ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

携帯からだと勝手が違う

 相変わらず原作を読まないまま、それでも妄想に励みます。
 スペイン国内に於けるオレンジの分布状況が良くわからないのですが、バレンシアは…もっと海際っていうか地中海性気候ですよね。バレンシアで特産のオレンジ、熱くて枯れて干からびたレオナルドの村*1にはあるのかなぁ、という疑問が発生したので、その辺りをぐねぐねさ迷ってみようかと。
 ずっと、オレンジはあって当然だと何でか思い込んでいたのですが。ふと気付いたのです。婚礼の花飾り以外で、オレンジが出てこない。
 そもそも、かなり最初の印象で、レオナルドの「花婿は本当にオレンジの花を持ってきたのか?」というセリフを聞いた時に、何となく…オレンジの花は高価なのかな、と…ぼんやり思ったのでした。高いから、本当のオレンジの花は珍しいのかな、とか。まだ、欧米で一般的な結婚式の花であるという豆知識もない頃ですが。でも、オレンジっつったらカルフォルニアバレンシアだし、バレンシアっつったらスペインだし、ないわけがなかろう、と。
 しかしですね。海の近くとは遠く隔たれたアンダルシア*2の枯れた大地に、果たして豊潤の象徴であるオレンジは実るのかと、そこに疑問を抱くに至ったわけです。
 えー、根拠。まず、花婿の母親が語る夫の話、夫が植えた木は桜*3とオリーブと胡桃と葡萄畑。オレンジなんか植えなくても生えてるってこと…だったらアウトだけど。でも、そんなに生えてたら、オレンジの実で豊かな生活できそうじゃないですか? ダメかなぁ。レオナルドが売るのも小麦だし、花婿が花嫁の父と出来を話すのは麻。え、オレンジは商売にならないくらいのものなの、それとも生えてないの? しかし壁までひび割れて熱を持つ、掘っても掘っても石ばかりの土地に、オレンジ…できるんですかね?
 仮に、レオナルドたちの村(仮)にオレンジがならない、とすると。…わりといろいろな点がすっきりするんですよ。「花婿は本当にオレンジの花を持ってきたのか?」も、花嫁の幸福を約束できるだけの財力を持つ花婿と、おそらくはオレンジの花なんて手に入れることのできないレオナルドの、格差がはっきりして、より悲しくなってきます*4。花婿と花嫁の、「本当はドレスいっぱいに飾りたかったんだけど」「充分よ」みたいな会話も、その辺にある花というわけではなさそうに聞こえる。ロウで固めてあるからずっと枯れない、も、永遠の富と愛を表すと同時に、海際の花をこの地まで、枯らさずに持ってくる為の手段とも思える。だから、レオナルドは「花婿は本当にオレンジの花を持ってきたのか?」と…驚きと懐疑とも取れる言い方をしている、のかなぁ、とか。
 花嫁と少女の、「いい匂い、何の香水をつけているの?」「いいえ、何も」も、髪と胸から湧き出る甘い香りの方…かと思いきや(笑)、オレンジの花の香りかもしれないな、と。だとすると、少女はオレンジの花の香りを知らない=そこらに生えている木ではない、と捉えることも可能、かもしれないな、と。
 花嫁の花飾りを「あまり大きくない方がいい、あいつには小さい方が似合うから」と云うレオナルド。ふたりが幸せな恋人同士だった頃、いつか迎える婚礼の日を想って、レオナルドは彼女の髪に花を飾ってみたりしたのでしょう。その時の花がオレンジではなく、いつかのその日にこの花を、オレンジに変えて飾ろうと、まだ経済的な問題がふたりの間に暗い影を落とす前の、若き*5レオナルドは、思ったり、しなかったのかな、と。でもオレンジの花飾りが手に入りにくい、とても高価なものだったら。
 そう考えたら、自分が飾ろうと誓い、二重の意味でそれができないと思い知らされたレオナルドが、「オレンジの花飾りと銀の髪留めが俺の血の色を変えた、どす黒く!」と叫ぶ、血を吐くような痛みと苦しみが、より増すようで…
 好みです。
 …結局好みの話か!

*1:って単語出てきたっけ?

*2:あれ、違う場所だっけ。パンフが手元にない…

*3:って日本人が思い浮かべるのと同じかなぁ、チェリーの方かなぁ

*4:手前味噌は得意技です

*5:むしろ幼い