ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

CITIZEN “We Celebrate Time” 100周年展 COMMUNICATION PROGRAM(12/15 20:15~/21:15~)

 シチズンの創業100周年記念イベント「We Celebrate Time」の未來さんイベント、行ってきました。開演前に展示もじっくり眺めて、携帯持ってから腕時計を全くしなくなってしまったけど、時計のムーヴメントとか微細な歯車がいくつも噛み合って動く様子とかはやっぱり胸がときめく…。メカニカルでスケルトンなのいいなーとか思ってしまうチョロさ(笑)。

 人類と時計の歴史とか、シチズンの時計ができるまで的な映像とか、歴代の時計の展示や時計製作に必要なツールの展示もあって、とても興味深かったです。展示の仕方がいちいち素敵だし! あと、寺山修司シチズンの社内報に連載していたテキストが発見されて特別刊行されたりなんかもありました。未來さんのパフォーマンスのインスピレーションもそこから得ているとか。

 壮観だったのはやっぱり、スパイラルガーデンの円形空間をまるまる使ってのインスタレーションで、7万2千個の時計の地板を空中に散りばめた田根剛さんの作品「LIGHT is TIME」で…金色の丸いパーツが、移り変わる照明に煌めいて、見る場所や角度によって全く違う表情で浮かんでいて、幾何学的だったり渦巻くようだったり上昇するようだったり、とても美しい空間でした。空間そのものが美しいんだけど、一つずつに寄ってみるとそれも美しいの…素敵だった…。

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 そしてそんな美しい空間で、未來さんが舞うのです。観る前からこりゃあ美しいに違いないと思っていましたよそりゃあもう。だがしかし蓋を開けてみたら、美しいなんてものじゃなかった…人智と次元と空間と概念を越えた時を統べる王のようだった…完全に息が止まってしまった。しんでしまう。呼吸を忘れてしまうやつだった…。

 スパイラルガーデンをぐるりと囲む螺旋状のスロープが観覧場所で、初回は低めのスロープから、2回目は床と同じ高さのサイドから拝見しました。どっちも良かったし良く見えたしとても…良かったです…でも床の方は背後が営業中のスパイラルカフェで、けっこうざわめきというか、気配や物音がちゃんと伝わってきたので、スロープ側の方が集中できたかな。でも高さが同じという臨場感はやっぱり少し違いがある…甲乙つけがたい。あと、そういえば開演前にアナウンスも何もなかったなーと思っていたのですが、どうやらストロボ焚かなければ撮影OKだったようで…がんがん撮ってる人も多かったし動画撮ってる人も多くて、TwitterInstagramに写真や動画が挙がっています。おこぼれを楽しませて頂いております…わたしはあれなので…森山未來にレンズを向けると死に至る病に罹患しているので…無理…何とか大陸のトラウマは根深いのであった…(笑)。オフィシャルでも望遠の素敵なレンズが付いたカメラが入っていたのできっと素晴らしい写真がどこかで見られると信じています。あのね、めちゃくちゃ美しかったから……刺さりすぎて倒れるかと思うビジュアルだったから…しかもそれで踊るとか最高というか至高だったから…。

 アクティングエリアに入ってきた時から、あれっ何か…薄い…?って思っていたけど、照明が明るかったり少し近くに来た時に目を凝らしてみても、眉が…薄くて…短くなった髪を後ろに撫でつけて額を露わにして、体にぴったり張り付くような薄い、濃紺かと思ったけど光が当たるとミッドナイトブルーくらいの色味の、長い袖の辺りに少しレースのような透け感のある、メタリックな光沢を持つハイネック、レギンスかと思っていたけどおそらくボディスーツなのかな。バティックみたいな紺の、斜めに織り模様が入った巻きスカート状のものがくるぶし辺りまであって、ドレープが綺麗だった。そして黒の、やっぱり少し透け感のある手袋…肌の露出が首から上と裸足の足だけしかない最高…。で、両方の手の甲・肘上・肩胛骨の辺り・腰骨辺り、に、何か小さい細長いモノが搭載されている、という。何だろうあれ、CeBITの時みたいな動きが音に変換されるやつのピックアップとかかな?と思って眺めていましたが、それが何かわかる前にとりあえず、両肩胛骨についているその黒くて小さな突起物が、小さい悪魔の羽根みたいで何かもうやたらときめいてしまった…あんな出で立ちでそんなものくっつけてたらあーはいもう大好きですありがとうございます!!!!! しかも、おでこ出て黒髪短くて眉が薄くてロングスカートなんだもの、反射的に心の臓が止まるわけですが、大好物ですが、何て云うかええとほぼトミーですよねっていう……そりゃ反射的に心臓止まるわ……肺呼吸のしかた忘れるわ仕方ない。ほぼトミーな上に上半身全くの露出なしというストイックなでもぴったぴたのボディスーツっていう何かもう……す、すき……眉薄いと途端に人間っぽさも消えて超越存在みたいになるの好き……血の通ってない感じするの大好き……。

 と、登場時のビジュアルだけで今年1年とても良い年でした!!!って手を合わせたくなるくらいの大勝利でしたが、それで動くんだもの踊るんだもの舞うんだもの蠢くんだもの。円形の会場を、静かに時計回りに歩きながら、設置されている無数の精密パーツのひとつに触れ、それを引っ張って放して高く澄んだ金属音を微かに鳴らさせたり、高い場所のひとつに背伸びして、手を伸ばして触れてみたり。あの手袋に包まれた指先が天高く掲げられる、その指先の美しさ、伸びる肢体のしなやかさ。泣ける。もう、神々しかった…あんまり美しくて苦しくなった…ビジュアルだけでほぼ死体だったのに動いてさらに美しくて死体も逆に生き返るわ。生き返った上で苦しくなるわ。しんでよみがえるわ。

 円形の会場内に、地板パーツのインスタレーションは同心円を描くように二重に配置されていて、それぞれの円の間は普段は通路として通り抜けられるので、その通路部分がアクティングエリアになります。センターには時計盤が60個設置された円形テーブル状のオブジェがあり、オブジェ自体が光ったりもして、中心のオブジェ周りも円形の空間になっている、という。たぶん。三重にはなっていなかった…と思うたぶん…。内側の円の、高い場所のパーツに指先で触れるきっかけで音が鳴り、照明が暗くなり、未來さんがうごめき出す、空気が一転する感じが鳥肌立ちました。そこからはあんまり覚えていない…暗くなったり明るくなったりじんわり照らす照明の中に、黒々と浮かび上がる身体が静かに揺らめいていてただただ美しく、時計回りに渦の中心へと近づいていくのが、知らず知らずのうちに時の狭間に迷い込んで巻き込まれていくような、もしくは精巧で精密なムーヴメントが内包する宇宙に吸い込まれていくような。中心に到達し、時を刻む核に触れると、未來さんの身体から赤い光線が幾筋も発されて、それが肩や手や腰に装着された謎パーツから発されるレーザー光線である、という。長針と短針と秒針のイメージ! 未來さんが腕をぐるりと回すと、もしくはぐるんとターンすると、赤い細い光線が時計回りに円形空間の周囲を回って、時が流れるの…すごい。スパイラルガーデンがひとつの時計になったみたいだった。

 針の動きに翻弄されるように、動きは激しさを増して、回る針たちは次第に無秩序に空間内を飛び回り、赤い時間の粒子になって自由に飛び交い、未來さんの周りに集まってまとわりつくように跳ねたり、追い回したり、どんどん逃れられないようがんじがらめにしていくようで。迷い込んだ闖入者がうっかり「核」に触れてしまったせいで、時計の精密機械が内包する宇宙の悠久へ引きずり込まれてしまう、そんなイメージで観ていました。わたしは。宙を埋め尽くす金色の地板たちが、星雲のように、土星の輪みたいに見えて、時の死骸が塵になって生まれ続ける新たな「時」を取り囲んでいるとか、何かそんな…時計が宇宙的に感じられたんだ。でも、時を可視化する機械だもの、宇宙くらい内包していてもおかしくないと思います。あと天文と時間は切っても切れない関係性だから宇宙と時間も同じだよね。連想ゲーム。

 「時」に巻き込まれ、翻弄される闖入者が次第に、「時」そのものを操るように動き出し、長針も短針も時の粒子もすべて引き連れ、自在に動かし、「時」を統べる王となり、ついには「時」そのものになる。冒頭と同じように、ゆっくりと動きながら地板に触れ音を鳴らすけれど、その存在はすでに時計回りの法則を超え、反時計回りに時を滑る。

 最後に再び中心の核へと触れると、そこには1枚の金色に輝く地板があり、それをその指先でつまみ上げ高く掲げる。時間は一瞬ごとに生まれ死んでいく、その死骸は流れ去るが時の肥料になる。中には時の種子(たね)になるものもある。そんな内容の*1リーディングが未來さんの声で流れる中、掲げられた1枚の地板は、時の種子なんだろうな。それを蒔き、次の100年に向けて育んでいく…そんな意思表示、ほどの圧はないけど(笑)、何となくそういうイメージで受け取りました。わたしは!! あくまで個人の主観です!!

 とにかく人間を超越したルックスの未來さんが、人間を超越し時と空間の概念を超え何かもう神みたいな存在になるのが最高で…2回観て2回ともあばばばばってなってしまったので、早急に全編動画で見せていただきたいです。これ無料とか本当に信じられない。お金払わせてほしい…ただで観たらバチが当たる…CITIZENさんに申し訳ない…*2。申し訳ないけど本当にありがとうございました。どの要素を取ってもすべてが美しく神々しかった…未來も動きも衣装も照明もロケーションも音も光も空気も匂い*3も全部が特別だった…。帰りに何だか敬虔な気持ちになってしまったくらいです。今年の未來さん見納めがこんなに最高に美しいもので神様ありがとう…みたいな。2018年も素晴らしい1年でしたパンパン*4

 2回目のラスト近くで、外側の通路を通過した時に何か小さい箱のようなものが落ちて、レーザーのバッテリーか何かっぽく見えたんだけど何だったのかな。あと2回目のラスト、地板を高く掲げる右手の、肘も甲もバッテリーケースだか受信ユニットだかがぶら下がっていて(多分本来は固定されていたものだろうけど)、2回やると限界来るよね…って思いました。あれちょっと重いんじゃなかろうか。発光部分だけじゃなくて無線の遠隔操作で明滅させてたっぽいから小さくてもいろいろ付いてそうだなって…。それにしてもすごいアイデアだしあの赤い光の線が丸い会場内を走るの、初めて観た時本当にびっくりしたしめちゃくちゃかっこよかったしとても時計の針に見えて震えた。

 1回目と2回目の違いがどうとかは全然何も云えないけど、1回目にはなかった動きが2回目にあったりはした。通路でバタンと倒れるのとか、2回目は何度か繰り返してやっていたけど初回にはなかったような。とりあえず初回でも2回目でも両方でもいいので、動画…公開して頂けませんか…撮ってたよねきっと…。あんなに美しいものをあの場限りにしてしまうのは余りにもったいない。シチズンの時計買ったらでーぶいでーくれるとかそういうのでも…いいですから…カタログ眺めて決めますから……。

 衣装が本当にあの、みんな大好きに決まってるよね!!って感じで最高に素敵だったんですが、湯浅永麻さんのダンス公演の衣装も手がけているデザイナーさんの作品だったようで、ああーだからあの透け感!!ってとても納得しました。ほんと最高だった…大好きだーいこーぶつ……。

SOMARTA

 

 お土産までいただいてしまって本当にありがとうございました。不思議な形の、ちょっとおしゃれなエコバッグでした。旅行先でちょっとご飯食べに行く時、とかにちょうど良いサイズ感で可愛い。

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*1:うっろ覚え!

*2:という思いも込めて終演後に会場限定バージョンの寺山修司「時をめぐる幻想」買いました。それでもお安いよ…装丁めちゃくちゃ美しいよ…

*3:アクア系の良い香りがしたよ

*4:柏手