ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「オイディプス」@シアターコクーン(10/17夜)

 最初の休演日(ずいぶん続けてやってたんだね…)(あっ図らずともな休演はあったのか)を挟んで2ターン目のオイディプス、休演日明けの昨日はマチネのみだったので、翌日のソワレに行ってきました。マチソワとも「記録用のカメラ」が入っていましたが記録用にしてはセンター後方に3台、上手下手バルコニーに1台ずつ、とけっこう本格的な機材だったので、えーー記録用じゃなくてもいいんじゃないですかーー。WOWOW機材車は見かけなかったからBS辺りで…あるといいな。もちろん別日にがっつり再度収録日があってもかまいませんのですけれどね?

 今回はコクーンシートという名のお高見席でした。決して観易いお席ではないけど、視点が変わって楽しいのでわたしはコクーンシート好きです。安いし! 一回しか観られないなら正面から観たいけど、回数あるならむしろ積極的に上から覗きに行くよ! 

 そんな安席からのメモをちょこっと。

 

  • 下手側天井席でした。なので、下手の壁際は死角になった。けどお祈りとかはばっちりだったので良かった!
  • 上手天井からも観てみたいんだけどお祈りが見えないかな…それは哀しいな…座席どうだったかな…。
  • 休演日明けて、ちょこっと変わった、ような気もするけどはっきり云えるほど覚えてもいないから何とも。コロスがユニゾンで云うパートとか前からあったっけ? あったかもな?? しかも何て云ったかは覚えてないしな??
  • 監視カメラ画面をじっくり見てきましたが、屋上に着陸するヘリはツインローター機でした。使者ひとり連れてくるのにずいぶん大型だな!! しかも美月ちゃんパイロット仕様で出てくるからひとりで来たっぽいよな!! えっ燃費……*1
  • 上から観てると、神の視点から見下ろしている感があって、地上で有象無象が蠢いている感がすごく面白かった…「あの神」はこんな風にオイディプス始め人間たちを見下ろしているのだな…。
  • フォーメーションの直線/円の感じとかもよくわかって、すごく美しかった。円陣の中心で踊る未來さんはまじ神がかってた…神官っていうか巫子…。
  • スーツは胡散臭いの極みだけど。その為のスーツだから正解です!
  • オイディプスにコロスたちの呪いの手が忍び寄る時に、一番後ろの未來さんが操ってる感がすごくて(踏むし)、あなた黒幕なの…てなった。いやそうじゃないけど、リーダーが黒幕じゃないけど、あのシーンではリーダーじゃないし。神の呪いを体現している存在の指揮系統っぽかった。
  • でも、リーダーって云うけどやっぱり神と人の間に橋を架けるというか、神側と人側の間に立つというか、そういう存在っぽく感じるのですよね。神側から何かを持ってくるわけではないかもしれない(それは預言者が担ってる)けど、人を神側に連れて行く存在…。
  • で、そのリーダーだけ梯子の上に居てオイディプスたちを観ているシーンが2回くらいある、のが何でだろうと思っていたのだけど、上から観た時の「神の視点」感がすごかったので、もしかしたらリーダーもそういう、有象無象とはちょっと離れた、神の視点寄りで見ている人なのかな…と思ったりしました。ちょうど、梯子の途中まで登った未來さんと同じくらいの高さになるんだよね、天井席。
  • 高さのことを考えると、オイディプスとイオカステの寝室が2階にあるのは、市井の民とは隔絶されている感だよな。
  • 施政者が市民に呼びかける時も、高いところからってわけではないんだよね、配信の画面が高いだけで。でもリーダーはひとり高い場所に登る。
  • オイディプスへの決定的な真実を携えた使者も高み(上空、ヘリ、屋上)からやってくる。
  • …けど羊飼いは歩いてくるし弱いな。まぁいいや。
  • 冒頭のリーダーの言葉、唯一、我々に災いをもたらした『あの神』だけが、災いを払うことができる、ていうの、気になるというか引っかかるというか掘りたいというかでも特に当てもない…何だろう。あの神、って云い方も気になる。
  • ライオスやクレオンが神託を求めに行ったデルポイの神殿に祀られているのはアポロンなんですね。なので『あの神』は太陽神アポロン。上手から差す光はアポロンの光なのか…。
  • 光に原子力的なイメージを(諸々合わせて)見ることもできると思ってはいたのですが、アポロンだと余計にそっちのイメージと重ねやすくなるな…豊かな恵みも厄災ももたらす、人の力では制御不能の存在。
  • 面白いなーと思うのは、オイディプスが父親殺しの犯人であるという神託の成就を願う市民たちが、その神託が真実にならないと、殺人者を追放すれば厄災は晴れるという神託も成就しなくなる、みたいな理由でオイディプスを殺人者たれと願う、みたいな描写がね。汚い手で権力を掴んだ者の治世が良いわけがない、みたいなことも云ってるけど、何だか「神託の成就」を確立させるためにオイディプスは破滅してね、って云ってるみたいで…面白いな?と感じるんです。オイディプスの支配が悪いからって方が先には聞こえないんだ。
  • そう云うとイオカステも、神託の成就そのものより、神託が成就していたことに気づくことの方を恐れているように見えるのも面白いなぁ。コリントスからの使者の言葉でイオカステはすべてを悟って命を絶つけど、途中から使者の告げる内容を聞かないで、彼女もオイディプスも真相を知らずにいれば、彼女は今まで通りいられたんじゃないかな(うすうす感づいていたとしても)、と思うので。
  • 何つーか彼女とってもしたたかだな……と感じる。
  • 開いていても見えない/見ない目、盲いて尚先を見通す目。オイディプスは自らの目を潰して盲になったけど、その手に杖を持たせるのがテイレシアスなのも面白い…。
  • あっ今回の姉妹ちゃんは髪下ろしてる方(って見分けがあってるのかどうかわからないけどとりあえず前回お下げしてなかった子たち)でした。可愛い。
  • 姉妹、お別れのシーンでせりふが増えてた。「離れ離れはいや!」とか「一緒にいたい!」とか。芝居も熱上がってきたね!って感じでした。一番の泣かせどころだもんね…!
  • わたし自身は今のところ落涙に至る場面は特にないのですが(冷酷)、けっこう啜り泣きも聞こえるので、やはり親子の情を引き離す系は強いんだな…と冷淡な感想を持ちます。
  • カテコまたアンティゴネーちゃんが可愛かったんだけど、彼女おてて振ってるわけじゃなくてもおてて振ってるみたいに見えるおてての形をしているんだな…キューピーちゃんみたいなおててでハケていくの可愛い…。

*1:そういうところ気にしないの