ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

瀬戸内旅行2017秋

 鳥髑髏千秋楽翌日、心にぽっかりと空いた穴を抱えながら、「この穴は島に行かないとふさがらない…」「この傷を癒すには島に行くしかない…」とため息を吐いていた髑髏党の女ふたりは、それから約ひと月後、島に降り立ったのだった…。

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 というわけで10月の3連休、鳥ロスを癒す為に島々に見つめられに行ってきました! 鳥と島って漢字も似てるねそういえば。今回は観劇も何も絡めずの純粋な観光旅行です…遠征じゃない旅行っていつぶりだろう…正月と夏の清里とか以外だとほんといつぶりだかわからないくらいのただの旅だ…。

 島に行くと分単位のタイムスケジュールを組んで大体タイムトライアルみたいな駆け抜け旅になるのだけど、今回は3日間だし舞台もないし、わりとのんびり、融通の利くスケジュールで行ってきました。といっても、瀬戸芸期間中とは船の本数も島内のバスの本数も全然違うので、そこは気を引き締めて。これを逃したら高松に戻れない、とかはちゃんと気を付けないとです。そこは島なので。ちょうど1年程前、VESSEL犬島前くらいに高松に引っ越したお友達が現地ガイド&おうちに泊めてくれたので、いろいろと…本当にいろいろとお世話になりました。行ってもすーぐ船乗っちゃって高松市内を全然見たことがなかったのだけど、おかげさまで今回はちょこっと高松も観られたし、香川グルメも堪能できたし、地元スーパーでお惣菜買っておうちでご飯なんて楽しいこともできて心強いったらない。また引っ越しちゃう前に行きたい。またお世話になりたい。

 3日間の記録を残しておきたく。長くなるので畳みます。

 

 1日目

 午前中に高松着の飛行機で行ったのだけど、7:30発くらいだったのね。なので6:30くらいには羽田に着こうとしたら5:00くらいに出なきゃなのね。起床時間3:30ね。暗いね。夜は早く寝たけどつらいね。電車とか飛行機で寝ようとしたけどあんまり寝られないのね…どきどきしちゃうからね…。

 せっかくがんばって早起きしたのに滑走路混雑で順番待ちとかで20分以上遅れて、高松ついてからもゆっくりのんびりなリムジンバスにちょっとヒヤヒヤしたり、どうしてもそういう旅になるもんなんですね島行きは。そういうドキドキはいらないんだよーときめく方のドキドキが欲しいんだよー。

 無事高松駅で合流した今回の基本パーティは髑髏党の女その1・N嬢と在高松1年目Y嬢、髑髏党の女その2のわたし、という布陣。ここにオプションメンバーH氏*1がたまに加わります。高松港で挨拶もそこそこにさっそくH氏に荷物を預かって頂いて、早速さっさと乗船! まずは直島へ渡ります。

 今回の直島は、前もってのweb予約が必要なきんざをメインに、家プロジェクトを制覇するコース。逆に地中美術館などのベネッセ方面は今回は飛ばします。なので黄色いカボチャには会えなかったよー。お天気は曇り予報だったけど時折小雨がぱらつく感じでした。ただいまの家浦港からそのままバスに乗り込んで本村方面へ、ラウンジ&アーカイブで家プロジェクト共通チケットと予約していたきんざのチケットを買い、まずは南寺へ。ジェームズ・タレルはどれかひとつは観たい、地中美術館に行かないなら南寺だ、という。瀬戸芸期間中はなかなか難易度が高かったけど、ただの連休だとすんなり30分後くらいの整理券で入れました。待ってる間に角屋のデジタルカウンターを眺めてきたよ。水面ってだけでどうしてこう…何か良い…ってなるんだろうか。わたしだけだろうか。

 適度にのんびり観て、そろそろ、と南寺へ戻り、説明を受けながら待って、そして中へ。あの、漆黒の闇を手探りで進むの、楽しくて怖くて楽しいんだ。2回目なので、中で起こることはわかっているんだけど、それでもわくわくするのは好きだからだなー。今回はわりと早かったです、っていうか入った時点からわりと…わかった(笑)。知ってるとそういうものなのかな。それでもとても楽しいので、うん、やっぱり好きだ。あと待ってる間にY嬢の足に止まった謎のダイナミックなサイズ感の黄緑色の虫がなかなかインパクト大だった。あれ何だったんだろう…怖くて調べられないけど(笑)。半円形のバッタみたいなの。

 南寺から出て外の眩しさに目を細めながら、でも小雨なんだけどね(笑)、お腹がすいたのでお昼にすることに。あいすなお、というカフェで身体に優しそうなランチセットを。呉汁というものを初めて食べたけどなんだかおもしろかった…味噌汁に大豆をすりおろしたものが入っているそうで、ちょっとこっくりしたでもなめらかな舌触りでおいしかったです。あととっても腹持ち良さそうだった。

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 満腹になって、はいしゃに向かいます。はいしゃ初めて行ったけどキッチュで面白かった! 建物自体も可愛いんだけど、もりもり装飾取り付けられてたり塗られたり敷き詰められたりで日本家屋も様変わりしていて…真っ黒い部屋のくぼみにはまるのが楽しかった(笑)。

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 次は石橋。千住博の「ザ・フォールズ」「空の庭」が展示されている、母屋とお庭と蔵の展示です。蔵の「ザ・フォールズ」美しかった…細ーく開けた高窓から差し込む光だけで観る静かな滝、とてもよかった…。外はそれなりに観光客も多いし、わさわさした感じなのに、一歩建物の中に入ると空気が変わるように静かになるの、石橋に限ったことではないけど、蔵は特にそれを感じた。窓が高くて小さいからね。

 碁会所も行きました。見るだけ、なんだけど何か好きなんだよね…双子感がね…(笑)。リアルとフェイク、という対比も好きです。建物本当に可愛い…ほしい…。速水御舟の「名樹散椿」という有名な屏風絵から着想を得たアートで、お庭のあるポイントから見るとその屏風絵と同じ景色が見られる(けどこっちはフェイク)、という解説を聞いてふむふむ…となりました。ほんと楽しい。絵を見て改めてふむふむ…ってなるのも楽しい(絵は知らなかったです)。

 きんざはひとりずつ15分間ごとの入れ替え制で、事前にwebからの予約が必要です。予約の時間が近づいたので、ひとりずつ向かい、他2名は本村ラウンジで待機。わたしはトップバッターだったので、いったい何が見られるのやらとドキドキしながら向かったのですが、まず入り口が難解。ん? ここ? 誰もいないけど?? でもプレートがあるからここだよね??とうろうろしていたら、案内の方が出てきて中の待合ベンチへ通されました。手荷物はその、お庭のベンチの籠に入れて、ベンチに座って渡された注意事項の紙に目を遠し、少しの間お庭を眺める。どうやらわたしの前の人は時間前に出られていたようで、わりとすぐに建物の入口に案内され、そこで改めて中の様子?と注意事項などの説明を受けます。この説明の時点であっそうなの!?というネタバレ…のようなもの…を聞いてしまうのだけど、まぁそれがなかったらなかったで???で終わってしまうような気もするので、そういうものかな…聞かないで入ってみたかった、気もする(笑)。

 中での出来事(?)は書かないでおきます。とても静かで豊かである意味贅沢な時間を過ごしました。この為の完全予約制、おひとり様限りシステム、なんだな…外の音が、ちゃんといろいろ、通り過ぎる車の音とか人の声とか、聞こえるんだけど、とても遠いような、わたしと建物の周りを包んで響いているような、でも内部は絶対的な静謐に守られているような、不思議な隔絶感と、異世界にいながらふつうの、さっきまできゃっきゃしながら歩いていた外界の路地と完全に地続きで在るような、不思議な場所でした。いつかまた、もう一回、わかった上で体験してみたい。

 入れ替わりで3人終わって、本村ラウンジで合流してから、護王神社へ向かう…前に、町役場の後ろに去年できた直島ホールを覗いてみることに。特に何もやっていなかったけど、まぁ素敵な建物とホールで…まだ新しい木の匂いがして…とても良かったです。あれ集会所だったりするんでしょーすごく良いなぁ。ホールも素敵だったのでここで何かやってくださいって思いました(笑)。あとお手洗いも綺麗だったから覚えておこう。

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 途中でソフトクリームを食べたりしつつ、護王神社への山道を登り(アイス食べながら登る道じゃなかった)、やぶ蚊と戦いながらまず参拝。溶けかけた氷のような滑らかな硝子の階が、西日を受けて美しい。でもここ護王神社の神髄は地上に出ている部分ではないのである…! ちょっとした行列になっていたけど大して時間はかからない列に並んで、やぶ蚊と戦いながら*2順番を待ち、懐中電灯を手渡されていざ。

 地上にある本殿部分と、硝子の階段でつながっている地下部分を、地下から見学することができます。山の中腹部分から細ーいトンネルを縦に並んで懐中電灯で足元を照らしながら奥へ進むと、その奥に、地上から続く硝子の階段があるのです。…まぁそれだけっちゃそれだけなんだけど、でも楽しいよ。前日雨が降っていたせいか、階段の下に水が溜まっていてそれも作品なのか雨水なのかわからなかったり。あと帰り道のトンネルで先を行く人物の写真を撮ると、ものすごい逆光でシルエット状に真っ黒く写るので、髑髏城の七人シルエットごっこができます。これから世界を救う旅に出る勇者の後姿ごっこもできます。完全に間違った楽しみ方です。ほどほどにしましょう。

 懐中電灯を返却して、これで家プロジェクト制覇、バスで宮浦港へ戻り早速お土産を買いこむタイム。また塩キャラメルを大量輸入してきました(笑)。いっぱい買っても配ってるとすぐなくなっちゃうんだよね塩キャラメル…大体、もっと買えばよかったってなるんだ…。

 帰りのフェリーでは塩アイスの人とビールの人でお疲れ様でした。

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 高松に戻って、ここからさらに夕食です。香川名物のひとつ、骨付鶏のお店に連れて行ってもらう道すがら、お土産屋さんやら地元の有名お菓子屋さんやらにちょくちょくひっかかる我々…重さを増していく手荷物……オリーブとかレモンとか瓶ものが豊富でさ……。過去2回とも、島ばっかりで高松側は港周辺を歩くだけだったので、初めて高松市の繁華街の方に行きました。アーケードすごいねー何かわくわくしてしまう(笑)。ルーヴというお菓子屋さん、高松空港からのリムジンの窓からいつも工場?本店?が見えて気になっていたのだけど、お店に寄れました。ここの檸檬クッキーなんかは他の場所(島とか)のお土産売り場にもあって、地元で有名なお店のようでした。和三盆ロールがとても…おいしそうだった…。

 で、夕食の骨付鶏です。フェリーでアイス食べちゃったけど、それからけっこう歩いたのでお腹もそこそこがんばれる感じに(笑)。一鶴という、けっこう行列ができているお店です。H氏が先に並んでいてくれたのですぐに入店できたけど、列が長くてもお店大きくて回転が速いから見た目ほど待たない感じっぽかった。それにしてもH氏には本当にお世話になり過ぎな旅だった…。

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 骨付鶏、初めて食べたけどとても美味しかったのととてもとても罪深かった…!! 親鶏と雛鶏とが選べるのも、っていうかそもそも違うものなのも知らなかったし食べ比べたら全然違ってて美味しかった…!! 親鶏の噛み応えある、ぎゅっと締まってて噛むと旨みが染み出すような歯ごたえ、ちょっとしょっぱめの味付け、思い出すとよだれが出る…やみつきになるのとてもわかる…。雛鶏はやわらかくてそっちはそっちでまた美味しかったけど、親鶏のあの独特の美味しさは他にはないなぁ~。とても美味しかったです。そしてお皿に染み出している鶏の脂に、付け合せのキャベツや別オーダーのおにぎりを付けてというか浸して食べる、というまたいかにも罪深いオプションがね…これがまためちゃくちゃ美味しいんだね…もういかにも罪悪の塊なんだけどねぇ…常食しちゃいけないやつだけど滅多にないから食べちゃえ。罪深いものは美味しい。

 お腹いっぱいになって、タクシーでびゅーんと帰って、Y嬢宅にお泊りさせて頂きました。機能的で素敵なおうちだった…さすがに3時半起きなので死にそうに眠かった…。

 

2日目

 2日目は豊島の日! 最近高松にお店ができたそうな生食パン*3を朝食に頂いて、これも憧れ(笑)のひとつ、ことでんに乗って出発です。いつも高松築港の駅だけ眺めてたからさ!

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 改札でパチンと鋏を入れてもらう切符に感動して、2両編成の可愛い電車に揺られて高松築港駅まで。高松築港駅のホームからは、旧高松城跡でもある玉藻公園のお堀が見えて、お堀で泳ぐ魚もよく見えるのですが、この玉藻公園は海に面しているのでお堀の水も海水で、泳いでいる魚は鯉ではなくて鯛やスズキだという…(笑)。確かに魚影が鯛っぽかった。お堀の説明の看板がこんななのですが、お堀とは…?ってなる…イカ…。

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 高松築港駅ホームには小さなビアスタンドもあります。朝だからやってなかったけどちょっと良いね。黒板に描かれたことちゃん可愛い。

 高松港から高速艇に乗って1時間弱、豊島の家浦港に着きます。ちょっと早めの臨時便に乗れたんだっけかな。家浦港のお土産売り場がまた、魅惑のレモンオリーブ推しで…わたしのお財布がばがばよ……豊島でとれた生檸檬なんてものも売っていて、国産レモンがこのお値段なんて!!ってなってしまった。あと豊島の缶バッヂガチャガチャがあって可愛かったので回してしまいました。いちごが出たよ。

 なんてことをしていたらバスが来て(臨時の2台目が出た)、まずは唐櫃港まで行きます。ここからてくてくとのどかな漁村を眺めつつ、猫さんの日向ぼっこにカメラを向けたりしつつ、途中のバスケットゴールがたくさんある公園ではしゃぐ人たちを眺めたりしつつ、向かう先はボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」です。…が、手前の海岸があまりの綺麗すぎてお天気良くて気持ち良すぎて、手前でずいぶん遊んでしまった(笑)。

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 心臓音のアーカイブは前回の犬島の時に来て、心臓音の登録もしてきたのですが、その時のわたしたちは2万台前半の登録ナンバーだったんだけど、今回行ったら最新が5万台で、しかも行った時が登録8人待ちとかで、すごい増えてた(笑)。豊島以外でも収集されているようなので、どんどん増えるんだろうな。海岸でずいぶん遊んでから館内へ入り、まずはハートルームへ。ほんとにね、ひとの心臓音って様々で面白くて、あとあの真っ暗で細長い空間でひそやかに明滅する電球ひとつがね、好き過ぎる。ひとしきり聞いてから、リスニングルームで登録した自分の心臓音を探してみたり、友達のを聴いてみたりして、番号を控え、それを受付でお願いすると、ハートルームで聴かせてもらえるので、聴いてきました。相変わらず…残念そしてせわしない可哀想な心筋ちょっとしかなさそーうなわたしの心臓音さんでした(笑)。

 人間の死は2回訪れる、ひとつは肉体が滅びる時、もうひとつは完全に忘れ去られる時、ひとつめから逃れることはできないけれど、ふたつめの死は、ここに残すことによって永久に訪れることはなくなる、みたいな解説、前回も聞いたかなぁ。あんまり覚えてなくて改めてああ…って思った。し、わたし自身は全然忘れ去られてほしい方(笑)なので、残しちゃったから自分の痕跡残っちゃうんだなぁ、なんて一瞬、ぼんやり思ったのでした。でもCDの箱が欲しかったんだものいいんだ*4

 時間に制約がなければ、あとハートルームにベンチ的なものがあれば、ほんと小一時間いられるのだけど、そうもいかないので、ドックンドックンを堪能してから外に出る。ここでポストカードを追加購入するつもりだったんだけど、忘れたのが痛恨だった…その後豊島美術館で買えたからよかったんだけど。また砂浜でちょっと遊んで、唐櫃港までてくてく戻り、バスに乗ってお昼に向かいます。

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 2日目のお昼は予約しておいた島キッチンへ。瀬戸芸期間中はまぁ無理だろうと諦めていたから行けて嬉しい~。お昼のセットをいただきました。魚美味しかった~あといちじくのソーダも美味しかった! ちょっとしたハプニング(笑)*5もあったり、カメムシと飛ぶ大きめな虫に挟まれて多少の緊張感もあったけど、それもこれも島ならではよね…カメムシじっとしてくれててよかった…。

 夏日で暑かったけど島キッチンで一休みして、お腹もいっぱいになって、次は徒歩で近くの檸檬ホテルへ行ってみる。魅惑的な名前じゃないですか檸檬ホテル。看板のロゴも可愛い檸檬ホテル。

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 しかしここがなかなか…可愛いだけでは済まないクセモノであった…(笑)。ふたり一組で回る展示だけど、是非体験してみて下さい。わたしすんごいがんばった…!! がんばった後のレスカはとても美味しかったです。あと泊まってみたい気もする。なかなかこれも大変そうだけど(笑)。*6

 檸檬ホテルでいろいろ使い果たした感じになったけど、これから豊島美術館です。時間予約しておいているので、下り坂を徒歩でてくてく向かうと、例の坂道が…バスがいないと人も少なくて絶景独占できてしまうのですね!! あと瀬戸芸期間じゃないとそういうものなのかな。すごかったーこれだよこれこれ! 今まで2回とも薄曇りだったから、良く晴れた坂道は初めてでした。美しかった…時間が許せば座り込んで眺めていたい風景だった…。

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 予約の時間まで坂で景色を堪能して、美術館へ入ります。ちょっと混んでるっぽいかな?という感じだったので、先にショップを覗いたりして。ここで心臓音のアーカイブのポストカードが買えて良かった…あと前にも買った豊島のレモンマーマレードがとても美味しかったのでもう一度買いました。うれしい。

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 それからてくてくと細い道をたどって、途中の絶景ポイントでまたふわーっとなって(笑)、から美術館へ。そんなに混んでなくて、あと良く晴れていて、風がさやさやしてとても気持ち良かった…丸く開いた天井? 窓?から青い空が見えて、それが水玉に映って本当に綺麗だった…小さな水玉が世界のすべてを内包していた…。晴れていると、大きな水たまりもあんまり大きくないんだなぁ。雨の後にしか行ったことがなかったのでそんなことも新鮮でした。あと何か虫が豊富だった(笑)。

 1時間くらい、座ったり寝そべったりごろごろしたり移動したりしながら水玉が転がって流れになって合流していくのを眺めて、本当はまだまだいくらでもごろごろできてしまうのだけどそうも行かず(笑)、そろそろ、と立ち上がり繭みたいなドームを後にします。バスで家浦港に戻るのだけど、バスが来るまでまたひとしきり坂道で写真撮ったりして、だんだん夕暮れが近づいてくる絶景もまた素晴らしかったです。ちょっと物悲しいのは秋の夕暮れの感傷かしらね。

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 家浦港にもどって、また豊島缶バッヂガチャをやったり、お土産を買い込んだりして、あとアイスが美味しそうだったからまた帰りの船で食べる用に買ったりして。この旅行中一体何回アイス食べたかな…考えるのやめよう。高速艇で高松へ戻り、この日はスーパーでお惣菜を買い込んでおうち宴会になりました。高松のスーパーマーケットがまた面白かった、さすが港町! 太刀魚のお刺身? 切り身?とか、鱧とか、まず関東ではお目にかかれない魚がいっぱいで鮮魚売り場楽しかった(笑)。あとスーパーのお菓子売り場にふつうにおいり売ってて、お土産用とは全然違うお値段(笑)で、買いました。たっぷり入って180円だったよ!!

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 あとことちゃん顔嵌めパネルがあった。ことちゃんは結婚してお子さんがいるそうです。パパだったのね! あと、何でイルカなのかの所以を聞いて、己のアイデンティティを常に問いかけ続ける系ゆるキャラ全然ゆるくない…ってなりましたよ。

 

3日目

 さて最終日。3日目は早起きして、栗林公園の中にあるお茶屋さんで朝粥の朝ごはんを頂きに行く、からミッションスタートです。栗林公園も入ってみたかったんだー高松市内全然見てなかったから…。

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 朝粥は予約制で、東屋みたいな離れのお座敷でいただきます。ここからの眺めがまた絶景で朝の緑が清々しくてねぇ! お粥も美味しかったしとても良い朝のスタートが切れました。

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 栗林公園内も軽く半周散策したよ。池に鯉がいるので餌用の麩をあげたりしました。が迫力がすごくてね…ひと欠けのお麩に群がる鯉を眺めながら、「ライブハウスでピックを投げるギタリストはこういう気分だろうか…」「ご神木を奪い合う祭りのようでもある…」なんて呟いておりましたよ。あとかなりでかいすっぽんみたいな亀が出てきてびっくりした。大きな鳥もいた。

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 散策してから最後においりソフトを! インスタばえ!!って云いながら(笑)。美味しかったです。おいり美味しいよね~うっすらニッケの香りがするの好きです。またアイス食べてるよ。

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 それから高松港へ移動して、最終日は男木島・女木島をめぐります。男木島初上陸! やったー! 瀬戸芸師匠が一番好きな島だそうで、ずっとあこがれてたんだ…やっと行けました。

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 細い路地が曲がりくねって、階段や坂道をぐねぐねと上っていき、ぱっと振り返ると視界が開けて海が広がる、すごく良い雰囲気の島でした。あと路地にねこちゃんがいっぱいいて、みんなのんびりしてて触らせてくれて可愛かった。男木島のねこちゃんは耳の先が桜の花びら状にカットされいてる、所謂「さくら猫」のこがいっぱいいました。野良猫だけど不妊手術を受けている印のさくらのお耳*7

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 男木島ではまずアキノリウムに行きました。古い民家を利用した展示のひとつで、瀬戸芸期間外でも観られます。これとても良かった、ずっといられるやつだった…不思議な仕掛けの生き物のような楽器のようなものたちが、コロコロキロキロと身じろいで音を奏でる静かな空間…ずっと見てしまう。影絵も素敵だったなぁ。続いて、蔵を利用した「記憶のボトル」へ。これもノスタルジックでキュートでちょっと物悲しくてよかった…色褪せた古い写真を覗き込んだり、懐かしいオモチャにあったあったこんなの、ってなったり、自分だったら何を入れるかなぁとか考えてみたり。ひとつひとつのエフェメラが集まると色になる、のも面白かったなぁ。ガラス瓶に閉じ込める、ってそれだけで何となくノスタルジックだよね。好き。

 坂道と階段でけっこう疲れるのとそろそろお腹空いたよねってことで、男木島図書館のカフェでお昼にします。キーマカレーだった。図書館の中の机と椅子で食べられるんだけど、小学校の椅子と机で! 先割れスプーンでいただくカレー! 懐かしい(笑)。荷物はちゃんと、机の脇の引っ掛けるところに掛けておきましたよ。食べ終わってからも、図書館だから本がたくさんで、恐らく寄贈されたのだろう本たちの中には、この人とは気が合いそうだわみたいなラインナップの本が固まっていたり、これ持ってるとかこれ欲しかったやつ!とか*8云いながら、何だかんだで読書体勢に入ってしまいしばーらく読書タイムでした(笑)。工藤直子さんの本可愛かったなぁ。あと立体視の本が面白くてずーっと観てしまった。「任意の点P」欲しい。

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 船の時間的に余裕があったのでずいぶんのんびりしてから、いったん港へ戻ってそこから「歩く箱舟」を目指します。写真ではいっぱい見てたけど実物を見るのは初めてで、やっと見られた足たち~。写真で見ると1mくらいなのかな?って思うんだけど(笑)、じつはでっかい足たち~~。海に向かってオブジェが鎮座しているだけなんだけど、何だかね…楽しいんだよね何でだろうね…海だからかな…*9

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 絶景だなぁ。瀬戸内だなぁ。好きだなぁ。良いなぁ。

 箱舟までの道すがらも、すぐ下に海を見下ろす道を歩くのだけど、もうそこに魚見えるし、海草が壁から生えてたゆたってるのかと思いきや小魚? なの?? 何なのかわからないけど魚っぽいものの集団で、それが海中の壁に吸い付くようにしながら移動していたり、何なの一体。不思議がいっぱいだよ海。面白い!!

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 再びフェリーに乗って、今度は女木島へ渡り、ちょろっとかもめたちにも挨拶して(笑)、前回行きそびれた「不在の存在」を見てきました。これ! 面白かった! わかればあっなーんだ!ってなるんだけど、でも面白い! 良く出来てるなぁ…わりと単純なんだけど…一瞬?!??ってなるの面白い。次に「女根」を見て、休校になっている学校を使ったインスタレーションなんだけどまぁすごいことになっていた。色の洪水。キッチュ。面白い。けどやぶ蚊が多い(笑)。ジャングルみたいな繁華街みたいな、ネオンカラーの極彩色と野趣溢れる植物たち、不思議な生命力に満ち溢れた場だった…しかし蚊がすごかった。パームツリーが生えている赤い大きなものは、カナダかどっかから漂着した浮き灯台だそうです。持ち主を確認して連絡取ったら、いらないからあげるって云われたそうで、浮き部分に土を入れてパーム椰子を植えたらあんなに育ったそうです…何かもういろいろすごいとしか(笑)。

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 最後に女木島名画座にちょこっとお邪魔して、チャップリン無声映画を1本、可愛らしい映画館で観せてもらいました。夏にも行ったけど、また来られるとは思っていなかったなぁ。小さくて可愛らしい劇場で、大好きです。ほんと可愛い。ここで踊るの観たいって思ったけど舞台ちっちゃくて足りないね(笑)。

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 高松に戻るフェリーの時間まで、夕暮れの海岸をちょっと散策して、やたらひとなつっこいねこちゃんになつかれまくってデレデレして、最後の船に乗りました。充実しまくった3日間の旅も終わりに近づいて、鳥髑髏が終わってぽっかり空いた穴も島々のいろいろでちゃぷちゃぷふさがったような、引っくり返ってるから大丈夫の魔法が改めてちょっとかかったような。でも、夕闇落ちる高松港に着いたら、帰りたくない~と駄々をこねる我々であった(笑)。あとお土産で鞄が重すぎて何でキャリーで来なかったんだ…ってなりました。行きは軽かったんだもん…あとキャリーで着てたらお土産に歯止めがかからなくてえらいことになっていた気がするから重量という歯止めが利いてよかったと思おう。キャリーだったらオリーブオイルあと2本くらい買ってた…あむないあむない。

 無事にリムジンバスに乗り込み、みんなと別れてひとり空港に向かい、そしてお約束の高松空港。助けてくださいポイント。行きはバスの乗り継ぎに時間がなくて撮れなかったんだった。

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 そんなこんなで、鳥の穴を島と心臓音で埋めようの旅3日間、は無事に終わったのでした。楽しかった…やっぱりいいところだよ島々…大好きだよ瀬戸内…また行きたい。また行く。まだ地中美術館のナイトプログラムとささやきの森が残っているからまたリベンジしなくちゃだし!! ベネッセ泊まりたいし!! お金ためなきゃ!!(笑)

 Y嬢H氏には3日間大変お世話になりました。おかげさまで楽しかったよーまた行かせてねー! N嬢もおつかれさまでした!! また軽率に行こう!!

*1:Y嬢の旦那様。大っっ変お世話になりました!!!

*2:常にやぶ蚊との戦いである

*3:普通の食パンよりしっとりした感じだった

*4:そっちか

*5:食べようとした四角豆?の内部にしましまの小さな先客がいらっしゃった

*6:ちょっと調べたらなかなか高級ホテルなお値段でしかも来年のGW辺りまで土日埋まってた…へぇぇ

*7:男木島の猫は2016年に全頭不妊手術が行われたそうです

*8:稲垣足穂の装丁が可愛い本欲しかった…

*9:基本的に海があるとテンション上がる海無し県民なのでした