ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「sutra」アフタートーク(10/1夜)

 続いてアフタートーク。8割くらいのお客さんが残っていたかな? わたしの前の列はごそっといなくなったので視界良好で助かりました(笑)。まぁ遠かったんですけどね!

 未來さんはベージュのターバン頭に黒地×グレイ系のトレーナーっぽいインナー、白か薄いグレイのジョガーパンツ、足元は黒に白がポイント使いされてるちょっと面白いズックで、黄色というか薄いマスタードみたいな色のフードコートを羽織ってらっしゃいました。途中でターバンを取って、長めの前髪が無造作に落ちかかる感じがとても良かった…あっおひげはなかったです。髪は犬島でもコーンロウにするのかな、それで伸ばしてるのかな。それともロン毛再びの途中なのかな!*1

 アフタートークは司会の方(自己紹介を最初にされていたのだけどちょっと聞き取れなかったです…)とラルビさん、未來さんの3人。上手にラルビさん、真ん中に未來さん、下手に司会の方と並んで着席してスタートです。

 ざっくりと覚書き。まずラルビさんにこの作品の概要を。少林拳法がどんな形で人々の目に触れているかを知っているので*2少林拳を過去の幻想ではなく、21世紀に生きるアクチュアリーなものとして紹介したい。彼らは本物の僧侶で、僧侶というと古代*3のもののようなイメージがあるけれど、彼らは10代、20代の若者で、コンテンポラリーな存在としての少林拳法を紹介したかった、と。

 箱を使った演出について。シンプルな舞台装置としての箱。箱は人間に与えられるパーソナルな空間。棺にもなるし壁にもなるし都市や寺院、船、蓮の花などを作ることもできる。見る人それぞれの想像をかきたてることのできるシンプルさ。木の箱の重さはひとつ30キロくらい、ひとつだけ出てくる鉄の箱はもっと重いので、動かすのはなかなか大変、とか。この箱と同じものが2階のロビーに展示してありました。うん…箱だった…(笑)。

 続いて未來さんの番。未來さんはスートラを生で見たのは今日が初めてだそう。映像では何度も見てるけど。確かテヅカのクリエーションの時期とスートラのクリエーションが同時期で、ヴァイオリニストのオルガさんと、あと少林のひとりがテヅカにも出ていたので、その頃に戻って観ていた。テヅカは火の鳥をベースにしていて、あと手塚治虫スターシステムを輪廻転生と捉えて作品に組み込んでいたけど、どんどんイメージが膨らんで広がっていった、スートラがそこにも影響していたんだと思う、と。

 ラルビさんの演出スタイルで印象に残っているのは?という問いには、アジア/異文化と出会ってそれを作品に起こす時に、ただのエキゾチシズムでは終わらない提示の仕方をしていて、それが素敵だなと思う、ただその文化を「大好きなんですねー」では終わらせない、自分のボキャブラリーに変換して作品として提示しているのが魅力だと思う、「のですがそこのところはいかがですか?」とラルビさんに振る未來さん(笑)、にラルビさん、笑ってサムズアップしてその通り、と。「さんきゅーみらい(笑)」って云ってなかった?(笑)

 ラルビさんに戻って、ラルビさんの作品は「ス テージに小さな地球がある」と云われる程さまざまな国・文化の違いを乗り越えて作品を作っているが何かテーマ性はあるか?という問いに、違 いを乗り越えるチャレンジは創造力を生む。注意深くシンプルにすれば誤解は生まれないし、形がシンプルであればより創造力を共有することができる、と。また、違いがあっても小さな共通点が見つかることもある。ラルビさんはベジタリアン でお酒も飲まないけど、僧侶たちは決まりでベジタリアンでお酒も禁止されていて、ラルビさんがライフスタイルとしてそうなのにびっくりしていた。そういう小さな共通性を見つけることも大事、と。「だからわりと僧侶です」みたいなことを云っててお茶目でした(笑)。

 音楽についても、ミュージシャンの足元にモニターがあって、僧侶の動きを見ながらミュージシャンが音を合わせているが、この形は最初からなのか、創作の過程でそうなったのか?という問いには、結果的に発見した、という答えでした。ダンサーは音楽に合わせて動くことができるが彼らはそうではない、音に合わせて動くことは彼らの持つダイナミズムには合わない。だからミュージシャンに彼らの動きに合わせて音を付けてもらってる、とても素晴らしいミュージシャンです、と。

 非常にざっくりですがだーいたーいこんな感じ、程度で。未來さんの喋る機会は少なめだったけど、ラルビさんのお話をラルビさんの言葉で聞けたのはとても有意義でした。もっと聞きたかったなぁ!

*1:ひっつめないならロン毛好きなんだけど…

*2:所謂カンフーアクション映画みたいなものってことかな

*3:エンシェント