ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「談ス/NUDE」@横浜美術館グランドギャラリー(4/5夜)

 来月から始まる談ス・シリーズ第3弾「凸し凹る」の前哨戦的な、「談ス/NUDE」観てきました。面白かった! ねばねばぬちょぬちょぺちぺちどろどろしていた(一部)。境界線、をとても感じたので、それは「凸し凹る」に繋がっていくのかな、いくのだろうな、という印象でした。談ス無印を思い出すパートもありつつ、コンタクトは以前よりパワフルにというか、パワー系になっている気が。

 横浜美術館は初めて行ったけど、素敵な建物ですねーお天気の良い日にじっくりのんびりしたい感じ。駅から徒歩圏内なのもいいね。グランドギャラリーは広大なエントランスという感じで、左右対称に階段状の展示スペースがあって広々空間、その真ん中に高さ50センチくらい?の大きめなステージというかアクティングエリアが設置されていました。ステージを囲むように四方から立ち見自由って感じ…だったけど、どうやら想定では三方のつもりだったらしいことが最終的に判明してしまった(笑)。事前のアナウンスでは、自由に移動して鑑賞下さいとのことでしたが、でもああいうステージ設置されちゃうと…まぁ動かないよね…(笑)。直島だって強制的にかき回されてやっと、だったからなぁ。じっくり立ち尽くして観させて頂きました。

 メモを少々。

 

 

  • 白いステージの上には上手側に丸いカフェテーブルがひとつ、下手側にブロンズ色の円形の敷物?が設置されていました。あとうっすら芳香剤みたいな香りがずっとしてた…イイ匂いなんだけどわたしはちょっと苦手で、トイレの芳香剤みたいな匂いだなぁと思っていた(笑)。
  • 照明が軽く落ちて、平原さんのアナウンスで始まるのは談スおなじみですね。わざとらしくヘタクソ(笑)なセルフエコーがかけられた諸注意とか、「ロダンには決してお手を触れないで下さい」とか。「凸し凹る」でもきっと耳にできるのでしょう…期待しておきます。
  • 下手側奥から現れた御三方、未來さんはグレーのパンツに白くて大きめの胸ポケット?が黒いTシャツ、お団子でヒゲでした。平原さんは未來さんと色違いっぽいネイビーのパンツに黒~濃紺?のボタンシャツ(だったと思う…ちょっと色が不確か)、大植さんはステテコ(笑)の上に黒いTシャツ、を頭だけ抜いてボレロのようにして、下にはランニングシャツという夏場の着替え途中のお父さんみたいな出で立ち。
  • そんな3人が、大植さんは下手のステージ縁に腰かけて、未來さんはカフェテーブルに肘をつき、平原さんはふらりと真ん中辺りに立って、スタート。大植さんはビール片手に扇風機の前でごろ寝してそうな恰好で、次々と美しいバレエのポーズを決めていく。のに、「いいね!」みたいな合いの手を入れる平原さん。
  • 未來さんはテーブルに腕を乗せたまま、じわりじわりと蠢きだし、捻じれたりうねったりが次第に大きくなっていく。
  • この時の大植さんのポーズが本当に、いちいち美しくて、さすがだなぁ…と見惚れてしまったし、ドン・キホーテのバジルのヴァリエーションの最初のポーズだよね!みたいなのもあって眼福でした*1
  • 移動しながらいくつも美しいポーズを決めていく大植さん、に声をかけながらこぶしを握る平原さん、捻じれうねり蠢く未來さん、がやがてのたうつように床へ倒れて激しく動く。床上を全身で跳ねるように、ぐねんぐねんばたんばたん、と、そしてその右手が、ステージ下手側の床にあるブロンズカラーの丸い敷物みたいなところへ突っ込まれる、と、それは粘性のあるスライムみたいな物質で、敷物じゃなかった(笑)。
  • ぐにににに、と手を持ち上げると、どろりと糸を引いて粘る赤銅色の…もちゃもちゃだ…VESSELのあれみたいなやつだ…。
  • その頃、いやその前からかな、平原さんの握ったこぶしからも何かが糸を引いて垂れ落ちていて、糸がキラキラ光って綺麗なんだけど何だろうあれ…と思っていたら丸がそれなのか!と結びつく感じ。
  • ねばねばに片手を取られた未來さん、抜け出そうと力を込めてぐぬぬぬ…と手を持ち上げようとするけどなかなか硬いようで(笑)。大植さんと平原さんが助けてくれようとするけどなかなか抜けない、おおきなかぶみたいになってた(笑)。
  • からのコンタクトになったり。
  • 大植さんと平原さんが触れそう…で触れなーい、みたいな、磁石の同極同士みたいな動きで、触れようとすると逃げる、のをやっていたのは未來さんがじたばた(?)している間だったっけ。もう朧…。
  • ねばねばから抜けたら3人で組体操的なコンタクト、談ス!って感じ。くんずほぐれつで、誰のどこがどうなってるのかわからなくなる(笑)。
  • 向かい合って額をくっつけあう未來さんと平原さん、の間に大植さんが割り込もうとするけどするりと逃げられる、とか。
  • 何となくの印象だけど、前回に比べて未來さんがリフトする側になる機会が増えているような。大植さんを持ち上げてぶん回したりしてたよ。3人のパワーバランスがより均等になってきているというか。
  • でも折り重なる二人の上にほいっと乗っかっていい塩梅なお山の大将的なところはやっぱりある(笑)。
  • もうぼんやりと断片でしか覚えていないので覚えている断片をなるべく拾い上げていきますね。床上に伸びて広がるもちゃもちゃを、めくり上げるみたいにして集めて黒いごみ箱? バケツ?にぼいっと投げ入れる未來さん。ゆっくり扱うと溶けるけど衝撃を与えると固まる…やっぱりVESSELのもちゃもちゃっぽいー。色が違うけど。着色できるのかな。
  • ごみ箱に入れたもちゃもちゃを、カフェテーブルの上にバン!とひっくり返すと、プリンみたいにぶるんと出てきてまたゆっくり溶けていく。
  • テーブルいっぱいに広がったもちゃもちゃがやがて、テーブルの縁からとろりととろけて流れ落ち始める。その滴りを受け止めて戻す、を繰り返したり、それを平原さんがサポート?するように動きに合わせて手を出したり、そのうちテーブルの上のもちゃもちゃの塊を餅つきするみたいに合いの手入れながらべちべち叩いたり、だんだんそこから違う動きになっていったり。
  • 流れとかもう全然わからないのだけど、テーブルの縁から溢れて流れ落ちるもちゃもちゃの隙間や、薄い皮膜を使いながら、空気中に漂うタバコの煙はどこで区切られるのか、みたいなことを話す未來さん。禁煙と喫煙可能区域の境界はあってないようなもの、なのにここでは吸ってよくてここではダメ、みたいなのは誰がどういう基準で決めているのか、とか、建物内の禁煙指定と街中での喫煙/禁煙を取り仕切っているのは同じところなのか、とか。明確にさえぎられているわけでは決してないのに、線を引こうとすることのナンセンスさ、みたいなことを受け取りました…が合っているかどうかはわからない…。
  • マンションを買っても買ったのに敷地内では禁煙とか云われる、ってそうなんですよ今は共用部分では喫煙不可なところが多いんですよベランダもNGなんですよだって窓開けられないし洗濯物干せないもの。すいません。
  • 流れ落ちるもちゃもちゃは流動的に形を変えるから、今はここは煙が通れるけどほら今はもう通れない、とか、ここは通れそうに見えるけど実は薄い膜があるから通れない、とか、テーブルの横にしゃがみ込んでとろとろ流れ落ちるもちゃもちゃを使っていろいろと。
  • 個人的にはタバコに関しては、ほんと咳が出るのでもう全面禁止くらいでお願いしたいところですが(笑)、でもひとつの文化であるところもわかる…し吸ってる姿がかっこよかったりするのもわかる……だがしかし咽て死にそうになる……のでこちらから避ける努力はする……*2。あっでもすっごい咳き込む時と匂い吸っても平気な時とある…のはタバコの種類とかなのかな。わからないな。
  • …これでも吸ってみようと試みた時期もあったんですけどね…とおいむかしにね…若気の至りだね…。
  • 閑話休題過ぎる。大植さんの身体の部位を差しながら平原さんが「肺!」「肝臓!」と云うと、それを受けて未來さんがもちゃもちゃを千切り、床の上にその部位を並べて置きながら「lung」「liver」と英語で繰り返す。あっ腸内ツアーみたい!
  • 膀胱辺りからあやしくなっていく英語(笑)。「bou-kou?」「大脳!」「……brain? …big brain?」多分違うよね(笑)。
  • 呼吸器、なんてまとめて云われてすごい一生懸命吸ったり吐いたり的なことを云っていたけどもういいやってもちゃもちゃを投げ捨てる未來さん(笑)。だんだん人体が雑になっていく。
  • 平原さんは平原さんで、内臓じゃなくなっていく。何だっけ、対立項の単語ふたつをいくつか挙げていたのだけど、そのうちもう対立でもなくなって「空と宇宙」とか未來さんが思わず「おんなじじゃん(笑)」ってツッコむようなものに。
  • 床に投げ付けられたもちゃもちゃはそれぞれがゆっくりと床に丸を描くように伸び広がっていきました。
  • あとは、大植さんが前傾姿勢になったり後ろに反ったりするとできるランニング(タンクトップではない)の襟元のたるみから中がちょっとだけ覗ける…的なのとか、ランニングの裾とかステテコのウエスト辺りをちょっとだけ折り曲げて隙間から肌を覗かせるのを、未來さんと平原さんが隠す、とか、チラリズムの妙(?)を改めて認識させるようなパートとか。そうされると逆にあっ見えちゃった!みたいな気持ちになるの不思議ですよね…さんざん色々見えてるのにね…。
  • けっこう終盤に近い頃だと思うのだけど、3人がユニゾンに近いけど完全にユニゾンではなくて2-1だったり、1-2だったり、でもすぐまたユニゾンになったり、な、わりとダンスらしい振付(がある)のパートがあって、この3人のこういうダンスっぽいのがちょっと珍しい気がしたのと、やっぱりかっこいいのと、ユニゾンでも3人3様で同じ振りでも印象が全然違ったり、動作が同じでも身体の使い方とか次の動きへの繋ぎ方?とか持って行き方??みたいなのが違ったり、するのが当たり前なんだけど面白いなぁと思いました。
  • 何となく、3つの楽器の為のコンチェルトみたいだなぁと思いながら観ていたよ。古典派あたりの。ここはこの二人のメロディパート、次はこっちの二人、次は全員で、とか、フーガ形式の追いかけっこだったり。音はないんだけど構成がね、何となくね。
  • その3人のユニゾンとどっちが先だったかわからなくなっているんだけど、内臓配置だった水玉模様のもちゃもちゃの中に平原さんが倒れ込んで動かなくなって、未來さんと大植さんがふたりでしばらく…わりと長い間、かなり濃厚なコンタクトをやっていて、その肉体と肉体のぶつかり合いであったり、力と力の均衡や反発であったり、呼吸と体重の移動であったり、重力と筋力の兼ね合いであったり、色んな要素が混ざったり反発したりしながら止まることなく蠢く様に、とても…強烈な「生」を感じるのでした。せい、でなま、を。
  • ゆっくり触れれば溶け合い、粘り絡まり、強く当たれば反発し、弾いてぎゅるんと動く。もちゃもちゃも身体も特性は似ているのかもしれない、とか。
  • 大植さんと未來さんが一旦ステージの隅にハケて、もちゃもちゃの中に突っ伏していた平原さんがじわりと動き出す。ゆっくりと顔を上げると、お顔もTシャツ*3ももちゃもちゃがねっとりくっついていて、左手はとっぷり浸かっていて、そのまま立ち上がると腕が固まっちゃった、みたいなことを呟きながら、固まった腕を動かしてみようとするけどすぐもとの形に戻っちゃう、というような動きが、どんどん全身に広がってダンスになって、動かしても戻っちゃう、がずっとベースにあり続けるのだけどものすごくかっこいいダンスで、すごく…かっこよかったです…。あそこの平原さんソロほんっとかっこよかった。
  • 最終的に、うつむいて静止する大植さんの頭上から、バケツに入ったもちゃもちゃを全部ぶっかける(主に)未來さんと平原さん。もちゃもちゃは大植さんの全身を覆うように流れ、大植さんがそのままブロンズ像になったような不思議な造形に。
  • そんな大植さんをそのまま残して、カフェテーブルにスツールをそれぞれ持ってきて座り、普通にトークを始める未來さんと平原さん。
  • 「今日はどうでしたか」みたいなことから始まって、平原さんがまとまったんじゃないですかみたいなざっくりした感想を述べてから、「未來くんはどうでしたか」みたいにい振り返したら、うーん、と考えてから「あっでも俺今日はおなら出なかった(笑)」って(笑)。
  • そこからなんかもうずっとそういうトークでしたよ!! 牛乳好きで毎朝飲むんだけど2杯は大丈夫で3杯飲むとお腹壊れる、とか。お腹弱いの?って平原さんに訊かれて「乳製品は大好きなんだけど」って応えていたのが、懐かしいような気分でした…アロエヨーグルト好きだったよね…今でも牛乳好きなんだね…お酒以外も好きなんだね…(?)。
  • でも多分森山さんのコップ1杯はコップ大きいんじゃないかなーって思います。1杯250mlくらいなんじゃないの。それ3杯は普通に飲みすぎなんじゃないの。お腹弱いとかじゃなくてただの飲みすぎなんじゃないの。200mlでやめておこうよ。
  • 森山未來サイレントアサシン説。
  • でも本番中はしないか。って云ってたので本番中はしないそうです。あと自動的にサイレント機能が備わっているらしい。それは長年の経験で培われたらしい。
  • でもそれを含めて俺なので、自我だから!と熱弁する未來さん、「エゴってこと?」と平原さん。エゴではない、と断固否定していた。意図的にしていたらエゴだけど、意図的ではないけどそうあるのでそれはそれを含めて自我だ、みたいな。
  • …正直、…ないのかなぁって思っていました。だってあんなにあんなふうに動いたらそりゃあ…ねぇ。よねぇ。でもダンサーさんだとその辺までも制御できるのかもしれない。だってダンサーだもの。いつもあんな風に動いてたらそれが普通だから特にそういう内臓的に負荷がかかったとしてもその所為でどうこう生理現象や反応は出ないんだろうきっと。と思っていました。ので、あっそうなの!! 良かった!!(?)ってちょっとホッとした(笑)。
  • そんな素敵なお話がテーブルで繰り広げられている間、ブロンズ像みたいにもちゃもちゃまみれになった大植さんは、ゆっくりともちゃもちゃにまみれたランニングシャツとステテコを脱ぎ捨て、すでに目に慣れたパンツ1枚の文字通りヌードになり、そしてその最後の1枚にも手をかけ……たところにバケツを手にした未來さんがフロントを、テーブルを抱えた平原さんがバックを滑り込みでガード、ゆっくりと暗転…というラストでした。
  • いやぁ危ないところだった…正面からだとどうだったんでしょうかね(笑)。真太郎160%くらいだったでしょうかね。
  • 暗転*4中にパンツ直して、明かりがついて4方向にお辞儀してハケ。拍手に呼び戻されてもう一度出てきてお辞儀。
  • 未來さんが大植さんに促すようにして、大植さんがご挨拶。途中で「こえがちいさーい」とか未來さんの指導が入りました(笑)。うん、ちょっと聞こえなかったよ。
  • しゃべりながら、もちゃもちゃから服を引き出して、残りを千切って丸めてステージの縁へぽいぽい並べていく大植さん。…ええ、予想はしていましたが、これはアレですね、ご自由にお持ちくださいですね…えええこれをおおお(笑)。
  • わりとみんな引き気味だった(笑)。
  • 未來さんも千切ってぽいぽいして、大きな塊をぼいっとセンターにおいて「千切って持ってってください」って。投げた(笑)。
  • もう一度お辞儀しておしまいでした。どうしようかなーけっこう扱い大変そうだしなー、と一瞬躊躇したけど、せっかくだからもちゃもちゃひとつもらってきました。が、予想以上に扱い大変だった! 固まりそうで固まらない! 温度高いとダレる!! 手にくっついたの、取れるけど微妙に残る!! 何より芳香剤臭の原因これかーー!!!
  • うっうっイイニオイ臭いよー、と困りながらも何とかビニール袋を探し出して、しまって帰りました。が袋が小さくて、うっかりトートバッグ内で垂れかかってそれを何とかしようとしたら手が…ねちゃねちゃに……くさい……。
  • それも貴重な体験でよい思い出です。もちゃもちゃはガラス瓶に封じ込めて厳重に蓋をしました、このまま冷蔵庫に入れたら数年後「何これ海苔? ジャム??」とか思って開けるんじゃないの…そんで匂いでしぬんじゃないの…冷蔵庫に入れるのはやめよう。
  • カメラが手持ち3台くらい、固定でも2~3台くらいあったので、何か…になるといいな。あと、出口でお客さん捕まえてコメント撮りもしていたので、何か……あるんじゃないですか。あると思います。何だろう!!
  • プレス向けに囲みもあったようなので記事も出るんじゃないですか。

 以上、スッカスカだけど断片をかき集めたメモでした。チラリズムや衣服と皮膚、裸といったヌード的な要素を垣間見せつつ、境界線や接点・接平面、触れる・触れないとか、「凸し凹る」に繋がっていくであろうファクターも同時に強く印象に残る公演でした。ますます「凸し凹る」が楽しみになってくる! もちゃもちゃは今後も登場するのでしょうか…あれとても「凸し凹る」的な物体だなぁと思うので出てくる…かな…どうかな…チョークの代わりにあれお持ち帰りさせるのかな…だとしたら鑑賞時の持ち物リストに「ビニール袋」が加わってしまう(笑)。

*1:そして同時に開始秒で転倒する小さな男の子の記憶も蘇った…

*2:分煙してないお店には基本入らないし、もし喫煙可ゾーンに入ったら咳しないようにがんばるよ。こっちの都合だから

*3:そういえばわりと前半の方でボタンシャツを脱いでらした

*4:と云っても劇場ではないので完全暗転とはいかないくらい