ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「タンゴ」コルセット15締め目

 終わってしまいました…すごく、良い楽でした! 楽だからといって、特別な何かがあるわけではなく、普段と同じに、浮き足立つこともなく、でも遊びはふんだんに含んで、そして存分に熱く。1幕はオモシロの連続で、こんなにオモシロくなっちゃうとは初日には思ってもいなかったって感じで、2幕は…ひたすら、惹きつけられっぱなしのニヤニヤしっぱなし、でした…。ぐいぐい魅せられながら、アルトゥルの熱と一緒にアガっていく高揚感、突き落とされた時の何とも云えない失笑交じりの残念感*1、最高でした。はしゃぎすぎることなく、ちょうどいい塩梅のテンション緩急で、しかもきちんと演じる側が手綱を握って制御できてる感じがすごく、見ていて心地よく安心できるスリリングでした。ちゃんと安全装置とシートベルトがあってこそ、楽しめるジェットコースターだものね!
 珍しく、エウゲーニュシュが台詞出てこなくてびっくりしたのと、アルトゥルが「現代の退廃の末期症状の標本が!」ていうところが「現代の末期症状の標本が!」になってて惜しかった、のくらいかな、台詞的な大きめのは。アルトゥルさんの中二な台詞が大好きなので、どうしても「ああっ!」ってなってしまった(笑)。でも、それこそそんな末梢的なことを云ってるんじゃないって感じですよね。そういうのはメモで後ほど追記します。
 東京楽でしたが、カテコがないのもいつも通りでした。この作品の締めくくりには、その方がいいというか、むしろこうでなくちゃと思うので、わたしは満足です。タンゴが鳴り響く中、あの空っぽの玉座を眺めているのがね、エンドロール中って感じがしてね、好きなんです。白文字で流れる字幕が見えるようだわ、「演出・長塚圭史」「アルトゥル・森山未來」って下から上に流れてるわ。
 メモ追記は後ほどにしますが、とりあえず一番気になってた(?)部分の小ネタだけ畳んで置いておきます(笑)。
 →11/28追記しました。
 
 一番気になっていた、とかちょっとあの、あまりにもアレで申し訳ないんですが、でも正直一番わくわくしていたシーン、エーデックさんのお祝いの言葉。一昨日が「えー雨降って地…*2」、昨日が「人生にはみっ…*3」、だったので、今日は何が出てくるかと思ったら!「えー結婚とは、重い槍を持つ…*4」ですって(笑)。しかも、そこまでちゃんと云えるように明らかに待ってるアルトゥルさん(笑)。ちゃんと待ってから「台所に行け! 呼ばれるまで引っ込んでろ!」って…たまらない…! これほんとに、いつからやってたのか、そして大阪に行っても続くのか、気になる! 大阪でのエーデックさんからも目が離せません(笑)。

*****

 時間経ってしまいましたが、東京楽メモ行きます! 忘れないうちに!

  • ママが「午後からベッドがふさがりますからね」って云うとピキーン!となるアルトゥルさん。まぁそうですよね。
  • 「おじいさんが死んだのはいつでしたか!?」の前に手を叩かなかった。全然叩かないのはひっさびさでした。
  • アルトゥルが一口だけ食べたパン、エーデックが座ってむっしゃむっしゃ食べてた(笑)。
  • 「明後日!?」の辺りで、エーデックがなにげなーくずり下がったズボンを引き上げていて吹きそうになった(笑)。
  • パパの演説が、運動だーーーーー!とか、すすんでーーーいくんだーーーーー!!と、いちいち長かった(笑)。いやぁやたら長かった。そりゃ息切れもするだろう。
  • 「そっちは軽蔑してるらしいが」と云いながら、パパがアルトゥルのほっぺをペチペチ叩いていた。あのつるぴかほっぺは、うん、ペチペチもしたくなるわ。
  • アルトゥルの襟足が伸びてきてて、何だか可愛かった。綺麗に左右が伸びててねぇ。
  • 寝起きのアラのほっぺも撫でるパパ。ほっぺ撫でる日か(笑)。
  • アラの隣に座るアルトゥル。「口答えはよしてよ」で、アラがアルトゥルに毛布を着せかけてて可愛かった。
  • 「それで!? それで!?」攻撃はしがみついてぶん回した後に、手でアルトゥルの顔をぶにっと掴んだ(笑)。かーわーいーいー!!
  • で、それにキレたアルトゥル、本も投げて、毛布も引っ付かんでアラが逃げた穴に投げ込んだ(笑)。
  • 実験演劇。「蛇は!?」って云いながらエーデック、片手をぱくぱくさせて蛇にしてた。
  • 今日の実験はよぼよぼしていなかった。
  • 銃声暗転後、ライターの火を着けるストーミルですが、なかなか着かなくてドキドキした(笑)。
  • 照明点いたら、珍しく椅子に座ったままのアルトゥルさん。いつもずり落ちてたのに(笑)。
  • アクションとパーセクションの一致云々、と説明している間にパパの布がずり下がる…おじさんに説明している間に半ケツを云い渡す状態に。
  • 最終的に全落ちでした…退場時…布取って肩に引っかけて、丸出しで悠然と去って行かれました。お父さん流石っす。
  • 追い出されるエーデック、「いいですとも!」をまたアラ驚かすみたいにやって、アルトゥルに怒られてた。
  • 楽はBL列のお席だったのですが、アラ説得の最初に、上手セットのアクリル板?に照明が反射してすんごくまぶしかった(笑)。下手側のバルコニーから観たのは今回が初めてだったのですが、ずいぶん印象が変わるものですねー。角度によって全然違って見えるの、スケール感が。面白かった。
  • 足を突き出してみせるアラ。突き出しっぷりがもう、容赦なくて…アルトゥルじゃなくてもアワアワしちゃうって! もしくはかじり付いちゃうって!
  • 「頭、頭! 頭はともかく…」ってなるところ、今回は何だか若干噛み気味な感じに「頭か! あた…頭はともかく」ってなってた(笑)。
  • 怒ったアラが上手の穴に飛び込もうとするのを、ギリギリで捕まえる。
  • で、穴のすぐ縁に座り込んだアラがもっかい怒って出て行こうとする時、すぐそばの穴に頭から突っ込もうとするのを止められて、亀の子みたいに腹這いでウゴウゴしてて可愛かった(笑)。アルトゥルも止めるのに必死で「いやいやいや、いくないくないくな!!」ってがんばってた。
  • 場面転換時に長塚さんが椅子の上に置いた赤い薔薇を、アラが見つけて手に持っていたのですが、「さもなきゃエウゲーニュシュおじさんとでも組めばいい!」って怒った時に、その薔薇をアルトゥルに投げつけていた。がんばれアルトゥル…(笑)。
  • 突然アラに襲いかかるアルトゥルさん。上手の穴のすぐ横に組み伏せたので、アラが穴に落ちやしないかとちょっとハラハラした。
  • しかもその穴はエーデックが出てくる穴で…すぐ横でじたばたしてんのに、エーデックがにょっきり出てきちゃって、いやそれ気づくだろ(笑)な距離感でした。っていうか、エーデックの頭見えてるよねアルトゥル(笑)。
  • アラの台詞回しがけっこう変わっててびっくりというか新鮮でした。「もし外套みたいに脱ぎ捨てて、気軽にひょいと掛けておくことができたら…」的な台詞とか、いつも考え込むみたいに云ってたのが、今回は憤慨したように一気に、激しめな語調で云ってた。
  • 前回ふつうにさらっと云った*5「話の腰、折るんだもーん!」、今日は復活してました。爪先立って、アルトゥルの顔のぞき込むようにしながら云うの、ほんっとコケティッシュで小悪魔ちゃんなんだ…!
  • アラを説得するアルトゥル、「手に花束を持って」って、さっきアラが投げ捨てた薔薇を拾い上げてまた片手に云ってた。そのままそれを差し出せばいいんだよー片膝突いてさー! どんな儚い望みでもいいからかけさせてくれ!って頼めばいいんだよー!
  • 形式的な結婚式がどんなものかを説明するアルトゥル、だんだん熱が入ると共にぐるぐるぐるぐる歩き回って、そりゃあちょっと引くわな…と思ってしまった(笑)。
  • 「かつては、男と女が出会うのはいつも会話からだった」云々のところで、椅子に座らせたアラに薔薇を渡すのは素敵なんだけどなぁ。アラも嬉しそうだしなぁ。
  • 続いてお父さんを説得。無理矢理起こしたお父さんに「しーっ!大きな声は出さないでください!」何だか高くてか細い裏声で云ってた(笑)。
  • パパのパンツはグレーベージュ?×白ゴム。薄い茶色っぽくも見えるグレーって感じ。
  • 寝室に向かうパパを、コード掴んで引き留めてピストルを渡すアルトゥル。綱引きみたいになるコード、腰落として肩から回してよいしょよいしょと引き寄せるんだけど、お父さんの抵抗がなかなか強くて大変そうだった。でもアレ、中で断線しないか心配なんだ…。
  • 「ああ、良くわかったよ!お前という人間がな!」と云いながらアルトゥルを突き飛ばすパパ。ぺしょっと倒れるアルトゥルがかわいしょうだった(笑)。
  • 椅子を示して「座りなさい!!」にアルトゥル、「ハイッ」って小さくお返事してた(笑)。
  • ここ、パパがピストルを椅子に置くのをちゃんと確認してから座るんだよね。
  • 尋問前、片方の電球が点かなくて、ちょっと離れたところにあるコンセントを入れにいくパパ(笑)。何してんの?みたいなアルトゥルさん(笑)。
  • ようやく点いた二つの電球で、アルトゥルのほっぺを挟み込むパパ(笑)。熱くないのかそれは。
  • コードで椅子に縛り付けようとするパパに、ひたすら反抗するアルトゥル。巻かれては瞬時に上に脱ぐみたいに抜けて、巻かれては抜けて、また巻かれては抜けて…を延々と繰り返して、最終的に脱げないくらい下の方を巻かれていました(笑)。
  • まだ覚めんのか!と突き飛ばされるアルトゥル、お返しに掴みかかって突き放したら、パパが上手の端っこまでよたよたた…と行ってしまって、本当に危なかったです。力加減なんかしてらんないガチンコ勝負だもんねぇ!
  • 「近くに寄りなさい…」と小声で云うパパさんですが、もう充分近いパターン(笑)。云われたアルトゥルさん、距離とパパの顔を見比べて、困ってから、数センチ…じわり、と近寄った(笑)。ほんの数センチ(笑)。
  • さらに数センチ近寄ってみるパパさん。もう、可愛いったらないわ!!
  • 父子ハグが激しくて…パパの体重支えるのに、アルトゥルが足踏ん張ってがんばってた(笑)。で、また頭もっしゃもっしゃ背中ごっしごっししながら「よーし! よーし! よーし!!」って…ムツゴロウさん状態。
  • パパ「しかしワシに理念がない…信念がないのだよ!!」うん、そここんがらがり易いですよね。
  • 「信念なんてあとからついてくるんものですよ!」のアルトゥルさんがちょっと笑ってた。
  • 手にて手を取り合って進んでいく親子。が、繋いだ手が進行方向と同じ側で…アルトゥルが下手側に、ストーミルが上手側に立ってたんだけど、ストーミルが右手を差し出して、アルトゥルが左手で繋いだから、進行方向=舞台奥へ向かって歩いていくのに、舞台奥側の手を繋いじゃってて、えーとどうやって進むのかな?ってなってた(笑)。アルトゥルが回り込もうとしかけたら、ストーミルが左手をそっと差し出して、無事に繋ぎ換えて進んでいきました(笑)。細かいところで面白いな!
  • 今回も実験演劇を咎められて電球をパジャマで隠すパパ。そして熱がるパパ。
  • ストーミルからピストルを奪おうとするアルトゥル。ここのバトルも掴み合いの叩いたりので、子供の喧嘩みたいになってるなぁ(笑)。
  • アルトゥルがピストルを構える格好がほんっと良いです。うっとりです。腰~脚の張り具合とかたまりません。
  • アラを探すアルトゥル、また台所から首だけぴょこっと覗かせてすぐいなくなる。かわいいよそれ!
  • おばあさんに祝福させるのに、椅子に座らせるのが、おばあさんいつも以上に脱力してて、とても大変そうだった(笑)。
  • 祝福時のアルトゥルのお顔がほぼ正面から観られて眼福でした…いやーんなお顔可愛かった、目の下に線が3本入ってた。
  • アラとラヴラヴで可愛いの、ここだけなんですよね…手を握りあってにっこりしてて、ほんっと可愛かった、幸せそうだった…!
  • そしてお待ちかね、エーデックさんの祝辞コーナー! 今回は、「えー結婚とは、重い槍を持つ…」と片手で槍を握るような格好して云っていました。きちんとそこまで云わせてあげてから、満を持しての「台所へ行け!」…ひぃひぃ!! おかしいよぅ!! まさかこんなところに日替わりネタを挟んでくるとは思わなかったよぅ!!
  • 2幕。またセルフタイマーがやたら長い(笑)。
  • アルトゥルの不在にご機嫌ななめなアラが、輝くばかりの美しさで…不機嫌な美人って綺麗だよね…。
  • 今回も容赦なかったアラ。「こんな白髪の、お年寄りがー!?」って超罵倒してた。
  • そういえばアラはお式の前からヴェール上げっぱなしなんだよね。下ろしてるのも見てみたかったなぁ。綺麗だろうなぁ。
  • 酔っぱらいアルトゥルさんは椅子にひっくり返って高いびきです。
  • お父さんに許しを乞うところ、またすっ飛んだ(笑)。どんどん高くなっていくなぁ(笑)。メタマクの「なんっとお!?」跳びを思い出した…。
  • アラが一番可哀想だよなぁ。だからアラがアルトゥルに反撃するのも仕方ない。ような気がする。仕方ないというか、理にかなってるというか。
  • そう簡単に白旗あげるとでも思ったんですかーハハハハハハハ。この棒読みな笑い声が好きでたまらん(笑)。
  • あたらしいせいかつー!?ふぁーっはっはっは!! 何かへんてこな笑い方をしていたアルトゥルさん。さんまさんの引き笑いみたいな。
  • 臨終時におばあさんが笑ってる時、アルトゥルも声出して低く笑ってる。
  • 机上アルトゥルさん。「…形式だっ!」高めの声で小さく云った。このハイテンションたまらん! ちょうどいい感じで気持ちイイ!!
  • この! この俺の胸三寸!!がもうじったばったしててテンションマックスで良かった! 上体ぐいぐい前のめらせて、いろいろ吹き出しながら暴れてた! サイコーですアルトゥルさん!!
  • 「俺は、お前たちを殺せるんだ」の後、いつもはすぐにストーミルが「そんなこと、このわしが禁じる!」って云ってたけど、今回は一度うえぇ…と具合悪そうになってから禁じていた。
  • エウゲーニュシュのもごもご云うのをうん、あ、だいじょぶ、って聞いてから、自然とか運命とか云ってるのを遮って「違うな。俺の、気の向く限りだな!」って云い放つ時のアルトゥルが、めちゃくちゃ可愛い顔してて…云ってることの凶悪さとお顔の可愛らしさのギャップにわたしの血圧もおかしくなるところだった。
  • おじさんを死ぬ程怖がらせてみるアルトゥルが、怖がるおじさんを見ながら、両手を胸の辺りで指うごうごさせて「こわいこわーい!」みたいにおちゃらけてて、めっちゃ可愛かった。小さい子みたいだった。無垢さ故の残忍さみたいな感じになってた。とても良かった。
  • 「そろそろ実になることにとりかかろうじゃないか」って腕組みして云ってて今度はかっこ良かった。可愛かったり美しかったりかっこ良かったり、忙しい方ですねアルトゥルさん!
  • 机上からエーデックを呼びつけて、ネクタイをきちんと直す。それから「あいつを片付けろ」。
  • エウゲーニュシュに襲いかかるエーデックを覗き込みながら、椅子をガッタガタ揺らす。こわい。
  • アラが裏切りを告白して、「エーデックと」って云った瞬間のエーデックが、やっべえ…みたいな顔してた。それのお陰でおじさんは助かったんだね。
  • そしてアルトゥルが「なんだってみんなしてぼくをいじめるんだよぉ~」と壊れた時に、…ん?って顔してアルトゥルを見てるエーデック。風向きが変わったのを敏感に察知したようでした。それで、イケると思ってピストルを取りに行ったんだな…。
  • 「現在の末期症状の標本と!」ああ、退廃のがなかったよアルトゥルさん…!
  • よろよろとピストルを探すアルトゥル、「ぴすとる、ぴすとるしらない?」って云ってて何だか可愛かった。
  • アルトゥルのことを「実にうまいこと考えたんだ」と評するエーデック。その、実にうまい考えに、そのまんま乗っかったのがエーデックの勝因というわけだな。
  • ガラスがちゃんと割れて良かったです。
  • 誰にも必要とされない身体になったんだな、とおじさんに云われ、消えるアルトゥル。あの立ち上がって歩き去る一連の動きが本当に美しくて、もはや振付の域に達している動きで、一切の無駄も情感もなく、感情移入も拒む、本当にただの「動き」で…でも、その無色透明な動きが、心底美しく思えるんだ。あの、この世には存在しない動き、完全に感情を排した動きが、アルトゥルの魂はもうここに宿っていないことを表して見えて、すごく…やっと解放された、と思うのです。アルトゥルの解放であり、見てる方もアルトゥルのアトラクトから解放された、ような。

 最後まで、カテコもなく、いたって平常通りの東京楽公演でした。個人的には、この後味の悪さ、悪いままスッキリせずに追い出される感覚、が好ましいので、このままでいて欲しいです。が大阪のお客さんがこれで納得してくれるかどうかはわかりません(笑)。
 遊べるところは好き放題遊んで、がっちり締めるところは締めて、テンションぶっちぎりつつも手綱を離すことない、とてもバランスの良い公演だったと思います。東京公演の締めに相応しい!
 いろいろ、ハプニングや変化に富んだ、途中ちょっとヒヤッとすることもあったり、でも無事に楽を迎えられて本当に良かったです。おつかれさまでした! 大阪でも激しく咲いて散る花火のようなアルトゥル閃光、振り撒いて消えてください! また会いに行きます、見下ろされに行きます、泥の中埃の中を這いずって行きます~(笑)。

*1:わたくしの対アルトゥルスタンスはこういう感じです

*2:固まる、ですね

*3:三つの袋ですよね、お袋と胃袋と堪忍袋ですよね

*4:思いやりとかかってるんですね!

*5:直前の台詞を噛んだ所為?