ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

BS朝日「白の美術館」

 地上波で2分ちょっと×2回、をチラ見していた白の美術館、BSで30分枠で堪能しました! きゅうかくを懐かしむ石たちとの対話…でも白くて明るい空間で見るとまたちょっと、雰囲気が違って見える。まぁ辻本さんがいない時点で明らかな別物なんだけど。

 ものすごいストレッチから始まるのは初回と変わらずだけど、もうちょっとボリュームアップで見られるのは嬉しい。あとモノクロ写真が相変わらず色っぽくて素敵です…ほんと好き…。

 あの石たち、きゅうかくと同じメンバー(?)だと思うんだけど、どこで拾って? 集めて? きた石たちなんだろう。絶妙に綺麗な形だったり、丸かったり、平たかったり、三角だったり、しましまだったり、何か…良い面子だよね…どっかの川原で拾ったりしたのかなぁ。選んだのかなぁ。セレクトポイントとかあるのかなぁ。黒々とした子はいないんだなー。

 未來さんの語りはだいたい地上波で放送された感じですね。ダンスを始めたきっかけとかはなかったっけ。でもあの…その…ボーイズタイムの製作発表映像は…ちょっテレビ朝日何隠し持ってたの…これ初めて見ると思う…こんなの今はなきニフティのシアターフォーラムで会見記事がちょこっととか、あとやっぱり今はなきSTAGE OASIS*1に掲載されてたインタビュー*2とか、そのくらいしか…見たことないよ…なんという…可愛い…子どもだ…めんこい…的場くんはそれなりに映像観てるからはーかわいいーーで済むけど会見映像は…ちょっと変な声が出ましたよ。モテキは顔が幸世だなぁ(笑)。今となっては未來さんと思えないんだモテキは。

 そしてイスラエルの話へ。ちょっと…何ていうか、引っかかるというか、なんだよねこれ。イスラエルで何があったのか、とか、帰国後明らかに変わった、とか、え? そう?って…確かにイスラエルは物凄く大きなある種のターニングポイントにはなっているけど、でも渡航前と帰国後で明らかに大きく変わった!とか、イスラエル森山未來を変えた!みたいな論調で云われると、…え?って…困惑してしまう…行く前からコンテンポラリーはやってたし、イスラエル行ったからこうなりました、っていうのとは…違いませんかね…いや本人がどう思っているかはわたくしのあずかり知らぬことなので、ただ観ている人の印象でしかないんだけど。そもそもコンテンポラリーと出会ったのはイスラエルではないし。もちろん、変わったところはあるんだろうけど、それはそんな劇的であったりドラマティックだったりな変化ではなくて、もっと…周波数の帯域が広がったとか、開かなかった窓が開くようになったとか、いつの間にか蔦が伸びてこんなところにも絡んでたんだ、みたいな…何かそういう、じんわりとした、緩やかな曲線を描くような変化じゃないですかね…。それまでの続きにイスラエルがあって、イスラエルに至るのも積み重なったものの先がそうだっただけで、その1年もまた積み重ねてきただけで、戻ってまたその上に積んでるだけで…っていうのは、継続して見続けているからそう感じるだけなのかな…そうかもな…。そんなに知らない人が見ると、「イスラエル行って変わったね!!」になるのかな…なるのかもな…でも番組のナレーションで「イスラエルから戻って変貌した」的に云われてしまうと、それがもう事実みたいになってしまうから…何かとても引っかかってしまった…。あのね、種子はもともと、未來さんが持ってたものだと思うんですよ。それが発芽して伸びていくのに、イスラエルでの1年間は、とても良い成長促進剤みたいな、栄養素だったと思うんですよ。とても肥沃な土だったと思うんですよ。でも、その芽が育って葉を出し増やして、伸びていく先はそもそもの種子が目指す方向でしかないと思うんですよ。決めるのは土じゃないんですよ。個人的には、もしイスラエル行ってなくても、今とそんなに違うことはしていないんじゃないかなーなんて思っていますよ。到達速度とか経路は変わるだろうけど、多分到達地点はそうずれない…んじゃないかしら。何となく。

 まぁいいや。CeBITの映像とか、「怒り」も挟んで、芝居とコンテンポラリーの表現の間に矛盾を感じたりしない?なんて面白い質問も。考えたことなかったな…そう云われてみるとなるほど…。でも未來さんの「パンストかぶったら何でも出来る気になる」発言で何かよくわからなくなってしまった(笑)。かぶったことあるんですか…観たことないな…いや観たことなくていいや…。役の「膜」の中で自分を解放できる、膜って云い方が面白いしすごくわかる気がする。役になる、んじゃなくてね。そして田中さん好き……。

 石はなんにでも見える、見え方によってどうにでも捉えられる、ちょっと見る角度を変えれば世界は、人は、また違って見えてくる、地上波でも流れたメッセージですね。ちょっと難しそうに聞こえてしまうけど、感覚として、ちょっとした「ん?」って引っ掛かりをそのまま流してしまわず、別にいっかとなかったことにせず、何だろう何に引っかかったんだろうどうしてだろうって面白がれば、面白いものが増えていくよね、くらいに思っています。わたしは。「視点を変えよう!」「既成概念を打ち破らねば!」なんて考えたら余計動けなくなっちゃいそうじゃないですか。とりあえず面白がっておけばいいんじゃないかな、小さいことでも。小さいことだからこそ。

 この先どこへ向かうのか、今後はどういう表現をしていきたいか、との問いには、最近すごい散らかってるけど、2~3年くらい、これからまとまっていくんじゃないか、もしくは散らかってるって思われることもなくなるんじゃないか、と。まとまっていく…のかなぁ(笑)、定着、もしくは浸透していくんじゃないかな。散らかったもの全部ひっくるめて、「森山未來というジャンル」にまとまるのかもしれないね。

 いろいろ考えたり、ただただ可愛かったり、素敵だったり、とても30分とは思えない濃度の番組でした。ただ何だか、ナレーションが仰々しいというか…ちょっと…ドラマティックに煽りすぎじゃないですか…照れるわ。

 最後に、田原桂一さん追悼のメッセージが出ていました。ご冥福をお祈りいたします。素敵な写真をありがとうございました。もっと撮ってもらいたかったなぁ。

*1:という演劇系情報サイト

*2:ログが手元にあるけどめちゃくちゃ可愛い…けど基本的に云ってることはぶれてない