ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

劇団★新感線「髑髏城の七人 SEASON花」@IHIステージアラウンド東京(5/26夜)

 やっと! やああっっっと!!! 2017年の髑髏城に登城してきました…ここまで長かった…さまざまなネタバレ映像エンカウントをよいしょよいしょと目を逸らし耳をふさいで、何とかほぼまっさらな状態を保っての、満を持しての初回観劇でした。ほんと長かった…もうすぐ終わっちゃうじゃないね…それもこれもきゅうかくうしおがかぶった所為…(笑)。

 初めてのステアラもやっと体感してきました。聞きしに勝る陸の孤島っぷりも…(笑)。本当に原っぱの向こう側にどどーんと建っているのね。関東平野のこの荒地に城が築かれているのね。ロケーションばっちりね。通うの大変だなこれ…。何もないとはずっと聞いていたけど本当にコンビニひとつないのですね…駅の自販機が最後の砦なのね(ちなみにキオスクはない)。そして劇場前にキッチンカー、平日でも来ていました。この日は焼き小龍包屋さんだったよ。涼しめの5月の夕方だったので、お外のベンチで食べるのも気持ち良さそうだったけど、これ…真夏はほんとキツそう…対策を考えなくては。でもゆりかもめやらバスやら、遅れがちの交通手段がメインになると、やっぱりちょっと早めに着いておきたいしなぁ。でも早く着いても炎天下だしなぁ。
 ロビーも劇場の規模に比べるとほぼないね!ってくらいで。物販はパンフのみ購入の窓口とグッズの窓口に分けられていて、流石にパンフはするっと買えたけど、初日近辺はまたカオスになることは想像に難くなく…鳥はがんばりましょう…。お手洗いはACT方式の一方通行で、列は長いけど進みも早く誘導もスムーズでした。幕間はまた大変そうだったけど…。

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 いろんなところで見かけた花と鳥のお面もやっと実物が拝めました。座席に向かう途中の壁面にはモニターで花と鳥のCM映像、あとやたらカッコイイオンワードのCMが流れていました。建物はこれでもかってくらいの…仮設感で…階段の下は空洞なんだなーとか、赤絨毯の下はベニヤだろうなーみたいな足音の響き方してたよ…。そもそも恒久的な運用は予定されていないところだから仕方ないね*1

 劇場内に入ると、うん、わりと普通な感じ。座席は前がとても狭いので、立ち上がらないと人が通れないかな。肘かけがないのもちょっと気に入らない(笑)。後方下手側一桁席でしたが、前の列との段差のなさは…ねぇ。厳しいね…。ギリギリで舞台のセンターまでは見えたというか見たというか、斜めになればギリギリ、って感じだったけど、これでもましな方なんだろうなー。すり鉢型の劇場ならコマぐらい段差ないとストレスになるよね…云っても仕方ないことだけどね…。

 …と、劇場施設に関しては云いたいことがいっぱいになってしまいますが、花ドクロに関しては! とっても楽しかったです!! とっても!! そしてワカが観たくなった、というか、花が面白かったことによってワカの良さも改めて感じられたというか…もちろん、「ここのこれがワカにあれば…!!」みたいなファクターはそりゃあもう、たくさんありますよ。ありますが、何だか、わたしのワカドクロがやっと成仏できたような…不思議な安らかな気持ちになりました…ワカに関してはとてもとても楽しかったし楽しんだし楽しいとかいう言葉じゃ全然足りない熱狂の裡に夏が過ぎたドクロイヤーで、燃え尽きた感ではあったのですが、それはそれとして悔しいところとか納得できてないところとかもいろいろ…いろっいろ…ありまして*2、そうとう拗らせておりましたもので。それが何か、すうっと氷解したような。花ドクロありがとう、わたしワカを愛せるよ…みたいな気持ちになりながら劇場を後にしたことを覚えています(笑)。へんなのー(笑)。

 もう今更、ネタバレが…とかいいよねこんな日にちだし、とは思えど、一応…。

 


 ええと、まずステアラの感想から。回るね! 面白いね!! 席が端だったのもあるのかな? ちゃんと動いてる感はあったし、それプラス映像効果で、けっこう…改装する前のスターツアーズくらいは体感できましたよ*3。わたし2Dの映画でも空撮シーンでお腹ふわっとなるくらい弱いというか効果てきめんなので、たぶんその所為です。奥行きはもちろん、上下移動なんかもふわっふわして面白かったよ! お得だ! でも、最初はおおー動いたー!ってなったけど、それ以降は別に芝居の邪魔になる程のびっくりでもなかったし、基本、場面転換時にしか動かないので、うん、それが集中を妨げるようなことはありませんでした。楽しかったよー。未來さんがちょっと云っていた、映画っぽさ、みたいなのも、席が遠かったからかそんなに…どっちにしろ遠いから生の臨場感!!みたいなのは…ね(笑)。ただ、360度舞台とはいいつつ、一場あたりに使う舞台の幅はむしろ狭いので、ちんまり感は拭えず…スクリーンが開いた部分しか舞台じゃない感じだから、実質ちょっとしか使ってない場面も多くて、うーんダイナミックさはそんなに…もちろん、広く使う見せ場はあったけどね、そこでは広かったけど、それまでちんまり気味だった分、ひ、ひらいたー!!みたいな感じにもなったけどね。それを効果とは呼ばない。あとは、下手後方一桁番席からはスクリーン開いた下手側奥がちょっと見えなかったです。ああいう開き方だとどセンターじゃないと全部は見えないよね。口説き前の地図とかが見えませんでした。

 でも! カテコというかエンディングがめっちゃかっこ良いってみんな云ってたからすごい期待してたんだけど、期待以上のかっこ良さだった!! あれは痺れる~泣ける~かっこいい~。ライブビューイングだとどんな風に見えてたんだろう、それも気になるところです。生で観る前にライビュ見るのはシャクだったから行かなかったんだ(笑)。

 そして本編。の前にジューダス・プリーストで最初の山場を迎えてしまう(笑)。ぎゅいいいいん、でムービングライトがぐいーんと動くのが毎回好きなんだけど、ムービングライトいなかったね…ちょっと寂しかった(笑)。ヘヴィデューティからディフェンダーに変わるところで照明の色が変わるいつものアレがね、最高にアガりますよね。

 発車ベルに続いて座席が動くの、ほんとに発車しててすごい…ってなった。し、開演したらしたで、えっいきなりそこから!?っていう始まり方で…それはもうびっくりしましたよ。えっいきなり2幕!?ってなるワカ頭(笑)。いきなりどクライマックスでうろたえてしまった…し、蘭兵衛さんは蘭兵衛さんで、出てくるなりもそれ云っちゃうの!?あなたも最初がクライマックス!?ってなって…みんな出し惜しみないなぁ残りなにやるの…?*4ってなりました。でもさーど頭に天魔王様のアレやっちゃうと仮面取る前じゃん? もったいない~鳥は出し惜しみして欲しい~(笑)。

 沙霧役の清野菜名ちゃん、ドラマとか「サンバイザー兄弟」で観ていたけど、流石の身のこなしでかっこ良かった! 可愛かった! 菜名ちゃんの沙霧とても好きです。何か、久々に沙霧がちゃんとドクロのヒロインになってる気がした…捨之介との関係性もちょっと新密度上がった感じで…とてもきゅんきゅんしましたよ。「髑髏城の全ては、ここにある!」時のポーズはもうちょっとビシィッとキメて頂きたかったけど(笑)。今回はちゃんと、沙霧から捨之介に斬鎧剣を渡してる…んですよね最初から?(笑) あそこ、あっ良かった!!ってなりました。

 兵庫はおっきかった(笑)。衣装が不思議だったなぁカポエラとか出来そうだった。頼りがいのありそうな兄貴の背中だったね! 菜名ちゃんもだけど、声がちょっとつらそうでがんばれ~あとちょっとだ~。

 捨之介は…かっこよくなって…包容力も出て…色気も増して…感慨深い…。何か、ふっきれた感を感じました。ぐるんぐるん迷って余裕なくて過去も今も名前も何も捨てられてなかった捨之介が…立派になって…かっこ良かったよ…殺陣も良かったよ…。例のセリフ、「俺ぁ<もう>ごめんだ!!」って云い放った時のわたしの鳥肌といったら!!! ありがとう!! それ6年前に聞きたかった!!!(笑)けど何か報われたよ…!! 蘭兵衛さんに「お前」じゃなくて「あんた」って呼びかけるのは新鮮でした。そっかー序列(?)が変わってるもんねー。スタイルの良さは相変わらずで、出し惜しみのない脚も素敵でした。素敵な捨之介になってたよーわーん嬉しいよー。

 蘭兵衛さんは…おっきかった…どっしりしてたね。兄者の貫禄でしたね。大人の色気と魅力でしっとり…分厚かった…(笑)。太夫との関係もちゃんと色恋成立してそうで良かったなぁ。でも倒れる時が何となく「ぺちょっ」て感じになるのが可愛かった(笑)。今回の蘭兵衛さんは白い彼岸花なんですね。でも本来どちらかと云えばこっち側なんだよね蘭兵衛って…ワカが特殊だったんだよな。口説きのシーンは殿の面にくぎ付けで天魔王眼中にない感じがとても良かったです。もうねーほんと3人の関係性がワカとは全然違って、違ってるけどこれも良い、けどワカもとても良かったよね!ってなるのが素直にどっちも良くて嬉しいなぁ。

 …って、ついワカと比較してしまいがちなんですけど、セリフはすっごく*5聞き覚えあるし、いろいろ「ワカをベースに進化させてる」感がひしひしと感じられる点が多くて…ついつい。すみません。捨之介が同じひとなんだもん多少は仕方ないじゃない…。

 そして満を持して(?)の天魔王様! 花天魔王はこれはまた…すっごいね!! すっごいのね!! ちょっと右近さんっぽいよって聞いてたけどそれもわかる奇声っぷりで…成河さんって思って観てもそう見えないのが不思議でした…あれー100ねこの時はイケメンさんだったのに…ものすごいお顔しか見えないぞ…。ワカの天魔王も相当奇矯なキャラクター造形だったけど、それをさらに振り切った感じで…そっち側に振り切るとは思ってなかったからびっくりした…ワカは切れ者の隙間から垣間見える狂気が怖い天魔王だったけど、花は狂気の隙間からちらりと覗く切れ者っぷりがぞっとする感じ。たまにオカシくなるひとと、たまにマトモになるひと。うわーどっちも大変そうだ下に付く人は(笑)。でもその狂気もちゃんと計算づくで作り上げていそうで花天魔王ほんっと…曲者過ぎる…トリッキー極めちゃったね…。

 蘭兵衛との立ち位置の違いも面白くて! 新鮮!! 何か、蘭兵衛さん絶対小姓時代から人の男のこと嫌いだったよね…どうしてこんなのが感アリアリだったよね…そこ逆手に取るあたり、天魔王やるな!って感じです。卑屈に徹することができる、謀略の為ならプライドなんか簡単に捨てられる強かさ、がむしろ潔い。ワカ天魔王はプライド激高のコンプレックス認めずにふざけんなって奮い立つ方だったもんね…*6。口説きの落とし方というか蘭兵衛さんの落ち方というか、の違いもすごく面白かったなぁ。花の口説きは完全に、殿の面で落ちてるもんね。「俺とお前と殿でまたあの頃に戻ろう」なワカとは全然モチベーションが違うというか。ワカの天蘭は、同じ方向を向いて並んで立っていたけど見ているものは違った、みたいなふたりだと思っているんだけど、花の天蘭いや蘭天か、は最初から違う方向を向いて立ってる感じ…勝手な印象だけど。なので、口説きの口移し(なの?)はそれこそいるのかな??って思ってしまいました。めっちゃ軽いキッスだったし。上島竜兵みたいなキッスだったし。無界の里を襲撃する理由付けというか動機付けもワカとは変わっていて、そこも面白かった。

 無界襲撃といえば、ワカのあの天蘭無双がほんっとーに大好きで、悪くて黒い双子みたいなふたりがくるっくるひらっひらシンクロターンしながら殺戮を繰り広げるのが美しくて、ふたりの相似形がまたたまらなくツボで、申し訳ないと思いつつも荒武者隊がおにぎり持ってくると居住まいを正し、「兄貴おっせーなー」とちょっと見に行くところでオペラグラスをスタンバイする、という血も涙もないな感もりもりで観ていたのですが、今回もうっかりその流れにのってしまってついつい…あれったくあんはタコさんじゃないのねとか思いつつもスタンバイしてしまったのでした…あれはもう条件反射だ。そして現れる悪い…今回は双子っぽさが全くなくて、その真逆の対比がこれはこれで面白くて、大きくてどっしりしている蘭兵衛さんの周りをちっちゃい天魔王がぴょっこぴょっこしてるのが…違う趣でこれはこれでとても…なのですが、やっぱりわたしあの悪くて黒い双子っぽい子たちが、あのニコイチ感が、とても好きなんだなぁ、と相似の欠片もない無界襲撃を観ながら思ってしまったのでした。花の天蘭はそれはそれでとても良い、のだけど、天蘭無双はやっぱ最高だな!!っていう再認識…。徳川の忍びがなだれ込んできた時のWターンとかね、納刀のタイミングがぴったり合ってた時とかね、最高でしたね…。

 太夫のりょうさんはめっちゃ良かったー! すってきだったー!! 声も良いしセリフ聞き易いし色っぽいしかっこいいし…おっぱい銃はなかったけど(笑)、とても美しかったです。強さと脆さというか危なっかしさみたいなところもちょっとあって、そんなところをきっとあのでっかい兵庫が支えてくれるよ、みたいなお似合い加減。素敵な太夫だったなぁ。

 三五と磯平さんはもう、安定の安心の磐石のって感じで! むしろ鳥にいないのが残念な感じで(笑)。三五と沙霧のシーンもやっぱり可愛くて…そしてふたりともかっこよかった! 今回は岩むすびないから兄さの歯は欠けずに済んだんだね(笑)。あとお尻の出方が控えめだった。

 変わりに(?)、水神坊復活のメタルさんのお尻が出てますよね? シースルーの向こう側にTバックですよね?? 遠くていまいちちゃんと見えなかったけどでも多分あれはお尻だ…生尻魅惑の水神坊様…。ワカでは幻のレアキャラになってしまったけど、今回たっぷり活躍されていて嬉しいです。そして鳥にいないの哀しい…。あと姫跳のエマさんが! そこでそうなるとああなって出てこなくちゃならない流れ…と思っていたらちゃんとその通りで出てきて笑った…受け継がれている亀甲縛り…(笑)。干し柿はないんですね!

 個人的に、ワカの天魔王様がとても髑髏党内で甘やかされている感じが大好きだったのですが、花の天魔王様はあんまりそういう感じがなくて、もちろんお付の女房たちがいろいろやってくれるけど、足揉んだりみかん剥いたりはないのね(笑)っていう…手を出せばそこに杯が乗せられそれを突き出せば代わりに刀が握らされ、みたいなのは天主の間ではやってたけど、何となく親密度がそこまでではない感じで…あと逆木さんの猿翁はいるけど将監ほどいつも一緒じゃない感じ、慕われてない感じが…寂しい天魔王…。そういえば、花の天守閣で地図指しを担当していたぱっつん前髪の女の子が可愛いなぁ~って観ていたんだけど、キャスト表見て気がつきましたよ藤咲ともみちゃんだったよ! 女体に出てた! とても可愛かったです。

 そしてもうみんながみんな「ずるい」「あれはずるい」と口々に云っていた古田贋鉄斎、うん。わかった。ずるかった。徹頭徹尾ほぼ藤岡弘、ですよねあれ(笑)。からくり製作もする贋鉄斎、なかなか斬新で…突然打首獄門同好会の歌うたいながら自転車で出てくるし(笑)。百人斬りどうなるのかと思ったらそう来たか…わたしが観た回は刀キャッチどっちも成功していました。でもなーあそこはオモシロがりつつもカッコイイ側で見せ付けて欲しかったなー。あ、兵庫の刀は「のむらさちよ」でした。「さっちーに謝れ!!」って云ってたよ(笑)。

 思いつくままにだらだらと書いていますが、半分くらいワカのことになってそうな気がしなくもない。読み直さない。ほんと、花の3人は仲悪そうで、でも3人それぞれちゃんと役割は果たしてたんだろうな感もあるのが面白いなぁ。ワカの3人は仲良しが拗れて面倒なことになったパターンな…。

 あとはえーと、あっ無界襲撃の最後にカッコつけて仮面を装着しようとした天魔王さまが仮面落っことして、あって拾い上げて着けていた。あって顔してた(笑)。あと、髑髏城で捕まる捨之介の斬られっぷりがグレードアップ(?)していてそれもう死んでるじゃん…ってなるのと、対天魔王比較として鎧着せ替えても一目でバレることワカ以上だよね(笑)っていうのが。ワカでも「いやそれわかるだろ」ってなったけど今回さらにねスケール感がね…。

 総じて、とても楽しくかっこよく面白く、そして花の良さが上がるのと比例してワカの良さもまた上がっていくという謎の現象を起こしつつ、鳥への期待やむなしという、あっぷあっぷな状態で帰路に着いたのでした…そして陸の孤島豊洲は帰りもやっぱりとても遠かった…。花、もう1回観に行くので早速楽しみです!

 

*1:2020年には解体の予定だそうです

*2:主に脚本演出面でな

*3:※個人の意見です

*4:コラ

*5:っていうか大体

*6:そこが愛しいところだよ…