ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「2011 劇団朱雀特別公演 玲瓏」@かつしかシンフォニーヒルズ(10/22夜)

 どうしよっかなーと迷いながらプレイガイドやらホールのチケットサイトやら眺めていたら、1階席が残っていたので思わず手が滑ってしまった! こういう背中の押され方もあるってものです。つわけで六本木から葛飾まで東京横断して行ってきましたよ早乙女太一公演! 人生初の大衆演劇体験でした。ううん面白かった!
 …と云ってもあの、六本木のグリーンカーペットが予想以上に時間かかって*1、タクシー使って滑り込んだけど1部半分くらい遅刻、という大失態を…あああ…。なので感想とか、あんまり云えないのですが…2部は堪能致しましたが!!
 あ、どうやら、土曜日が初日だったらしいので、一応畳んでおきます。正直ネタバレとかそういうレベルの感想文が書ける状態ではありませんが、念の為。

 プログラムは第1部「天保水滸伝・三浦屋孫次郎」、第2部が「絵島 〜大奥・許されざる恋〜」という。1部は人情悲劇な時代劇、2部は舞いで綴る大奥の悲恋、という感じですひっじょーーにざっくりとですが。1部の途中で入ったので、正直ストーリーとかあんまり…わからなくて…悔しいですよ…クライマックス?の殺陣に間に合っただけでも良しとします。斬られても斬られても血まみれになって立ち上がる姿に、「朧〜」のライのラストを少し思い出した。血糊の量やら質感(?)やらがまた新感線のとは違って、もっと生々しい感じで良かった…てらてらしてた…白い着物は血糊の為にあるようなものよね…。あと、蘭丸の時点でもしかしたら…と思ってはいたのですが今回確信しました。わたし、太一くんの痛がる芝居が好きなようです。って書くと変態さんみたいですがあながち否定できないので甘受する。蘭丸も務めご苦労前のところがすっげぇすっっげぇ好きだったんだ…しかも「あっやばいこの蘭丸超好きだ!!」って思った瞬間が、務めご苦労の前に天魔に右脇腹と右足斬られて痛がってる、というかどこ斬られたからどう痛くて何が出来ないのかが明確に見えた瞬間だった。あれで落ちたも同然だ…*2。なので、ざっしゅざっしゅと斬りかかられて赤く染まっていく孫次郎さんは非常に美しかったです…。あゆみちゃん可愛かったなぁ。
 休憩が30分あるのとかびっくりしましたが、休憩じゃなくて「早乙女太一衣装換えの為30分の休憩を頂きます」みたいなアナウンスが流れて、そっか太一くんが着替えるのか! じゃあ30分くらい待つ待つ!!という気になった(笑)。面白い。ロビーで飲み物飲んだり、物販覗いたりしていたらわりとあっという間に過ぎていました。噂に違わぬ面白さですよ物販。ごま大福もあったし羽二重餅もあったよ! パンフを記念に買ってみましたが、羽二重餅も買えばよかったなぁと今日会社に行って思いました。話のネタに配ればよかったぜ。成人記念のお酒も売っていましたよ御本人お酒飲まない*3のにね! ワンカップサイズなら梅酒ほしかったけど、瓶じゃさすがに無理でした。お着替え中*4に何となく見回した感じ、やはりおばさま方の多い客席だったけど、3割くらいは若い女の子もいた感じ。ご夫婦で来てる方もけっこういらっしゃいました。いいなぁご夫婦で太一鑑賞…。帰り道、前を歩いていたご夫婦の旦那様が、「いやぁやっぱり美しいねぇ」なんて云ってらしたのを何かニマニマ聞いてしまったよ…何か羨ましいなぁ。
 お着替えタイム終了して*5、いよいよ第2部です。大奥の実力者・絵島と歌舞伎俳優・生島の禁断の恋を描く舞踊劇、でした。セリフがない、踊りだけで綴られる物語というのは、ミリィで慣れているので…というか、何かとっても、ミリィを観るのに近い感じがして…面白かったです。踊りの種類は違うんだけど、完全に日本舞踊オンリーというわけでもなく、もっと柔軟な、広義の「舞踊」だったのも一因かな。使っている音楽も和っぽいものに限らなかったし。ちっちゃい将軍様とお稚児さんの踊りなんかめっちゃキュートで楽しかった〜。太一くんは女形絵島、男役で生島、と恋する二人をどっちも一人で演じるのですが、まぁどっちも美しいことといったら。女形は流石の貫禄なんですが、わたしはどちらかというと男役の方が好きかなぁ、という感じなので、むしろ生島時が良かったかな…いやでも絵島の圧倒的な美しさは息を呑みました。ありゃー綺麗だわ。寿命延びるわ。
 個人的にツボったのは、途中に挟まった歌舞伎ショー?パートの…後からパンフ読んだら、歌舞伎役者である生島の舞台上での姿を描いたパートとのことだったのですが、すいません全然理解できていませんでした! ので何か突然鬼っぽい人たちが出てきたぞ!? 何だ異種婚姻譚的な話なのか!?と…ええすみませんあらすじさえ頭になかったんです…大奥しか知らなかったんですハハハ…。まぁわたしの頭の残念っぷりは置いとくとして、とにかくその突然始まった鬼っぽいパートで出てきた太一くんがおっそろしくツボった、というそれだけが云いたかったんですハイ。だってジュニア様をロングにしたようなふわっふわの金髪ロン毛ウィッグに、派手なよさこいみたいないろいろヒラヒラふわふわ付いた衣装で、頭の左側面に黒アイアン系*6な角みたいなのが数本生えた飾り付けて、ふわっふわの金髪の間からその角みたいなのが覗いているような状態で、かっこよく踊り狂うんですもの…何それずるいかっこいいに決まってる…しかも、しかもだ! そんな出で立ちでカッコヨく踊ってるくせに、お顔は白塗り紅差しのまま、っていう!!! ずるい!!! かわいいいいい!!! ほんとあの、オペラで観てたんですが、座席の中で後方に倒れましたよ。っかわっ!って声出たよ…タオルで抑えたけどさ…いやびっくりした。意味がわからなかったがわからないなりにとにかくあれはなんなんだ一体。可愛いじゃないかあんな生き物けしからん!! 話も良く理解せず何を云うかという感じで申し訳ないのですが、正直アレだけで観に行った甲斐があったと心底思っております。いや、もちろん他も素敵だったのはもちろんなんですが! ていうか2幕は男女どっち役の時もずっと白塗りだったんですが! でもあの扮装であのお顔は破壊力大きかったよ…つか好みだよ…。
 ほとんど違和感を感じることもなく観ていられた初大衆演劇体験でしたが、さすがに坂本冬美が流れた時は、ああ来たぞ…!と一瞬身構えました。うん、洗礼を受けた! でもわりとすぐ慣れたというか…ここで引いたら負けだわと思って攻めの姿勢で観たというか(笑)。太一くんが綺麗ならいいよ全然、という気分でした。だいじょうぶ!
 面白かったのは、背景にLEDスクリーンを使っていて、映像がすっごく綺麗だったのと、どうにもそのLEDスクリーンがメタマクやバラサムや何やでおなじみの、あのLEDメッシュスクリーンみたいに見えて…すごく似てたのでもしかしたら同じかな、とか…違う…?(今気になって調べてみたら、同じものでした。コマデンさんのImage-Meshという製品→製品情報 | Image-Mesh - エンターテインメント空間の創造 - 株式会社コマデン)あと、2部のクライマックス、絵島が美しくしなを作って、きらきらと紙吹雪が舞い落ちる中、流れる曲が「医龍」シリーズのイイ時に流れるあの曲*7、というのもなかなか…すみませんちょっと面白くなっちゃいました…(笑)。おおおいりゅううう!!って…いや、わかりやすく盛り上がる曲なのでとても、わかりやすくて良いのですが! 「大衆」と銘打つにはわかりやすさ絶対だもの! でもちょっと面白くなっちゃったの…で、面白いなぁと思いながら、頭をよぎるのはやはりミリィ公演で…鹿男とかさ…使うじゃないドラマサントラ…なぜかしらね…?(笑)とても初めての気がしない初・朱雀でしたよ。
 そして公演本編が終わり、カーテンコール…は、ないのですか。ないのですよ。非常にあっさり終わるのですよ。そうか、ドクロで太一くんだけさっさとカツラ外しちゃったり何だりだったのは、これがいつもだからなのか、ととても腑に落ちました。だってねぇ、お見送りあるもんねぇ! 何度も何度も舞台に呼び戻されたりとか、ないんだね! わかった! カテコがない代わり(?)に、お見送りというものすごいシステムがあるのです。ロビーでお見送りしてくださるのです。さっきまで舞台上で華麗に舞っていた人が。何て恐ろしいシステム。恐ろしいけど御本人がいいよって云ってくださるのなら甘受する。美味しく頂く。というわけでお見送って頂きましたよ…至近距離で。1mないよね。簡単な柵で仕切られた向こうの、ちょっとだけ高いお立ち台の上で、豪奢な内掛けを背景に、扇風機と劇団員さんに扇がれながら、それでもまったく涼やかな笑みで、ありがとうございましたと唇動かしながら、小さく首を傾げるようにして、軽く片手を挙げて、…すげぇなぁ。見たものを字にしているだけなんだけど嘘だろコレって感じだわ。でもほんとだもの(笑)。博多人形等身大で動くよみたいな感じだった…綺麗だった…。一瞬だけどあでやかさは網膜に焼き付けてきました。ふわー…夢のようだね。
 というわけで、かなり面白かったし、でももっと観たい!てなっているので、年明けのも是非行きたいと思います。影絵のやつ観たいし!! もっと殺陣観たいし!! …こうしてまんまと…って云わない(笑)。

*1:何となく15時くらいには終わるものかと…

*2:あと大阪楽カテコ

*3:らしい

*4:あえて

*5:うっわー自分で打ってあまりの下衆さに引いたわ

*6:に見えた

*7:「Aesthetic」