ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

きゅうかくうしお vol.0「素晴らしい偶然をもとめて」(8/29夜)

 昼公演を観終わって、会場近くのお野菜っぽいカフェでヴィシソワーズなど啜りつつ、昼に観て感じたことなど(主にid:xxkyrixx:20100829#p2のようなこと)を語り合っておりまして、あとインプロとかインプロとかインプロとか、そのまま開場時間が近づいて、あと1回しか観られないの? うそでしょ?なテンションで迎えた夜公演。席運くじ運最悪なわたくしにあるまじき整理番号を頂いたので、ワキワキと会場に入り、ちょうど空いていたソファに座ろう…としたら、アンケート用紙が1枚、ソファの上に置いてありまして。あれ、誰か席取りしてあるのかな?とちょっと見たら、その紙はアンケート用紙ではありませんでした。あ、席取りじゃないんだーじゃあ座ろっと、と腰を落ち着け、アンケートじゃなかった紙に目を落とすと、「揺れる電灯」「暗転」なんていう文字が飛び込んできました。え、あれ? これ!? 何!? 見ちゃダメなものじゃないの!? っていうかこんな所に出しっぱなしにしないでよー! ぱなしはなしって話!!と、慌ててテーブルへ返却。怖い怖い! 演出メモだったのかな、ホチキスで留めたのを外した後が肩にありました。喉から手が出るほど(笑)読んでみたかったけど、テストの前に答えを見ちゃうような罪悪感で覗けなかった(笑)。後で聞いたら、他にも紙が置いてあった席があったようで…スタッフさんもけっこうたくさんいたし、昼公演後も場内清掃で早めに出されちゃったし、そんな大事なものを置き忘れる、なんてのも、冷静に考えたらなさそうな…もしかして、これも含めて「素晴らしい偶然」な演出だったりして、なんて思ったのも後の祭りです(笑)。でもいいの! ものがたりを紡ぐのはわたし自身! ノーヒントでやるの!!
 ちなみにどなたか、じっくり読まれた方いらっしゃいますか…? 気にはなるんですよ、そりゃもう、じたじたするくらい(笑)。
 それはともかくとして。3回目、なかなかすごいお席から、息を詰めて前のめりな気持ちで、観てきました。改めて、観たものを反芻しようと記憶から引っ張り出してくると、目の前ほんの数十センチで行われたあれやこれ、が信じられなくなります。あの場そのものが信じられなくなる…ふたりの内側に広がる宇宙、海、に、取り込まれたような場だったもの…。

 
 

  • 昨日の夜、今日の昼と、入場した時点ですでに辻本さんと未來さんがそこに居る状態でしたが、最後の時はいなかった(笑)。昼は私物のバッグやら何やらまでその辺に置きっぱなしだったし!
  • しばらくいない。なかなかいない。スタートちょい押しくらいな時間だけどまだいない。
  • でもいないと始まらないんじゃないの?と思ったら、階段から普通に上がってきた。初日と同じ白いTシャツに青いパンツは昼と同じ、黒いハットを被っていました。あと金髪の一部、右耳の辺りが緑色だった(笑)。昼間に染まっちゃったんだと思います。
  • 辻本さんは黒いポロシャツみたいな上に、臙脂?に見えたけど実際何色だったかわからないサルエルパンツみたいなゆったりしたやつだった。
  • 未來さん、近くで見ると意外にヒゲっぽかったです(笑)。
  • あまりフリートークはなしで始まる雰囲気。スツールを置く位置を決められない辻本さん、スツールを持ってうろうろ、うろうろしていました。「どこにしようかなー」とか云いながら。
  • どこにするのか決められない辻本さんに「自分で決めて。最後だから」という未來さん。辻本さんは、「云うなよぉそういうこと〜」と笑っていました。
  • そんな辻本さんを他人事みたいに眺めながら、ランプの覆いになるやわらかい金属板を手に取る未來さん。不思議そうにちょっとぐねぐねしてから、床に置いて足で踏んで伸ばす(笑)。
  • そのまま巣に入る未來。ギターを肩にかけて、頭をふるふるっとした。
  • 辻本さんはランプに覆いをかぶせる。とても丁寧に取り付けをしている辻本さんを未來さんが、「こだわるねぇ」と笑っていました。
  • ランプに覆いをし終わった辻本さんが、センターに仰向けに寝転がる。未來はギターを爪弾いていて、このまま始まるかな…と思いきや、突然辻本さんがむくりと上体を起こし、「ねぇ、未來はどうしていつもウーロンハイなの?」と。とってもフツーの口調で話しかける(笑)。面白いわー辻本さん! びっくりしたよ!
  • えーいつからかなーとギター抱えたまま答える未來さん。「飲みやすいから…っつったら普通やな」普通じゃダメなんですか(笑)。
  • 居酒屋で頼むのはいつもトマトと冷奴。さっぱりしたものばっかり。だそうです。
  • あと、ゴキブリがいる居酒屋に普通に連れて行く…とか?(笑)「全然イヤじゃないんだよ、全然イヤじゃないんだけど、彼女嫌がるでしょー」とか辻本さんが云ってた(笑)。未來さんは笑ってました。「この前行ったあそこ*1、あそこもいたなぁゴキブリ」なんて云いながら。何でゴキブリトーク(笑)。
  • そんなゆるーい会話が、ふと途切れて、明かりが消えてランプひとつになり…スタート。確かにゴキブリトーク(笑)とひとつに続いて流れている時間と空間なのに、少しずつ確実に空気が変わっていくのが、本当に心地いい。独特の緊張感と、深くてゆっくりした呼吸を繰り返しながら、意識の深いところに潜っていく感覚がする…。
  • ギターやベースをぽーん、と鳴らしてサンプリングする未來さん。音はE-A-H-Fisかな。辻本さんはそれに合わせてゆっくり動き始める。低い位置のランプの下に身体を滑り込ませるようにしたり、床近くの動き。
  • ボンジュール、うしおととら、メルシィ、きゅうかくうしお、ボンジュール、うしお、きゅうかくうしお。暗闇に流れる低い声、サンプリングのギターの音が重なり、さらにカサカサカサ、とマラカスの音を重ねていく。あと、深い呼吸音も聞こえてた。
  • マラカスのサンプリングを終えると巣から出てくる未來。辻本さんがランプの覆いを半分明けて、スポットライトみたいに未來を照らす、その光の中でゆらりと動き出す。
  • 顔の高さにぶら下がったランプを中心に、その周囲に首を巡らしたり、振り子のように揺らしたランプを避けるように頭を動かしたり。
  • …この距離(1m以内)で、自分は座って、立っている未來さんを見上げると、やっぱり、何と云うか…大きいなぁ、と(笑)。どうにも、対自分ではなく、対共演者でスケールを図ってしまうので、やっぱり辻本さんと一緒にいると、小柄とか華奢とか、思ってしまいがちなんだけど、いやぁ170超えてたら十分デカいですよね(笑)。わたしがちびっこなのもありますが。
  • 二人で腰を落とし、低いポジションで踊る。ここは毎回同じ振付なので、固定なんですね。床と水平に近い角度で身体を倒して回転したり。
  • 二人とも、着地で音がほとんどしないのはどういうことでしょうかね。浮いてるんですかね。着地より、むしろ踏み切る時の方が振動あった気がするわ。
  • ひらりと宙に舞い、着地からそのままごろんと床を転がったり。自由自在。
  • 床に転がり、互いに手を伸ばし合う、けど指先は触れない。ここほんと好きだ…天地創造的な…。
  • っていうか、インプロまでの間、犬を除くと、未來さんと辻本さん、触れ合って…いませんよね? 近かったり、同じ動きだったりはするけど、接触はしていない…はず。犬以外。
  • 犬が触るのはでも、建具だもんな。辻本さんに触ってるけど、あれ窓枠だもんな。…触ってないよな…?
  • 可愛いダンスもシンメトリに同じ振りで動くけど、触れることはなく。
  • 両手フレックスでくるくるシェネ?するの可愛い〜。片足ずつ横につん、と出すのも可愛い〜。
  • お尻をぺたんとついて座り、伸ばした足でいざりながら、ボート漕ぎみたいな動きをするところ。昨日と昼間は床に座ってるお客さんに向かってじりじり近づいていくみたいな状態だったけど、今回は未來さん、壁に向かっていきました。逃げたか(笑)。
  • コミカルで可愛らしい、ちょっとクラシカルなダンスから、辻本さんが両腕で丸を作り、またゆっくりとした動きでその丸を動かす。
  • 未來さんも丸を作り、辻本さんの丸の中に入れようとしてみたり、丸と丸を繋いでみたり。するけど、辻本さんがどんどん動いちゃうから、それに着いていくのがなかなか大変そうな(笑)。
  • 顔がすごく一生懸命な、ニーッって顔になってて、ちょっと可愛かったです(笑)。で、丸と丸を繋ぎ合わせていても、丸同士は接触しない。
  • この、「触れない」感じが、余計にというか逆にというか、もともとひとつの存在、何だろう、魂と魄みたいな? 同一だからこそ触れることができない存在、みたいな風に思えた。…同一っていうか、うーん、ひとつで在るべき存在というか。
  • そんな二人が下手側を向いて並んで立ち、顔を見合わせて、うん!って。頷き合う。この時の未來さんのお顔がちょうど見えたんだけど、めちゃくちゃ可愛かったです。目が><ってなってにーんって笑顔で…かかかかわ……!
  • そして暗闇の中、未來はスツールに腰を下ろし、辻本さんは扉を開けて、明るい方へと出て行く。バターン、と響く重い鉄の扉の音。
  • 実際出て行くわけではないんですけどね。
  • で、海までの道に迷う人になるんです。海を見たくて、でもどうしても海に辿り着けない人。
  • 海までの道を訊き、教えられた道を不安そうに辿る。そういえば、スツールに座ってる時点では未來さん、シューズどっちも履いてたような。
  • で、歩き出した辻本さんの後ろから、タップの板を転がして倒す、時には左足だけ裸足になってた。ので、改めて脱いだんだと思います。
  • 片足裸足で、タップにの板を倒す。昼は照明に当たりそうになったけど、今回はちゃんと狙って転がしていました。
  • マラカス的なボールを巣のマイクに向かって何度か振り、音を作っておいてから、板の上にマラカス的なボールを打ちつけ、赤い粉をばら撒く。そういえば、金髪は軽く緑に染まってましたが、首筋も赤を擦り付ける前から若干、うっすら赤が残っていました。
  • 飛び散った赤を右足でざりざりと擦り、手にとって後ろ首へと塗りつける。この時、辻本さんも自分の片手で自分の頭を撫でるような動きをしていて、シンクロしているっぽく見えたんだけど…毎回そうだったのかどうかわからない…気づいたのが最終回って…あああああ。でも、もし毎回そこが同じ動き*2なら、余計に…意味深というか、やっぱりひとつの存在というか、そんな気がしていまう〜。
  • 左足裸足のまま、赤い粉の上でタップを踏む未來。裸足でどうするの?とおもっていたけど、タップシューズ履いてる方の音が高くて軽やかな音で、裸足の音はズン、と重い低い音で、それが合わさると、スネアとバスドラみたいな感じになりました。音にバリエーションが付いて、面白かった! 細かい刻みの音が聞こえない(半分ない)のは残念だけど、左足をだん!と踏みしめて右足をカッカッ、と鳴らす、足音の違いを音楽にしてしまう、のが劇的な効果だった。
  • アンパンマンタップもめちゃくちゃカッコイイ! 楽器が増えた!
  • 留守電がピーッと鳴って、タップを止めて電話を見上げる未來さん。留守電は辻本さんの声? 代々木公園で何とかしたから○○と××*3シャンプーしてやらないと云々。
  • そういえばタップの間に、未來さんが自分のTシャツの裾を捲り上げて、ぐいっと顔を拭いていた。何気ない仕草だったけどかっこよかった…。
  • 犬。今回は部屋(?)の真ん中辺りで、手前でわんこポーズな辻本さんに対して直角な感じで頭を向けて、髪を乾かして(笑)いました。
  • 場所がそんなところだったから、窓?と思われた四角い光はなかったような。わたしからは見えなかった。
  • 辻本わんこのお名前はストロ? シトロ? シュトロ? わかんない(笑)。
  • 未來わんこのお名前もどこかで1回呼んでるよね? 最初に辻本わんこが窓閉めてって云う時かな。
  • 「臭くて閉める気になんないよ〜」ってごろんと横に転がりながら云う未來わんこの顔が、もうほんっと臭くてイヤ〜って顔になってて、可愛かったです。目ぇつぶって眉寄せて口とんがらせてうんざり顔。
  • …あんな顔で駄々こねられたら、わかったよいいよいいよってなっちゃうな…くそ、テクニシャンめ…(笑)。
  • 閉まるはずなのに閉まらない窓。未來わんこが閉めてみようとする時、辻本わんこ…なのか窓枠なのか(笑)、の身体を、犬的にぐー手のまま突いて、よっと飛び越したのが凄かった。そのままいけるんだ!
  • 腐ってる、は何か、やたらわんこ手で辻本さんの胸というか乳首を執拗に攻撃(笑)していた。狙ってるだろうそれって勢いで。
  • で、左の脇腹〜肋骨の辺りを「ほらここ。ここ。腐ってるよここ」とわんこ手の甲でこしこし。可愛い、けど見てるだけでくすぐったあああい(笑)。
  • 自分の頬を自分で殴るようにしてその勢いで立ち上がるところ。位置的にスツールがちょうど動きの軌道上にあって、前2回のように一気に立ち上がらなかった。スツールを避けるようにして立ち上がる。
  • 「お前が何も云わずに勝手にどっか行ってほったらかしにしたからだろ」立ち上がった辻本さんを一方的に詰る未來。辻本さんは「何だよほったらかしって」と詰られていることを理解できない、納得できない様子。
  • 「勝手にどっか行ってほったらかしにした」辻本さん、は、やっぱり、うん!ってうなずき合ってから一人扉を開けて出て行った*4こと、を差しているんだろうなぁと。未來側はそういう認識なのか、と。
  • 「ほったらかしにしたつもりなんてないし、お互いの意思で俺はここを出たわけだし、」と反駁を口にしながら、インプロ的に未來の身体をぐいぐい動かす辻本さん。未來さんはまっすぐに伸ばした身体を自分から動かすことなく、辻本さんの為すが儘に。
  • っていうかこの回のここ、辻本さんの未來扱い(笑)が乱暴というか過激で、前2回と比べ物にならない勢いで好き放題ぶん回しておられるように見えました…頭を小脇に抱えるようにして、首根っこ掴んで全身をぐるりと引きずり回したり、抱き上げて放り投げたり*5、フィギュアのペアみたいにぐるぐるとアクロバティックに回転させながら抱えたり…怖い怖い!ってちょっとなった(笑)。
  • 何となく、本番を重ねる毎に、もっとやれる、もっとやっても平気、そういう感覚が、お互いの間に培われていったのだろうなぁ、と。だって初回より2回目、2回目より3回目、ってどんどん、お互いの動きに遠慮がなくなっていくんだもの。
  • 仰向けに床に下ろした未來の身体を、両脇の下に手を差し込むような感じで引きずる辻本さん。ズボンがかなり下がって、可愛いぱんつが見えました…可愛かった、わんこ足跡模様だった…(笑)。
  • 膝を突いて座り、自分の身体の上に未來さんを引き上げる。とか。
  • 組み敷かれているような状態から、一気にひっくり返すような勢いで未來が上になり、片手を辻本さんの胸に突き立てて、「じゃあ何で戻ってきたんだよ」「…何でだろう」で静止。けっこう長い時間、固まってるんだよね…。
  • 「だって、ここお前んちだから戻ってきて当たり前だろ」「いや、違う。ここ俺んちじゃない。俺んちじゃない」とか云ってるのもその状態のままで。
  • そのあいだぱんつみほうだい でした。
  • そこからどうやって起き上がるのか覚えてない〜。
  • でも未來さんの周囲をカポエラのフットワークみたいな動きで回転しながら回る辻本さん、は覚えてる。
  • その後、ばたりと横向きに倒れ込み、「ねぇ、やっぱ臭いよここ…」これでわんこに戻った、のかな?と。苦悶するような表情で目を閉じているのが綺麗でした。
  • そのまま起き上がり、辻本さんはスツールへ座る。未來がそこに近づいて、「あの、戻ってきちゃった…んですけど」今度は未來が戻ってきちゃった方。
  • もう一度説明を受ける、間に、教える方と教わる方が何度も入れ替わる。3回くらい入れ替わった?
  • 「ちょっと地図描いてもらえますか?」と二人並んで地面に向かい、そこから左右対称っぽい動きで絡まるやつ。ここで未來さんと辻本さんがまた入れ替わったような。
  • 開いた本を閉じるように対象に動きながら向かい合って、お互いの肩に顎乗せたり、お互いの身体を斜めに抱えたり。を、右とか左とか花屋さんを右とか階段登った突き当りのコンビニを左、とか云いながら、やる。忙しい。
  • 「ですね?」って訊かれて「うん」って答える未來が可愛い。確かこの時に、お互いの肩に顎を乗っけ合ってる。
  • 時計の音みたいな、メトロノームみたいな音がコチコチ流れる中で、「上り道」「坂道」「を、右」「左」「大通り」「行き止まり」「迷い道」のような単語を変わりばんこに云いながら、硬い動きでカクカクと動く。「変身」のギクシャクした朝の動きみたいな感じ。
  • その、道順に絡んだ単語が、「雑念」「直感」と概念めいた言葉に変化してくる。
  • 「直感」の言葉に合わせて、ドクン!と心臓の音みたいなのが一度響く。照明もいつの間にか暗くなってる。
  • そこからまた動きの種類が変わって、ええと…ゆっくりとした、スローモーションみたいな動きで、ぐねーん…と。ふたりともしてた。床に近い位置で。
  • で、生声じゃなくて録音されたっぽい未來さんの声で、「さまよう」「からまる」「あなた」「わたし」と。低い、平坦な声が増幅されてかっこよかった…。
  • 「えーと、花屋さん」は辻本さん。
  • またドクン!と心音が鳴って、下手手前から黄色っぽいライトが二人に向かって照らされる。その光の方へ進もうとするふたり、でも脚立の方へ引き戻されてしまう。何となく…未来へ向かおうとするのに過去に引き戻される、みたいな印象が。抗いながらもがくように進もうとする。
  • ここの最中で、未來さんが脚立に仕込んである緑のインクをTシャツに擦り付けた。
  • その間、録音された二人の音声で「食べ尽くしたもの」「置いていったもの」「愛している」「憎んでいる」「悲しみ」「怒り」「共感」「憎んでいる」的なことばが繰り返される。未來が云って辻本さんが復唱するような。
  • 「愛してる」で黄色っぽいライトが消える。軽く暗転。
  • で、その間に辻本さんが「脱ぐ?」「脱ごっかな」と云い、シャツに手を掛けるけど、未來が先にがばっとTシャツを脱ぐ。そうか、ここでどっちが上着を脱ぐかで、次の倒立(脱いだ方)/長台詞(脱がない方)の振り分けになる…ってこと?
  • どっちが脱いでもいいみたいな雰囲気だったので、その場で決めてたのかなーと。ほんと偶発的な要素が多いな!
  • 未來が脱いで下手で倒立。辻本さんはスツールに腰掛け、「おはよう。今日は空が重いね。コーヒー入れようか。こんな日はいつも、トマトに水をあげるかどうか悩むんだ。」的な台詞をつぶやく。「まだ痛い? …まあ焦らず時間を掛けてね。」とか。死んだらどこに行く、とか。色彩を失い、音を失い、光を失い、そうやって全て閉じていった先に何があるのか怖い、とか。鳥がベランダに来て、でも鳥が逃げるのが怖くて窓を開けられない、とか。手を握っておくれよ。大切なのはそこに手がある、ということ。たとえそれに体温がともなっていなくても、湿度がともなっていなくても、僕の手は君の手を握ることができる。とか。
  • 最後は「またね。また明日」…おはようから始まって、「また明日」って別れる…誰と話してるのか。
  • 倒立している未來(トマト?)に水を遣る。水色のペンキを足の裏から垂らしていく辻本さん。
  • その両足首を掴み、未來は支えている両手を床から離す。そのまま、頭だけで逆立ちした状態で、辻本さんが未來の脚を持って回転させる。頭を支点に回転する未來の逆立ち。首が、首が…!!!!ってなった怖かった。
  • そのまま、足首を掴んだ両手を前後に開いて、未來は根元(頭側)からバランスを崩してくずおれるように倒れる。
  • 暗転して、留守電の音が流れる。未來は今、東京か? 神戸か? 大阪か?みたいな。
  • 暗転したまま、戻ってきちゃう辻本さん。戻ってきちゃったんですよ、と未來に云うと、未來が「ね(笑)」って答えたのが、ちょっと意地悪っぽかった(笑)。辻本さん「ねぇじゃないですよ、云われたとおりに行ったのに、戻ってきちゃったんですよ!」
  • 暗闇のまま、窓からもれる光くらいしか光源がない状態で続く。戻ってきちゃった辻本さんを、「あなた、どこから来たの? どこに行きたいの? ここはどこなの?」と質問責めにする未來。
  • 懐中電灯の小さな明かりが、つま先だけを照らし出す。一歩一歩はただ歩いている。この道はどこから来たのか、どこへ続くのか、上っているか、下っているか、それは誰にもわからない。ひょいと立ち止まって、後ろを振り返ると、とんでもないところに辿り着いていることに気づく。また振り出しに戻る。やりなおし。同じ風景。ここはどこなのか。みたいなことを呟きながら、一歩ずつ光を辿り、時にしゅるんと回転し、跳ねる未來。回った時、懐中電灯の光が一緒に*6しゅるんと回って、光の軌跡が円を描いて綺麗だった。
  • 小さな光に自分も入ろうとする辻本さん。入れない。
  • 留守電の音で暗転。月の周りに輪っかができてて綺麗だから絶対見て、帰るころには消えちゃうかもだけど、みたいな。
  • それにかぶせて、機材のあたりに座り込んだ未來さんが「夜の10時頃やったかなぁ、何となく月を見たらめっちゃ綺麗で、何か月の周りに輪っかみたいなのがかかってて。すごい綺麗やなぁ〜と」
  • その間に辻本さんは白い輪っかをスタンバイ。床に下ろし、その中にそっと入る。未來はこの間にTシャツ着てた。
  • そういえば昼の、辻本さんが倒立した時は、それ以降シャツ着ないまま最後までやってたね。
  • 光の輪の中心で、ゆるりと動き出す辻本さん。未來さんは機材操作およびハンドカメラ担当です(笑)。でもカメラで辻本さんの足元なんかを映している時の、カメラを持っていない左手が、また美しい形になっていたりして。
  • ゆったりと踊る辻本さんにかぶせて、無限に広がる男女の交合。辻本さんが、あらゆる生/性を司る何か神々しい存在のような。暗いあの場が、宇宙のような。
  • そんな中に一瞬、胎児の超音波画像が挟まる、らしい。ですよ。見てる最中は気づかなかったけどね。
  • 音がすごく…ハウリングみたいになって、ピーッていっぱい電子音が重なって、ピークな感じになる。
  • 壁際に、輪っかをひきずりながら移動する辻本さん。ピークから突然ぶつりと途切れる音。暗転。
  • 上手と下手にひとつずつ、小さな台形の光が落ちる。そこにそれぞれ手をひたす二人。
  • 音は規則的な電子音にノイジーな音がたまに重なる感じ。心臓や筋肉の収縮時の電気信号を音に変換したやつ。
  • 常に身体の一部を光に触れさせていないといけないような動き。光から足が離れない、とか。あの光、何なんだろう。
  • 「何でだろう、ただ海に行きたいだけなのに」「ただ海を探しているのに」「何でだろう」「上も下も右も左もない 望むものはここにしかない」「円を描いているんじゃない、それは螺旋を描いている。そしてそれは自ずと球体になる。それが君の世界であり、僕の世界」「何でだろう」「何でだろう」…そんなことを、互いに呟きながら踊る。呟くタイミングは決まっていないみたいで、順番という感じじゃなくて、重なってしまったらそれはそれで別にいい、みたいな。最後の「何でだろう」「何でだろう」の応酬は変わりばんこになってた。
  • 筋肉の収縮の音が途切れる。上手に立つ未來。辻本さんが、テーブルの上に置いてあった水鉄砲2丁を手に取り、それを未來に向ける。青と黄色のペンキが何度も、白いTシャツに吹き付けられる。1色ずつ、2色同時に。
  • それを見下ろし、手で触れて、「何だこれ」と呟く未來。辻本さんも「何だこれ」「何だこれ」「何だこれ」…。
  • 不意に飛び上がると、言葉にならない声を上げて激しく身体を動かし始めるふたり。運動とそれに伴い自然に出る声、という感じ。その合間に、もしくはそれに繋げて、言葉を挟む。
  • 「それは、誰が何と云おうと、生きてきた証」「俺とお前は違う、でも一緒」「否定するのか」そんな言葉が動きと声の間に挟まる。でも不明瞭でよく聞き取れない…。
  • 「否定するのか」で下手の方をまっすぐ指差した…のは、昼だったか夜だったか。見えた角度の記憶からすると夜っぽいんだけどどうだろう。
  • 「ひとつの細胞では、物語は進化しない」「物語はひとりでは進まない だからずっとさまよっている」「ここから切り離されたと思っていた。おれはひとまずここから出た」「そしてあなたも俺を放り出す」「そしてそこからまた、自分の海を探さなくてはならない」「そう思うだろ」「でも違う。自分自身の持つ海に気づかなければならない」など。声が徐々に明瞭な言葉になっていく。
  • 飛び回る動きから、ゆっくりと滑るような滑らかな動きへ。未來さんが両手を翼のように後ろに伸ばしながら前傾姿勢になる、ロースロイスのエンブレムみたいなポーズになるのはここだったかな。
  • 未來さんが辻本さんの脚を、衝動を抑えられないみたいな感じでガッと触る…というか掴む。辻本さんが未來の肩に触れる。と音が止まる。
  • 水滴の落ちる音みたいなのから、水の流れる音、水中みたいなごぼごぼとした音。
  • が小さくなって、ゆったりとした波のような音に、ピアノの音がぽーん、と重なる。2回目のインプロ。
  • もしかして、波じゃなくて…胎内音だったり…して…。
  • やたらと重なり合っていた。前半のインプロでも感じたけど、ほんと、容赦なくという感じで…どれがどっちの脚でどこから出てきてるのかさっぱりです。
  • 途中で上手の方で辻本さんの背中越しに、仰け反ったような状態の未來さんの顔が見えたのですが、完全に目を閉じていて、全てを辻本さんに委ねているような感じで…み、みていいのかな…って思った…。
  • そんな濃密なもつれ合いを繰り広げながらも、上手側のスツールに近づいていて、ぶつかるかな、と思ったら、ちゃんと辻本さんが避けて動くので、あんな状態*7でもちゃんと見えてるのか〜、と変なところで感心してしまった。
  • 未來さんと辻本さんの頭がお互い反対側にあって、互いの脚だけで絡まるところ、とかもあった。そこから未來が腹筋だけでぐいーんとゆっくり上体を起こして、辻本さんの上に覆いかぶさるとか。
  • そこからごろごろ上になったり下になったり。とか。
  • 重なり合う形で終わりました。ええと、辻本さんが未來の上に重なっている状態。床の上に未來の手があって、その手をなぞるように辻本さんの手が、未來の手のひらに向かってゆっくり動いて、もう少しで手のひらが重なる…って辺りで暗転した。わたしみたものをそのままかいてるよいま。
  • 暗転して留守電が流れ(これはほんと聞き取れてない。多分頭がぱーんとしていたと思われます)、立ち上がって壁際に向かうふたりの気配。暗くて見えない。この時未來さんがスツールにぶつかりそうになった?
  • 徐々に明るくなる。スクリーン前で、やたらめったらテンション高そうに、駆け足みたいになってる未來さん。どうした。ここいつもテンション高いよね(笑)。
  • わざとらしくハッハッハッハッ、て荒く呼吸してたのもこの回かな。何かやたらワッキャワッキャしてた(笑)。
  • トークが特になくて、片手を辻本さんの胸の辺りに、触れないけどかざす未來。その手に、辻本さんも手を伸ばし、繋ぐ…かと思いきや繋がない。触れないまま、一つの何だろう、球体を、挟んで持っているような感じに空間を作って、その球体を動かす…運ぶような動き。手を動かす辻本さんに、未來が一生懸命楽しそうについていく感じだった。
  • 最初のランプが灯り、辻本さんがひとりで踊る。未來は巣に戻って、ギターを鳴らしたりカリンバ*8を鳴らしたりしてサンプリング。
  • 暗い中、ランプの明かりだけで踊る。未來も巣から出てきて、一人で踊る。辻本さんが上手から、ライトの入ったチューブを伸ばしてくる。
  • …うん、あれ、へその緒ですよね。星空みたいにも、海の中みたいにも、胎内にも、見えるよね。
  • ラストは、辻本さんが手足を縮めて寝転び、未來さんはその傍らに立ち、辻本さんを見下ろしたまま動きませんでした。暗転。
  • 暗闇の中で立ち上がる気配。暗いまま「せーの、ありがとうございました!」って…せーのって云うわりにあんまり合ってないという(笑)。
  • 扉を開けて、光が差す中、逆光でぺこりとお辞儀しながら消えていきました。
  • ソワレだから、扉開けた外が明るいわけないんですよね。扉の外も一応屋内だったし。照明が設置してあるってことだよね。意図的に扉の外から中へ光が差すようにしてある。
  • …自分の「海」とひとつになって、一緒に明るい方へ飛び出していく終わり方も、何か、0から次へ向かっていく、みたいに思えて、何となく…嬉しいというか。
  • まぁ最終公演だし、カテコ的なものを期待するのも仕方ないですよね。でも、この公演であの終わり方で、もう一度ふたりがこの場に出てしまうのは、何か違う気がして…手は叩いていたけど、いつものカテコの「まだ許してやらないんだぜ!」みたいな気分はありませんでした(笑)。なんだろう…拍手するのも、違和感というか…もっとこう、静かに浸っていたい世界というか。不思議な。もちろん、ありがとうとか、おつかれさまとか、素敵だったとか、称えたい気持ちはたくさんあるんだけどね。もうちょっと漂っていたい感じだったのです。わたしは。
  • せっかく0から次*9へ飛び出していったのだから、行かせてあげようよ!的な(笑)。

 いろいろ何だか、大丈夫かこれ?って感じですが(笑)、とりあえず。しゅくだいここまで! おつかれさまでした! ありがとうございました!!

*1:と近くにあるっぽく指を差す

*2:二人は背を向け合う位置関係だったような

*3:犬の名前っぽい?

*4:いや実際出て行ったわけじゃないけど

*5:いやそんな高く投げ上げるわけじゃないけど

*6:持って回るんだから当然だけど

*7:何か見てると忘我の境地に居そうな空気なんですもの

*8:っていう楽器ですよねあれ。木製の箱に金属片がくっついてて爪状になってる金属を弾いて音を出すやつ

*9:が1なのか0.1なのかまた0に続くのかはともかく