ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「Judas, Christ with soy」初日!

 面白かったー! 内子で観たのとは全然違う、別物というか別作品みたいだった!! いろんな印象が全く違っていて、とても新鮮な気持ちで楽しむことができました…個人的には今回の方が好みかも。
 というわけで、横浜は山下町の辺りからバスに揺られて、行って参りました旧マイカル本牧。バス降りたらいきなり目の前がイオンで、で、どこがマイカルシネマなの??と一瞬途方に暮れましたが、道路渡って斜め左の、1階がパチンコ屋になっている建物の2階が入り口でした。ちょっとびっくりした(笑)。
 会場は階段状の座席に座布団で、スズナリとかあんな雰囲気。段差がけっこうしっかり付いているので観やすかったけど、座布団がふかふかというかスカスカというかで若干お尻痛かった…。映画館から椅子とスクリーン取っ払って、照明立てた舞台でした。
 どうしても、内子と比べてこうだった、な感想になってしまうのですが、まぁ自分用メモだからいいや。
 ピカピカしてたポスターと、TBSからお花が。TBS、何だろう~。

 


 一番の違いは音楽なのだけど、音楽が変わるとここまで別物になるのか!と、びっくりするくらい別物になっていました。やっぱり和楽器の生演奏が、打ち込み系電子音になるのは、そりゃあ違うよね…振りが同じでも、そこに重なる音が違うと全く違う印象になるのがすごく面白かったです。
 舞台セットは基本的には変わらず、内子で和蝋燭だった上手側のガラスランプが電灯というか、小さなオレンジ色のライトの集合体になっていたくらいかな。舞台の構造が違うから、キャットウォークみたいな2階のテラス部分や梁はなし。背景が黒いのも印象違って見える一因かも。暗転が完全暗転になるのも雰囲気変わるよね。内子は蝋燭の明かりは消えなかったからね。でも照明は横浜の方が全体的に明るい気がする。
 開演前のナレーションが、一回目まったく未來さんだと思わなくて、ヘブライ語のナレーションがエラさんなのはわかるんだけど、日本語の方を未來だとはなぜか欠片も思わずに聞き流していたら、2回目の「まもなく開演致します」がめっちゃ未來で(笑)、なんで最初のを未來さんじゃないと思ったんだろうわたし…完全に違う人だと思っていた…。ナレーション可愛らしいので要チェックです。「やるなら今だよ」「エンジョイ!」とかやたら可愛かった…。
 ずっと云ってるけど、内子で観たものをまた観るつもりで行ったら、全く別物だったので、本当にびっくりしたし、わたしには今回の横浜バージョンの方がしっくり来て好みでした。音がピアノであったり、電子系の打ち込みであったりするから、受ける印象がすごくモダンで現代風で都会的で、これぞヨコハマ!な感じのオシャレ感でしたよ。波の音なんかも入って、海無し県在住としてはほんっと港町なイメージで。内子で観たものが、内子でしか生まれないものだったのと同じくらい、今日観たものも横浜でしか生まれてこないものになっていたと思う。構成も内子の時より洗練されたというか、すっきりしていて、未來さんも観たいけどエラさんも観たい~、みたいな視点のばらつきというかジレンマもなく。エラさんソロ中の、階段周りでの未來さんの動きが減っていたり、床上でふたりがもつれるように踊るのもなくなっていたり。舞台が内子より狭い*1のもあるのかな。あと、階段上にいろんな楽器を並べて、音を鳴らすのとかもなくて、その分より階段をフィジカルに使っていた印象。音楽の蓮沼さんは上手の客席側にずっといて、舞台上には現れなかったのも内子とは違うところで、未來とエラのふたりで終始進められるのも、よりシンプルでソリッドな印象になっていたと思います。
 内子座で観た時は、輪郭がふわりとにじむ墨絵みたいなイメージだったのだけど、今日観た横浜バージョンは、エッヂが利いたくっきりとした直線に近いイメージで、端的に云ってしまえばそれは、和楽器の生音と打ち込み音の立ち上がりの差でもあるのだけど、振りが同じでもその上に重なって聞こえる音が違うと、幽玄であったりリズミカルであったり、見えるものが全く違ってくるのだなぁというのを改めて実感しました。ほんと、全然再演じゃなかった、新作を観る新鮮な驚きでした。面白かった!
 蛇腹に折り畳んだ白い紙が、途中で縦に延びていくのも同じ演出だったけど、内子で観た時より印象深く映ったのも面白いなー。音も電子音だし、照明も電気だし、作品全体的にとても人工的というか、機械めいて見えたのも、内子より距離が近くて息づかいとか表情とか、生々しく感じられるはずなのに、何故か作り物めいて見えるのね。音や照明込みで、おもちゃ箱みたいな、箱庭感を覚えたのも不思議。これは会場の密室感や抜けのなさ、みたいなことかな。抜け感のなさ、は、会場の作りにも、音にも、さらに云うと環境的にも、云えることだなー。やはりあの会場でしか生まれないもの、なのだと強く思います。
 未來さんは短くなった髪を、前髪を後ろに撫でつけるようにして額を出していたけれど、踊っているうちにそれがばらけて、汗で濡れた毛先がぴょこぴょこ跳ねて、とても…可愛らしかったです(笑)。内子ではユニゾンでしゃべる前に着てたベストを最初から着て出てきて、途中どこかのタイミングで脱いでたというか、気づいたらベストがなくなっていた。ベストの下はTシャツと黒いズボン、は内子と同じかな。エラさんは内子と同じボタニカルっぽい柄のワンピースで、内子の時に途中で着ていた白いオーバーワンピースはなし。あれ可愛かったんだけどなー。未來さんは左の親指にテーピング? カバー?してたね。ラストの生演奏はなかったです。生楽器じゃないもんね今回。
 内子がとても幽玄な、能みたいな雰囲気だったのに対して、横浜は西洋的なドラマチックさというか、ある種のわかりやすさが生まれていたように感じます。そこがキャッチーさになっていて、取っつきやすい印象を持った、のかな。あと、かそけき感の内子に対して、横浜はとても力強いです。うん、わたしはこっちの方が好みでしたよー!
 明日は帰宅したら内子バージョンが観られてしまうのか…不思議な気分。

*1:と思います多分