きゅうかくうしおVol.1「素晴らしい偶然をちらして」@横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール(11/25)
週明け月曜日滑り込んできました。仕事後に赤レンガ倉庫に開場時間に間に合うように行くのってかなりのエクストリームなんですよ…人権かなぐり捨てて駆け込む感じですよ…酷い。でも行く。
今日はまえけんさんがいらしてました。気づいたら目の前にいらっしゃってびっくりした…。でもまえけんさんは気づいたけど今日以外でも他の○○さんいらしてたよ的なの、まっっったく誰も気づいていないのでした。
何となく、個人的なわたしの気に入ったビューポイント(?)が定まってきて、ここから観るのが好き、という辺りができたのですが、でも他からはどんな風に観えるのかも知りたい……けどあそこからは観たい……というジレンマ。気にいるとそればかり食べたり観たり読んだりするタイプなので…冒険ができないのね…。機会があったら座ったことのない辺りにチャレンジしてみたい。できたら。
日々変わり続けるものを、変わり続けるものとして素直に受け止めようと、あまりここ昨日と違う!みたいなのを追わないように(笑)ぼんやりと観ているので、観察日記的には何の役にも立たないけど、いいんだ…そういうものなんだ…というわたしの印象メモを少しだけ。
- 目の前で見るともさんの踊り、身体が大きくて背も高くて背中も広くて本当に大きいなぁ…って思うんだけど、その恵まれた体躯すべてをぎゅるんと動かすダイナミズムはもちろんだけど、その身体をぴたりと静止させて、指の先だけを蠢かしたりする時の微細なそれが…目を奪われてしまって…。繊細で美しくて空中から何かを紡ぎ出すような指先なんだ…。
- ハリガネムシのくだりがどうにも毎回エロチックに思えてしまってわたしが変態なのか。何か…自分の意志でなく体が動いてるとか、寄生されているとか、腹を食い破られるとか、何かえっと書き並べてみてもなんでだよ?!って自分でも思うけどわぁ何かすごいエロチシズム。意志とは関係なく水辺へ向かう。えろい。どこにエロスを見出しているのかよくわからないけど何か。何か。
- あと、わたし個人的な嗜好の話なんだけど、不随意的に出る声や音がフェチ的に好き(息が漏れるとか胃が鳴るとかしゃっくりとかそういう…)(あれ? 大丈夫かこれ??)なので、あの辺の一連はそういうところもとてもわくわくしてしま……あれっ だいじょうぶか これ
- そういう音たちをヘッドホン付けた楽さんが極めて職人的に音採取していくのもすごく好きです。あの温度差すごく好き。吉枝さんが照明を当てていくのも好き。
- あっ吉枝さんと云えばコリキくんの話めっちゃ好き! 可愛い! 今年も来るといいな~。コリキくんの話が流れている時のともさんの動きがまた、つんつんの金髪も相まって鳥っぽくて好き。
- あとコリキの話をする吉枝さんの録音の方の音声が微妙にオモシロいのは何なんだ。微妙にこう、わざとらしいというか…車掌アナウンス感というか…あれ何なの(笑)。
- インスタライブ配信を後ろから眺めるのですが、けっこうタイムラグがあるんだなーという印象。…なんだけど、インスタの配信画面をスクリーンに映しているので、インスタ配信のタイムラグなのか、配信画面をスクリーンに映す時点で発生するラグなのかわからない。
- けど、数秒前に観たものが映し出されるスクリーンを背景に、その数秒後の「今」を見る、というのはなかなか不思議で面白いものです。
- 川柳はあれなんですね、できた・できないに関わらず元気に手を挙げるシステムなんですね?「はい!! やだー!!! はい!!! やだ!!!」って云ってたの可愛いの極みでした。元気は良いけど当てられたくはない小学生のようだった。どろんこだし。
- ねずみ川柳。そうね、夢の国に未來さんが行く理由はもはやないよね。
- 振付けてた矢野さんの川柳、鼠色のことかな。素敵だった。振付けも踊る矢野さんの紫色のワンピースも素敵なんだ。
- 公演観に行ってるとインスタライブは観られないんだな、というジレンマよ…(笑)。
- 岡村滝尾さんのお誕生日の乾杯、そして献杯。グラスがぶつかる音の澄んだ、美しい、哀しい、音。
- 泥にしがみつく。生にしがみつく。離れたくない、離したくない、手放したくない、のたうつ身体。
- クライマックス*1直前の、楽さんがマイクで静かに響かせる呼吸音が好き。静かな寝息のようにも、深い深い吐息のようにも、風の音のようにも波の音のようにも、もっと原初の太古に大地が芽吹く音のようにも聞こえて。
- 未來さんとともさんが踊ると、もうそこには異界が立ち現れてしまうのだけど、光の糸(あれ臍の緒よね)でつながった先で村松さんがおにぎり結んでもぐもぐしていて、この異界と日常の地続き感こそが「我々」なのだ、と何だかとても感じ入ってしまった…。あそこ本当に…全部を俯瞰で観るのが好き…。
- そして張り詰めた空気を纏ってゆっくりと動く未來さんと知さんがあんまりにも美しくてずっとじわじわ涙が出ていた…あんまりにも美しいんだもの。綺麗なんだもの。
- 炊飯器、ごはんが炊けましたって云ってたね。美味しい匂いするよね。
- ラスト、うずくまり縺れ絡まり丸くなるふたつの身体を観ながら、ああ卵だ、これからふたつに分割する前の卵だ、なんて思った。陰陽にも見える。でもあれはこれから生まれる卵…生まれる前に戻る卵…。
*1:と云っていいのか、どこがクライマックスっていうかどこもクライマックスなんだけど一応便宜上…