ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

蜷川実花写真展「蜷川妄想劇場」@PARCO

 冷たい雨風吹き荒ぶ中、行ってきましたよPARCO。腹ごしらえついでに寄ったはずだったかわゆい雑貨のお店で、うっかりいちご魂に火が点いてしまい、お店ハシゴの上に買い物で数時間を費やすという予想外の展開がありつつも、ニナミカ先生の妄想世界*1にどっぷりと耽溺してまいりました。はぁ、目の裏が極彩色でちらちらする…。
 入ろうとしたら呼び止められて、まさかの偶然のような必然のようなバッタリがあったり(笑)*2しつつ。入り口には未來さんからのお花が届いていました。切り花のアレンジメントがほとんどな中、野趣をふわりと漂わす鉢植えの、和テイストなお花で、ご本人が選んだのかどうかはわかりませんが、すっごく未來さんらしいなぁ…と思いました。緑が綺麗で、大振りの白い花が少しプリミティブな感じで、ちょこんと添えてある紫の小さな花が、控えめかつ効果的なアクセントになっていて、すごく素敵だった。お花屋さんのセンスが素敵、なのかな(笑)。
 展示は恐らく掲載順だと思います。大きな写真×1、小さめなの×4の計5枚ずつが、ゴールドのデコラティブな額に納められてひとりずつ、の展示になっていました。青空カウボーイ塚本くんの次に、しっとり濡れた花と未來。大きく引き伸ばされたのは派手色シャツ着て紫の…菖蒲?を抱えてちらりとカメラに目を遣った1枚でした。あとは紫陽花で赤裸々なの(笑)と、白コートで目を伏せたのと、赤い革ジャン着て椿一枝を持ったのと、白百合の。MORE掲載時の写真と見比べた訳ではないので、確実ではないですが、気づいた限りでは菖蒲と椿と紫陽花は、雑誌とは別のショットでした。白百合と白コートは同じかなぁ。
 やはり、大きく引き伸ばされて額装されて飾られているのは、雑誌で見るのとは当然ですが全然印象が違いますね。最初は何か、ちょっと、気恥ずかしいというか…照れる(笑)。でも、会場内を一周して、これはこの人にしかできないよね、とか、未來さんこういう雰囲気でも見てみたいなぁ!とか、これやられたら笑っちゃいそうだ…とか、勝手な感想を吐きつつまた戻ってみると、目と脳内がニナミカ妄想世界にいい具合に馴染んだのか、いつの間にか真っ直ぐ(笑)見られるようになっていました。…いやぁ、何というか、決して世間一般で云う「美形」ではないけど、でも美人ですよ未來さん。色んなイケメンさんたちが並んでらっしゃって、やっぱ美形は顔の造作が整ってるなぁ、と率直に感じるけど、でも未來さんの美しさは負けてないですよ。胸張って「ね? 森山未來ってあんがい美人でしょ?」と云える美しさですよ。金の額に縁取られるとまた、より一層こう、何というか、別世界感が漂って…妄想世界という異界での一瞬を切り取った「枠組み」の役目と同時に、その華美なゴオヂャスさで麗人っぷり・この世ならざる美しさっぷりを一段と強める効果もあって、個人的にもともと額縁というものは大好きなのですが*3、特に今回の写真たちに於ける額縁効果は絶大です。王子様に見えるもの!*4
 すごく勝手なそれこそ妄想なのですが、でも果てしなく自分勝手でイイってお許しが出てる*5から出しちゃうけど、この一連の未來さん写真たち、タイトルというかテーマが「告白」だったんですよね。花抱いて濡れてエロティックで、でもどこか頑なに閉ざされた、向こう側からこちらを盗み見るような写真たち。タイトルが「告白」でこういう写真なら、素直に考えれば愛の告白とかになるんだろうけど、私はどうしても、むしろ罪の告白のような方に見えてしまうのです。恋愛という、他者に大きく関わりを持ち他者との関係性を必要とするものよりももっと、ある意味ナルシスティックな…自分以外の他者を全く必要としていないような。過去に犯した重い罪を誰にも告げることなく抱き続け、最期に花にだけそれを告白して消えていくような、そんな「告白」。後に残されるのはただ、罪の色を薄く移した花、それだけ…みーたーいなーー!!! ニナミカ先生に倣い果てしなく自分勝手に妄想してますが、たーのしーい!!(笑)…今思ったんですが、妄想ってアレですね、自分の見たい「その人」イメェジが如実に出ますね。私もりやまさんになにをもとめてるんですかね。たいがいキモいですね。あーだれかわたしの妄想も写真にしてみてくれないかなー*6
 写真展の感想になっていません。えーと…あ、そうだ。展示では、その各回の妄想タイトルが書かれていなくて、邪魔だから敢えて付けないのかな?とも思いつつ、タイトル込みでの妄想劇場だったようにも思えたので、個人的にはちょっと残念でした。タイトル見ながら「ほほーうナルホド…」と妄想を味わいたかったなぁ。未來さんのも途中で「そーいや告白だったね」と思い出したクチなので(笑)。タイトルって、世界観を限定してしまうというか、見る側に先入観を持たせるというか、そういう意味で「妄想」の邪魔かもしれないけど、写真を見てもっと好き勝手に妄想を広げるべきなのかも知れないけど、どういうタイトル・世界観でニナミカ先生が繰り広げ作り上げた妄想が眼前の作品になっているのか、そっちも堪能したかったなぁ。
 物販では、写真集「蜷川妄想劇場」が一足お先に販売されていたり、あとはニナミカ先生のその他写真集とかポストカード、ニナミカがくしゅうちょう*7、ステッカー、エコバッグなどがありました。お客さんは圧倒的に若い女のコが多かったけど、カップルで見ている方や、ニナミカ先生ファンらしき男性おひとり様もいらっしゃいました。女子ちゃんたちはきっと、お気に入りの俳優さんが被写体になってるんでしょうね。お目当てさんの前で長いこと足を止めたりしてました。ひとのこといえませんが。
 で、写真集。こちらは額装こそされていないものの、MORE掲載カット及び写真展展示カット、ほぼ全て収録されています。紫陽花抱いて目を閉じているMORE掲載カットはありませんが*8、代わりにMOREにも展示にもなかったものもあります! 一人見開き8ページずつの掲載と、巻末に1ページずつ、ニナミカさんの「妄想のツボ」エッセイがあります。…このエッセイがまたすっごく…イイというか、凄い。わかられちゃってるんじゃないの未來さん!?(笑)という感じです、さすが。レンズに嘘は吐けないものだね…。きっと、ニナミカ先生の洞察は当たってるんじゃないかなーと思いました。でも、「正直、けっこうメンドくさい」と評しつつも、そここそを良いと、ツボだと思って下さる…そういうひとが、未來さんを「撮りたい」と云ってくれたことが、すごく嬉しいし、もっと撮って欲しい。すごいなぁ、言葉にできなかったモヤモヤをずばりと言い当てられた気分です。ああ、そうそう! そうなんです! 決して触れ得ない聖域に、触れたくてでも触れられないからこその聖域で、その聖性こそを愛してやまないんですよ。もう、自分の存在自体が在ってはならないモノなんですよ。でも好きなんですよ…困った。いればいるだけイヤな顔されるんだスンマセン(笑)。でもほんと、そういうメンドクサさをわかった上で「良い」と云って下さる方が撮る彼を、もっともっと見たいです。閉ざしてていい、頑なであればいいよ!
 エッセイページに未公開カットがモノクロで1枚あります。白百合の、ちょっと引いた全身カット。茎の長い花束を抱えてる革グローブの手の感じも、ちょっと挑むような強い視線も、すごくイイ感じの1枚。これもカラーで大きく見たかったなぁ!
 紫陽花の未公開カットがまた、何かすんごいです。この見開きのエロティシズムといったら、ちょっと。セキララ感倍増です…ごちそうさまです…申し訳ないこんなの見ちゃって。しかもガン見しちゃって。左目もまだすっきり一重だなぁとかそういうのも見てしまいますが、何かね。すごいね。ハタチだっけこの時? 晴生と達平の間くらいな顔してますが、少年ぽさが抜けきらないけど着実に大人になってきている、過渡期ならではの不安定さが顔つきににじみ出ていて、その不安定なアンバランスな感じがたまらなく色っぽいなぁと。…そんな不安定な顔したひとが、そんな観る側の背徳感煽りまくりな写真を…おおおおお。すーみーまーせーんー。数々の色っぽい写真が収録されている1冊ですが、これほど背徳感を覚える1枚もそうそうないかと…いや安藤さんのと成宮様のはサスガですが…その辺りとはまた違った背徳感なんですよこれ。はぁ。いっぱいもうそうさせていただきます! まだまだする気まんまんですから!! 果てしなく自分勝手に!!
 個人的に劇団ひとりさんの写真がすごく良くて羨ましいというか、こういうの未來さんでもやってみてくれませんかニナミカせんせーい! 浴衣で畳で蝶々ー!!

*1:ともう一歩ディープなマイ妄想世界

*2:drさん会えて嬉しかったです☆

*3:切り取られた枠の向こうに別世界がありそうなものが好きです。窓とか扉とか、舞台の幕とか

*4:真顔で云ってるもの!

*5:写真集の帯より

*6:右斜め上方を眺めつつ

*7:ジャポニカ学習帳風の装丁で写真がニナミカ作品という可愛らしいノート

*8:今MORE確認しました