ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

血の婚礼 オレンジ12投目(東京楽)

 えー、あらためまして東京楽でした。ほんの2週間半前、初めて目にした舞台とは、まるで印象の違うものへ様変わりしていた「血の婚礼」。舞台は生きもの、ということを改めて見せつけられた半月でした。
 削ぎ落とされ、研ぎ澄まされ、純化された剥き出しの魂がぶつかり合う。生々しくて痛々しくて無様で不格好だけど、それが生きるということ。それが、人間の生きる姿。突き刺さるように鮮烈で、直視できないほどに眩しい。ライトの太陽の下で、光る汗を飛び散らせながらもがき、叫び、生きる人間達の姿は、目を灼くような美しさでした。
 まだ千秋楽じゃないし、これから先まだ1ヶ月近く公演は続くのですが。気分的にはすんごい「楽!」感だわ(笑)。身体も魂も激しくぶつけ合う舞台、どうか最後まで無事に完走して下さい。次に会う時には一体、どんな変貌を遂げているのか…楽しみで怖い舞台です。…そう、怖い。受け止められるかどうか、容赦なく放出される光とエネルギーを、受け止めるだけの度量が果たしてこちらにあるのかどうか。いつも試されてる気がする。だから観劇後、あれだけぐったりするんだな…短いのに。
 たぶん、あんまり受け止められていないダメな感じの、東京楽メモ行きます。

 
 
 

  • 席は特設上手側。今回、最初で最後の数字列でした。かなり奥だったので、段差より手前(客席寄り)での芝居は後ろ姿に近い感じ。袖から眺めてるみたいでした。…芝居の世界に入り込むには、ちょっと…疎外感(笑)。
  • 冒頭、過去シーン。引き離され突き転がされた新納さんの身体をひらりと飛び越す未來さんが、ほぼ正面から見られました。ぴくりとも動かない人形のような顔が、白くて綺麗。
  • 横から見て改めて気づく、奥行きの広さです。3階から見た時もすげぇと思いましたが。舞台の横幅よりも、奥行きの方があるの。縦辺が長い長方形みたいなステージです。
  • ソニンちゃんに向かって片手を差し伸べ、ダンッ!と踏みならすお顔も正面から見られました…わぁ…射抜かれる…*1
  • 黒い男と会話する母親。この辺が斜め後ろから見る感じの角度でした。
  • 過去のレオナルドと花嫁登場。…渡辺さんがかっこよかったです。レオナルドは…ソニンちゃんに去られて切ない手しか見えなかっ…。
  • メンコ。えーと、冒頭はお尻・背中堪能席でした。何かね…片足で3拍ずつ踏んでだんだん加速していく最初、凄かった。全身の筋肉の連動がわかるような。なのに激しく打ち鳴らす足とは別パーツみたいに、肩は揺れない。確かに繋がっているのに、その連動を完全に制御して表には出さない。
  • なのに、くるっとターンすると今度は迫ってきます。ひぃ! 無理! 近い!
  • すぐそこで、フワッと…浮きました。やっぱこの人浮く。浮き上がる。
  • シャツをぐいっと引っぱるところ、掴んだ瞬間に逆光の中、白い…何かが飛ぶのが見えました。糸屑? パリッといった?
  • 大きく足を3回鳴らすところ、ぶんぶんぶんっ!って首を振る時、逆光に汗の玉がキラキラと散って綺麗でした。
  • 乾布摩擦。斜め右側、絶妙な角度で堪能致しました。脇腹が美しい。芸術だ。
  • レオナルド帰宅。妻との会話、本当に最初の頃とは印象が変わって変わって*2。現在の不和に、過去の幸せだった頃が透けて見える様な、そんな悲哀が感じられました。かつては平和で幸福だった頃もあったろうに、妻が悲しい。その妻の悲しみが自分の所為だとわかっていて、それでもどうすることも出来ないレオナルドが悲しい。
  • 前後しますが、帰宅後のレオナルドが段差に座っている時、斜め後ろから見る感じだったのですが、息の荒さにメンコの運動量を改めて実感しました。呼吸に合わせて波打つ脇腹…すいません気味悪くて。
  • ちゃぶ台返し。テーブル倒しました。でも、前みたいにショッキングじゃなかったのは横から見ていた所為かしら。よかった…アレで凹むと凹みっぱなしだからな私…。
  • しかし正面から見るより、どうしても…近いんだけど、一歩引いたところから見ている感がしますね。ステージサイド席。うん、舞台のエネルギーはやっぱり、正面に向かって放出されてる。
  • とりすがる妻を振り切り、「ほっといてくれ!」と行ってしまうレオナルド。この…振り切る身のこなしが。すごいの。近くで見るとあり得ない位の速さで身を翻すの! 見えない位! あんな動きする人の近くでは私は生きていかれない…と思いました(笑)。絶対いらんケガする、びっくりして転ぶとかする。しかしかっこよかった…竜巻みたいに身を翻すの…。
  • 花嫁の家に挨拶に来た母と花婿。去り際の花婿のキスを受ける花嫁が幸せそうで…この後あんなことになるとはね…。
  • エア・レオナルド。飛び出してくる瞬間を正面から見られました。助走2歩から走り幅跳びみたいに飛び出てきた!
  • お支度中の花嫁と女中。「早くしてよ!」「おやまぁ勝手だねぇ」のやりとりが好きです。可愛い。あと「さぁ、お姫様」ってくるくるするのと。数少ない幸せなシーンで。
  • 「黒い風」ってレオナルドですよね。この辺から何となく、レオナルドの馬は黒い馬、というイメージになっているみたいです私。勝手に。
  • レオナルド現る。この一場、感情のうねりが凄かった…。激高とそれを呑み込んだ静かな口調のコントラストやタイミングが…。
  • 女中と掴み合いになるレオナルド。さすが女中、負けてない!
  • 何となく、この辺りを観ていて思ったのですが、二人が別れる時、二人の間にはお互いに、誤解が生じていたのではないかと。それは花嫁の身内(父?)の画策かも知れない。互いに裏切られたと思う様にし向けられたのではないか、その誤解が解かれないまま二人は別れ、レオナルドは結婚したのではないか、という…まぁ妄想ですが。
  • 家格の違い等により花嫁の身内が結婚に反対→娘に「あの男は不実」的なことを吹き込む。上手く娘が疑惑を抱くように仕向ける→花嫁の態度が変わりレオナルド困惑→そこへ花嫁の父「釣り合わないからもう近づくな」的なことをレオナルドに云う(娘のいない所で)「娘も迷惑している」的なこと等→娘の態度の硬化を誤解するレオナルド、娘に近づかなくなる→娘、距離を置くレオナルドに捨てられたと誤解→レオナルドに現・妻との結婚話、「釣り合うのはこの位」と云われているように思うレオナルド  的な!*3「金ってやつはいつだって人を見下す」「お前が俺に押し付けた結婚」「ここに住む女を抱いて捨てるくらい何でもないことなんでしょ」この辺りのセリフから捏造したパターンですが。何かいろいろあったっぽいよね、ということで。
  • 婚礼出発前。妻の手は握らず、花嫁も見ず、じっと虚空に目を彷徨わせるレオナルド。虚ろな瞳がまた美しいんです…。
  • 宴の最中。…今日のレオナルド、ここがすっごい…切なかった…。少女に引っぱられていく妻に「行っておいで」っぽく向ける顔も、ダンスに誘われて応じる顔も、すごく優しくて…儚げな笑みなのです。どうしたのレオナルド!? でも妻を抱いて踊りながら、視線は花嫁をじっと見つめる…。
  • しかもその笑顔が正面から見えてしまう上手サイド席。うわーん切ない苦しいでも美しい!!
  • カーテン裏のレオナルド。触ったり見上げたり、イタズラしてるみたいです。
  • みんなが踊ってる輪から離れて、テーブルの奥でひとりワイン*4を煽るレオナルド。寂しそうな顔するんだもん…綺麗なんだけど可哀想で…妻に笑顔を向ける分、ひとりになった時の孤独感が増してしまいます。
  • この寂しい顔と、妻への笑顔を見ていたら、朝方に女中と花嫁に云った「心配しなくていい」は本心だったんだろう…とぼんやり思えてきました。もう最後だから、積もり積もった胸の裡を全て吐き出して、レオナルドは彼女と決別しようとしたんじゃないか。気が済むように本音を全部ぶちまけて、終わりにしようと思ったんじゃないか。彼女は結婚する、自分も妻と子供を愛して、この先を生きていく。もう、馬も走らせない。その為に、早朝花嫁の元を訪れたんじゃないか、と…。でもそれが、花嫁の裡に吹く黒い風を煽ってしまったのだけど…。
  • 花飾り、「ロウで固めてあるから」って云ってたのが、前楽で気づいたら「ロウでできてるから」になっていました。造花!
  • 最近、少女の目が怖いです。欲丸出しの…無邪気だけど純粋な分、剥き出しでストレート過ぎて怖い。獲物を狙う様な目で花飾りを追うんだもん!
  • オレンジを高く放り投げるレオナルド。
  • 花嫁が頭痛を訴え姿を消し、女中が探し始める辺りから、背後の新納さんの影が大きくなる。婚礼を覆う死の花。
  • いつも、後ろの扉から走り出してくるレオナルドに、毎回びっくりしてたのですが。最後の最後でやっとわかりました。新納さんのマントふぁさっ…に見とれてました私(笑)。
  • 幕の上げ下ろしや配置換えの間がかなりシビアになっているようで。レオナルド出てきて花嫁を抱き留める時、まだ後ろにカーテン吊ってたフックがあるの。怖い。
  • 月と黒い男。大好き。原作を読ませてもらったらまるっとポエムだったので、これは無理に解釈こじつけなくてもいいんじゃないかなーと思い直しました。でも白井版の方が官能的で美しくて好みだわ。
  • 新納さんの「月は隠れて追っ手が迫る、ふたりはもうここから動けない〜」のところ。動きが格好良すぎてたまりません。…いや、私は真顔で云ってるんですが、私の周囲はかなりの率で「笑えて困る」とか云ってます。…えーうそー普通にカッコイイけどなー。
  • でもアフターのファミレスではみんなで真似してましたけどね!「ここから動けない」の指とか、「引き裂かれて響く二人の悲鳴」の鍵型に指を曲げた両手をバッと離すのとか、「もうすぐここでそれは起きる」の顔周りにぐるっと腕を回すのとか、「私はもう待ちくたびれた」ポーズとか(笑)。全然関係ないけど、一連の新納さん動作、未來さんで見てみたいです。
  • 森。「だまれ」はひっくり返ったり泣きそうだったりせず、かっこいい「だまれ」でした。
  • もうね…凄かったので、何を云っても仕方ないんです。重箱の隅つつくようなことしか云えないや。レオナルドと花嫁というか未來とソニンちゃんというか、が心配になるくらい。足下がフラフラになっちゃうくらい感情に突き動かされ、振り回され、歯止めが利かなくなるのを、無理矢理に抑えつけて、また爆発させて。吹き上がるようなそれに、自分の感情を沿わせて観るのがつらい。
  • 泣き崩れるように「ちくしょう…夜が死んでいく」
  • 「どこか暗闇を探そう、お前を心おきなく眺めていられる場所」と、取り乱したように、追い立てられるように、膝を突いたまま花嫁に躙り寄るレオナルド。子供みたいに必死な顔して…逃がしてあげたい!と久々に思いました。いつもあまり思わないんですが。
  • 「それなのに、俺が馬に乗ると馬は勝手にお前のもとへ向かうんだ!」的セリフが一瞬わやくちゃになってしまうレオナルド。「お前を乗せると馬は、馬は!」みたいになっちゃった! 「お前を連れてどこまででも馬を走らせる!」」と混ざったのかな。でも勢いがあればそんなのどうにでもなりますから! 心中応援しまくったけど(笑)。
  • 「でも俺の所為じゃない!」辺りで胸元を掴むレオナルド。シャツが少し裂ける。
  • 「この、土地の所為…この、土の所為…」指先で地面をなぞるような感じ。殴らなかった。
  • 「お前の髪と胸から湧き出る、甘い香りの所為なんだよ…」食いしばった歯の間から押し出すような声。
  • 「何て綺麗なの…」もつれ合う様に倒れ込んだら、花嫁のスカートがまくれ上がってしまいました。ドロワーズ可愛いんだけど! …まぁ夜の森の中なら気にしてなんかいられませんよね。
  • 横たわる二人を、頭の方から観る状態でした。新鮮なアングル! 髪を撫で顔を撫でる手が官能的。花嫁を見下ろす顔の、鼻筋が美しい。そりゃ「何て綺麗なの…」と感嘆もするってもんです。
  • ここ、押し倒してすぐに、花嫁の方からすごい軽い、唇の先を触れるだけみたいなキスをひとつしたんです。…すんごい…可愛かった…ソニンちゃん唇尖らせてちゅって。愛しくてたまらないみたいに。
  • あとソニンちゃんの胸元にクギヅケでした。仰向けになっても谷間が消えない…すげい…。
  • 身を起こしたレオナルドの乱れた胸元、白いデコルテに、赤い痕が3つくらい付いていました。ひっかき傷みたいなのが。
  • 「静かに。気づかれる」の云い方が格好良くて好き。
  • 「俺たちが離れる時は、俺が死ぬ時だ」「そしたら私も死ぬ」…抱擁が後ろ姿…。抱き合って、レオナルドの背中を何度も掴む花嫁の手を観ていました。切ない…。
  • 花婿が現れてから押し倒し。……尻席……。
  • しかーし。花嫁の胸を堪能し終わり、顔を上げて振り向いたレオナルドの表情が真っ正面で!
  • …全てを閉ざしたような無表情というか。少し夢心地な感じでもあり。乱れた髪、上気した頬、はだけた胸、何か…観ていいのコレ?とハラハラしつつガン見。どこか夢うつつな顔をしているんです、少し陶酔したような。ああ、月と死に魅入られちゃったのかな、的な。…美しかった…。
  • そんな顔をガン見していたので、レオナルドが花婿の手を払い除けたのを見られませんでした。が、花婿の左手がレオナルドの頬に添えられた時、親指がつい、とレオナルドの目の下を撫でる様に動いたのは見えました。
  • 女たち。…ここのれいなちゃんが…いつも凄いんですが、ほんとに…胸を裂かれるような絶叫で…つらい。あとれいなちゃんの「苔がむす」の声が好きです。迫力と凄みがあってカッコイイ。
  • ラスト。降り注ぐ花びらを見上げ、受け止めるように手の平を向けるレオナルドの、全て洗い流したような、正に「まっさら」な表情が美しかったです。全ての人間的なものを脱ぎ捨てた、何もない清浄。血の鎖から解き放たれたものだけが辿り着くことのできる場所に、男たちは立っている。地に縛られ、血に縛られた女たちはのたうつように苦悶する。男と女、風と大地、外と裡、彼岸と此岸。この上なく美しくて残酷な終幕。
  • さて、カーテンコール。1回目はいつも通り、渡辺さんを呼んでからカテコメンコへ。解放されたように伸びやかに、むしろ奔放に、笑顔まで見せながら、こんなに楽しそうに踊るフラメンコ、初めて見た! 踊りながらこぼれる笑顔が…正面真上で…嬉しかった…やっとカテコメンコの手拍子*5が笑顔で打てた!
  • ソニンちゃんも笑顔見せてくれて…良かった…。
  • ふわっと舞い上がりくるんと回って着地。下から見上げるように見ているから、本当に舞い上がるようでした。小さな竜巻起こしながら。
  • そして足下に転がっていた赤い糸玉に、未來さんの爪先がこつん、と。下手側から上手に向かって、赤い糸を伸ばしながらコロコロ転がる毛糸玉、それを見て「あっ!」て顔する未來さん。も正面でした。ごちそうさま!
  • 糸玉は上手サイドから落ちて客席の足下まで。チラチラ気にしてる様子の未來さん(笑)。
  • で、メンコラストの着地キメポーズが…突然片足がこっち(上手側)にびよん、と伸びたのでびっくりしたら、どうやら足を滑らせたようで。キメポーズは何とか保ったけど、何やら予期せぬセクシーポーズになっていたそうですね…横からじゃセクシーかどうかはあんまりわかんなかったんだよね…。
  • ほどけた赤い糸がだいぶ舞台上を這っていたので、もしかしたらそれで足を取られてしまったのかも。良かった、セクシーポーズくらいで済んで!
  • みんなでお辞儀してから、最後に袖で未來さんがぺこり。ハケながらもしばらく糸玉を気にしていました(笑)。
  • 2回目、拍手に呼び出されて未來さん登場、ステージ真ん中でソニンちゃんの手を取ってエスコート。ふたりでお辞儀する時のソニンちゃんがエレガントで可愛い。
  • それからみんなで手を繋いでお辞儀。未來さんは渡辺さんのギターのネックに手を添えて。
  • もう一回出てくる未來さん、ソニンちゃん。…が、ステージに上がる直前にソニンちゃん、段差でちょっとカクンとなりました。これは上手サイドでないと見えなかろう(笑)。で、そんなソニンちゃんを見て大丈夫?みたいに笑う未來さん。あの全開笑顔にはそんな裏があったんですよ!(笑)
  • ニーンと笑ってお辞儀して、さっさとハケる。
  • 拍手が手拍子に変わり、この辺でスタンディングオベーション? もっと前? 記憶がぼやけちゃって…でも、最後の最後に立てて良かった! いつもは何というか…立つ元気も抜かれている状態というかで…でもやっと! 今日は笑顔で心おきなく!
  • 止まらない拍手に、舞台袖からちらりと様子見に顔を出したそうで! 見たかったそれ!! どうして上手にいるのよぅ!(笑)
  • ゆっくり出てきて、スタオベにちょっとびっくりした様子の未來さん。一列に並んで、ソニンちゃんとどうすんの?みたいなことをニコニコしながら云っていたような。
  • で、拍手を抑えてご挨拶。一瞬にして静まる会場にまたびっくりする未來さん(笑)。
  • ご挨拶第一声は「えー…こんにちは」(笑)。そりゃ会場も笑いますって。
  • 「皆さんのおかげで無事に東京楽を迎えることができました、これから地方もありますので………(しばらく間)良ければ是非見に来て下さい!」みたいな。相変わらず声が小さーーいっ!!
  • で、どうしよっか、みたいになって。額に手をかざし客席を見渡す未來さん、他のみんなも真似します。「しらいさーん」と演出家を呼ぶけど白井さんはいらっしゃらないようで…「白井さんは逃げちゃいました(笑)」「仕方ない」って云ってました? ませんでした?
  • で「本当にありがとうございました!」で締め! こちらこそありがとうございましただよ!!

 そんな東京楽端っこ観劇でした。魂も神経も雑念も頬肉も何もかも削ぎ落として、本当に本質だけで作り上げられた硬質な、繊細だけど骨太な舞台。これから続く地方公演で、一体どんな変貌を遂げるのか、その経過は見られないけど。最終着点で、変貌の結果を目にするのを楽しみにしております。おつかれさまでした、でもまだまだ走り続けなきゃ!
 いくつもの生を生きて、幾度も散っていく。舞台の上というひとつの世界で、ひとつの時間の流れの中で、何度も生と死をくり返し、ひとつの生を終わらせ、ひとつの世界を終わらせ、また生きて作り上げる。…どんな作業なのか、想像もつきません。一生の早回しのような2時間。幾度も生きて死ぬ、くり返される一生。何だか、心配になってしまう。
 だから、どうか、舞台を降りたら…穏やかでハッピーな時間を過ごしてくれていますように。

*1:見てないからそっち

*2:2回云う

*3:便利な言葉です本当に

*4:通称ウェルチ(仮)

*5:パルマとは口が裂けても云えない