ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「プルートゥ」東京公演千秋楽とりあえず

 無事の完走おめでとうございました!! 再演だけどほぼ刷新された、新しいプルートゥの物語、最初から高い完成度と練度で安定感も抜群だったけれど、それでもこのひと月弱の間にどんどん高値更新を重ねて、そのひとつの到達点が今日の千秋楽公演だったと思います。本当に、隅々まで心の行き届いた、繊細でどの瞬間も美しい、哀しいけれど慈愛に満ちた、宝物のような一瞬を積み重ねた3時間でした。

 アトムの、ウランの、ゲジヒトの、アブラーの、お茶の水博士の、天馬博士の、ヘレナの、サハドの、プルートゥの、ブラウの、あと部長も、みんなのそれぞれの、誰かに向けた感情が、ひとつひとつ重さをもって伝わってきて、その感情のどれもが、根幹は「誰かを想う」ことから発していて。愛することと憎むことは表裏一体で、誰かを愛するから、愛する誰かが傷つけられたらその相手を憎むことになってしまう。人間って複雑な顔してる、ってウランが云うけど、本当に、人間の感情というやつは複雑で困る、けどだからこそ愛しいもので。アトムが最後に、憎しみがなくなる日は来るか、とお茶の水博士に問うけれど、人間に感情がある限り、憎しみそのものが消えることはないとわたしは思う。けど、生まれてしまった、抱いてしまった憎しみの感情を、べつのものに変えることができるのも、忘れることができる人間ならではの消化/昇華の作用であるはず。なんてことも思うわけで。でも、あんな顔をしたアトムにあんな声で「きっとみんな祈っています、そんな日が来るのを」なんて云われたら、人類の総力を結してそんな日を来させなくてはならない気になりますよね。人間がんばろう。

 大切で、愛しくて、美しい時間をありがとうございました。カテコの笑顔がキラキラしていて、それも愛しさ爆発でした。いつものやつは週末分、溜まってしまったのでおいおい埋めていきます。

 これから始まるヨーロッパツアーで、この物語がどんな風に受け止められるのか、アトムやプルートゥたちがどう映るのか、とても気になるし、その反応を知ることが難しいのがとても残念だけど、きっと良い旅になると思います。なるはず。きっとなる。欧州の空を飛んだアトムが、大阪に舞い戻ってくる(その前にVESSELもやってくるんですよね…!)のを、楽しみに待っています。少し大人びてしまうかなアトム…それも良いよ…。

 どうか無事に、素敵な旅を。良い風がアトムを飛ばしてくれますように。わたしはしゅくだいを片付けます。