ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

血の婚礼 ワインケーキ6切れ目

 少しでいいわ! あんたのお母さんに包んであげるよ!
 バタバタと仕事を終わらせて、新大久保へ走ってきました。休演日明け一発目、何かが起こる気がする…(うそです)。
 いやそれはともかく、演出変更とかは何かあるかなーとはうすらぼんやり思いつつ、でもいのうえさんじゃあるまいし週替わりで変えてくるわけでもなかろう、と変化にそんなに期待はせずに行ったのですが。
 予想以上に色々変わってた。
 変わった所はまぁ些細な点だろうし、芝居のテンションは毎回ビミョウに違うし、とも思うのですが、受ける印象が日曜日とはだいぶ違う。全体的に、感情が表面に出ているように感じました。その分わかりやすい気もするけど、渦巻く感情を圧し殺して閉じこめて、それでも尚どろりと染み出てくる濃厚な情念、みたいな雰囲気が好みだったので、個人的にはゴールデンウィーク*1のテンションの方が好きだと思いました。
 以下思い出しつつ。畳みます。


  • フラメンコシーン、いつも一点集中のめちゃくちゃ狭い視界で見ていたので、全く気づいていなかったのですが、馬で疾走するイメージのレオナルドの後ろで、登場人物それぞれが、レオナルドに対する感情や位置を表す仕草…というか動作、をしているんですね。追いすがるように駆け寄り手を伸ばす妻、それを後ろから抱いて止める母親、警戒するような目を向ける花嫁の女中、怯えたように陰に隠れる少女。嫌悪感を剥き出しに睨み付ける花婿の母、遺物を見る様な目を向ける花嫁の父。それぞれがだんだんに舞台上から姿を消し、最後に残るのは花嫁と、花婿の母。思った以上にみんなが動いていて、ちょっとびっくり…というか気づいていなかったことにもだいぶびっくり(笑)。
  • やっぱりメンコ後に爪先を掴む。お馬の足が傷ついてるの?
  • そういや根岸さんの子守歌の「お馬は水を嫌がる」の意味をしばらく考えたのですがわかりません。海の方に住んでいる親戚は馬を怖がる、につい繋げてしまいたくなるのですが…そこ繋げても意味がわかんないよ。
  • 相変わらず背中美しい。
  • 泣くのかやめてくれ、は「おい、泣くのか。…やめてくれよ」と…とても人間味のある云い方で…レオナルドさん人間的にずいぶんまるくなりましたね…。
  • 今日のストッキングはバラ柄が外側でした。
  • …あっいま意識がなくなってた…10分くらい…。ぶっとばして、演出変わった!?てとこだけちょろりと。
  • 婚礼の未明、花嫁の前へ現れるレオナルド。口論の最中にジャケットを投げますが、今日はソニンちゃんの顔の辺りにバサッと当たりました。さすがのソニンちゃんもかわせなかったようです。
  • あまりに花嫁に近い場所に落ちているレオナルドのジャケット。どうすんの、取りに行くにはちょっと花嫁に近づかなきゃだし、そこで近くに行くのも何だかなぁ、だし…と思っていたら、女中さんが「出てっておくれ!」と…投げ返した! 素晴らしい!
  • えーと…*2 *3あっ、婚礼の宴の最中に、妻の手を握りながら花嫁に暗い視線を送るレオナルドでしたが、今日は妻の手をにぎらなかった! 妻がレオナルドの肩に手を添えるくらいでした。…もったいなーい!! 素敵シーンだったのにもったいなーーーい!!
  • 全体的にマイク音声が大きくなった気がします。聞き取りやすいような、そうでもないような…。
  • 宴のシーン。妻と踊りながら、時折花嫁をじっと見つめるレオナルド。
  • 月のシーンをじったり見ていたのですが、花婿が月に憑かれるところ、岡田くんの表情が、恍惚というか…正に「憑かれた」顔になって、ふらふらと月の後を追い消えていくのが、とても良かったです。血のぬくもりを欲する月に導かれて、照らし出された二人の元へ行くのね…。
  • あ、あと花婿が最初に月の姿を見た時に、「お前…」と少し驚いたみたいに呟いていました。誰を見たの? 少女?
  • 黒い男と逃げる二人が出会う(?)シーン。身体をマントで覆い隠され*4、少女に戻って怯える尾上さんを、レオナルドが見つけて手を差し伸べる。が黒い男になにか…何だろう、ピンッ、って…ボディブローを喰らうように後ずさる。花嫁も少女の姿を認めてじっと見つめるけど、やっぱり黒い男のピンッ、を受けて目を離す…。
  • この辺の、「少女/月」「黒い男」「何かを見る二人」を、シアガのソニンちゃんの「森である事件が」発言と繋げては…いかんのでしょうかね。この後が狂乱のあのシーンだし。
  • 森を逃げる二人のシーンは、これまでで最も格闘率が高く、またレオナルドの駄々っ子度も高かった気がします。
  • ほんと肉弾戦というか白兵戦というか…本気で嫌がり本気で引きずり寄せ本気で突き飛ばし…いつにも増してヴァイオレントリィな場でした…本当にケガには気をつけて下さい…あといくらソニンちゃんでも女の子なんだからさ…。
  • なのに開口一番の「だまれ!」は、やたらか細く泣きそうな声で…どうしたのレオナルド!?と思いました…。
  • ていうか、花嫁が「もう止めましょう」的発言をその前にしたから、レオナルドが「だまれ!」って云ってるんですよね。それまでは二人とも逃げるつもりだったのに、そこからは花嫁に迷いが生じている。この、花嫁の迷いの原因を、さっきの怯える少女の姿を目にしたシーンに繋げると…「事件」が見えてくる、気がしませんか。どうなのかなぁ。
  • そして駄々っ子。夜が死んでいく、畜生!と泣き崩れながら身を投げ出し、高く振り上げた足をダンッ!と地に打ち付けるレオナルド。幼い…。
  • さらに、寝転がる未來さんの姿が目に入らなかったのか、ソニンちゃんが未來*5に蹴躓く。それを下から抱き留めて、上手い具合にラブシーンへ持っていったのですが…怖かった…。
  • 「本当ならお前をここに捨てていくのがいいんだろうな!」的セリフの後に、遣り場のない感情が吹き出てしまったのか、高く飛び上がってダンッ! ダンッ!と2回、両足を叩き付ける未來さん。正直、「ど…どうした…?」と思ってしまいました…。あれ、抑えきれなかったのかなぁ。わからなくもないけれど、何か、とても幼いレオナルドに見えました…っていうかエドガー…。
  • 花婿が現れ「…何をしている」と呟いても抱擁を解かない二人。というか、云われてからさらに花嫁を押し倒すレオナルドさん。…火に油注いでどうするんだ…とつい心配になってしまう。
  • あとは…大きく変わったのはラスト、花びらの降り注ぐ中に現れる花婿とレオナルド。の、レオナルドが、出てきていきなり地に膝突いて座り込んだのです。びっくりしたー! 何かしてるっぽかったんだけどちょうど死角で…何してたのかなぁ、花びら受け止めようとしてたのかなぁ。
  • 花婿も花びらを見上げていました。花びらの存在がずいぶんと強調された気がします。
  • その後の、砂をこぼす女達のシーンも、かなり感情があらわになったまま最後まで行きました。あの、個人的な趣味なんですが、最後のあのシーンは、「花婿の母」「逃げ出した花嫁」「夫を亡くした妻」というそれぞれの役を超越したような、ただ大地に生きる女として在るような、そういう圧し殺した無表情さがカッコイイと思っていたのですが。とても…感情的に砂を落とし、泣き崩れるように血にそまった大地に身を投げ出していました。江波さんの「暗闇の中、もつれあう叫びの息の根を、止めたのです」とか、あの一連のセリフは、ナレーション的な気分で聞きたいなぁ。もっと突き放して欲しい〜。あのシーンには、血に縛られ地に繋がれ、血を腐らせ、それでも生きていかなくてはならない女たちの、強さや怖さ、生の冷酷さ、そんなものを感じていた…というか、感じたい、ので…もっと人間的な部分を超越した存在になって頂きたい、のです。趣味ですが。
  • カーテンコールは短縮形っぽい感じでした。初の19時開演だったからかなー。1回目のカーテンコールでフラメンコになりました。でもこのメンコがいつもより長かったような気もする…渡辺さんと未來のセッションみたいな感じで。あと、メンコの始まり方がオリジナリティあふれるものになっています。いいぞいいぞ!
  • メンコ終わってみんなでお辞儀して、渡辺さんを先に行かせて、舞台袖キワでお辞儀をする未來さん。それやると終わりになると思ってるんでしょ(笑)。
  • しかし客電ついても拍手は止まらず。ステージが明るくなり、未來さんとソニンちゃんが二人で出てきてお辞儀した後、全員を呼び戻します。で全員でお辞儀、をして頭を上げる時に、未來が、いつもカテコメンコ始める時の、頭を上げざま「はっ!」って手拍子を始める、のの真似をして寸止めました(笑)。わーんまんまと期待しちゃったじゃないか! すんごいイタズラっ子みたいな顔して笑ってました。ごきげん麗しいなぁ!

 すいません眠くて支離滅裂です…読み返す気力もないやあはは…寝ます…。

*1:…2日目くらい?

*2:また意識が途切れてる…

*3:目を覚ませ俺!

*4:月が雲に隠れて暗闇に包まれているってことも表す?

*5:の顔〜肩辺り