ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「VESSEL yokohama」@赤レンガ倉庫ホール(1/26)

 犬島ぶりのVESSEL初日に行ってきました。赤レンガ倉庫ホールはJudas.~で来ていたので勝手知ったる感じ。チケットに整理番号がない自由席とのことだったのですが、案の定並んだ順の自由席でした。仕事の後に行ったのでそんなに早くなかったけど、とりあえず良く見える席を確保できました。平日だからね~。

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 ロビーではパンフレットというかブックレットというかが「横浜先行発売」とのことで販売されていました。横浜以降はどこで売るんだろう、海外公演? A4フルカラーで解説とジャレさん・名和さんのコメントが日本語と英語で、京都公演の写真多数に犬島の写真も少々、プロジェクトメンバー紹介、公演履歴などが収録されて1800円。写真が綺麗です、VESSELサイトに使われているものかな。

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 会場へ入るルートがJudas,~の時とは変わっていて、外側の通路を歩いていくのが面白かったです。通常の入り口は黒い仕切で隠されていた…からあの長い廊下はどうなっていたんだろう(笑)。何かに使ってるんだろうなぁ。会場内は雛壇が組まれて椅子が並んでいて、最前列はベンチシートでした。舞台との距離がすごく近いので、座席の下に水除けのビニールがあった(笑)。久々だわビニール配布される舞台…血糊じゃないからいいよね(笑)。会場内の温度が高いので、コート脱いでもう少し調節できる服装の方が良さそうです。カーディガン脱いでちょうど良かった。チラシ、きゅうかくうしおの速報(笑)が入っていました。とても急いでる感のある速報(笑)。これについては別途。

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 徐々に客電が落ち、完全な闇に包まれると同時に、舞台を隠していた幕が*1引かれ、それでもまだ暗闇で何も見えず、やがて中心をぼんやりと照らすライトの光がなんとなーく見えてきて、横浜のVESSELが始まりました。

 京都、犬島と観てきて、前と比べて変わったところは、何となく違ってるような、気がする…くらいにしかわからないというか、覚えていないというか(笑)。セット的には水を張ったプール状の奥行きのある舞台の真ん中に白い浮島みたいなアレがあり、もちゃもちゃがコポコポ云ってる、というのは変わらず。京都で発生した後半の泡は出て来ず、スモークが炊かれていました。泡もう一回観たかったな~なんて。

 観るたびに印象が少しずつ変わるのがコンテンポラリーの面白いところだと思うのですが、今日のVESSELは「生命の発生と進化」みたいに見えました。但し地球外のね! アミノ酸の溶けたスープから、細胞が発生し、分裂して結合して生命を持ち、やがて個の生物となって、動き出し、集合体を形成し、陸に上がって、より複雑な植物のようになったり、動物のようになったり、やがて2本の脚で立ち上がり、ヒトのような形になり、またどろどろのスープへ沈んでいく…地球ではないどこかの星の、繰り返される生命の歴史の1ターンを、見守っていたような。カタマリがほどけて個体になり、そのうちの1体がぱしゃぱしゃと水音を立てると、それに呼応するように他の個体たちもぱしゃぱしゃするのが、何となくセミの鳴き始めとか、鈴虫とか、1匹が呼び水になって蝉時雨になっていく時を思い出したり。何か情報伝達の手段だったのかな、ぱしゃぱしゃ(笑)。続くリズミカルなぴょこぴょこは、明らかに仲間意識というか、意志疎通ができている個体たちの集まり、って感じがする。そうして自我を持って陸に上がってより複雑な形態と生態へ発展していく…みたいな。浮島の上で形作られる不可思議な、グロテスクで美しくてエロティックな形たち、性器のようにも花のようにも見えるっていうかそのふたつって要するにイコールですよね。蔓が伸びるようにも見えたりして。ヘッドレスポーズで上体を左右に振るのは、打って変わって動物的に見える。相変わらず肩胛骨周りの表情の豊かなこと…肩~両腕で出来上がる顔のようなもの、プレデターみたいに見えてしまった(笑)。

 これまで観たVESSELシリーズの中では、一番舞台との距離が近かった今回ですが(舞台の奥行きがあるので、あまり目の前!って感じはしないけど)、水音や息遣い、肌がぶつかる音、床を足が滑る音、などの聞こえ方がとても生々しくて、見知らぬ世界の生態を間近で観察しているような、臨場感あふれる未知との遭遇でした…。京都は同じ屋内でも、何というか、「芸術作品」としての綺麗さ、整った感じをすごく受けたのだけど、横浜は会場の小ささや、幕引きの人力っぽさとかも含めて、もっと「小屋」っぽさがあって、その辺がちょっと面白いというかヘンテコな感じがしました(笑)。でも京都より小さい会場であの重低音はたまらなかった…! 音の振動が背中から来る感じ…びりびりした…もっと来てもいいのよ…。犬島の、屋外で空がスコーンと抜けた背景、自然音、夜の暗さと月の明るさ、吹く風、とは当然ながら全然印象が違います。照明は効果的*2だし、音は抜けないし、でも自然の中に発生したみたいな野外のVESSELもそれはそれで本当に面白かったのも確かなんだけど。
 終演後のお辞儀の時に、ほとんど目が開いてなかった未來さん…ダミアンさんと名和さんを呼び込んだ時も左目開いてなかったです。目も耳もお気をつけて…もちゃもちゃ怖い…。そして1回あったカテコで出てこなかった(笑)。
 もうちょっと上段から観てみたい気もするので、次回以降また考えます。最前はちょっときつそうな…どうかな…。

*1:おそらく人力で

*2:外じゃ完全暗転作れないものね