「コーラス」
実家の父が録画していたのを焼いてくれました。
1949年のフランスで、問題児ばかりを集めた寄宿学校に赴任した舎監兼音楽教師が、合唱を通じて子供たちと心を通わせる…という、まぁありがちな。ありがちだけどそこがいい。展開もオチも読めるけど、それでいい。そんな映画でした…でも最後の最後にちょっと読めなかった展開があってそれも良かったー。
まず、とにかく、歌が。少年たちの歌が。そしてメインの生徒役の男の子のソロが。そりゃ天使の声だわ…ていう。どこのパリ木*1のソリスト連れてきたんだよっていう。本人が歌ってるのかどうか知りませんが、すごかったです…美しい…。語ると長くなるのでアレですが、フランス・スペイン系の子供の歌声って個人的にすごく好きなんです。イギリス系*2ともドイツ・イタリア系*3とも違って…何なんですかね。発音なのか発声なのか、はたまた身体的な要因なのか。世代変わっても*4違いは同じだから、…不思議なんですが。フランス系の声は張りがあって胸郭で振幅させるみたいな、硬質さと軽やかさを伴っていて、女声と全然違ってて可愛いんだ〜。あんまり云うと変態じみてくる(笑)のでやめますが。そんなフランス系の美声が堪能できる…久しぶりにトレブル聴いたなぁ。冬に合うんですよね。
そんでもって、画面が。絵が。いちいち綺麗なのです。問題児を集めた田舎の小さな寄宿学校、おんぼろで古くて所々壊れてて、全然豪華じゃないんだけど、何かもういちいち…可愛いんだー。手すりが壊れた階段(でも石造り)とか、グレーと白に塗り分けられた壁とか、木のドアとか、ガラス窓に嵌ったアイアンとか…ずるい(笑)。靴下片方ずり落ちてシャツのすそがはみ出たような、だらしない格好の子供たちと、ハゲの先生がそこにいるの、どのコマ切り取ってもドアノーの写真ですよ。絵になるよ。何なんだろうねー(笑)。舞台が日本じゃああはならない…と思ってしまうのは、西洋コンプレックスでしょうか。どうなんでしょうか。
あとは子供たちが可愛い。ちっちゃいのが可愛い。中くらいのも可愛い。わやくちゃしてるのも可愛い。問題児が集まってるから、もちろん悪ガキだらけなんだけど、でも…可愛いんだなぁ。先生方もキュートです。…憎まれ役の校長先生も、ちょっと可哀想になっちゃうくらい…。良い映画を観ました。