ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「オイディプス」@シアターコクーン(10/17夜)

 最初の休演日(ずいぶん続けてやってたんだね…)(あっ図らずともな休演はあったのか)を挟んで2ターン目のオイディプス、休演日明けの昨日はマチネのみだったので、翌日のソワレに行ってきました。マチソワとも「記録用のカメラ」が入っていましたが記録用にしてはセンター後方に3台、上手下手バルコニーに1台ずつ、とけっこう本格的な機材だったので、えーー記録用じゃなくてもいいんじゃないですかーー。WOWOW機材車は見かけなかったからBS辺りで…あるといいな。もちろん別日にがっつり再度収録日があってもかまいませんのですけれどね?

 今回はコクーンシートという名のお高見席でした。決して観易いお席ではないけど、視点が変わって楽しいのでわたしはコクーンシート好きです。安いし! 一回しか観られないなら正面から観たいけど、回数あるならむしろ積極的に上から覗きに行くよ! 

 そんな安席からのメモをちょこっと。

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大河ドラマ「いだてん」第39話

 オイディプスに行っていたのでリアタイ出来なかった前回のいだてん、録画で追いかけます。何やらもう、すごい反響がなるべく見ないようにしていても目に入って入って、逆に見るのが怖くなってきてしまう今回…心して挑みます!

 師匠の鼻毛をアップで拝む大河ドラマ…。あっ、ちいちゃんにバレちゃった。ということで今回は満州編ですね。わー白髪混じりの孝蔵さん、と、圓生さん! 慰問の旅にふたりで出るんですか…あっ完全に酒に釣られましたね。行くでげすね。

 ちゃぶ台囲んで、わーー長男! 長男大きくなって!! そして師匠素敵…お父ちゃん素敵よ…中年飛行兵何云ってんすか。わーいお母ちゃんは全部お見通し! そして娘ちゃんたち…よく出来た…お父ちゃん立場ないですね最高。八艘飛びならぬちゃぶ台をひらりと飛び越えて、真っ先に逃げ出すお父ちゃん。惚れ惚れする脱兎っぷり……に笑わされた次の瞬間これか。えっ孝蔵さんだけ行くの。みんなでは行かないんだ…そうなのか…そりゃ今生の別れを覚悟するよな…。

 あっという間に大連。っていうかもう戦争真っ只中の昭和20年なのね。富久だー大受けだー。えっ待って、ちいちゃんいくつなの!?どういうことなの?? 

 圓生さんは美しいなぁ…兄さんって云われる側なのがちょっと不思議だけど。あっでも実際はそんなに変わらないのか…なんだろう勝手に未來さんより年上だと思っていた。兄さんに客人が訪れた、その人は、お、おおおおお。小松くん! 出征して満州にいるのか。そうか。この二人が会うってことは、五りんのパパと会ってることになるんだ。

 オープニングまででだいぶ…いっぱいいっぱいです。今週はずっとこれですよね。クライマックスですもんね。

 えっ沖縄に配置換え…ああもうやだ。あら〜圓生さん素敵ですね色っぽいですね。そんなぁせからしかぁとか云わないでください。あっそうか走る方の専門ですからね…いやでも無理だから! 違うから! 走ってないから!! やだもう面白いんだけど…面白いんだけど感情ジェットコースター過ぎて心が忙しいよ…。

 おお、森繁久彌さん! そうなんだ満州にいらしたんだね。三ヶ月も帰れなくなってるんですね。…えっもう…沖縄戦終わってるの…もう終戦じゃん、そっか昭和20年の5月に満州来て三ヶ月いたら終戦だわ…こっからが大変なんだよね満州。知ってる。北海道も大変だったやつ…。うわぁ突然の…えっ小松くん!? あれ!? うわぁ蝉之介さん…が、とても素敵な分隊長じゃないか…。

 大連に行く、って孝蔵さんは把握してないんですか。…ああ、そうなの…そりゃそうなんだけど…圓生さんが云うのはごもっとも、なんだけど……そうなの…って、うっわ。そうなりますよね。満州で日本人が何したのか、考えたらね…。大連で終戦。そりゃそうだよ。うわぁウォッカそんなふうに飲んだら大変なことになるよ。小松くんの叫びが悲痛でたまらない。うわーん志ん生とマラソンががっつり交わってしまった…。小松くん熊本にいたら出征しないで済んだのかな…でもそれじゃりくちゃんと出会えないもんね! わぁりくちゃんと孝蔵さんが間接的にだけど繋がった…そして見ている我々には全部わかる小松くんのセリフの内容が、そうか、孝蔵さんには何のことやらさっぱりなんだね…不思議だ!!

 わーここで富久も繋がっちゃうの。すごいな。小松くんの話を聞いてる孝蔵さんの表情がたまらない。そしてずっと志ん生圓生をずっと取り違えてる小松くん…なるほど、五りんくんの絵はがきのメッセージの謎も解けるんですね今回。わーん、息子の話をする孝蔵さん…抑えに抑えてるけど愛情だだ漏れてるよ…この静かな三人の時間がずっと続けばいいのに…って思ってしまうのは絶対そうじゃない覚悟を決めているからです。

 あら、寄席はやるんですね。うっわしんどい客席だな。わー圓生さんすごい。そして芸者色っぽい。そらそうだ。あと声が良いねぇ素敵だねぇ。孝蔵さんはどうしようか。富久、……えっ。ここでそれなの。全然そういうところじゃないのにすごい一気に突然泣けてしまった…これはあれですね、見続けてきた者のご褒美ですね……だってそこがここに繋がるとは、ねぇ。よくわからないエモが溢れてしまった…すごいよクドカン…。戦後焼け野原の東京を今も走ってるんですね四三さんは。芝でやるんだ! 一方そのころ東京では、やっぱり四三さんが芝から浅草走ってたー!! りくちゃんたちも無事で良かった。

 正座してるのに身体能力が全開になってるよ……四三さんと孝蔵さんがまさかのここで重なるなんて。もうずっと泣いてる。10ヶ月見続けてきた全部がここに集約されてる。泣き笑いだよ小松くんと一緒に。何というご褒美。日本から満州。こんなの…小松くん走れ走れ。そのまま日本まで走れればいいのに。ああ、ここであの絵葉書が!! 五りんの手元にある絵ハガキが。

 ……くどかん鬼だ……もうやだ。情緒ジェットコースター過ぎて死にそうだ。この、孝蔵さんの落語が…プラトーンにおけるアダージェットのようで……こんなの……なんてものを見せるんだよくっそ。号泣だよくっそ。

 もうやめて。もういい。もういいですやめて下さいこれ以上無理です。小松くん……。

 五りんくんは師匠からこれを聞いたの。りくちゃん…みんな…。

 孝蔵さんの自殺未遂?がそんな絶望からだったとは、それがウォッカだったとは、そしてそこでそれ!?!? だから笑うじゃんそれ!?!?! 情緒おかしくなるから!?!? どうしたらいいのかわからない泣いたらいいのか笑ったらいいのか。そうだよ倅の高座聞かなくちゃ。息子くんはまた息子くんで苦労してるようで。……そうだよねぇ半年も帰ってこなかったらそういう話になってもくるよね…。えっまって日本橋の占い師って…やっぱりいいい!!! そこ外れるから生きてるよ!! わーんまーちゃんとりんちゃんがニアミスしてるーー!! 今週ほんと集約回…。

 なんで泣きながら納豆混ぜてるんですか。密航船? それで帰れるの? えっ今のは何だったんですか?? おれと?ってめっちゃ可愛いし「…ああ」ってなんで若干残念そうなんですか。さっきまで号泣してたわたしの情緒何とかしてよ!! どんだけ上下させられるんだよ!! ひどいなクドカン!! えっ偽装結婚までしてたんですか。すごいな。ああああ食べられちゃうううう。逃げて逃げてえええ。えっでもこれ逃げたら帰れない…よね…、って、あああそんなことに。すごいな2年もたったの…そしてすごい仙人のような姿に。あれっ圓生さんも帰れなかったの! でも圓生さんはこざっぱりしてますね…何か状況が違うんですね。良い外套着てらっしゃいますもんね。えっ別れ別れになってたのが引き揚げで再会したの? それともお互い離れ離れってわけではなかったけど…って感じなのだろうか。

 って!!! ここで!!!! まさかの!!! 美しい川と書いてみかわーーーー!!! あんた満州にいたんですか相変わらずお元気そうで何よりだよまったくありがとう最高だーーー!!! でかい声出るっつーの!! あっ美川くん覚えてたんだ、うわぁ小梅ちゃん清さん、懐かしいねぇずいぶん遠くに来ちゃったもんねぇ、って先週見てるのに何年も会ってないみたいな感覚にさせられるのがね、すごいなって。思いました。孝蔵さんの美川扱いも最高だ…完璧だ…ほんとあの、45分でどれだけ感情アップダウンさせられるんですかね。これ何かほら、映画を見ている時の観客の感情をグラフに表すみたいなのあるじゃないですか。あれやったらもんのすっごい乱高下でしょうね。ちょっと見てみたいもんだ。

 圓生さんはそうか偽装結婚が長引いた?んですか。そのお話も詳しく…って、ここで!!! 満を持して!!! 現在(?)の圓生師匠ご登場ですか!! 老けメイクってこれか…美しいな…そして未來さんがたけしさんになるのちょっとないわーって思ってたのに、今めちゃくちゃスムーズに移行して見えました。これ、このひと、さっきまで満州で暴れてた人だ。すごい。ちゃんとそう見えるもの。おはようございます師匠。

 わーん久しぶり! お父ちゃん帰ってきた!! 帰ってきたよ!! あっちでもこっちでも!!! 孝蔵さんの泣き笑いが呵呵と響く。こっからは上向いて、って言葉の裏に、文字通り地べた這いずり回って生き伸びた経験があることを知っていると、ね。たまんないね。

 まぁ師匠さっぱり綺麗になられて! 高座にカムバックですね! 白髪混じりも素敵だーお帰り父ちゃん!! ここで富久だよ……絶品だよ……あああ全部聞かせて下さい帰ってきた志ん生の富久〜〜!!

 ……本当にすごい回でした……噂に違わぬ、噂以上の、神回だったよ。クドカンありがとうございました。大根監督ありがとうございました。未來さん最高でしたありがとうございました!!!! 来週からはついに最終章突入…もう未來さんは語りに専念なのかな。終わりが近づくんだなぁ…。それにしてもえっ本当に今回45分? 今週特別版で2時間なかった??

2019年10月15日:ちょっと

 サボり癖がつきかけてしまっていましたが、何事もなかったようにオイディプス始めました。夏からのいろいろもそのうち埋めていきたい…ちょっともう記憶が遠くて朧だけど……。

 台風15号が甚大な被害をもたらしたばかりなのに、こんなに続けて19号が来てしまって。どちらの被害に遭われた方も、お見舞い申し上げます。って見て下さっている方の中にいらっしゃるかどうかわからないけど。一日も早く、普段の、いつもの生活が戻られますように。わたしにできるのはせいぜい、ヤフーに寄付するとかくらいなのだけど、それでもしないよりはまし…と気持ちだけでも。せめて。

 そして昨日のいだてんが神回だという話ばかり耳目に入るけどまだ観られていないのでした。こうなってくると見るのが逆に怖くなってしまう…いや見るけど…。あ、あとラグビーワールドカップ決勝トーナメント進出おめでとうございます。今回けっこうマメにテレビ観戦していて、スコットランド戦も後半から観てたけど、わたしが観始めたら途端に連続トライされてわたしの所為かな!?!って…そんなことないのは重々承知の上だけどそういうの思いませんか。観ない方がいいのかなって思いませんか。でも観ちゃったけど。そして勝ったけど!! 決勝トーナメント進出組がまぁ右も左もデスヨネーー感満載の強豪国だらけで、日本ここに混ざって大丈夫なの!?って思ってしまうのだけど、実力で勝ち取った一位通過だから大丈夫なんですよね。それだけ力つけたってことですよね。わー怖いけど楽しみー。

 本日のエントリーはこちら。

 

futurist.hatenadiary.com

  あとはちょっと…サボり過ぎたのでもういいかな……。

「オイディプス」@シアターコクーン(10/13夜、10/14昼)

 台風でどうなるかなーと心配していた日曜ソワレと、月曜マチネに行ってきました。日曜はソワレだったので電車ももう動いていたし、わりとスムーズに行けました。土曜日が中止になったのは仕方ない…。むしろ中止の決定が出るまで時間かかったな東急組、という印象でした。まだやる気なのかって思ってたよ正直…。

 日曜ソワレは今回唯一の良席だったので、できれば払い戻ししたくない…公演中止にならないでほしい…と非情に自分勝手な思いを抱いておりまして、ごくごく個人的には行けて良かったし公演あって良かった、のですが、それでもぽつぽつ空席があって、天災は人間にはどうしようもないものなのだけどやはりなるべく来ないでほしいものです…。怖いからほとんどテレビも付けない台風期間だったけど、エリアメールがばんばん来てそれだけで充分怖かったですね。こうなるとやっぱり、神に祈るくらいしかできないよなぁ、なんて、運命に翻弄されるしかない人間の哀れな姿を観ているから余計に思ってしまうのでした。が人間の技術も負けてないから……治水ほんとすごい、知識と経験則の結晶……。

 神の威光や人の小ささを奇しくも感じざるを得ない状況で観てきたオイディプス2回分のちょこっとメモを。何か、前回10日に観た時よりも、いろいろ…大きくなっていたような気がする。声とか。主にオイディプス王の。

 

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「オイディプス」@シアターコクーン(10/10夜)

 平日ソワレギリギリだよ~と渋谷を速足で闊歩して行ってきました2回目。今回は中二階席だったので、引きの全体像が良く見えました。初日もそこそこ後方だったから良く見えましたけどね! あと今回はオペラグラス持っていったので見たいところもつぶさに…まぁほぼ一点ですが…マイクそこに付いてるのかーとかね。

 初日に気になっていたものに気をつけながら観てきたのですが、なんとなーくしかまだ…わからないな…とりあえず現象は把握した。気づいたこととかをちょっとメモっておきます。

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「オイディプス」初日関連

 ゲネ写真とか出ないのかな?と昨日待っていたのですが、今日になってから出ました。リーダー、ターバンしてるけど本番ではなかった…よね?

spice.eplus.jp

natalie.mu

theatertainment.jp

engekisengen.com

jaras-web.net

www.nikkansports.com

www.sanspo.com

hochi.news

「オイディプス」@シアターコクーン初日!(10/7夜)

 前情報がほぼなくて、act guideのインタビューくらいしか手がかりがなく、どうやら近未来っぽい??とか神官ではなく『民衆のリーダー』とか、そのくらいのふんわりさで迎えた初日公演を観てきました。当日夕方にはゲネ写真とか出るかな~とうっすら待っていたけどそれも出ず(一夜明けて今日出ました)。でも、まっさらで観て良かったと思いました、何となくだけど。美術、無機質でかっこよかったなぁ!

 今回、ソワレの開演時間が18時30分で、上演時間2時間ないのにずいぶん早いな~平日けっこう厳しいんだけどな??と思っていたら、子役のお嬢さん方がいらっしゃったので、ああそれでか…と納得しました。ラストシーンまでちゃんと必要だからね…21時までに終わらないといけないよね…わかったおとなががんばる。ちっちゃい子たちふたりとも可愛かった…。あ、パンフは1800円でビニール袋を付けてくれます。

 ストーリーに大きな改変はなかった…と思う*1けど、美術とか衣装が違うだけでずいぶんと印象というか、イメージが変わりますね。オイディプス王はスーツにネクタイで、王というか施政者という雰囲気だし、イオカステもシックなドレスにピンヒール、王宮はコンクリートとガラス?アクリル?で堅牢、城を守る兵士たちはSATみたいな防弾チョッキで武装していて、王宮は分厚いコンクリートの防護壁で外界から遮断されている、という。王宮の外、テーバイの街は疫病に汚染されていて酷い有様とのことで、城門(?)を開くと警告サイレンが鳴るとか、外から来る者は防護服着用で入ってくる時に消毒?除染?を受けるとか、イメージがなかなかね。そう来るか。「穢れ」を「汚染」に読み替えるというかそう読むの、面白いです。個人的には、ごりごりにギリシャ感たっぷりな感じより、アレンジが効いている方が好みです。あっでも、王とかえらいひと(…)が市民に向かって語りかけるのが、配信的な中継なのはうんまぁ…いや面白かったけど、その背景が金屏風なのはちょっと笑ってしまった。面白い。何かちょっとおめでたい。

 セットが上下になるのとかもカッコ良かったし、上段が締められた所に浮かび上がる桜の木が咲いているのと枯れている?のとか、ちゃんと状況とか何かと関連しているんだろうな、と思うので次回以降探りたいところです。

 で、未來さんのリーダーなんですが、リーダーだけどめちゃくちゃ神官で、そっかー市民のリーダーになっちゃうのかーとちょっと残念気味に思っていたわたくし大歓喜でした!! うーんやっぱり神性纏った未來さんは最高なんだよー!! アレを手にした瞬間うっわ来た来た…!!ってなってしまった…静かに沸いた……。また祝詞のような詠唱が素敵で…ずっと耳に残るリフレイン…上手側の神殿の奥は角度的に見えなかったのだけど、席によっては覗けたりするんでしょうか。あと下手側の扉の外も…見えないものなのかな。見えなくてもいいや。スーパーボーナスタイムが2回来るので、これから観られる方…是非目をかっぽじってご覧下さい。オイディプスだけに(こら)。

 ひげに編み上げブーツに裾がひらりと風を孕む薄い上着を羽織って、動くたび歩くたび振り返るたび梯子を上るたび素敵でした。ほぼ出ずっぱりで舞台上にいらっしゃるのでありがたい…。コロスの皆さんも、前に観たギリシャ悲劇のコロスより、ひとりひとりに個性や背景が感じられて、より「役」に近い、キャラクター性のある群衆だったなぁ。前に観たのはとても「有象無象」て感じで、抽象的な民衆の声とか心の凝固したもの、みたいな印象だった…それはそれで面白かったけど。

 コテコテの悲劇(?)が、めちゃくちゃドライでスタイリッシュでクールな世界観の中で繰り広げられるギャップのようなものが面白い風味を出していたように感じます。現代的なんだけど中身はコテコテ…わりと表現もコテコテな感じで、オイディプス王は歌舞伎を思わせるような表現もあったりして。でも、演出が海外の方なのを思い出して、もしかしたら現代日本を海外から見るとこういう感じなのかもしれないなーとも思ったり。王が公式にコメント発表する時に打掛みたいなのを羽織ったりするのとか、スーツ着てコンクリートの街でビルが乱立していてネット社会だけど、皇族の儀式では十二単とか烏帽子とか付けるし結婚式は白無垢着たりするような…わりとそれをそういうものだと日常として受け入れているところとか、外から見たら面白いんじゃないかなーと。普通に街中で和服の人も見かけるし。…っていうのを、改めて舞台にあげて見せられると、その内側にいるはずなのに「おもしろーい」ってなる感覚、も面白いな。

 悲劇が悲劇極まりなくて、どう受け取ればいいのかちょっとまだよくわからないのですが、両目を潰し扉の外へ自ら出ていくオイディプスの、扉の向こうが清浄に見えたのは、あれはある種の赦しなのだろうか、とか。盲目故にそう感じるのだろうか、とか。ああでも、神のお告げでは、犯人を追放すればテーバイの穢れは払われるのだっけ。王自らが血に染まった衣を脱ぎ捨て、荒野へ踏み出すことによって、世界の穢れは払われ、それで王も赦しが得られる、みたいな印象を、初回では抱きました。が今後また変わるかもしれない。わからない。

 改めて、古代ギリシャに於ける「神」ってどういう存在なんだろう、と、絶対的に所謂キリスト教的な「神」とは違うのがね、面白いなぁと思います。今回の「神」はなかなか、神道というか、日本古来の神のイメージが強くて、でも日本の神様って所謂宗教的な、救いをもたらすとか、民衆を導くとかっていう存在というよりは、人間世界とは別のレイヤーに存在する人知を超えた何か、みたいな、人間にはよくわからない力を持つ存在だから祀っておこう、みたいな、畏怖と厄介が混在しているような、そんな存在に感じるので、そういう観点でもしかしたらギリシャの神と近しいところがあるのかな、なんて思いました。

 オイディプスに科せられる悲劇が不条理で特に理由がなくて、ただそういう運命です、って云われるだけなのがね、古代ギリシャに於ける運命論というものもよくわからないなぁ。でも、人間の身に降りかかる悲劇なんて大抵不条理で因果関係もなかったりして、そういうものをそういうものとして受け入れる為の「運命」という言葉、概念なのだろうとも思うので、理由や因果関係のはっきりしている悲劇なんてきっとものすごく少数だと思うので、うん…不条理で意味が分からないけどそこがリアルなのかもしれない…。

 ギリシャ悲劇の楽しみ方(?)はこれから学べるといいな! 面白みを見つけられるといいな!!

*1:あらすじ程度しか知らないけど