ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「なむはむだはむ」@東京芸術劇場シアターウエスト(3/5夜)

 10歳老けこんでしまった岩井さんを確認すべく(?)ソワレも観てきました。これは当初からの予定通りです。突発的にとか発作的にとかついうっかりとか思わずとかではありません。何の弁解だ(笑)。

 ソワレも子どものお客さん率がそこそこ高めで、こわーい、って云ってるちっちゃい子とかいたなぁ。小さい子どもって暗いだけでもちょっと怖くなっちゃったりするもんね。でもお母さんは観たいだろうしなぁ大変だなぁ…。

 またちょっと変則的な構成の回でした。大人風味な…いや、あれを大人風味と感じるのは大人だけなのかもしれないけど。
 セトリとメモは下へ。

 


 本日のセトリ。長い毛2がなくてバナナでした。なむはむだはむ、「NHD」って切り絵で作ってあるのかっこいいな。

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  • 入場時には誰もいなくて、3人で雑談しながら出てくる。「ゴマタク?」とか云いながら
  • ゴマ拓とは魚拓みたいに胡麻の拓を取るものだそうです。というわけで「こまごまかってきてのいみ」。
  • 衣装は未來さんがレモンマスタードみたいな色のシャツにジレに黒×赤ラインのジャージ、前野さんがエメラルドグリーンのシャツに蝶ネクタイサスペンダーでグレーのジャージ、岩井さんは茶×黒ストライプの光沢のある生地のシャツにスカーフタイ、サスペンダー、紫のシャカパン。
  • 胡麻じゃなくて護摩の話をしていたり。その護摩を買ってきて、って云われてるんじゃ、とか。
  • 岩井さんがコマは? coma? 昏睡状態の?とか云い出す。内気な子が護摩焚いてコーマ状態になって内木を乗り越える、とか(笑)。
  • 読み上げは可愛らしい方でした。かっこうわきの方。
  • 護摩を焚いているうちに母のイメージが見えてくる、とか(笑)。やばいやつじゃん!
  • 100年後も実際に100年経っているんじゃなくて昏睡状態ですっと経ってしまった時間なんじゃないか、とか。
  • うわきはどう?ってなって、護摩焚いて煩悩を払う話から浮気は煩悩のひとつ、とか、だから106歳なのか!とか、108つの煩悩から僕と母を抜いて106…って僕と母は煩悩なの!?とか、お母さんと何かあった?とか。
  • でも母はすでに死んでいるから正解はわからないままなんだよね。その本当の意味は。
  • 未來さんはずっと動いている。少し膝を曲げて上体を捻るような動きとか、ぐねぐね。
  • なむはむだはむはハム?とか、ムはムじゃなくて昔の表記みたいにムと書いてンと読むんじゃ、と前野さん。なんはんだは~ん、と鼻母音っぽく云っていた(笑)。
  • それを聴いて「えらいはんなりしてんな」って笑う未來さん。
  • それで何かちょっと歌ってよ、って前野さんにリクエストして、何となく前野さんがナンハンダハ~ン、と歌い出し、それに合わせて未來さんが不思議な踊りを踊る。背中を丸めて両手を何か抱えるみたいに胸の前に丸くして。で、前野さんの歌がだんだん民族音楽っぽくなってきて未來さん「国が変わってくる(笑)」とか「どこら辺や(笑)」とか云ってた。
  • 未來さん「ハムかな?」とハム説を再燃させると前野さんがすかさず「俺は最初からそう思ってるよ!」と(笑)。結局人はハムってことなんだよ、と力説しながら、未來さんの腿(=ハム)を掴もうとする前野さん、「全然わからん」と笑う未來さん。
  • の辺りで床の蓋がガタっとずれる。未來さんがそろっと開ける。
  • 「おじいさんのいないかぞく」引きこまれるように穴の中に入っていく未來さんと前野さん、岩井さんは中を窺うように覗きこんでから、やっぱり中へ。
  • からの「金にぼし銀にぼし」、なかなか全貌が掴めないテキスト量なのでがんばって聞いた(笑)。まねきねこのおじいさんとおばあさんって何だろう。あと宇宙人もまねきねこだったりするよね…?
  • 前野さんは窓から歌ってた。紙は落とさなかった。
  • それにしても金にぼし銀にぼし美味しそう。少しだけ食べれば太らないんでしょ?
  • 盛り上がって終わるのに終わるとすん…ってなるの面白い。拍手が起きてまた前野さんが「拍手いらない!!」ってしてた。
  • 何となくセンターにいる未來さんと岩井さん、金にぼし! 銀にぼし! バンド!!って窓で云い続けている前野さんに向かって、小さく手招きしておいでおいでってする岩井さん。
  • 「出ておいで」って岩井さんがナウシカみたいになっていた。野生のマエケンはおびえているのか。
  • 3人で穴の回りでじゃんけん、負けた岩井さんを残して穴に消える2人。「老人とハムスター」岩井さんからスタート。
  • 出入りの激しいドタバタで、岩井さんが出ようとして持ち上げかけた蓋を前野さんが踏んで転んでちょっとヒヤッとした。気をつけてー!
  • 前野さんがハムスターをやると何となくサルっぽいのは何故だろう。
  • 面白くて3人とも死んで、倒れた3人が時折びくんと動く。
  • 小さい子どもがこの辺からずっと「こわいよー」って云ってて、それを聞いた岩井さんが「こわいよ~これからどんどんこわいよ~」って云ってて面白かった。人が倒れる、とかも怖いのかもしれないね…。
  • ハムスターのゾンビみたいな未來さん、ガイコツのお約束動きをする前野さん。岩井さんが穴から出てきて「ガイコツ」。
  • 両手で顔を覆って、肘や膝を開閉させてしゃべるガイコツ。あの顔を覆う両手の表情が好きなんだ…表情を見せない為の両手なのに雄弁になってしまう…。
  • 打ちました、ホームラン!の時の動きがやたら綺麗なのね。何でかしらね。命中するとくるりと回って倒れる。
  • 最後に食べたのは鰻のかば焼きだったかもしれない、久々に出たー!! だから何だって云われると何でもないけど久々でうれしい(笑)。鰻の歌、今日もシチリアの風を感じる爽やかさでした。鰻だけど。
  • ガイコツは穴から足だけ出していた。
  • 穴から出てきたらジレが片袖脱げていて、そのうち片手にぶら下げていた。あれ似合っててとても可愛いから好きなんだけど最近脱げちゃうね…。しばらく片手にぶら下げて、良いタイミングで穴に投げ入れていました。
  • 八百屋の店先ではお買い物奥さんっぽく岩井さんの間近でいろいろしてた。
  • りんごを頭の下に置くガイコツ、岩井さんの片手を取って引いていく。岩井さんリンゴかな。
  • ポーキーは前野さんの頭を肋骨に合体させて、岩井さんの手も離さず繋がって歩く。ええとあれみたい、金のガチョウ。
  • ちょうえつ100万年は正座で過ごすガイコツ。
  • ガイコツが脱獄する時、岩井さんがなんとなーく大脱走の歌を歌っていた。…と思ったんだけど、大脱走だったのかどうかちょっと定かではない。サルゴリラチンパンジーではなかったのは確か。
  • 激痛で壁を登り滑り落ち笑顔で何かするガイコツ、笑顔! 激痛! 笑顔! 激痛! 笑顔! 笑顔笑顔!!ってフェイント入っておっと、ってなってた(笑)。
  • 墓場へ行くガイコツ。とても腰を柔らかく動かしていて何かすごかった。動きが。やわらかーい。
  • 骨カスになるところ、ガイコツ未來さんはすっと立って歩いていて、岩井さんが倒れてカスになっていく感じになっていた。こういう、役割分担がなんとなくいつの間にかボーダーレスになっていく感じも好きだなぁ。
  • 骨カスになって倒れた岩井さんの両足を持って、引きずって歩く未來さん。引きずられながら歌う岩井さん。
  • 岩井さんの、ホーーーーームラン、の長い音がとても耳に残るんだ。
  • 仰向けに寝そべる岩井さんの足元に立って踊る未來さんがとても美しい。未來さんの影が岩井さん、みたいに見えたりして。
  • その後岩井さんと未來さんが入れ換わって、岩井さんの影になって歩く未來さん、みたいな。「死刑執行中~」のマイムとか、「メトロポリス」の影のない男とカムロみたいな感じ。
  • サメに喰われてぶぉん!!ってして、さらっと終わる。起き上がった未來さんが「ふぅ」って息を吐いていた。
  • 明るくなった舞台で、3人で何となく真ん中に集まると未來さんの片手には紙が。
  • マエケンさん、最近見た夢は?」前野さんけっこう考えちゃうと、「パッと浮かぶの。最近じゃなくてもいいから」
  • 好きな子と手を繋いでこうしてるの、と繋いだ手を前後にぶらぶらさせる前野さん。「それ夢?(笑)」と突っ込まれたり妄想じゃないのとか云われたり(笑)。そこから「あっちだよ」と他方を指差す。
  • のを4拍の動きにする未來さん。そのくらいの何気ない時間が大事なのね、とか云いながら(笑)。
  • 岩井さんは?って訊きながら片方外れちゃってる岩井さんのサスペンダーを直してあげる未來さん。でも片方ダメになっちゃってるから片っぽスタイルにしてるの、って。
  • 岩井さんは良く見る夢って云ってたかな。父親が運転している車に乗っていて、急にやばい!って停めて後ろのトランクを開けると死体が入っている、という。のを、車を運転して止めて振り返ってうわっ!ってなる4拍にする。
  • そして岩井さんと前野さんを縦に並べて、4拍の動きをさせてみる。岩井さんが振りむいて前野さんに「あっ死体?」とか云ってたの可笑しかった(笑)。
  • 並んだふたりの間を横につなぐ未來さん、「この夢をさらに盛り上げるように駆け抜けて」とか前野さんに云う。盛り上げる??ってなってると岩井さんが「車だから!」と流れる車窓の表現的な??
  • そして「駆け抜けていく夢を4:3の割合で…」とか未來さんに云われて困る前野さん、「割合って何の!? 雑だよ!!」と岩井さん。
  • 4:3の夢の成分の内容をひとつずつ挙げていきながらくっついていくやつ。岩井さんいきなり「セックス!!」って(笑)。
  • 寒い、草原、と続いて岩井さん「死…あっやっぱやめとく、太陽!」太陽??となりながら続行。こわーい、チューリップ、で最後に岩井さんが死、と。
  • みんな死んで、「このトランクの中の死体を…」と岩井さんの身体を未來さんがコロで運んで穴に落とす。
  • 穴から出てきた岩井さんに、あそこのチューリップを摘んで、と前野さんを引きずらせて立ち上がらせ、前野さんに怒らせる。「この辺りに住めなくするぞ!」「聞いてんのか! お前もだよお前も!!」
  • 「何これ!?」ってなる岩井さん、大体こんな感じで、と満足そうな未來さん(笑)。「OK、これで」
  • ほんとこれ面白いんだよなぁこの一連に「にじいろのうま」が重なるとちゃんと馬がいて虹色で誰も見たことがなくて男の子が捕まえて王様に褒められるんだもんなぁ。
  • からのダンシングタイム! なんかちょっとドリフっぽいとか思ってしまうのでした。
  • めっちゃ良い顔して楽しそうに踊る未來さんが観られるだけで…ありがたいひと時…めっちゃ楽しいし可愛いし大好き…。パンパンパン!
  • ってやっているうちにロープが下りてくる。岩井さんと未來さんがそれを見上げているけど前野さんだけは踊り続ける。そして最後に「ドヤアァ!!」ってロープ指してた(笑)。
  • 未來さんと岩井さん、「下りていってる感じですか?」「こっちが上がってってる感じかも」とか云いながら岩井さんがロープの穴へ下りていく。未來さん、エレベーターガール的に「下へまいりま~す」
  • 前野さんも来て「よ、4階…」と恐る恐る(笑)。
  • エレガ未來さん半笑いで「4階、何売り場になってございますか~?」客に聞く形式ですか(笑)。
  • 前野さん「お肉~…」おにく?(笑)ってなってから「4階、ワンフロアすべてお肉売り場になっておりま~す」お肉…と云いながら穴へ下りていく前野さん。
  • 別の穴からロープの先を持った岩井さん登場、そっちで「あかんって! ここ来たらあかんて云うてるやろ!」「在庫置き場とかでいいから…」「あかんて! 生臭いやろ!!」なんなのこのひとたち…好き…(笑)。
  • 「あたし働いとるんよこんなところであかんて!」とか云いながらロープを巻かれてしまう。
  • あかんで岩井さん、とか何も見えへん、とか云いながら自分で巻き取っていく。岩井さんって云うな(笑)、とか云ってた岩井さん。
  • 途中で未來さんの首に完全にロープが1周絡まっちゃって、ささっと外す未來さん、ごめんごめんって謝る岩井さん。それは危ない。
  • ぐるぐるしながら「きこえてない」、岩井さんが穴に入る前にぐるぐる巻きの未來さんの頭をさわさわしていった。穴から伸びたロープを見て「ずいぶん昔のだ、懐かしいでしょ?」とか云ってた。
  • 「きょうりゅうのえいがかん」ハミングからスタート。足音、未來さんが大きく踏み出すと重くて大きい音が、じわっと小さく踏むと小さめの重い音がするの。可愛い。
  • 生きていなかった、の「いなかった」が好きで、もっと云うと「い」が好き。
  • フェイクめっちゃかっこ良かった…マイクでバンドでやった回よりロープぐるぐるの方が何となく、自由自在感が大きい気がするんだ。バンド1回しか見たことないから何とも云えないけど。
  • コーラスも何かかっこ良かった…いつもと何が違うのかあんまりわからないけど、違ってないかもしれないけど(笑)。
  • 歌いながら少しずつ顔に巻いてあるロープを外していく未來さん、それすらも振りに見える。
  • からの「エビバディセイ! 岩井さんカモン!!」で大縄跳びは速くて入れない。入ってみるけど跳べなくて「ワンモアタイ!」って。前野さんも未來さんも「入れるよー!」って歌ってるけど速いから!(笑)
  • 一回入って跳んだかな?って感じだったんだけど未來さんの判定厳しくて「入ってなかった~」
  • 「入れなかった…」「壁に見えるよ…」「入ってほしかった…」の未來さんと岩井さんのやりとりに入る前野さん「混ぜてほしかった…」ぴょんっと飛んでたの可愛かった(笑)。
  • でも終わり方はしっとり。
  • そのまま「長い毛」、未來さんロープをがんばって手繰り出す。頭から外したロープの山から先端を探し出すと、ちょっと絡まってるのをほどいてから、張り巡らせる。
  • 黄色い光に包まれて出ていく未來さんとロープ。「これから新たな毛の旅が始まる…」このジャンプ打ち切りっぽい終わりとても好きです。
  • で、2来るかな?と思ったら「バナナの中」、照明も黄色くなる。あっバナナなのか。ここで。
  • 縦のロープがひらひらと揺れて、ゆっくりと白い手がロープを掴み登ってくる。バナナの中に滑り込んでくる。
  • この時に裸足になってるのに気づいたんだけどロープ張り巡らせてる時は靴履いてたからその間に脱いだんだと思う。あとジャージの下にレギンス穿いてた。ついでに云うとレモン色のシャツの下に白いインナー着てた。
  • ロープに触れない、揺らさないように動く。カーテンバナナ、襖障子バナナ。
  • バナナは3回目だけど毎回テキストが違うんだよね。毎回どれも…ずーん、となってしまうのは変わらないのだけどね…。
  • 子どもが描く無邪気な「死」と、大人の描くそれとの差、を見せつけられるような。
  • ロープに身を投げる未來さん。たわんで軋むロープの音、一気に張り詰めるテンション。
  • 低い位置のロープを裸足の足が踏んで、ロープの上を歩きながら穴を渡る。完全に綱渡りだった。
  • 背中をロープにもたせ掛けて、手を伸ばしてロープを掴もうとするけど届かず、床に転がる。
  • 前野さんがバナナの歌を歌い出す。と、ちょっと救われる。テキストと内容が全然合ってないんだけど、ちょっとそこに救われる。
  • 縦のロープを首に巻き付けて、そのままゆっくりと穴の底へ消えていく未來さん。きつい。
  • 明るくなって、3人とも出てきて、未來さんと前野さんはちょっと離れて体育座り。岩井さんが立って、ロープは張ったまま、ワークショップをここで。
  • お客さんには振らずに進める。歯が抜けて、そのバイキンがお腹に入って死なないで、外に出て車にはねられて死なないで、森に逃げると爆弾が落ちて死ぬ。
  • ロープがゆっくりと回収されていく。
  • 未來さん立ち上がって、森で爆弾が落ちてでも避けて、落とし穴に落ちて死ぬ。
  • 前野さん立ちあがって、出会いとかないの?って。穴の中でモグラに出会って恋に落ちて、いいねぇそういうのだよ!って。穴から出て、車にひかれて死ぬ。
  • 動物に囲まれて歌を歌ってくれてその歌を聞いて呪われて死なないで、行進して川に出て溺れて死なないで、川で石を投げて遊んだら当たって死なないで、持病、スナイパー、弾を掴んだら爆発して、どーん!、雑なやつで死なないで!、サメに喰われて、川にサメ!?、ハムスターに喰われて、などなど。
  • で3人とも死んで、縦のロープがざらっと落ちて、終了。

 バナナでとても色濃く立ち込めた死の匂いを、ワークショップの死なないで!! もっとお話進めて!!で打ち消すようで、結局みんな死んじゃった、で終わる…深く考えたらとても哲学的なことになってしまいそうな構成の回でした。子どもたちが作ったお話の中にひとつだけ忍ばされた、大人の作ったお話が「バナナ」なのがまた…ぐっとなるな…。なかなかビターな後味の回でした。それもまた、なむはむだはむのひとつの顔、よね。