ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

早乙女太一特別公演「GOEMON」@明治座(5/12)

 何か、タイミング的に…(笑)ですが、まぁいいや気にすんな!!

 

 明治座って人形町とか浜町*1に近いんですねー知らなかった。初明治座はエントランス上方に提灯がぐるりと灯っていて面白かったです。中は思ったよりこぢんまりとした印象…というか、横に広くて縦に小さめなのね。席は上手上段というサイドの一段高くなったところでした。横から視界だけどよく見えた。
 舞台は3部構成になっていて、1・2部がGOEMON、3部が舞踊・影絵ショー、それぞれの間は30〜35分の休憩を挟みます。相変わらず休憩時間長いよね…お弁当食べたりとかだからかしら…明治座の中、あんまりちゃんと見なかったんだけど、東京下町の銘品*2とかが軒を連ねるように出店してて、物産展みたいになってるコーナーがあったり、なかなかのカオスでした(笑)。しかもけっこう売り切れてた(笑)。他のフロアにはお食事処なんかもあって「太一ゃ漬け(鯛茶漬け)」とかあったらしい…食べたかったじゃないか太一ゃ漬け(笑)。アイスもなかはかろうじて食べてみたけど、その場で最中の間にアイスを挟んで渡してくれるので、最中サックサクで美味しかったです。

 まず「GOEMON」、題材がもうね、仕方ないよね、いろんなものが二重写しで見えてきちゃうという…(笑)。しかも登場シーンがアレだし。やはり石川五右衛門と名乗る者はあのようにして登場しなくてはならないのか。
 義賊として名を馳せる石川五右衛門が、偶然盗み出した南蛮渡りの小箱、そこに隠されていた血判状には、本能寺の変の重大な秘密が書かれていた。血判状を追って石田光成の軍が五右衛門を襲い、そしてかつて共に織田信長に仕えた忍び・霧隠才蔵が現れる。その頃、妻の寧々に唆され、秀吉は信長の姪の茶々を側室に迎えようとしていた。茶々はかつて、信長の元に仕えていた五右衛門と心を通わせおり、それを知った五右衛門は茶々を救い出そうとするが……的な! てきな!! ふんわりそんな感じ!! あと信長様は五右衛門を後継ぎにしようとしてたとか何かそんな!!! 五右衛門は信長の仇を討ちに孤独な戦いを挑む的な!!! 
 …なのですが、とにかく色々、エピソードも登場人物もてんこ盛りで、盛り過ぎな印象で…五右衛門に石田光成に才蔵に秀吉に信長に光秀に家康に半蔵に茶々にねねに、ついでに五右衛門のそばにくっついてるとみくろが「サスケ」て呼ばれててまさか…と思ったらやっぱり猿飛佐助で、もう戦国オールスターズじゃないかこれ。こんだけ出して、本能寺も絡めて、信長に仕えてる頃の五右衛門と才蔵とか回想シーンも盛って、それで正味1時間半しかないのよ!! 新感線がやったら3時間半レベルなのに…というか3時間かけてやってくれないとちょっとツラいです…。何というか、役者の技量は(基本的には)申し分ないはずだし*3、セットも豪華だし、殺陣は速いし、ギャグはちょっとどうしたらいいのか困るところもありつつ信長さまの鉄板ネタは鉄板だったし、太一くんのチャラ気味モテ男五右衛門は五右衛門っつか捨之介っつかな感じででもちょっとがんばってる感じが微笑ましいというか逆に可愛いというかな好意的な方向に作用したし、しかしどうしても拭えない「ナンカ違ウ」感は…何なのだろうね何があかんのかね、と休憩時間に会議を開く感じでした…。結論として、尺に対して盛りこみ過ぎというか、これだけやりたいんなら倍の時間は必要だよね、というか、その辺に落ち着きました。あと、新感線と似て非なるモノ過ぎて、そこを分けて観られなかったこちらの敗因。正直、中島さんにホン書き直してもらって、いのうえさん演出で、キャストちょっと入れ替えて、観たいねー…とか云ってしまった。申し訳ない。全然違う雰囲気のものだったら思わないんだろうけど、微妙にいろいろカブり過ぎてて…すいません。太一くんは素敵だったわよ。
 とみくろこと富岡晃一郎さんが佐助役で、彼が出てくるとわたしがとても安心したのも書いておきたい。トミーほんと良かったわ…というか芝居パートはとみーがひとりで背負ってたと云っても過言ではない*4。小さい方の茶々様もとても可愛らしかったです。あゆちゃん*5おっきくなったなぁ。あと信長さまが回想でしか出てこないはずなのに物凄い存在感で…さすが我らが上様だわ…お馬的なものもステキでした…。たいちくんまた殿LOVEな役かいとニヤニヤもしましたが。あの信長さまの両脇に天魔王と蘭丸配置したい。絶景かな絶景かな〜。
 とにかく盛りこみ過ぎを駆け抜けた1・2部が終わり、いよいよ3部です。影絵は新春に観てるけど、やっぱりかっこいいんだな! 個人的に、女形よりもこういう方が好きなので、白小袖に黒袴で扇片手に田原坂、が一番良かった…うっとりだった…久々に、勝手に手が乙女握り(笑)になりましたよ。女形ももちろんうっとりなんだけど、何だろう、こう…姿かたちの美しさだけでお腹いっぱいになってしまって、技術的なこととか身体能力がどうとか、そういうところまで脳味噌が処理できないのね。うっひゃーきっれーい!!でいっぱいいっぱいで(笑)。その点、虚飾を排した…というとアレだけど、シンプルな出で立ちだからこそ、身のこなしや手足の捌きの美しさとか、重心の低さ安定感とか、そういうのがすごく見られる。から、袴いいんですよ袴!!という…着地点がゲスだわ(笑)。袴好きなんですハイ。
 あゆちゃんが神々しい純白な雰囲気の舞*6とか、一休さんみたいな小坊主さんたちが元気よく踊るの*7とか、ほっとした(笑)。こっちでいいよーこっち3幕分観たいよー(笑)。友貴くんも女形やるんですねー夜桜お七踊ってました。まだどことなく…少年ぽさが滲むというか、初々しい感じがしましたが、それはそれで良いものだ。うむ。太一くんの女形は超越しまくってるからねいろいろ…この世のものっぽくないからね…弟くんのはまだ、地に足付いてる感があって、それはそれで。剣舞はさすがに板についててかっこよかったです。友達は隣で身もだえしてたけど(笑)*8
 太一くんの女形は、純白のと赤い彼岸花なのとラストの花魁、だったかな。花魁は貫録あって何か…迫力に圧倒される感じでしたよ(笑)。でもアレだわ、絵島みたいに他の女の子たち引き連れてないから、比較対象がいない分、でけぇ!!という感じ(…)はあんまりしなくてそれは良かったです。やっぱりね、二十歳越えた男子だもんね…大きいよね…(笑)。赤い彼岸花のは、和傘持ってて綺麗でした。白いのはほんと、聖性というか…イノセントな感じで神々しくてねぇ。人じゃない感が凄かったです流石。風車持ってたのは花魁の時だっけ?
 今年から送り出しがなくなったので、新春公演はカテコけっこう長くやってくれたけど、今回はあっさり1回で終わって…いや、いいんですけど…お疲れだろうしね…。ただちょっとだけ、送り出しないんならカテコもっかいくらい…とか思ってしまったのですスミマセン。お客さんもあっさり帰り支度だったので、そういうものなんでしょうかお作法的に。
 とりあえず、今回でやっと、太一の舞台には遅刻するジンクスを覆せたので、きっとこの先は大丈夫なはずです。遅刻はもうやだよ…。
 翌日は母の日だったので、明治座から適当に歩いていた道すがらにあった可愛いお店でケーキと、ついでに自分用にフィナンシェを購入。したら、フィナンシェがめっちゃくちゃ美味しくて!! 周囲の縁がカリッとしてて、周りはねっちり、中ふんわりの黄金バランスで…いっこしか買わなかったのを悔むほど美味しかったですよ…もう二度と行くこともないだろうあのお店…浜町近くの小さなケーキ屋さん…。ケーキももちろん美味しかったです。

*1:ハマチョウと読むのも初めて知ったハママチではないのか

*2:西京漬けやら佃煮やらお煎餅やら

*3:若干ええっと…まぁほぼがいじんさんみたいなものですからね…

*4:わたしにとっては

*5:妹さんね

*6:は新春でも観た

*7:後から白塗りで飛び込んだ坊主さんは友貴くんだよね?

*8:曲が知ってるやつだったらしい