ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「髑髏城の七人 Season風」ライブビューイング(10/5夜)

 ちょっと経ってしまったけど初風髑髏、ライビュで観てきました。生で観る前にライビュかーってちょっと迷いはしたのだけど、花はそれでライビュ見送ったので、今回はじゃあ観てみる方で、と。やはりライビュのストレスレスな視界はねぇ、ステアラに限っては生より良い場合が残念ながら高確率であるからねぇ。センターに何もかぶらず観られる機会はたとえライビュでも貴重、という…生で観る日が必ずしも視界良好とは限らないからね…。

 それにしても、少し前まで週3ペースで通っていた場所にぱたりと行かなくなってひと月以上経って、すっかり遠い思い出みたいになっているのに、それでもかの地では毎日あれが行われていて、なのに自分は全く触れていなくて、それを観るのってすごく…不思議な感じがした…(笑)。退職した職場をテレビで見るようなものだろうか。どうかな。

 それはともかく風髑髏です。今回もちゃんとネタバレ回避していたので、ほぼまっさらな状態で初回を迎えましたが、うん、面白い! とても面白かった! 一人二役の影武者設定、やっぱり話の筋的にとても通りが良いし、また松山ケンイチさんの天魔王さまがとっても…あっそっち側!?って感じの天魔王で!! 変化球多めの投球内容が続いたところにど真ん中バスンと来た感じで、逆に新しいというか、そうだよねぇそりゃあそうなるわっていうか…あの天魔王像も影武者ならではだよな。かっこよかったし大好きです。そりゃあ蘭兵衛さんもなすすべないの仕方ないよね…夢見酒飲む前から完オチだよね…。

 マツケン捨之介は着流し遊び人風情バージョン*1で、でも花捨とも、もちろんこれまでの歴代捨とも違うキャラクターで! ひょうきんでちょっと3枚目寄りだけど決めるところはかっくいーい!という感じの、とても爽やかでチャーミングな捨之介でした。背が高いからまた動きがダイナミックでいいよね。最初ちょっと素っ頓狂ね?と思ったけど、マツケンさんらしさが出ていて素敵でした。いやぁこんなに足出てたっけ(笑)。鳥からの露出ギャップ激しくてドギマギしてしまう…。早替えも全然気づかなくて、普通にあれっ!?って騙されてしまった(笑)。すごく少年ジャンプな、清々しい髑髏城な印象で、風の名に相応しい感じがするのは、マツケンさんのキャラが大きいんだろうなぁ。とても清涼感のある、まさに風のような観後感でした。

 向井屋蘭兵衛さんこと向井理さんの蘭兵衛さんは、出てきた瞬間からの異物感というか異質感というかがすごかった。すごく面白かった。最初っから心ここに在らずの空虚な感じが…当たりがやわらかくて物腰も口調もとてもソフトなんだけど決定的に人間的な何かが欠落してそうな感じがして…宇宙人のようだった…そこがすごく面白くて、わたしけっこう嫌いじゃないです。蘭兵衛の時からね。太夫のセリフで「一度壊れたあんたがやっとのことで立ち直って」みたいなのがあったけど、やっとのことで立ち直った風に見せてるけど全然この人壊れてるよね??って気配がねー凄くてねー面白いわ。セリフの云い回しが割と現代っぽくて、その辺も面白さに一味足してるような。「夢に生きるは~」の一連が何となく、小学校の卒業式を思い出してしまった…「力を合わせた」「「「運動会!」」」みたいな…「女に生きるは」「「「せつなすぎる!」」」みたいな…すいませんすいません。何でそう思ったのかな(笑)。殺陣は、あれっスローになった??って思ったけど(笑)、まぁ脳内の比較対象がおかしいのでスピード感はともかくな。何だろう、絶対的に重心が高いのと脇が締まってないというか脇ぱっかーんな感じなのが…もうちょっと…いやでも向井屋さんは宇宙人だからきっと地球の物理法則に反した何かで強いんだ。立ち回りからもうちょっと、手順感振付感が薄れるといいなぁ。小顔っぷりは流石にものすごかったです。人間のバランスじゃない。やっぱり宇宙人だ…。口説き後の、高座で立膝ついてお酒煽る姿がとても楽しげでお酒美味しそうで、歴代夢見酒の中で風が一番おいしいお酒なんじゃないかと思いました。いーい顔して飲んでたなぁ! ポニテになると眉毛がログアウトするのも良かったです。

 極楽太夫の田中玲奈ちゃんはちっちゃくて可愛かった~風の無界屋は渋くてインドっぽい極楽風味が美しいね…姐御系太夫とはまた違う…おきゃんな感じでね。蘭兵衛さんとの関係性がまたなんというか…宇宙人相手に精いっぱい頑張ってるよね…でも相手は宇宙人だからね…人間の尺度では測れないのは仕方ないよね…。声がちょっと通りにくいというか、語気が激しくなると耳に入ってこない印象なのだけどわたしの耳の問題かもしれない。あとたまに見失うのごめん…。

 山内圭哉さんの兵庫は、まぁ大人で品がある…こんなイケメン兵庫初めてじゃない?って感じの…普通にかっこよかったです。脳筋じゃない、インテリジェンスを感じる兵庫、新しい。太夫に惚れている辺りがちょっと、あんまりわたしがちゃんと観られてなかった気がするので、生で観る時はその辺注目したい。荒武者隊たちも含めて、色がとっても渋くて、もうちょっと…色味があってもいいような…傾奇者にしてはモノクロームな印象で…鉄機兵も黒系なので戦闘シーンはちょっと混ざってしまうなぁ。荒武者隊くんたちはキャラが立ってて可愛かったです。乙女な白介くんとか、新しいよね。

 岸井ゆきのちゃんの沙霧は、まぁ健康的! はじけるような若さ!! 可愛い!! すごく可愛いし捨之介と並んだ時のおっきいちっちゃいバランスが最高でした…可愛かった…。基本的に絶賛なんだけど、ただわたしの中の「髑髏城のすべてはここにある!」ソムリエが…もうちょっとがんばってって囁くの…できるはずだから…鳥沙霧のが文句ないここにあるだったから余計に…。

 生瀬さんの狸穴さんは、あれっ主人公狸穴さんかな??ってくらいの存在感で! とても素敵な狸穴さんだった…かっこよかった…馬引けぇ!!が復活していてうれしかった…。じゅんさんの贋鉄斎はもう、期待通りというか期待以上というか、じゅんさんの乙女キャラ好きなのでとても愛しかったです(笑)。平…とかえる…とかの小ネタも楽しかったし、あのコがまた出てきたのもすごく嬉しかった!! 大好き!! 百人斬りの「やってる?」も最高でした。ああいうのできるのが風捨の強みだな! かっこいいな! サンボさんの三五はもう安定。むしろ貫禄。裏切り続けて早~が三十余年から四十余年になっていたのに、歳月の流れを感じました…でもアップで観ても余裕の若さで化け物か。エマさんがその役なの?!っていうのも、ちゃんと回収される納得の伏線だったし、よし子さんのああいう感じ初めて観た気がするけどめちゃくちゃかっこよかったし、たぬきとねこちゃんも可愛かったし、みさるさんのお歌も良かったし、やっぱり満足度高いです髑髏城の七人。

 それにしても歌がないとさくさく話が進むね…いや歌は歌で1曲終わるとびゅーんと話が進むんだけどさ。あと口説きがどうしてもあっさりに感じられてしまうのは、そのセリフを聞くと勝手に脳内で再生される音声のせいですね…ワカ鳥Mixで全部脳内再生されてしまうから「えっ地図そこ? そこでいいの踏まないの?」「わぁワクワクそんなあっさりでいいの!? 大丈夫!?」「ここが髑髏城イェーしなくていい? いいの?」っていちいち…そういう天魔王さまじゃないから…。

 ライビュ的には、たまーにえっどこ映してるの??な瞬間はあったけど、マチネで聞いていた程悪くはなかったです。が、無界襲撃時のカメラブレはとても…気持ち悪かった…いや、ある一定の効果を生んでいることはわかってるし効果的ではあったと思うのだけど如何せん酔う。斜めアングルはまぁまだましだけどピントぶらすのほんとキツかった…いいんですよそのまま見せてもらえれば…。あっ謎カメラワークといえば休憩時間の客席アップは何なんですか(笑)。あれはやめた方がいいです…見せられる方もいたたまれないったらない…(笑)。

 ともあれ、とても楽しくて、ライビュを観たら生で観るのが楽しみになりましたよ。あれだね、過度の思い入れがないとエンタメとしてとても気楽に楽しめるね…すーぐ思い入れが強すぎてしんどくなってしまう方だからね…むしろしんどくなりに行くようなものだからね…それはそれ、これはこれって楽しみ方なのでどっちも良いのです。一人二役だと捨之介は蘭兵衛さんの最期に立ち会えないので、マツケン二人いようよーってなったのを思い出した。

*1:バージョンも何も鳥以外はそれなんだけど