形式の、ひとつの完成形、到達点を観たような気がします…そういう完成度だった。凄かった。あとミュージカルだった。
 今晩22:30からUstreamで全編配信されるので、ご興味持たれた方是非観てみて下さい。最後まで。最後が一番かっこいいから!
 ネタバレ畳みます。


 毎回、ホストとか執事とメイドとか、世界観的モチーフコンセプトがある女体ですが、今回ポスタービジュアルを観てもピンと来なくて、何なんだろうとりあえずスーツかっこいいけど、と思っていたら、あれですねイタリアンマフィアですね。ていうかゴッドファーザーですね。確かに父親と子供たちの話なので、ゴッドファーザーな世界観はハマるなぁ。舞台セットが今回はデカイと聞いていましたが、確かに規模が大きかったです。がその規模の大きさがさほど印象に残らないくらい、舞台上の全てがかっこ良かったんだよ…。
 リア王のストーリー自体は正直、うすらぼんやりとしか覚えていませんでしたが、ハイスピードハイテンションでしかも今回がっつりミュージカルで、でもとてもわかりやすく入って来ましたよ。やはりそれは、役ひとりひとりのキャラが強烈だからだろうなーあれ誰だっけ?みたいにこんがらがらないもの(笑)。
 新良エツ子さんが道化役でキャスティングされていたので、これは歌アリだな!と楽しみにしていましたが、歌アリなんてものじゃなかっためっちゃ歌だった! メイド服マクベス夫人が印象的だった長女ゴネリル役の内田亜希子嬢も、柿喰う客のリア役深谷由梨香嬢もエドガー役七味まゆみ嬢も、マイク片手に歌う歌う! サントラ欲しいくらいですよまたいちいち楽曲もかっこいいしな! 二組の親子の悲劇に、時に吹き出しつつじんわりさせられて、世界観がどうアレンジされてもやっぱりシェイクスピアシェイクスピアだと再認識させられるシェイクスピアの懐の深さとドンピシャの中屋敷演出、というか中屋敷さんの深いシェイクスピア愛、をひしひしと感じさせられる90分でした。そしてラスト…ラスト毎回めちゃくちゃかっこいいんだけどさ、かっこ良さはこれまでの*2中でも最高ですよ…何アレ痺れるっつーの…。
 舞台上に立つキャラクターの、どれもがほんっと魅力的で、誰も注視したくて、表情や動きを見逃したくなくて、そういう対象になる役が舞台のそこら中にいて、ほんっと目が足りない。姉妹全員お顔も動きも観たいし、リアはもちろん観たいし、ケント見逃せないし、足枷マジ可愛いし、エドガーキュートだしコーンウォール公イケメンだしフランス組きゃわゆいし、カラン一瞬たりとも目を離したくないし道化っていうかエツ子様はHカップおっぱいだし、なのに舞台上に一度に何人もそんな魅力的なひとたちが並んでいて、踊ったり歌ったりで、ああもう書いてるだけで目が足りない焦燥感を思い出してつらい! そう、辛いんですよ全部をぎっちり観られなくて!! みんな素敵で見どころ絞れないんだもの!!
 とりあえず目が離せないポイントをわたしの記憶メモの為に並べておく。順不同、もしくは好み順。

  • カラン。好み。動きがキレッキレだと思ったらダンサーさんですねやっぱり! とにかくかっこいい、存在もかっこいい。好み。多分、みんな好き(笑)。わたしの手にもマイク乗っけてほしい…渡されても歌えないけど…。最後の最後までもってくよねー!!
  • ケント。黒髪さらさらストレートに口髭ソフト帽なんてダンディ過ぎるあとスタイルいい。かっこいい。好み。こういうオジサマ昔の少女漫画に出てくるよね系。
  • 道化。っていうかもう、エツ子様。今回、道化というか娼婦って感じですね! 相変わらずエロい! そしてお歌最高! 出てくるとおっぱいばかり観てしまいますだって仕方ないよね! あれは見ていいおっぱいだもの。
  • 足枷。足枷?って感じだけどめっちゃくちゃキュートなんですもの。表情いちいち可愛いんだ。
  • フランス王。顔が好み。ハーフ美少女、だけどスタイル良い背が高い。出てくるとお顔ガン見してしまう(笑)。
  • ゴネリル。たまらんわーハイテンションドS美人。美人なのに顔芸も容赦ない素敵。歌も凄い。
  • リーガン。これまた美少女! エレガント小悪魔系たまらん。これまた歌素晴らしい。
  • コーディリア。もちろん美少女。清楚系…だけどそれだけには留まらない感じが素晴らしい。歌も身体の見せ方も美しい。ラストほんっと…イイ…。
  • エドガー。悲哀と可笑しさのバランスが絶妙で流石です。泣ける。一部泣き笑い。

 …とここまで来て、深谷さんのリアがいないんですが、毎回女体シェイクスピアといったら深谷さんが出てくるたびに勝手に手が乙女握りになっているのまでがお約束、って感じなのですが、今回はリアなので、どうしてもこう…乙女握りでキュン…っという対象にはなりにくいのですよね役柄的に。それでももちろん、目はくぎ付けにされます。おひげ似合うんだなぁ。その他もイケメン祭りで(男役だから)、ほんと目が忙しい。カランかっこいい。
 っていうかさールックスだけでこんだけ好みだのカッコイイだの云わせる布陣敷いておいてさーあの怒涛のカッコヨ演出だよ? そりゃ泣くわ。仕方ない。逆切れ気味ですが(笑)。
 アフタートークで面白かったのは、今回「リア王」をミュージカル仕立てにしたのは何故?という質問に、中屋敷さんが答えてらした中身がね。ざっくりとですが、リア王は脚本としてそうとう強引で、重要キャラが伏線もなく突然死んじゃったりするし、脚本として乱暴。ミュージカルは、歌が始まれば演者もお客さんも否応なく展開に引きずり込まれる、そういう強引さが乱暴。その乱暴さが通じるんじゃないかと思って…みたいなことを云ってらして、なるほどなーーと思いました。確かに確かに。お話の展開上死んでてほしいから殺す、みたいなところあるよね(笑)。ミュージカルの強引さは様式美なんだけど、そこに違和感を覚えるひとも多いわけで。スタ誕じゃないけど、目と目が合って一曲終わればもう恋人同士、みたいな強引さは面白いですよね。そこを繋げるのがまた、中屋敷さん流石です。
 …と思いつくままにだらだら垂れ流しましたが、とにかくLook on her, look, her lips, Look there, look there!のくだりのかっこ良さったらないので、是非とももう一度アレを体感したいものであります…追加…したくて震える…。あとカラン。DVDは買います。

*1:朧のオープニングとかメタマクのオープニングとか

*2:001は未見ですが