ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「小指の思い出」@東京芸術劇場プレイハウス(10/3夜)

 観てきました。野田秀樹さんの舞台はそれほど相性が良くはない気がしているのですが、カッチと飴屋法水さんご出演なので、これは観ておかねば、と。「小指〜」は野田さんの舞台も小説も未見です。藤田貴大さん演出も初めてだったけど、これ観たらマームとジプシーにも興味出てきました。素敵だった…!
 お話は正直、筋はよくわからないのだけど、舞台上の景色も耳に入るセリフの音も詩的ですごく美しかった…音楽も美しかった…。舞台上の奥に音楽家ブースみたいに、ドラムセットとかいろいろ置いてあってそこで生演奏してて、その音楽がとてもとても良くて、両サイドの幕とか全部外してだだっ広くした舞台上を、屋根の上に役者を乗せた車*1が縦横無尽に移動する様と相まって何だか夢のような、サーカスのパレードめいた不思議な光景で、オープニングで涙が出た…美しかった…。
 現代…よりちょっと前?の東京と、魔女裁判の行われていた中世ニュルンベルクと、いつのどこだかわからないどこかのいつかと、いくつかの時間/場所をふわりふわりと跳んで渡るような話で、どういう話っていうのは本当につかめないままだったんだけど、でも最後の粕羽4兄弟(?)の母親の述懐は自然と涙が出てしまった。正月・三月・六月・八月、という少年たちの名前も詩的に美しい。意味を追うよりも、耳に流れ込んでくるセリフの音としての美しさを堪能する時間でした。飴屋さんは力技たくさんでおつかれさまでした大好き。
 カスパー・ハウザーの話は今思い出して調べて読んだ。そうかなるほど…これ知ってるのと知らないのとじゃまた、違って見えてくるのかな。

*1:本物の乗用車