ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「なむはむだはむ」@東京芸術劇場シアターウエスト(3/7夜)

 最後の休演日明けソワレ行ってきました。何となくイレギュラーなことになる率が高いような気がする(笑)休演日明け、今回もなかなかびっくりする仕掛け(?)になっていました。セットリスト自体はそんなに違っていなくても、手を変え品を変えって感じで…すごいなぁ。そんな風にもできちゃうんだなぁ。

 メモとセトリは下に。

 


 本日のセトリ。便宜上(?)こうなっているけど、実はこうではない複雑構造でした!

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  • 入場時には誰もいなくて、開演後に3人で何か喋りながら下手奥から登場。
  • 衣装は岩井さんが茶色×黒のストライプシャツにスカーフタイ、サスペンダー、紫シャカパン。未來さんは青緑のシャツに黄色い蝶ネクタイ、ジレ、黒×赤ラインのジャージ。前野さんはエメラルドグリーンのシャツに蝶ネクタイ、サスペンダー、グレーのジャージ。
  • 未來さんの髪がハーフアップというか、上だけまとめて下はおろしてた。いつも上下お団子にしてたんだっけ? ハーフアップだと若干の田中さんみが出る気がします…。
  • テキストの紙を持って読みながら、それについての考察を巡らせている3人。するたスポンサーのヒモじゃないの?とか云っているのでガイコツについてのようです。
  • 心ぞうと間違えてリンゴを頭の下に置くガイコツ、の心ぞうを「じぞう?」「地蔵と間違えて?」「あっ漢字か! 心臓か!」とか(笑)。
  • パンフにも収録されていたような覚えがあるのですが、頭の下にリンゴをおいて「ニッコリ」みたいな顔文字が書いてあって、それを見て顔真似…じゃないけれどマネをする岩井さんと前野さん、そのふたりを見て「ああ、テヘペロみたいなのね」って未來さん。
  • 紙を持ってテキストを読む岩井さん、それを隣から覗きこむ前野さん。未來さんはふたりと向かい合って少し離れた場所で、うごうごしながら参加していました。
  • ポーキーを「アメリカンなぽっちゃりしててそばかすのある子ども」って云いながらそんな振りをする未來さん。ポーキーって名前なのか(笑)。
  • でも店にあった、って書いてあるよ?と岩井さん。じゃあお店で働いている人だ、とか。
  • その後ポッキーが出てくるけど、ポーキーさんとポッキーは別物という説になる。
  • こういう風に改めて分解していくと、また違う姿が浮かび上がってくる…気がする(笑)。切り口が変わるとね、別ものに見えるよね。面白いなぁ。
  • だれかさんのゆうれい、という云い方に含みがあるよね、とか。
  • 足は時計の針にしました、って「ちっちゃくない!?」とか「長短あるよね」とか。
  • 体が海で頭は八百屋にあるなら、じゃあ誰が探しているのか、という話に。そこ突っ込んでいくと哲学的なことになりそうで面白いよね(笑)。
  • その辺りで、床がガタン!とずれて固まる3人。ずれた床をじっと見つめ、未來さんがそれを持ち上げて開けると、中から「ようこそおじさんの世界へ」という声が響く…。その声に導かれるように(?)3人とも穴の中へ。
  • 「金にぼし銀にぼし」、演奏始まってボーカル入る時に窓がぱたんと開いて前野さん登場(笑)。いつもより暗めで、派手なライティングがよく映える感じがした。
  • ベースに細かい音符が増えている…ような気がした…けど気のせいかもしれない…。
  • 岩井さんのコーラス「にぼしーーー!!」ってカッコイイ(笑)。
  • 演奏終了後、「金にぼし! 銀にぼし! バンド!」とか云ってる前野さんが顔を出している窓をぱたんと閉める未來さん(笑)。
  • 舞台上にひとりになって、うごうごと動く未來さん。そのうち両手で顔を覆い、指が蠢く。あれ見るとどうしても王蟲の幼生*1を思い出してしまう…。
  • 岩井さん前野さんが穴から出てきて「ガイコツ」。
  • 顔を隠して指先や、肘や膝が応援したりバカヤローと叫んだり。
  • ホームランを打つところでするりと顔を出す。岩井さんの後ろにするりと近付くと、背中に背中を預けてもたれ、命中でふたりとも倒れる。ふたりいるとバラバラ感が出る…。
  • 岩井さんが穴から顔だけ出して頭っぽくなったり。未來さんは床の上でぐねぐね。
  • 前野さんの鰻のかば焼きが出てこない歌、少し哀愁漂うアレンジでした。爽やかなんだけどちょっと物悲しい。秋の風を感じ始める避暑地のような*2
  • そして床上に倒れる未來さんをそのままに、ここで「けしゴムとクレヨンのさいご」が! 前野さん読み上げ、岩井さんが穴から飛び出てきてレブット役に。新しい展開!
  • レブット岩井さん、ハンサム時のキメ顔が最高です。頭悪くて鼻ほじるのまで合わせて。
  • えんぴつを削ると床の未來さんが「ァイテテテテテ!!」と悶絶。なるほど~上手いなぁ。
  • 消しゴムもひとり2役で未來さん。会話の場面はいちいち「えんぴつ『だ、大丈夫か』けしごむ『だ、だいじょうぶだ』」と頭に説明を付けて、声色も変えてやっていました。えんぴつはわりと普通の声だけどけしごむが低めの声だった(笑)。
  • 次の日、と切り替わるところでレブット岩井さんが側転。日が変わるのか!
  • 絵日記の宿題をするレブット、「けしゴムを買ってこなくちゃ」って云って未來さんが「ん??」って云っていた。レブット「…クレヨンだ」ですよね。
  • それから2年後、でまた側転。時間の経過!
  • クレヨンはどんどん削れて穴に頭を突っ込む。
  • そして始まるビートとピアノの素敵な音楽、踊り出す岩井さん。岩井さんのダンスはコマネチの印象がとても強く残る…。
  • 前野さんレブットの時にパワーウインドウになってたのに岩井さんレブットはぐるぐる回して窓開けていた(笑)。
  • ワイパーダンスで音がフェイドアウトして固まる岩井さん、前野さんが「ガイコツ」の続きを読み上げる。八百屋に向かうところから。おお、分割形式なのね!
  • 前野さんの身体は海に、頭は八百屋に、の歌。穴から生えている両足がうごうご動き出す。
  • 100円から岩井さんが読み上げ。お買い物奥さんから心臓が足りなくなるガイコツ。
  • ポーキーを無事に肋骨にして(笑)、前野さんのギターに合わせて何だか軽快に走るマイムみたいに動くガイコツ。
  • ちょうえつ100万年、で岩井さんが穴にストーンと落ちた。未來さんは立ち尽くすような。
  • そしてここで「長い毛」へ。すごい! そんなことになるの!!
  • 男のくさーい頭から長い毛が落ちた、で上からロープがどさりと降ってきた。
  • 後ろから風が吹いて鍋にぽちゃり!の辺りかな? 前野さんがロープの端を持って別の穴から出てくる。未來さんの顔に巻き付けていく。ここで!
  • ぐるぐる巻く未來さん、アシスト前野さん、「長い毛」テキスト読み上げ岩井さんという布陣。
  • タンクから出て海へと流れ、でロープ巻きが終わる。新たな旅が始まる、とぐるぐる巻き未來さんだけ残して消えるふたり。
  • からの「きょうりゅうのえいがかん」、足音と未來さんの踏みだす一歩がより明確にわかりやすくなった。一歩のアクション大きめになってたし!
  • お歌がサイコーなのはいつも通りなのだけど、コーラスが増えてるのも地味にツボに入るのです。
  • 「エビバディセイ!」からの「岩井さんカモン!!」で大縄跳びスタート。ロープが最初長過ぎて跳べる感じに回っていなくて、短く持ちかえて回していた。
  • まぁ容赦ないので入れませんよね。「入れるよー!」「入れるよー!」前野さんと未來さんが口々に無責任に歌うけど入れない岩井さん。3回くらいチャレンジして失敗。
  • 「入れなかった~」「壁に見えた!」「入ってほしかった~」あのスピードでこそ、入ってほしかったんですよね…(笑)。
  • 「入れなかった~」「混ぜてほしかった~」前野さん仲間に入れない。
  • そんななのにしっとり終わるのずるい。そうやって終わると何か全部かっこ良かったみたいな思い出になるのずるい!(笑)
  • そして「あれからどれだけの月日が経ったのでしょうか」と「ガイコツ」に戻る。鉄ぼうしを腕にして脱走するところから。未來さんはロープを外して、穴から手繰りだして、張り巡らすお仕事。
  • ガイコツの激痛! 赤ちゃんの笑顔!!は前野さんが顔ギターでがんばってました。
  • 骨カスになってしまうところで、ロープの端を持った未來さんが窓から退場。岩井さんと前野さんだけでおかえりの歌を歌うと、縦のロープが時折波打つ。
  • からだはサメに喰われました。ボン!!に合わせてロープを掴む手が出てくる。そのままよじ登って出てくる未來さん。
  • からの「長い毛2」、そうかガイコツの海のイメージがそのまま長い毛2の海につながっていくのか…すごい…。
  • 冬の日本海の歌から。前野さんが歌うの久しぶりに聞いた! 岩井さんは窓から顔を出して、未來さんは縦のロープの脇に立つ。
  • 海に沈む毛。だんだん、目に見えないくらいからゆっくりと、少しずつ大きく、身体が揺れる。海に沈んでたゆたうように。
  • ロープには触れず、直線的で構造的な動き、ロープの隙間に腕を差し入れたり。から、柔らかく撓って床を滑ったり。ロープが全く揺れないのと、動きまくる未來さんとが対照的で幻想的。
  • 前野さんが袖でセットの鉄パイプを擦って出していた微かな摩擦音が、緊張感を高めていた印象。あれ良かった…。
  • 泳げるよ、の前野さんの歌が始まって、ロープに手を伸ばす。掴んで、身体を投げ出して、ロープに受け止められ、反転してまた受け止められる。泳いでる。
  • ハンモックみたいに身体を預け、そのままロープを外し床へ落ちる。床を滑るように動いたり。
  • 木と毛の歌のアレンジがちょっと違ったような…気がする…けど気のせいかも…情熱的になっていたような気がするけど…。
  • ロープをくぐってゆっくり歩き、岩井さんを迎えに窓辺へ。そっと連れだして、ふたりで前野さんをしばし見つめてから、そっと抱擁。
  • 何かいつもより情熱的な抱擁だった(笑)。途中でぎゅうっと抱きしめ合ったりしていた…。
  • 「木っっ」「っと毛ぇぇ!」ってお互いにがしっと力を込めていた。よかったね。
  • そんな木と毛に前野さん「何やってんの~」「すごい抱き合ってるねー」と茶々入れ(笑)。
  • 俺も混ぜてよ、ってクで乱入する前野さんに、ふたりから「黙ってろ!」「黙ってて!!」と叱責が飛ぶ。
  • でも負けない前野さんがクを紛れ込ませると、岩井さんと未來さんが振り返ってキッ!と睨みつけていた(笑)。良い目だ…。
  • いつもよりちょっとLOVE多めな木と毛でした。が終わるとさっさと終わる(笑)。
  • 未來さんのロープ高速回収に阻まれて下りて来られない前野さん。
  • 岩井さんが紙の束とくじを持って出てくる。日替わりだ!
  • 引いた紙も見ないようにして、役割くじを引く。一度引いたら、どうやら役割がそのまま(岩井さん言葉、前野さん音、未來さん身体)になったらしく、「もっかい」と引き直していました。岩井さん「このままやってもどうなるかわかんないけどね(笑)」って笑ってたけど。
  • 引き直したら岩井さん音、未來さん言葉、前野さん身体に。演目を見ないまま、何となく踊り始める前野さん、それに合わせてギターで音を付ける岩井さん、それを少し離れてニヤニヤ見ている未來さん。
  • 未來さんがテキストを読み上げる。「なし太郎とばかずきん」それを聞いてぶっと吹き出す前野さん。
  • ばかずきんという159才のおばあさんがいて、3ヶ月後におばあさんのお腹が大きくなって赤ちゃんを生みました。名前はなし太郎。おばあさんは嬉しくて死にました。取り残されたなし太郎はおなかがすいて仕方ないので外に出てムカデを食べ、まだおなかがすいているけど我慢して、明日はいいことがあるといいなと思って寝ました。朝起きるとさっそくいいことが。テーブルの上には食べ物がたくさんのっていて、なし太郎は安心して生きていきました。おしまい。というお話…。
  • を、3人でがんばってやる。おばあさんになった前野さんのお腹が大きくなって、でロープの山を前野さんのシャツの下に入れてあげる未來さん、「がんばるなぁ159才なのに(笑)」とか云いながら。
  • そしてロープと共に岩井さんが生まれる(笑)。未來さん、テキストの紙をくわえながら産婆さんみたいなことをしていた。「立派な赤ちゃんですよー」みたいなことを紙をくわえながら。
  • 嬉しくておばあさんが死んじゃったところで、「それでは聞いて下さい。取り残されたなし太郎…」と歌を振る未來さん。
  • 岩井さんが、この部屋には誰もいない、俺の泣き声と匂いだけ、みたいな歌を何となく歌い、未來さんがかっこ良く踊っていた。何なんだ。
  • おなかがすいたなし太郎の前野さん、外にでてムカデの未來さんを食べようとするけどムカデの抵抗が強い。
  • 動きを未來さんが引き取ったら前野さんが何かそれを見守っていて、思わず「読めよ!」と紙を示す未來さん。未來さんと前野さんの役割チェンジ。
  • 結局ギターも岩井さんから前野さんに移って、岩井さんが読んで未來さんがめっちゃ踊って、そして最後に未來さんが、「せっかくギター持ったんだから」と前野さんに「それでは聞いて下さい、なし太郎の一生」と振る。
  • 前野さん、なし太郎の人生…なしだから梨生~?とか歌う。なし太郎は人なの梨なの教えて~、とか(笑)。
  • 内容に関係なくかっこ良く踊る未來さん。
  • 岩井さんが歌で乱入、突然「自分のことなんて語るもんじゃねぇ~」とか全否定しにくる(笑)。踊る合間に、ぱぱぱぱぱん、と細かい手拍子をクレッシェンドディクレッシェンドで挟んでくる未來さん。
  • 岩井さんが「祝福の手拍子が聞こえてくる~」とか歌う。
  • そして何か…3人で…どうすんのこれ…みたいに顔を見合わせて…ぐふっと未來さんが吹いて…で、そのまま終わった…(笑)。誰も何もせずに終わった!! びっくりした!!

 構成が変わると作品そのものもまた違って見えたり、リブートというかリミックスというか、そういう側面からも実験的なことができる作品だったんですね…作品の順番だけでなく、そういう分解や再構成もできてしまう…作品そのものも、舞台セットも小道具も、簡素で単純だからこその懐の深さ、如何様にもできるしどうやっても成立させられるシンプルの強さ、みたいなものを改めて感じました。レゴブロックみたいだ…お手本通りに組んでもできるけど、全部ばらして別のものも作れてしまうよ…遊び方は無限だよ…。

 終わり方はふわっとしてたけどね! それもまた一興、な作品なのです。

*1:ナウシカ

*2:ものすごく適当に云っている