ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「死刑執行中脱獄進行中」富山公演千秋楽@富山県民会館(12/20昼)

 富山公演2日目にして楽、そしてわたしの死刑も楽を迎えました。最高だった! 最高の死刑だった!! ホール総立ちのスタオベ圧巻だった!! 未來さんめっちゃ良いお顔してたし、映莉子ちゃんがすっごく嬉しそうに破顔一笑でぱちぱち手を叩いていて、これまで最後までクールな印象だった彼女がめちゃくちゃはしゃいでて可愛かった…バンドさんも笑顔でわたしは泣き笑いみたいなことになってましたが本当に良かったです。満足感と充実感しかない終演でした。これでわたしの死刑はおしまいです。大阪行かれる方、最後の瞬間までどうぞ見届けてきて下さいね!! わたしは今日で満足した…ありがとうおつかれさまだいすき…。
 舞台ももちろんですが、富山旅行全般に渡ってとにかく満足度が高くて、美味しいし楽しいし綺麗だしほんとすべてが上手い具合に進みすぎて、これから何かあるんじゃないかと逆にちょっと怖いくらいです…おうちに着くまでが遠征…気を抜くなわたし…*1
 富山楽公演、何かもうずっと見とれていて、特に最後のスタイリッシュジャングルジム以降、ずーっと未來さんのお顔ばかり見ていた記憶しかなくて、メモも感想もあんまり出てこなさそうですが、それでもわたしの最終回をちょこっと残しておきます。楽しかった…わたしこの作品とてもとても好き…。

  • 下手とても端の方2列目、が最後の席でした。うん、ちっちゃいスピーカーで見えないこともあったけど、もう大丈夫。でかいスピーカーが目の前だったのでオープニングの爆音は音圧すごかったです(笑)。でもこれ体感するのも最後かーって思うとびりびりも味わい深いよ…。
  • すんごいどうでもいいし自楽なのにそんなことかよって感じですが、あの囚人衣装横から見るとお尻がぽこっと丸くて可愛いフォルムになりますよね。ドナルドダックみたい。
  • 冒頭の繰り返し3ターン目くらいの暗転で、煙草に火をつけてふぅっと煙を吐き出す音が響いてた。っていうか息切れてる時に煙草吸うのって大変そうなんだけど大変じゃないんですか。吸わないからわからないけど見てる分には大変そうだなって。
  • ヨットのシーンでじゃれ合うふたり、じゃれ方が東京より激しくというか楽しそうになってて可愛い。後ろから羽交い締めじゃないけどそんな感じに本を取り上げようとするイケズ可愛い。
  • 耳打ちは聞いてから、「あ、そうなんだー」みたいな感じに答えてうんうんって頷いてニコッとしてた。可愛い。
  • 丸めた紙をバットのスイングみたいに一度反対側に持ってきてからばしっと渡す彼女。
  • 猫への独白中の膝枕が…スピーカーの影に隠れて足しか見えなかった…(笑)。
  • 倒れる男が回収されて牢獄に戻されるところ、やっぱりフカフカした音のアコーディオン的なもの、の1音が出ないままでした。大阪までに直るといいなー。
  • ダズルたちに翻弄されて、首に電灯のコード巻かれて煙草くわえさせられるのほんとかっこいい。ダズルの顔が周りに集まって不穏なのすごく気持ち悪くて良い。
  • 瓶詰め男のシーンで「ちょちょちょ、ちょ、待って」ってわりとちゃんと云ってた。あんまり、待って!ってはっきり云うこと少ないなぁと思って。
  • 俺の所為じゃない、の独白中の彼女がやっぱり全身しっかり見えていて、そこから沈んでいくのがよくわかるようになってた。東京だとそこまで見えてない状態から沈んでたから。
  • 猫に呼びかける男の、猫なで声で「なぁ、こっち来いよ、なんにもしないからさぁ、な」からの恫喝「こっち来いよ!!」がほんっとゲスで良いなって。
  • けっこうな横位置からボトル争奪戦を見ていたら、囚人が一度取り返したボトルを後ろに立ったダズルが奪う時、両手で肩を押さえ込みながら膝カックンしてて面白かったです。ちゃんと技(?)考えられてるんだなぁ。
  • 争奪戦のピアノが東京とも昨日とも違う音でまた新鮮だった…音楽ほんと毎回違うくらい自由度高くてすごい。
  • 東京でだいぶ観て、ボトルが今どこにあるかはわかるようになったはずだったのに、横から観てたら全然見失ってて面白かった。すごい騙されたこの期に及んで(笑)。
  • お部屋でくつろぐ彼女、階段の一番上から下に降りる時、東京ではわりとストンと降ろしてたのが、すごくゆっくりと時間をたっぷりかけて降ろすようになってて、着地と共にデ、デ、デ、ってピアノで行進スタートしてた。それだけでも何か印象変わるなぁ。
  • 上手で倒れてる囚人に向かって這い寄る女、後ろから引き起こして「わたしを招待して…」って云う時に、スクリーンで女の背後にダズルたちが雁首揃えて(?)ぎっしりいて、すごく気持ち悪くて最高です。この作品において「気持ち悪い」はかなり上位のほめ言葉だよなー。
  • 腰からダズル生やした彼女最高に気持ち悪い!!! 素敵!!!
  • そして彼女から伸びるダズルの先に捕まる囚人。身体に纏わりつく感じがスライムっぽくてほんと気持ち悪いです。素晴らしいです。
  • ダズルの穴から誘うように顔を覗かせる彼女を追って穴に突っ込む囚人の右手がダズルに食われるところ、も大好き。避けきれなかったねー。
  • わっしょいわっしょいも見納めか…最後の狂乱も本当に美しく禍々しく最高でした。赤と青の照明とそれぞれの陰影が踊りまくる布の乱れっぷりもほんとかっこいいんだ…。
  • からの一瞬で収束して何もなくなる静寂、も見事。
  • あ、今日はちゃんと聞いた。処刑しようとする、のイントネーション直ってた。ケにアクセントなかった。
  • チェストのフレームほんとしっかりして安心です…東京の後半けっこうしなっててちょっと心配だったから…。
  • 悪夢が現実側に浸出してくる感じ、がたまらない。枠を止めた彼女がガッと迫るところ。
  • 枠に彼女座らせてロマンチックになるところ、スカートの裾挟まってなかった? 映莉子ちゃんがちょっと気にしてるように見えたけど気のせいかな? 床の辺りはスピーカーで見えてなかったから確かじゃないのでわかりませんが。
  • ハイハット連打からの~、始まるカッコいい曲ー!! 大好きー!! この高揚感もこれで最後か、と思うと寂しくてちょっと涙出てきちゃった…本当に、音と舞台上が渾然一体となってどの要素も最高に格好良くて、大好きなシーンです…。
  • 男が彼女のことを、もう切ないくらい狂おしいくらいの切望を滲ませた目で、じっと追い続けるのです。どんなに手を伸ばしても、そのわずか先で彼女はひらりと身をかわすし、どんなに逃げ出そうとしても、牢獄は彼の周りを囲ったままだし、どんなに求めても決して届くことはないし、気まぐれに囲いの中に入ってきたとしても、イニシアチブは完全に彼女の側にあるし。求める熱さがすごく伝わるからこそ、届くことがないのがつらくて切なくてでも届かないからこそ彼女は美しくて…うわあああんってなる。うわあああんすきいいいいってなる(笑)。
  • 男に近づいておいてするりと逃げた彼女が、憐れむように蔑むように笑うの、たまらない。痺れる。絶対に手に入れられない存在。
  • 枠内のふたり、やっぱりしないんだよね…そこはできない存在なんだよね…もうしちゃえよキス!!って思ってるけど(笑)。
  • 生きることにあれだけ執着しながら、自分を殺そうとあの手この手で襲ってくる彼女に惹かれる男、殺そうとしている相手を同時に誘惑するような女、ふたりの危うい均衡を保った駆け引きみたいな、情事みたいな闘いを観るたびに、エロスとタナトスを思ってしまう。生への希求と死の欲動。そうか、『死の欲動との戦いこそが生』、ってフロイトの言そのまんまじゃないか。
  • そこにリビドーが入り込むのも当然ですよね。
  • 彼女を捕まえて、横抱きにする男のすごい満足げな表情と、そこから一気に沈める狂気じみた顔がたまらない。やり遂げた一瞬の少し虚脱した表情とか。すぐさま引きずり込まれるんだけど。やっぱり彼女の方が上位。
  • 丸くなって動かなくなった男を無慈悲に見下ろす彼女の冷たい顔も最高です。ほんと、人間じゃないから情とかそういうの皆無ですよね。たまらない。何だかわからない得体の知れなさ凄い。
  • 目を覚まして、驚いたように身を起こし、きょろきょろと辺りを見回す男。覗き込まれるダズルたちの顔を見上げ、戸惑ったように、逡巡しながら、それでも自ら手を伸ばしてそれに触れ、もたれ掛かるように立ち上がり、次へと手を伸ばす。求めたのは彼自身、だからダズルも襲いかかる。
  • このね、囚人の方から処刑の手を望む感じがね。最高ですね。
  • そして椅子に戻されるまでの表情のない白い顔のなんと美しいことか…。
  • からの、一気に走り出す執行シークエンス。ここ始まると未來さんのお顔がめっちゃテンション高い顔つきになって、そりゃそうだろうって感じなんだけど、そこに至るまでのあの表情の抜け落ちたお顔の間に、あんな顔しながらすっごいアガってるテンションを抑え込んでのあの美人顔なんだろうなーとか思うと、それ込みでたまらないですね!!!
  • ゼロかマイナスから一気にトップギアまで入れるのほんと爽快なほど。こっちのテンションもアガるってものです。
  • 躍動する身体たちを見上げながら、これが生そのもの、純度100%の生、白く光る生のかたまり、とかぼんやり思っていたのですが、そんな綺麗なものを観るのもこれが最後か…と思うとまたじんわりしてくるのは、仕方ないよねマイ楽だからね!!
  • 波の音がピアニカで出されてるの、けっこうびっくりする。
  • がらんどうになった舞台の上で、立ち尽くし、座り込み、また動き出す。闘え、生きろ、生を燃やせ。暗転の向こう側から聞こえる荒い息づかい、漏れる声、やがて乱れたそれが少し収まり、同時に動きの気配が消え、静かになった暗闇の奥で、そこでやっと息がつける。
  • 紅潮した頬のまま、お辞儀する彼が、ちょっとぼやけるよね。
  • 昨日、頬骨の辺りが薄赤い?と思ったのも、紅潮してたからかも知れない。今日もピンクになってたし。
  • カテコは4回。初回、みんなを呼び込んですっごくやりきった、出しきったような良いお顔してました。拍手もいっぱいしてた!
  • 2回目はぱん!とひとつ手を合わせて、合わせた手を握り合わせてよしよしって感じ。映莉子ちゃんとちらりと笑みを交わしたり。
  • 3回目でスタオベになって、立ったついでに後ろを振り返ったらもう総立ちになってた!! 映莉子ちゃんがすっごい嬉しそうににっこにこして、ぱちぱち拍手しててめちゃくちゃ可愛かった…拍手しながら嬉しそうに走ってハケてった…。
  • 4回目ももちろんスタオベで、未來さんがすごく良いお顔していました。じゅうじつかん!!みたいな。お辞儀が3回あった。映莉子ちゃんはまたぱちぱちして飛び跳ねるみたいにハケていったよ…可愛かったよ…役柄もいつものカテコもクールビューティな雰囲気だったから、こんな可愛いの初めて見てそれだけでとても嬉しいです…。バンドさんもダズルさんたちも笑顔で嬉しそうだった! もちろんわたしもとても嬉しい!!!

 そんなわけでわたしの死刑全執行が完了致しました。最後までコップ出現の仕掛けはわからないままだったなぁ(笑)。死から逃れることで、何よりも強く生を意識する、見せつける、生に執着しながら、自分の生を奪う存在に手を伸ばす、そんな相反するベクトルがどちらも強烈に輝きながら、双方向にぐんぐん引き合うような、そのバランスの妙で成り立っているような、そんな90分だったように思います。そして最終的にやっぱり、舞台上にいるのは誰を演じるでもない森山未來そのひと、その「生」ひとつ、そんなふうに見えてしまう。でも、あなたがそこに立つ限り、わたしはそれを見続けたい、観ることしかできない存在だから、あなたの「生」が、全てではなくとも一部分、一時期でも、そこに在ることによって「生きる」のであれば、それを観ることによってわたしの一部分/一時の「生」は成立するのだから、とか、何かもうぐちゃぐちゃしてしまうんだな…そこまで大げさなことを感じながら観劇してるつもりはないんだけど、でもそういう部分も確かに、あるから。こんな風に、観てるこっち側の「眼」を意識するのも、初めての作品だなぁ。それが意図されたものかどうかはともかくとして(笑)。
 収録された映像が、どこかで何かの形で、観られる状態になりますように。生で観る感動には絶対に及ばないけど、でも手元に残ってくれたら…とても嬉しいので。是非お願いします、どんな形でもどうにか、何とかするので! がんばるので!!
 大好きなひとが、こんな作品に携わってくれて、わたし幸せ者だなぁ、と勝手にしみじみしてしまう自楽の夜でした。大阪まで無事完走して下さい。魂飛ばしておくからね!

*1:今新幹線の中です