いわゆるオールメールでちょっと耽美的だったり少女漫画的だったりな作品を上演する劇団、というイメージしかなくて、以前テレビで放映された「トーマの心臓」だけ観たことがある、スタジオライフ。機会があったら一度生で観てみたいな〜と思っておりましたが、その機会が到来…というか、ちょっとした個人的めぐり合わせというか、で、初ライフ観てきました。お目当ては…音楽！
STUDIO LIFE公演 『天守物語』
語ると長くなる上に自分の黒歴史御開帳状態で恥ずかし可哀想なので割愛しますが*1、思春期を共に過ごしたバンドのギタリストさんが、今回の「天守物語」で初めて舞台音楽を手掛ける、という…まさか演劇とそこが結び付くとは欠片も想像していなかったので*2、え！？ ちょ、何か、懐かしい名前が意外なところに！？と…非常にびっくりしつつこれは行くぞと。ぱったり聴かなくなってから、音源も全て手放して一切触れることなかったので、ほんと15年ぶりくらいの再接近ですよ…天体かよ。お顔くらいはたまに見かけてはおりましたが、音聞いたのほんと15年ぶりだった(笑)。あ、WOWOWプライムショーのゲストで出たのも思わず録画取ってあるんだけど、それもこのチケット取ってたからだわ。
そんな感じで、芝居はもちろんだけど、音楽も楽しみだった「天守物語」は、泉鏡花原作からイメージされる古典的な耽美さとはまた違った、だいぶポップでキッチュで賑やかな絢爛豪華さでした。そりゃそうよね今井寿が音付けるんだもんね！ 宇野亞喜良さんの美術や衣装も煌びやかなんだけどどこか奇妙というか、軽い違和感が引っ掛かる、でもその違和感こそがヤミツキにさせられる、ような感じで、歌ありダンスありのわりと大騒ぎな天守でしたよ(笑)。比較対象が「トーマ」なので、対象にならないんだけど、もっと堅い感じなのかと思ってたら、ずいぶんと楽しい舞台でした。そして音量ガンガンで流れるメインテーマ「通らんせ」が…これがね、嬉しくて笑っちゃうほどイマイ節でね！ 15年もブランクあって何を云うかって感じですが、ブランクあってもかぎ分けられるよその匂い！ いやぁ素敵な通らんせだった…サントラCD出さないのかなぁ欲しいなぁ。メインテーマだけなのかと思ったら劇中音楽数曲作ってらしたようなので、ほんとあれCDにしてほしいわー。通らんせかっこよかったわー。赤い金魚の提灯携えたマントの男たちが歌うの鳥肌立ったー。
ダブルキャストは富姫が及川健さん、図書之助が荒木健太朗さんのQuartzキャストでした。及川さんの女性役観たかったので(笑)。いやぁ華奢でちっちゃくて可憐な富姫さまでした！ 途中アドリブコーナーっぽいところで「富姫がわかりやすく解説するブラックホール」みたいなのを無茶ぶりされて、無茶ぶりされつつも何となくわかりやすく説明して下さってましたすごいなアレ。周りからは「ちっちゃいおっさん」の声がかかっていましたが(笑)。そんなことないよーおっさんじゃなかったよー！ また席が後方だったので、遠目に見ると宇野さんのポスターイラストと同じ顔に見えるんですよ。ああいう顔に見えるの。びっくりした。図書之助がまた長身イケメンさんで涼やか美形で素敵でしたよ。
ラストの着地点がちょっと意外なところで、でも音楽*3と相まってそれはそれで…お天守の上は下界とは違う時間が流れているんだものね。当然ああいうのも下々に見えたりするんじゃないかしらね。笑いもたくさん散りばめられていて、身構えることなく楽しめました。あ、モギリ担当が扮装の役者さんで、入口からテンション上がった！ ガールズ可愛かった！！ 階段の昇降が若干ガニマタなのも御愛嬌だわ！
終演後にもロビーに扮装のまま亀姫さまがいらして、ニッコリ笑顔と「ありがとうございました」を頂いてしまいました。か…可愛かった…。ファンクラブの特典？も手厚そうだったし、生写真セットやら生写真くじ（？）やらグッズもいろっいろあって、ファンは楽しいだろうなぁ！ 噂に聞いていた、カテコのお作法は、わたくしのような一見さんが多い回だったのか、それほどよくわかりませんでした。ぼんやりずっと手拍子＋拍手だったなぁ。最後に歌舞伎の見得じゃないけど、キャスト全員がキメの整列をするところだけは、拍手止んでキメ待ち→拍手、という流れになりました。でもそこだけだったー。
そんなわけで開けてはならぬパンドラの箱が開いてしまったので、かつて所有していたCDたちを再び探し回ってはぽちっとする日々です。ああくそ十数枚あったのに何で全部手放したんだ…いやもう聴くことないと思ってたんだ実際聴かなかったんだ…*4。そして15年の空白は想像以上に大きいんだ…。
あの「通らんせ」、バンドでやってくんないかなー。魔王様ボーカルで聴いてみたいなー(笑)。
