ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「死刑執行中脱獄進行中」11/25昼

 平日昼間だから行かないと思った? ざんねーん!! 行きましたー!!*1
 というわけで諸事情により休暇申請して平日マチネ行ってきました。東京公演唯一の休演日明け回…だからってわけではないのですが、諸々予定が重なってしまって。ソワレも明日の夜も行けないしー。いや、全部行こうとかいうわけでもないんですけどね。
 休演日明け、特に大きな変更点もトラブルもなく恙無く…だったのですが、個人的には何となーくグルーヴに乗り切れなかった感がうっすらと。舞台が、っていうよりは、わたしが、なんだと思いますが。何が違うのかなー何となく疾走感がちょい下がるというか…モタつくわけではないんだけど。わたしも別に眠いわけではなかったのだけど。まぁ人間が演じてるのを人間が観るんだもの双方コンディションもありますよね。でも、改めて気づいたところもあるし、良かったんですよちゃんと。

  • 開演前、やっぱりパタパタ叩く音がする。
  • 何となく、開演までの間がいつもより長かったような気が。あと降りた幕の向こうで何やらガタン!とか音がしてて大丈夫?ってなった。
  • 席というか場所の所為かな。オープニングの重低音がものすごく響いてチェロの音が聞こえないくらいだった…耳が…(笑)。
  • 幕が上がってからドラムが入ったのもこれまでとタイミング違っててあれ?ってなった。幕上がってからバンドの演奏時間が長くて、上手で待機の未來さんがずっと見えてた。これまではドラムきっかけくらいで客電落ちてなかったっけ?
  • もう始まり方はあれで固まってるんですね。蜂なくなっちゃったのかーでもテンポはその方がいいのは確か。
  • 久々に(?)ソファの背に置いたコップの位置が動いたー!
  • ソファの肘かけにコップを置いた男、バスタブとテーブルとリモコンを「何も起きてないな?」って監視するみたいに鋭い視線を順に向けていた。けど怪異はそこではない…。
  • 動きや現象に合わせて鳴るバンドの音が増えている気がしました。インプロで付けてるから毎回違うんだろうけど、そこなかったよね?ってタイミングで音付いてて面白いというか、スリリング。壁にコップがぶつかる時にバスドラがドスンと鳴ったり、猫がテーブル動かすのに合わせて低音がずいーんと鳴ったり。
  • 部屋が呼吸をし始めるのが、気持ち悪くて好きです。生き物の気配というか。
  • そういえば、猫の影絵までは後ろの壁(布)は白いのに、最初の「わたしを招待して…」の時にはダズル模様が浮かんでるですね。
  • 1回目のヨットシーンでは基本楽しげな男ですが、今日は時折ふと我に返るような、我に返って「何だここ…?」ってなるような、不審げな不安げな表情で辺りを見回したりしていたのが印象的でした。女から丸めた紙で何か囁かれて笑ってそれを見てくしゃくしゃポイして、女の首が男の身体を滑り落ちるみたいな風に動いた後、辺りで。
  • それ観て、あ、これはもしかしたらただの夢なのかも、と思ったり。過去?とか何かいろいろめんどくさく考えすぎたのかもしれないな。あの部屋で男が眠ると見る夢が海なのかもしれない。夢の中だと見たこともない知らない人と親しくしてたりするし。
  • 起きたらあの部屋で寝たらあの夢じゃなかなか疲れそうです。
  • でも女が出てくるとちょっとほっとしたようにまた笑顔でキャッキャするのです。なーんか変だなーとは思いつつ楽しいからまぁいっか、みたいな?
  • 猫(ドルチ)への述懐が書かれている、丸めて捨てた紙をまた投げ渡されて、広げてそれで顔を覆って倒れるのは何なんだろう。
  • 女を追いかけて登った帆の上でも、何だこれ?みたいな顔して周りを見回してる。
  • 嵐に飲み込まれて息も絶え絶えに何とか助かるところで目が覚めるとまたあの部屋、みたいなことかなーとか。
  • 照明のコードで首吊りになるところの音楽もかっこいいな。
  • 2回目の海は夢の続き?
  • そういえば原作を読み返したのですが、ドルチを男が捕まえようとする理由は「血を飲みたい」だったのでした。女の方の猫を追いかけるのは捕まえて血を飲んでやる(そのくらい喉が渇いてる)、でも逃げられて、そしたら白い方の猫が出てきて、こっちは水のボトル奪った方だから、ボトル返せって追いかける、でボトル争奪戦の後にボトルに釣られてバスタブ飛び込んでどんぶらこ、と。
  • 男が倒れている(=寝ている?)間に部屋でくつろぐ女。この辺の女王様感たまらないです。大好きです。
  • 男が一度起きると、ピタッと動きを止めるけど、また寝る?と動き出すダズル模様たち。
  • 女が男を引き起こして云う「わたしを招待して…」は夢なのか現なのか。
  • でもここから先が一番悪夢っぽいんだよね! 大好き!
  • ダズル模様の穴の向こうに女がいて、捕まえようとすると穴に食われる。ここで初めて、ダズルと女が繋がってると男は認識する、のかな。
  • 女がダズル模様になる最高潮にわっしょいわっしょいなところ*2、ダズル模様に赤い照明が当たって、女の赤と海の青が混ざり合うみたいでたまらないです。
  • そんな悪夢から覚めると鉄枠の中に閉じ込められている現実、なのか。
  • でもそこにも女が現れて、男の現実をじわじわ浸食していく、とか。
  • …じゃあ部屋の怪異も夢だったのかもね? ダズルも海も女も全部夢かもしれないね?
  • 鉄枠の中で頭倒立してる未來を枠ごとぐるっと映莉子ちゃんが回すのが、毎回がんばれーってなります(笑)。どっちもがんばれー!
  • 男がどうしても出られない枠の上を、ダズルのエスコートでしゃなりしゃなりと歩いていく女がとても好き。ペプラムスカートひらりとさせて。
  • 枠の中で男と女が見つめ合うの、何故かロマンチックなムード漂うよね〜と思っていたのですが、今日観たら表情がどっちとも取れる感じで…そこはラブなの? それとも殺意なの? 入り混じってるの??
  • 女をバスタブに沈めるのも…愛憎入り混じってしまっているようにも見えて…でも女がいる限り男は死刑執行され続けるし脱獄できないし。
  • 女が枠を外しても、男がダズルを離さない。男にとって、最早生きることはイコール執行される死刑を回避し続けることで、脱獄し続けることで、それがなくなるとその向こうにあるはずの景色、菜の花畑に蝶が舞うような、のも見えなくなる、のかな。
  • 枠を外されてもダズルを離さない男が、夢から覚めかけているのを自覚しながらまだ見ていたい、続きを見たい、と無理やり夢に戻ろうとする感覚に似ている気がしました。そうやって無理やり戻ろうとしても、大抵戻れないんだけどね、夢。
  • 女も海も消え、がらんどうの現実の中で、それでも夢を見続けようとする男。彼にとってはまだ、死刑は執行中だし脱獄は進行中なんだな。

 というわけで今回は「全部夢」説で観てみた回でした。何かこれが一番しっくりするような…違うような…わからない。でも、わからなくても楽しいし、やっぱりとても好きな作品です。
 あ、カテコは3回ありました。が笑顔とかお手振りとかはなし。やはりあれは休演日前スペシャルだったのか(笑)。

*1:何だ一体

*2:大好き!