ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

Ce n'est pas au revoir, mais adieu

 今日、遠い海の向こうで、ひとつの巨星が墜ちました。
 彼が舞台の上に創り出す、世界が好きでした。彼が人の上に生み出す、動きが好きでした。一度だけ握った手は大きくて暖かくて、ぶあつくて柔らかで、世界を創り出す手でした。
 あなたが舞台の上に創造する新しい世界を、宇宙を、地面を、海を、未来を、太古を、神話を、もう見ることができない。その喪失感の大きさを、じわりじわりと、少しずつ、実感しています。
 Mは海のM、Mは母のM、MはモーリスのM、Mは死のM。全て人は生まれ、いつか最期の時を迎える。わかっているけど、わかることと感じることは違うんですね。あなたの死が、こんなに重く感じられるなんて、自分でも少し意外な程。
 お疲れ様でした、ありがとう、どうか安らかに、は、明日云うから、今日は思う存分悲しませて下さい。
 モーリス・ベジャール。世界を、宇宙を、創り出し続けた人。あなたの世界が、大好きでした。