ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

浪漫活劇「るろうに剣心」@新橋演舞場(10/21昼)

 お友達にお誘い頂きまして、「るろうに剣心」観てきました。演舞場は乱鶯ぶりかな? 並んだ提灯とか、出店みたいな物販とかが相変わらず、お祭り気分で楽しいです。

 原作は未読、アニメもほとんど見たことなし、実写版映画をちらっと見たことあるだけ、キャラクターは何となく名前と顔は一致するかな、くらいのミリ(くらいしか)知ら(ない)状態で挑みましたが、ちゃんと楽しめました。面白かった! 元が宝塚版で、宝塚の演出家として有名な小池修一郎さん脚本演出、音楽も宝塚の方、とキャストに男性も混ざった宝塚、って感じの布陣で、なので宝塚ファンのるろ剣初心者にもわかりやすく作られているのだと思います。あとオリジナルストーリーらしい。なるほど。

 文明開化と江戸の名残が混ざり合う明治の東京で、かつて人斬りとして恐れられた流浪人・緋村剣心と、父から受け継いだ剣の道を守る少女・薫が出会う。人斬りを封じた剣を振るう剣心と、彼の過去を知りその腕を欲する悪徳実業家・竹田観柳、元新撰組の警官・斎藤一に元江戸城御庭番の忍・四乃森蒼紫、元辻斬りで実業家として名を馳せている加納惣三郎、巨大な剣を振り回す喧嘩屋・相楽左之助に身寄りを失くした少年・弥彦などなどが入り乱れ、強力な幻覚作用と中毒性を持つ阿片「蜘蛛の巣」やフランスから持ち込まれたガトリング砲を巡って様々な事件が起こり、そこへ剣心の過去が蘇る…感じの…絢爛豪華な剣客活劇でした。とりあえず何かいっぱいいろいろあって豪華で見ごたえあった! です!! エンタメとしてとても満足度が高い作品でした。あと思ってたよりミュージカルだった! 元が宝塚だもんねー!

 主演の早霧せいなさんは流石の当たり役で盤石、薫ちゃん役の上白石萌歌ちゃんは凛とした可愛らしさと真っ直ぐな歌声が印象的で、オリジナルキャラクターらしい加納惣三郎役の松岡充さんは妖艶で胡散臭い(笑)謎めいたキャラを麗しく演じられていました。あと年齢不詳っぷり流石です。上山竜治さんが竹田観柳役で、確か映画版では香川照之さんが演じられていましたが*1、エキセントリックなマンガ的キャラをとてもイキイキと、楽しそうに、そして観る者みんなを魅了する勢いで演じてらして、とても素敵でした(笑)。あれは大変美味しくそして愛される悪役だ。小物っぷりも素晴らしく、ガトリング砲への愛を歌い上げるお歌は流石の歌声で、でもどうしても残念な…楽しいキャラだった…。「夢の裂け目」あんなにかっこよかったのに~!! いや観柳先生もカッコイイけど!!

 四乃森蒼紫役の三浦涼介くんは、まぁ美しい。お人形のようだ。お顔小っちゃああああい。りょんりょんさんお顔小さくてリンゴくらいって思っていましたが実際観たら巨峰くらいしかなかった。たこ焼きくらいだった。小さい。るろうに剣心を良く知らないので、何となくの印象ですが、青紫さんいろいろあった上でというかあったのにというか、最終的に「どっちが再強か決める為に剣心と戦う」しか云わない人だったので、あれっもしかして蒼紫さんってあほの子なのかな??と思ってしまったのですが、後でるろ剣詳しい人に訊いたら「その通り」と教えてもらったので、そうか合っているのか。途中ちょっとびっくりする演出があるのですが、2階席でちょうど見えていて、テルテル坊主? 七夕の吹き流し??と思ったら青紫さんだった、みたいなことになって面白かったです。って茶化してるみたいになってるけどオペラはだいたい青紫さんの美麗なお顔を拝む為に使っていたくらいには美しかったんですよほんとに!! あと小池先生に愛されてるなぁっていうのは伝わってきた。いやぁ麗しい。でも声は低めの太めで男らしいんだよねーそのギャップもまた良き。あと、月髑髏下弦の霧丸だった松岡広大くんが剣心の「影」役だったのですが、これが演出的にも面白くて、松岡くんの殺陣や動きも素晴らしくてちょっと目を見張りました。霧丸も動けた…と思うけどあんまり記憶が…申し訳ない…。小柄だけどとてもキレのあるアクションで、人斬り抜刀斎の異名を馳せていた頃の剣心の、「今」とは違うほの暗さを背負った雰囲気もとても似合っていました。かっこよかった~。個人的に注目してしまったのは弥彦役の加藤憲史郎くん…2代目こども店長…ちっちゃい可愛い…斎藤一の脚*2の間をするりとくぐれるちっちゃさと男前さ、とても良かったです。けっこういろんな場面で活躍してたし、見せ場もあったし出番も多かったです。弥彦、トリプルキャストなのですが、他の弥彦たちもちっちゃいんだろうな…憲史郎くんはちっちゃいけど大きくなってもいるなぁ…きっとそのうちガブローシュだね…。斎藤一役の廣瀬友祐さんと相楽左之助役の植原卓也さんは存じ上げなかったのですが、2.5系で活躍されている俳優さんとのことで、お二方ともスタイルが良いそしていけめんであった…左之助の斬馬刀でかかったな…斎藤さんのソロ曲はとても愉快でした。かっこいいのに…悪・即・斬がとても宝塚的アレンジでステキなナンバーになっておられた…アークソークザーン♪*3 あとは田村芽実ちゃんが元気良くて明るくて可愛らしい役を演じられていて何だかホッとしました…嬉しかった(笑)。めいめい可哀想な役でしか*4観たことなかったから、元気なの観られて良かったです。お歌もっと聞きたかったな~。

 観ながら、ああーとても宝塚っぽいーと思っていたのだけど、その宝塚っぽさをどこに感じているのか、セットの豪華さ?とか、歌やダンスの入り方?とか、考えていたのですが、一番感じたのは音楽でした。メロディもアレンジもオーケストレーションも! …って云えるほど宝塚を観たことがあるわけでもなく、テレビでちょっと観たくらいなので甚だアレなんですが、でもわたしが一番察知した「宝塚」要素が音楽だった、っていうのは自分でも何だか面白いというか、ほほーうそうかー、と思った。何だろうなぁ自分がイメージする「宝塚」像に一番ぴったり嵌った要素が音楽だったのかなぁ。何でそう思ったのかは何となく、としか云えないのだけど。

 宝塚はハマったら終わる*5ので近寄らないようにしよう、と思っているので、あんまり触れる機会がない世界でしたが、今回ちょこっとだけどエッセンスに触れられて楽しかったです。流石噂のすみれコード、「綺麗なるろ剣」という感じなのかな。毒気の強めなものが好きだし普段そういうものを選びがちなので、たまには綺麗な世界にも触れようね…。

*1:ちょうどわたしが観たシーンが香川さんがヒャッハーしている最中だった

*2:※長い

*3:そこだけ耳に残っている

*4:っていうかTRUMPシリーズでしか

*5:わたしハマったら絶対大変なことになると思う…