談ス・シリーズ第三弾「凸 し 凹 る」@よみうり大手町ホール(6/8夜)
大手町公演2日目行ってきました。変貌っぷりにびっくりあんぐりな初日だったけど、2日目もそれは変わらず、さらにキワッキワで面白く、考えさせられるというよりは、考えてみようと誘われる、ような。曖昧さって茫洋として掴みどころがなくて不可思議だけど、でもそれを楽しむ部分もあるよなぁ、なんてことも思ってしまうんだ…。んにゃー。
メモを少々。
- 開演前は108つのお願いアナウンスで。ちょっととちって客席に笑いが起きたら平原さん「何がおかしいんですか! まだ始まったばかりだよ!」ってちょっとキレてた(笑)。
- 禁止、菌糸、除菌シート、キン消し。我々のリーダーの別名とか云ってたよキン消し。確かに!
- よみうり大手町ホールの座席には新幹線の座席みたいなテーブルが付いているのですが、それの使用も禁止事項に入っていて、「テーブルを引き出し、その上にスウィーツを盛りつけ、携帯で撮影しインスタにアップとか言語道断です」って(笑)。キン消しに除菌シートで拭き取られてしまいます。
- 最後の問題の前に、開演です。と告げられてすぐ、上手の客席ドアから登場する未來さん。こんなにすぐだったのね!
- かゆかゆ未來さんが壁際に倒れて動かなくなってから、下手よりそーっと現れる大植さん、途中入場のお客さんをガン見する。
- 3人でんにゃーーってするの可愛い。平原さん何か高らかだけど。
- 表裏から大植さんの胸をバン!と叩いて始まるコンタクトの時も、んにゃーーって云ってる未來さん。
- 顔からぺちゃってつぶれるのも可愛い。
- 大植さんと未來さんのお腹の上に平原さんが飛び乗るの、いつもウッッてなる(笑)。からの、浮くのすごいよねー。おおー!って声が上がって拍手が起きる会場でした。初見のお客さん多そうな雰囲気だった…。
- 粘土コーナー。スカイツリー(逆立ちの大植さんと、足開いて低い姿勢で押上駅になる平原さん)→金粉パックからのちょっとやらしい下着(何かしようとする平原さんの背後から美しくジャンプしてべちん!と叩く未來さん「やらなくていい!!」)(想像以上に痛いんだよ?!って平原さん)→雷おこし(未來さん背中向けてがに股で腰落として雷様みたいなゴロピカさせてた)(大植さんがいいねそれ!みたいに誉めてた)→日本大学(平原さん「私が指示しました!!…理想ね?」→濡れティッシュ
- 大植さんを捏ねて伸ばす未來さん、頭をのばしながら「これ空っぽやん? 脳みそ筋肉やん?」
- 激写される未來さん「やめてください、はたちやと思ってたんですって」やめなさいよ(笑)。
- サーブとネットとハードルのカオス好き。ネットをそっと開けて(?)お茶を入れる大植さん、鹿威しカコーンもやる。
- 正座の大植さんの周囲をハードル飛びながらぐるぐる回る平原さん(笑)。ほんとカオスな…。
- 大植さんを擦る未來さん、「おばあちゃんお茶ないよーおじいちゃん死んでからちょっとおかしくなってしもたんなー大植さん寂しがり屋さんやからなー」
- ビンゴプリーズ!!から大植さんを引き連れて踊る平原さん、「ソフトプレパレーション! エーンド! サドンリーダイブ!!」ソフトプレパレーションすごい好きです(笑)。
- 粘土で大植さん?を作って「できた!」と云う未來さん、ハンマーみたいな動きでそれをどん!と潰すと大植さんが痛そうに潰れる。手の動きがハンマーぐるんと回すみたいで楽しい。けど容赦ない。無情。
- 粘土こねこねしながら平原さんに持っていかれるの好きだなぁ。そのまま戻されて今度は足持って行かれるの。
- からのコンタクトで、大植さんの中心前髪をノールックでむんずと掴んで引きずり込む未來さんのドエスっぷりにヒャアアンとなりました。す、すき…!
- カシャンカシャンからの、ガッシャーン!!がかっこいい。
- 水平ジャンプからの倒れ込みを大植さんに支えられるの、ワンスモア!ってやり直しさせられて「何でやねん?!」って笑いながらやり直すの可愛いなって。
- からの大植さんの頭上に載っけられて「かんぞーが! 昨日のアレが!!」
- コンタクト…にならずにパッてポーズする大植さん平原さんに未來さんが「取らへんのかーい!」って突っ込むのも好きです。
- ネクストレベルって云わなくなっちゃったけど、膝の支えがなくなって背筋がんばる未來さんのお顔がやっぱり可愛かった。目かっ開いて歯食いしばってニーン!てなってた…。
- 畳まれる平原さん「もう毛布いらないもんねー」
- 突き刺す!の美しさほんと…突き刺される平原さんがんばって…出る杭は打たれるけど貫通して…。
- 平原さんソロは「オポチュニティ!!」から始まって不思議な英語でした。固まった関節をひとつずつテイクオフしていった。
- ガールからのロダン(笑)。
- 最後は大地! 空! そして! …俺。からの、七福神! オリンポス12神! 八百万(やおよろず)!! そして!!
- 俺!!を大植さんに奪われるお約束。未來さんがすかさず「Me」と。
- ギャランドウウウウウ、の伸ばしが良いです。あとあんくりあーの発音が好き。
- 自由と不自由、の後に続く大植さんのフリータイムが、フリーなのに全然自由じゃなさそうで、自由だからこその不自由感を考えてしまう。
- あとテーブルから流れ落ちるアレと大植さんの影がすごく綺麗。キノコの下にこびとがいるみたい。
- 都合の悪いものを、曖昧な境界線の中に押し込めても、消えてなくなるわけじゃない。腐敗と発酵。発酵も爆発する。タバコの煙の話から、ずいぶん遠くなったなぁと思うのだけど、もはや煙の話にも聞こえなくなっているのだけど、その曖昧な主語が普遍性を帯びて聞こえてくるのがまた面白いなぁなどと。
- 曖昧な境界線を引く根拠と、引いてしまった曖昧な境界線に対する責任の所在などを考えたり。
- でもそんなあれこれもよいしょ!にかき消されてしまうのです。龍踊みたいになって平原さん「つっかっもうっぜ!」今日はドラゴンボールだった(笑)。
- それもこれもええじゃないかでうやむやになる感じも日本的なのかもしれない…えぶりしんがなびーおーらい。
- 未來さんと大植さんがよいしょしてる間の平原さんが何を歌ってるのかなかなか聞き取れないんだけど、今日はもののけ姫だったのかな?
- よいしょええじゃないか、から前半のコンタクトに戻る。何となく、アレを放り出しておくといつの間にか真円になっている、のを思い出したり。勝手に元に戻る感。
- そういえば大植さんをテーブルの上に立たせたい平原さんがなくなってるな。前半のコンタクトに戻った時に平原さん「デジャブ」って云わなくなったし、大植さんの首をホールドして拳固める未來さんに平原さんが拳はダメ!って云うのもない。無言で止めてる。
- ぶん回し系コンタクト好きなので後半の怒濤大好物です。
- でこでこも好き。だんだん笑いの要素が抜け落ちてきている感があるのも好き(笑いは起きるけど)。
- 未來さんが大植さんを回し始めると、ああもうここまで来ちゃった…って終わりの気配を感じて少し寂しくなるのです。いや、山場ここからなんだけど!
- 細く降り積もるアレを手で受ける大植さん、その手を高く掲げさせる未來さん。突然この世界に、上下方向の空間的な広がりが生じるのが何というか、x軸y軸の世界にz軸が発生する衝撃、みたいなものを感じるんだ。
- と同時に、えーとこれは談ス第1弾で、上から大きなチョークが降ってくることによって人間のサイズが突然人形サイズに思えてくる現象(をわたしはDVDで観て初めて気づいたんだけど)があったからこそなのだけど、上からアレが降ることによって人間たちがテーブルの下の小さなサイズに見えてくるような気がしたり、しました。
- っていうのは、大植さんの不自由なフリータイムの影が、大きなテーブルの下の小さな人、みたいに見えていたのも前提にあると思う。
- 床に積もった分をまとめて拾い上げ、ふっと視線を外してから大植さんの胸にバン!と押し当てて始まるコンタクト。最初の、テーブルの上にアレを置いてから前後で挟むように大植さんを叩いて始まるコンタクト、を思い出した。
- 今日は何だか、お互いに少し拒絶というか、何だろう、上手く噛み合わないもどかしさみたいなものを感じた。アレの落ち方が断続的に、途中で途切れながらボトッと落ちたりしていたのもそういうイメージを強めた気がする。ひとつになりたいのになれなくて、どうしても融けなくて、苛立つような。
- でも仰け反る未來さんは息を呑むほど美しく、大植さんの肉体は造形美の具現化のようで、そんなふたつの身体が異形のモノへと姿を変えていく過程を見守るのでした。
- 未來さんが大植さんをぎゅるんと回したりするの、わぁ!ってなるし、未來さんの上に大植さんが屹立するのある種の神々しさだし、未來さんが流れ落ちるアレを巻き取るように翻しながらエアリアルのように回転するのは本当に美しいのです…。
- 耳に届くのがふたりの息遣いと、床を足が擦る音、肌がぶつかる音、アレが粘ったり剥がれたりする音、だけなのが、だけなんだけど、それだけでものすごい情報量で目からも耳からもあっぷあっぷしてしまう。
- エアリアルから床に倒れ込むふたり。仰向けの未來さんの上にアレが細く流れ落ち続け、大植さんは丸く溜まったアレの中へ前進突っ込んで倒れ伏す。
- からの平原さん古畑さんの引退トーク。日常を演じてしまうと、日常を引退することになる。それは怖いな。
- 未來さんが起き上がり、アレの溜まりに突っ込んでいる大植さんを「んにゃーーー」と引きずり出そうとするけど出せない。リトライ、出せない。
- 平原さんなのか、古畑さんなのか、平原さんが古畑さんを演じている時、平原さんはどこにいるのか。今は誰なのか。ひらはらさんとふるはたさんの境界線が混ざり合っていく。
- ここで、最後の問題です。このタイトルは、何と読むでしょうか。答えは……、と示すのは、未來さんがハケる前に丸めて放り投げたアレの小さな塊。
- 答えはないまま、平原さんがテーブルと共にハケていく。
- 大植さんがゆっくりと起き上がり、未來さんが投げたアレの塊を片手に掲げ、それがゆっくりと垂れ落ちていく中、暗転。
- …このラストほんと好き…こうなって良かった…埼玉以降のいつからこうなのかわからないけどこの余韻と余白と手の中にアレの塊を投げ渡されてぽかーんとなるような感覚、大好きです。これこれ! これが談ス!
- カテコはいつも通り、3回目でインスタレーション制作して4回目は大植さんのみ、もうふたりともシャワー浴びてるんで〆でした。
初日より、全体のループ構造が見えるようになったのはわたしが気づいたからだと思うんだけど、開演前アナウンスの「最後の問題」がラストに来るのとか、大植さんをんにゃーと引っ張り出そうとするけど出せないのとか、ほんと…ぐるっと回って最初に戻る、もしくは最初と最後がくっついて間の1時間ちょっとの時間はその、くっついた最初と最後の間で粘っているモノ、とか、そういうイメージがぐるんぐるんしてくるのです。無造作に床に投げ出されたアレが、放っておくといつの間にか綺麗な円形になっているのも、「もとに戻る」感の象徴っぽいなぁ、なんて。イメージですが!
今日のタイトルは「求し受る」で。手を伸ばして求め、身の内へ受け入れる。そんなやりとりが、上手くいったりいかなかったり、いかなくてもどかしかったり、何で上手くいかないんだとイラついたり、なんか、生きているとそんなことばかりだなぁって。悪い意味でなくね。