ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「in a silent way」8/27昼

 いやぁ…ひっっっくり返されたー!!! 昨日の2回、疑問回と答え合わせ回みたいな感じに観て、さてこれからどんな風に鑑賞していくんだろう、何を感じるんだろうなんて、もうわたしの世界ひっくり返ってるし、なんて思ってたんだけど…見事にもう一回リバーシブルのジャケットみたいにひっくり返されたわ(笑)。鮮やか、鮮烈だった…昨日のキラキラが形になって降り注いだ…!

 昨日の時点で、鏡面パネルの役割というか存在が、何なんだろうってぴんと来てなくて、なので今回はパネルの謎を探ろう!と、なるべくパネルに対して正面*1にいるようにして観ていたのだけど。わかった。あれ蓋だったんだね。蓋っていうか遮蔽物っていうか。開場時に天窓を映してる=抜けてる、オープン、なのが、扉が閉められると共に内側を映し出して閉鎖感を出してる…んだね…。窓自体が閉まったりカーテンで遮られたりってわけじゃないから、何だろう見ている我々を見ているってこと? とか思ってたんだけど、今回、袋の中に差し込まれる手のように光が射し込んで、袋をめくり返すように内と外がひっくり返る、ってところで鏡面パネルの角度が変わって天窓を映して、パネル気になるから観ていようと決めてそこに立っていた私の目に、その変容がものすごく鮮やかに映ったのでした…すごい。また鳥肌立っちゃった。
 昨日も書いたけど、ソワレのあのシーンはすごく、わあああ!って突然視界が開けたようなカタストロフを感じたのだけど、さらに強烈に、今回は光が物理的*2にも降り注いで、ものすごくびっくりした…蓋が開いた!!って感じだった。すごい、ひっくり返される瞬間を視覚的に感じられるのすごい。明るい。閉塞感が一気に開ける。世界が変わる瞬間を体感した。
 途中で唐突に入る、皆様のお役に立てる云々っていうナレーション、動きはめっちゃシリアス(?)なのに何かぷぷっとなってしまう…のも、もちろんわざとなんだよね。いきなり平易っていうか安っぽいことばが織り込まれる違和感面白い。
 あと、今日は当日券販売もないくらい満員御礼のようですが、やっぱり昨日に比べて人口密度が高かったなぁ。かたまりをかき分けるように、ダマをつぶすように、攪拌するみたく切り込んでいくけど、それを避けて囲んでまたダマになる感じ。それがやりにくいのか、むしろそれが前提で正解なのか、はわからないけど、場の掌握っぷりは昨日の方が隅々まで行き渡ってた感じはするかな。逆に、彼を囲む観客の有象無象感は上がっていて、何て云うんだろう、比重の重い物質をかき混ぜているみたい。昨日のはサラサラだったよね(笑)。ちょっと重いけど、混ぜ甲斐はあるんじゃないかな!
 およそ人体とは思えない動きを、数センチの距離で、当たらないように少し避けながら目の当たりにすると、もったいないことに全身が視界に入りきらず、結局左耳の縁に赤いぽつっとあるなーとか、ほくろとか服の皺とか、関節がコキッと鳴る音とか、どうでもいい細部ばかりを注視することになってしまう。下まつげばっさばさだよね~。
 あのこの背丈じゃ入って来られないはずと逃げ込んだ場所だったのに、結局ぐいぐい来るんですね。わかった、逃げ場はない。あの場にいる全員を当事者にさせるのもすごい。

*1:つまりセンター

*2: