ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

血の婚礼 背広3着目

 マチネは3階席の端の方から見下ろす感じで見てきました。照明の美しさや、布のレース模様が床に落ちているのや、花嫁とレオナルドがこっそり消えていく通路が四角く照らし出されてるの、1階じゃ気づかない色々が見られておもしろかった! 上を向いた時の未來さんのお顔とか!
 一番びっくりしたのは、冒頭の倒れ伏す江波さん&ラストの赤い砂の後の女たちの前、にじわじわと広がる血、アレをずっと、赤い普通のライトだと思ってたんですが、違いますね! 映像を床に映してるのかな…照明の光じゃなくて、もっと輪郭がはっきりしていて血溜まりっぽい、赤い滲みがじわじわ広がっていて、一瞬本当に血糊でも使ってるのかとびっくりするくらいでした。すんごい! 綺麗…というか禍々しいというかでも目が離せないというか、凄絶でした。それ見られただけでも座ってよかった見下ろし席!
 何だか色々あった回でした。レモン水注ぎすぎてこぼしまくったり、自分の濡れたブーツを背中乾布摩擦したタオル?で拭いてたり、婚礼の席でワイン*1注ごうとしてこぼしたり*2、ジャケット投げたり、逃げ出した後半がすっかり哀願になってたり、「ぐちゃぐちゃなんだよもう!」とか云ってたり、花嫁とのキスが増量してたり、濃厚だったり、ラストの降り注ぐ花びらを見上げたり。ラストの美しさは、回を重ねるに連れて痺れてきます。そうかこの芝居、遅効性だったんだ…。
 お芝居は、一体初日は何だったんだ!?と思うくらいの、コンスタントに一定レベルを振り切る安定した迫力を得たように思います。芝居のうねりとか、感情の発露の具合とかは、その回によって色々なんだけど、でも一定以上のレベルは保って毎回、ガツンと胸に一撃喰らう、それは外さない。特にソニンちゃんの振り切り方が…心配になってくるほど。ラスト、なかなか立てないくらいに打ちのめされてて…どうにも収拾つかないんだろうな…。コントロールが利かなくなるくらいの、肉体も魂も投げ出して打ちのめされる芝居、なんだと思います。ま、毎日こんな目に遭わされて、ソニンちゃん大丈夫かなぁ。どうか、きちんと切替えて、それ以外の時間を楽しく過ごせていますように!
 カテコメンコはそんなソニンちゃんと未來が睨めっこしたり笑いあったりしながら踊るので楽しくって! これないで終わったら救われなさすぎかも知れませんね〜演じる方も。血の打ち上げがお葬式みたいになってしまいそう…。ギターの渡辺さんを呼んだ時が、何かきよしの「七光り〜」時みたいに片足を後ろに真っ直ぐ伸ばして拍手してました。か、可愛かった…!

*1:ブドウジュースですよね

*2:白いクロスに染み込んでたよ