「SONAR」@赤レンガ倉庫1号館3階ホール(9/26)
2日目行ってきました。インプロの要素は多いけど、ポジショニングとかは偶発的に見えて実は結構カッチリしてるんじゃないかなー*1、だから回によって大きく変わったりはあんまりしないんじゃないかなー、とか思いながら挑んだ2回目でしたが、これがまた初回とカーなーり印象が変わって、より一層、すっごく楽しかったです。…っていうのは、初回はどうしても観る側も身構えてしまったり緊張していたりでなかなか取りこぼしも多いから、こちらが慣れた、とは云いたくないけど一回呑み込んだ、から、少し余裕ができた、という部分もあると思います。それでも何だかいろんな音が昨日よりたくさん、もしくは分厚く、聞こえたし、演出そのものも変わっていたりして、わくわくしっぱなしの60分でした。たーのしかったー!!
初日は何となくハッピーエンド、なんて思ったラスト、今回は別にバッドエンドというわけでは全くないんだけど(笑)、「ハッピーエンド!」っていう質感ではない、輪廻を経ての再びの邂逅、みたいな、とても遠い距離とか時間とかを超えた果てで重なるふたつの存在、みたいな、もうちょっとこう…遠かったね、って感じが…して…良かったです…*2。対角線上をぐるぐる、距離を隔てて移動しながら探し合い求め合っていたふたつが、近づいたりまた離れたり、離れた場所で共鳴し合ったり、すれちがったりぶつかったり、時に密に接することもできたり、でもまた見失ったり、を経て、対角線上から真っ直ぐ最短距離で近づいて、触れ合う距離に相手を見出す。冒頭と同じハミング*3を、額を付けて音を寄り添わせるように響かせるふたりを、初日とはまた違った感慨?を持って眺められた気がする。60分だけど、時間的にも空間的にも膨大な距離を渡ったような感覚になる、旅をした気分になる。とても素敵で豊かな気持ちになれる。
あと、初日より「海」を色濃く感じた、んだけど、確かに初日も波の音とか水中みたいな音とかはちゃんと聞こえていて、でも印象があんまり残っていなくて、今日はちゃんと残ってる。海底を泳ぐような、重たい水をかき回すような動きとか。遠く離れた海底で、見えない相手の挙動が起こす水の動きが広がる、その微かな端っこを感じ取るような。そんな深海のイメージでした。
初日と違った点とか、衣装メモとか、気づいたこととかをちょこっと。
- 未來さんの衣装は黒のナイロンパーカ(かぶり)(片方の脇腹の辺りから臙脂のリボン?がちょっと長く垂れてる)、黒のランパンに黒のレギンス、青のスニーカー、途中でパーカを脱ぐと褪せたような茶色の半袖前ボタンシャツ。すべて銀の箔加工がランダムにしてあってキラッとする。ヨンさんは深いブルーのナイロンパーカにランパンレギンス、金色のスニーカー、パーカを脱ぐとブルーのカットソー? Tシャツ? ちょっと曖昧(笑)。金色の箔加工が施されていたような気がするけど箔の色もちょっと曖昧…。
- そういえば初日スチール撮影していたのがM氏*4だったような気がするんだけどどうだろう。今思い出した。
- 冒頭の、同じ音程を重ねて少しだけずらす、のが、初日よりピッチを合わせて終わり気味だったような。初日はきっちりずらして終わる、って感じだったのが、わりと重ねて終わることもあったり、くらいになってた。
- 今日は差音が聞こえた気がする。徐々に生声に重なる、スピーカーから発される方はびんびん鳴ってた。
- 周囲を走ってたまにぶつかったり避けたりいなしたり組み合ったり、は、波長というか波形というか、広がる波紋がぶつかり合って干渉しあったりひとつになったりするようなイメージを持った。あとオシロスコープの波そのものとか。
- 立ち止まり、じわりと蠢いたり、床に倒れ込んで目を閉じたり、蠢きながら光の「道」から外れて中へ入り込んで来たり。
- 雑踏というか林立する遮蔽物というか、の中に分け入って声を掛け合いながら互いを探すの、ちゃんと対面できた。けど、お互い見えてない感じだったような。巡り合えてない…。
- ヨンさんがけっこう話しかける感じで、見てるだけでドキドキしてしまった(笑)。
- 3回くらい蹴られそうになったり、カーブで外輪差(?)に巻き込まれそうになったり。
- 鼻~口を覆った両手をくっつけて互いに息を吹き込みあうの、レクッカラっていうアイヌに伝わる喉歌遊びなんですね。動画ずっと見てしまう…。
"Rekuhkara" Ainu Throat Singing アイヌのレクㇷカラ(喉遊び歌)in 2012
- あと山川冬樹さんのこのツイートを思い出した。
「呪い」というと暗くておどろおどろしい印象にひっぱれがちですが、それ込みでやはり声って呪いだな、と思うわけです。これは恋人同士で試してみてほしいのですが、2人で口と口を合わせ、1人が「あーーー」と発声しながら、もう1人が喋る時の要領で口を動かすと3人目の声が生まれます。
— 山川冬樹 ཡ༌མ༌ཁ༌ཝ༌ནུ༌ཡུ༌ཁི༌ (@yamakawafuyuki) 2018年8月11日
- そういえば未來さんムックリ鳴らしたりもしてたよね談スの時だっけ。
- レクッカラのふたり、右心室と左心室みたいにも見えたり。あんな長い時間やっていて酸欠とかにならないのかな…。他人の呼吸とか心臓音とかにすぐ影響されるので、見ているだけなのにまぁ苦しいったらない(笑)。
- でも聴いてるうちに何か聞き覚えある音のような気がしてくる…のは完全に気のせいだけど。きっと根源的なプリミティブな部分で呼応するんだきっと…。
- エコーロケーション、初日は照明は明るくて、ふたりだけが目を閉じてクリック音で周囲を探りながら動いていたけど、今日は照明も落ちて暗い中でクリック音だけ響いて、近づいてきたらわかるから避けられるし音や気配はすごくあるからぶつかったりはしないんだけど、さらにアクティブソナー感が増していた。そのうちだんだん明るくなって、ふたりは目を閉じていた。
- あれどのくらい見えて…聞こえて? 感じて?るのかな…エコーロケーションできる人もいるし訓練すれば習得は不可能ではないっぽいけど…。