ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「死刑執行中脱獄進行中」(11/21マチソワ)

 ががっと観てきました。マチネは1Fセンター最後方、ソワレは2列目下手、と前後から。初日は前方上手だったのですが、うん、見えてないものが多すぎた…特に前方上手はトラップ(笑)だわ。いくら近くに本人いても見るべきは後方の布だった!!
 3回観てやっと…ああそういうことだったのか!というところに手がかかってきた感で…だめだなぁ鈍いなぁ。何観てたんだろうな…口ぽかーんだったから仕方ないとは云え限度もあるだろうに。あっ、マチネ後にシーフォートスクエア内ふらふらしてたら荒木先生をお見かけしました!! すっごいね、本当にお肌つやっつやのぴっかぴかね…何だあの若さ。流石。あやかりた過ぎる…。
 可哀想なひとが今頃ああそうだったのか〜なるほど〜!となってるネタバレはこの下に。


 とにかくわかってなかった初日なので、初日の感想文はまるっとなかったことにしたい気持ちです!! アップデートしたからもう大丈夫だよあれは過去の話だよ!! マチソワまとめて気づい*1たことざっくり。

  • マチネ、蜂のシーンが初日より体感的に短かったような。でも初日っていうか初回って何でも、2回目以降よりも長く感じるものだからちょっとわからない。体感的には、あれっ昨日よりすっきりした?という感じではありました。初日は、あっまだやるの?ってなったから(笑)。
  • と思ったんだけど、ソワレで蜂の軌跡が若干トラブったというか、軌跡が繋がらずに飛び飛びになったところが2回くらいあったから、どうなんだろう。もしかしたら何か調整があった上での何かだったのかもしれない。のでショートカットの可能性もないことはない。
  • マチネでお水ボトルのキャップ落としてあっと思った。別に何もないけど。
  • マチネの後方席は全体が見渡せる良い距離感…ではあったものの、千鳥配置じゃない席と、前の方が背の高い男性だった関係で、センターほぼ潰れてたのね(笑)。だから何となく見えてたり見えてなかったりなのね…でも後ろの布に映写される映像はすごくちゃんと見えました。上手の舞台端にカメラがあって、そこに向かって芝居してる時は、後ろの布の映像がメインなんだよね…初日は上手前方だったので、わーこっち来たぞ、ってご本人を見てしまって映像見られてなかった。ので、冒頭の「俺は無実だ!」が鉄格子の向こうから云ってるのもあんまりわかってなかったし、何よりボトルの中に閉じ込められて水位が上がって…ってなるのがね…ああそうだったのか!!ってね…上手前方トラップでした。
  • 反復が少しずつ謎解きになっているのは本当に面白いし好きだなー。
  • 猫の後を追いかけて外に出ようとするけれど、猫が男を導いた先は女の元で、瓶の中に閉じ込められて水に飲み込まれて海、ドルチの世界に入る、のかな。
  • 船で男が女の膝枕で寝ている時、帆に映る女の影が猫になってるのも昨日気がつきました…。もうね、女=猫ってこんなにわかりやすくしてくれてるのにね、受け取る側がポンコツだとこの有様ですよ。影絵の時点でちゃんとわかろうよ…。
  • いや薄々そうなんだろうなぁと感じてはね!! いたよ!! 昨日だって!! でもね!!! ちゃんと提示してあることとそれに気づかず薄々想像しているのとでは全然違うんだよ!!
  • それ云ったらダズル迷彩の時点で、部屋と海はイコールになってるのにもピンと来たかったところですよね…パンフ読んであああれ! そうか!!ってなった…しょぼん…。
  • 女は猫で部屋は海なら死刑〜の世界とドルチの世界が重なっているのは云わずもがなで。重なっているというか、透明な2枚のレイヤーみたいな。
  • 部屋の怪異は全て、女の意思というか思念みたいなものなのね。だから彼女が座るとふんわりフィットするソファに男が座ると食べられちゃうし、彼女が開けるとすんなり開く抽斗を男が開けると襲われちゃうし。
  • あと初音映莉子ちゃんが赤いドレスの下にダズル迷彩のアンダーウェアつけてて、それはあの素敵な悪夢みたいなシーンで早替えの為なんだろうけど、ソワレで赤いドレスの下からそれがちらりと見えた瞬間があって、何かとても納得というか確信しました。
  • 部屋の怪異が触手みたいに女の腰からぞろぞろ伸びて、その先が男を捕獲して引きずり込むのとか、すごく気持ち悪くて最高です。
  • 女の正体が怪異の大元だと気づいた男に、薄い笑みを浮かべながらじわじわとにじり寄る映莉子ちゃんも大好き。おびえて後ずさる男を追い詰めていくあの表情、たまらん。
  • 怪異の本体になって禍々しく楽しげに踊り狂うのもすごく好き。あの辺の音楽もとてもテンション上がります(笑)。
  • どうしても、明確で規則的なリズムと、メロディラインがある音に安心するタイプです。音、が曲になると俄然、覚醒してしまう。
  • ラストの、初日の感想で「脱獄し続ける」とかわたしが書いちゃってるやつ、全然違いますね。恥ずかしいですね。あれ、椅子に掴まってソファに食べられてバスタブに沈められて抽斗に引きずり込まれて棚の戸に挟まれてって部屋の怪異に襲われる、冒頭の怪異の早回し的なことですね…何を観てたんだろうね…。
  • 怪異から逃れて生き延びようともがく男、が、怪異がひとつずつ薄くなって、最後に何もなくなり、何もない部屋で男ひとりになり、それでも怪異から逃れようともがき始める、のは、つまり部屋の怪異自体、男の幻想だったのかもしれない、俺は無実だとうそぶきながら、女を殺した罪悪感なのか何なのかが、彼にそれを見せているのかもしれない、なんてことを思いました。今更。

 帰宅してソファに座った時とか、ご飯の支度してうっかりお箸を落とした時とかに一瞬、……ってぞわっとしてしまったりする後遺症があります(笑)。怖いけど面白い! 初日は、お芝居というよりコンテンポラリーとして見ちゃうなんて云ってたけど、だんだんあたまが追いついてくると、全然違う面白さが出てくるなー。一度でそこまで行ければ良いのだけど…ポンコツは回重ねないと無理みたいです。でもこれから観るのがもっと楽しみになってきた!

*1:気づけ