ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「その街のこども 劇場版」東京舞台挨拶

 17:00の回と19:00の回、行ってきました。正直、舞台挨拶>映画、な気分で向かったのですが、観ちゃうとね…静謐な力強さに圧倒されて、すっかり無口な雰囲気になってしまうのね…。特に17:00の方は、久々に見たのもあってか、涙腺がオカシなことになってしまって…大友さんの音楽だけで号泣できる状態に(笑)。あと、この1年で何度か神戸に行って、見慣れてしまった場所も出てきたり、夏に少しだけロケ地に連れて行ってもらったりもしたので、やっぱり感慨深くなるというか違うもんだなぁと。追加されたシーンは、わたしにもわかるくらい明らかだったのは、震災時の神戸の風景、子供が描いた絵、あとはたこ焼き屋さん後もなかったような気がする…けど「気がする」レベルですスミマセン。
 映画に関しては、音の印象がすごく強くて、それだけでも劇場公開する価値があるんじゃないかと思うくらい。居酒屋のざわめきから夜の神戸の喧騒、通り過ぎる車の音、風、高架下、列車の通る音、ふたりの靴音、呼吸、川の流れ、台詞や声以外のあらゆる音が、ふたりの歩く道筋に沿って変化していく。時間や場所の移ろいと共に変わっていく音たちが、ロードムービーとしてのこの作品をより印象深くしている、ように思いました。家でテレビで観たドラマ版と一番大きく違って感じたのはやっぱり、音だなぁ。無音のシーンもよりいっそう、くっきり浮き上がって見えてくる感じ。そんな街中の音たちの間に、するりと忍び込んで、その隙間から暖かい光を洩らすような大友さんの音楽も、冷たい冬の空気を震わせたようなアンティークシンバルの音色*1も、映画館で体感した方がずっとずっと耳に残る。それにしても、大友さんの音は何だか無性に、泣けて困る…。
 そんな泣きはらした目で迎えた1回目の舞台挨拶。初回はマスコミが入ってテレビカメラも6台くらい来ていました。NHK以外の局のカメラも来てたらしいです(笑)。司会は伊藤さとりさん、「スクールデイズ」や「五右衛門ロックゲキシネでもお世話に?なりました!(笑)
 上手の通路後方から未來さん、サトエリちゃん、監督の順番に登場。写真も出ていますが、未來さん髪がスッキリサッパリになられて! コンパクトな黒髪になっていてびっくりしました。青×白の織り生地のジャケットに、サテンぽい光沢のある暗いクリーム色の地に赤の小さなドットが広い間隔で散っているカッターシャツのボタンをいくつか開けて、黒い細身のパンツに真っ白な柔らかい革のオックスフォードシューズ。シンプルできちんと感のあるスタイリングでした。サトエリちゃんはグレイッシュピンクに黒のリボンが映えるノースリーブワンピ、ウエストから右側に下がったドレープが綺麗だった。黒いエナメルのローヒールのストラップシューズ履いてたけど、それでも未來さんより背が高いのね(笑)。井上監督はニット帽に青白ギンガムチェックと白の切り替えシャツにロールアップジーンズ、黒いカーディガンを羽織っていました。
 えーと。覚えてることを箇条書きで。まず初回。

  • 開始前にさとりさんからお知らせが。本日の舞台挨拶のチケット収入の一部が、赤十字に寄付されるそうです。震災時に赤十字を通して、被災された方のために使われるお金になる、とのことで…知らなかった! 是非とも使って下さい!!
  • 初日を迎えて。世間一般で伝えられている「震災」とは違う感情をどう伝えるか、を京田プロデューサーがプレミアム10の時から模索していて、一緒にやってきたことがこういう形になって。ドラマとして撮ったものが映画になるなんてめったにないことなので、監督も普段ドラマを撮ってるのでこんな風に人前に出るなんてほとんどなくてすごく緊張してます(笑)。
  • サトエリちゃんが「他局のカメラもいっぱい来てますよ!」的な茶々を入れて笑いが起きていました。確かに。監督、緊張されてましたねー(笑)。
  • 「ここまで来れたのは京田さんの尽力のおかげです。ありがとうございます」的な。あ、いつものように言葉は全て「的な」でお送りします。
  • サトエリちゃん。今日夜、物凄く寒くなるらしいんで気をつけて下さい、って気を使って下さいました。ドラマに参加できただけでも嬉しいのに、映画になって、こんなにたくさんの方が観に来てくださって、すごく嬉しいです。自分も震災直後に引越ししてしまって、一般的に云われるような被災者生活とかはなかったのですが、この脚本なら!ということで参加させて頂きました。ありがとうございます。
  • 井上監督。はじめまして。ご存知ないとは思いますが、朝ドラの「てっぱん」などを普段やっています(笑)。
  • サトエリちゃんが「いやいやいやすっごく有名じゃないですかー!」とか、未來さんが「え、もう今やってるの?」とか茶々入れてました。さすが未來さん、テレビなさそうな発言。
  • 普段ブラウン管越し…もうブラウン管って云わない?(笑)テレビを通してしか会えないので、すごく緊張しています。かっこいい事云おうと思ったんだけど(笑)、実際に今観終わったばかりの皆さんとこうして向き合って話すのがすごく…震えるなぁと思いながらこの場に立っています。…ダメ?(って未來さんサトエリちゃんに確認する監督)(にまにまする未來さん)
  • このドラマに参加するきっかけ。未來さん、プレミアム10と未来は今があったから、この作品に関われた。脚本の渡辺あやさんといろいろ話しながら実体験を会話に混ぜて脚本にしたのもあるので、フィクションにするというのは抵抗があるかもしれないけれど、こうやって関わってきたことによって、いい意味で力が抜けたかもしれない。
  • サトエリちゃんが云った言葉が勇治の台詞になっていたり、逆もあったり。居酒屋のシーンはホンもあってどっちが何を云うかは決まっていたけど、どう終わるかははっきり決まっていなくて、だんだん喋っているうちに「こんなことあったよね」って本当の話になってきちゃったりして、境目が難しかった。
  • サトエリちゃんは、普通に未來さんのファンで、ミーハー根性丸出しで「わぁい!」って(笑)。
  • に、未來さんが「ってこういう場ではいつも云いはるけどぉ(笑)」って。普通にファンでって云われてる最中のしょっぱいお顔が面白かったです。
  • いや冗談ですけど(笑)、とサトエリちゃん。たまたまプレミアム10も未来は今も見ていて、被災者だし、一言申したいみたいなのもあって…でも未來さんのお芝居も見てみたいと思ったし…。
  • (撮影しながら当時を思い出すことはありましたか?)神戸は坂が多いので、どうやったら楽に歩けるかとか子供の頃のことを思い出した、とサトエリちゃん。
  • あと、未來さんのことを「森山くんがちょっとヘン子ちゃんで(笑)」って。関西で変わってる子のことをヘン子ちゃんというそうです。で云われてる未來さんが「僕のこと云ってるんですか?!」ってびっくりしたように云ってました。ほかにだれがいるんだ(笑)。
  • どのヘンがヘン子ちゃんか。冬の撮影なのにビーサンで来たとか。そんなに寒さに強いのかと思ったらやっぱり寒いらしくてずーっと動いててタップとかしてて、おおー生モリヤマミライタップだー!とかちょっとテンション上がったけど、やり過ぎたらしく、そんなに動いたらスーツだから破れるよって云われてるのに、ほんとに破いた、と暴露話を。
  • 未來さん曰く「ビーサンは僕の生活ですから」デスヨネー(笑)。
  • で、破れたスーツをカバンで隠してたけど…その先気になった(笑)。
  • 暴露話の件はここで、未來さんから「ええーそれは違いますよータップでどうのじゃないよー」と抗議が(笑)。走ったか歩いたかで動きすぎて破れた、そうです。訂正(笑)。
  • どのロケ場所も知らない場所はひとつもなかった、と未來さん。ゆっちのおっちゃんのマンション前の公園のすぐ近くにじーちゃんばーちゃんが住んでますからね(笑)と。
  • サトエリちゃんはそんな未來さんを見て、どのロケ場所行ってもあれ友達んちやねん、友達んちすぐ近くやねん、てどんだけ友達多いねーん!って羨ましかったそうです。
  • (監督の演出はどうやって?)よーいスタートとカットがなかった演出だった、と。ふたりが街中でロケバスから降りてくる時点からカメラを回してて、ずっと回しっぱなしだった。居酒屋も先にスタッフがセッティングしていて、そこにふたりがふっと入ってくる感じにしたかった、とのこと。
  • 作品の中で勇治と美夏がぼーっと立ってるところがあるけど、それは実際にセッティングの待ち時間とかでほんとに立ってるところを隠し撮りみたいに撮ってたものだったりするそうです。距離感がね(笑)ってサトエリちゃんが笑ってた。
  • 違う撮影で神戸に来ていた阿部寛さんが、撮影中のサトエリちゃんを見つけたらしいんだけど、常にカメラが回ってる状態でサトエリちゃんは気づかなかったそうです。あの大きな阿部さんに気づかなかったなんて、そんだけ芝居に入り込んでたんだなぁって。
  • で、未來さんが「そんなことあったんだ?」みたいにサトエリちゃんに話しかけて、「一緒にいた時だよ」とか応えてて、何か合点がいったような未來さん、ああ、わかった!って小声で云ってました。わかったか。よかった。
  • 1/17の追悼の集いのラストシーンについて。脚本の渡辺あやさんに実際に行って頂いたら、すごく厳かな雰囲気で、渡辺さんは希望の見えるドラマにしたいって云っていて、そのラストが追悼の集いだった。
  • 渡辺さんは最初、断ったそうです。で、何か糸口が見つかったら書く、と。この辺はパンフレットに寄せられている渡辺さんの文章を読むとすごくよくわかった。
  • ドラマの放送時は、放送日の朝に集いのシーンを撮ってその夜に放送した、正に撮って出し。未來さん曰く、「それドラマじゃないとできないですよね」
  • 最後にメッセージ。未來さん「被災者だけれども、一般的に『大変だったんちゃうの?』て云われる会話がなかなか成立させづらかった以前にくらべて、自分の中で整理できたことがよかったので、これからも日々の生活をがんばっていければと思います」サトエリちゃん「この間友達のお見舞いに行って、病院の横を歩いていたら可愛い赤ちゃんがいたので、声をかけたらそのお母さんから話しかけられたんです。そしたらそれが小学校の同級生で、震災の時から会ってない子ですごいびっくりした。離れたくて離れたわけじゃなくて、大人になったらまた一緒になれることってある」「あと数日でまた1月17日になるけど、自分はまた黙祷してしまうし、自分が生きてるんだってことをかみ締めてしまう瞬間だけど、作品を通して、その時ただそこに居たんだってことを現実として見られるし、こんなにたくさんの方に見て頂けて本当に嬉しく思っています。おうちに帰ったら、いろんな人に宣伝して下さい!」監督「僕は神戸の人間じゃないので、これを撮る時に意識や思っていることの違いに葛藤したところがあったけど、被災者ではないフィルターで撮ったからこそ伝わるものがあるんじゃないかと思っているので、東京の人にもわかってもらえると思います。それが少しでも伝わればいいなぁと」
  • 舞台挨拶はここまででマスコミ用のフォトセッション。ポスターのパネルをイーゼルに立てかけて置いてあるんですが、そのイーゼルの位置を動かしたら、足の部分のパーツが外れて斜めになっちゃってたんです。それを、未來さんがさっとかがんで直しててかっこよかった(笑)。サトエリちゃんが「やっぱデキる男は違うなー!」って云ってた(笑)。
  • あと写真撮影中に、「森山さんもうちょっと寄ってください」とか云われて、何か全体的にどんどん上手側に寄っていっちゃって、サトエリちゃんが「やっぱ距離感が…(笑)」って笑ってた。カメラマンさん的にはパネルが隠れちゃう角度だったんだろうけど面白かった(笑)。
  • フォトセッションの後はテレビカメラに向かって目線を投げて、終了。出てきた時と同じ上手側の通路から退場していきました。

 で、2回目。2回目はマスコミなしで、NHKのオフィシャルカメラのみ入っていました。後ろに1台と手持ちが1台あったかな。DVD化なんかした時に特典映像として入れてくれたら嬉しいなぁ! 2回目は、登壇者側からの希望?*2で客席からの質疑応答形式に。

  • まずは、ドラマを既に見たお客さんに挙手を求めるさとりさん。かなりの数、というかほとんど、だったようでびっくりする登壇者。でも、未來さん曰く「さっき、観終わったお客さんの前で挨拶したんですけど、全然雰囲気違いますね」サトエリちゃんも「そうですね、さっきはちょっと、どんより…だったからね(笑)」…そりゃ泣き腫らした直後ですからね! そんなに違ってたのか…。
  • お客さん悪くないですよ!物語がちょっと重いから!!って一生懸命フォローするサトエリちゃんが可愛かったです(笑)。
  • 質疑の前に一言ずつご挨拶。未來さん、「今日はありがとうございます。この作品は去年の1月17日にテレビドラマとして放送されたのですが、プロデューサーの京田さんという方が、どうしたらもっと多くの方に見て頂けるかということでここまでこぎつけて、去年の11月に神戸と大阪で先行上映されて、当事者である神戸の人にも見て頂いたんですが、東京の人がこの作品を見てどう思うかっていうのは興味があるので…あ、でもドラマ見てはるんですよね(笑)。でも、見て楽しんで頂ければ(笑)」
  • サトエリちゃんに「大丈夫ですか?」と心配される(笑)。
  • 続いてサトエリちゃん。ドラマ版に呼んで頂いただけで嬉しいのに、こうやって映画になってすごく嬉しいです。人身事故で電車が遅れたそうですが大丈夫ですか?(笑)」わりと反応が薄い客席に「あれっ!?」とか云ってました(笑)。わたしは動いていないので大丈夫です(笑)。「今日は楽しんで見て行って下さい」
  • 井上監督。「普段はNHKでドラマを作っています。ドラマと映画でまた違うタッチで作ってあるんで、それを楽しんで頂けたらと思います」
  • 監督のコメント中に未來さんが、すっごく何か茶々入れる気満々!なわざとらしい済まし顔でマイクを口元まで持っていったのを見逃さない(笑)。そういうお顔する時って何か企んでる時ですよねー! タイミング合わずというか監督のコメントが予想以上に短く終わってしまったので不発でしたが何をイジル気だったんだろう。てっぱん?(笑)緊張してる?
  • そして質疑応答。お一人目は京都の方で被災されて、でも被害はそこまででなくて、未來さんと同じ感想だったそうです。さっと手を上げて、ほんとすごいなぁ偉いなぁ!
  • 質問は「未來さん自身だったら追悼集会に出るかどうか」。ラストシーンのネタバレになってしまうので…って気遣いされてたら、大丈夫ってさとりさんや未來さんが助け舟出してたけど、サトエリちゃんが「それはちょっと、あんま云わないで下さいよー!…って云ってました(笑)」ってイケズ云った(笑)。
  • 未來さんは行ったことないそうです。自分自身では、遠ざけたりとか、近づこうとかした意識はなく、関わらないようにしていた意識もないけれど、撮影で使わせてもらって、今年はちょっと時間がなくて行けないけど、今まで意識して黙祷とかしたことはなかったけれど、まだ祈るには遅くないかなという気持ちは今持っています、と。
  • それは撮影に参加して変わった心境?という問いに「そうですね、実際にその場に行ったからってこともあるし、3年以上震災に関わらざるを得ない時間が毎年あって、それでクリアーにはならないけれど、自分なりに整理できた部分があると思います」
  • 次は男性の方から。ご両親が水道筋商店街の近くに住んでいるそうです。質問は「美夏が商店街の終わりのところで『キレイ…』という台詞があるが、実際に何かを見てキレイだと云っているのか?」という地元を知る方ならではの。なるほどー現地を知らないと、普通に夜景がきれいなのかなーとかしか思わなかったんだけど…。
  • サトエリちゃんの答えは、あのシーンの美夏ちゃんは、勇治がずっと愚痴ってるからそれを振り切るようにキレーイ!と云った、っていうのと、あと美夏ちゃんは13年ぶりに神戸に帰ってきて、13年前の神戸はまだブルーシートやプレハブが多くて空気が汚くて、その頃の神戸が記憶にあるから、今の神戸を見て「キレイ」という言葉が出た、という解釈だそうです。わー…そうかー。そうだよね、最後に見た光景が残ってるもんね…。
  • 未來さんが、水道筋商店街に今住んでるお友達がいて、この映画をものすごく喜んでるというお話をされていました。今あんまり元気ないから、これを使って盛り上げよう!って、って。そっかー元気ないのかー、夏に歩いた時は思わなかったけどなぁ。わたし髪切ったのも多分アーケードの中の美容院だよ(笑)。
  • 監督に水道筋商店街を使った理由は?と聞くと、夜のシーンでノーライトっぽく撮ることが多くて、あんまり暗いと放送事故になっちゃうんで…と明るいから的なことを(笑)。でもほんとに綺麗だったのと、あそこを通って御影*3に出るのがわかってたのと、あとサトエリちゃんの担任の先生があの近くに住んでらしたとか。
  • 3人目は震災当時3歳で記憶にもないしニュースを見てびっくりしたこともない、というお嬢さん。何も知らない世代に、改めて伝えていきたいことは?と…そうだよね、今20歳以下の子なんて、震災自体覚えてなかったりするんだよね…。当たり前の出来事みたいに思っているけど、16年経つってそういうことだよね。
  • 未來さん、しばらくんーー…と上を見上げて考えてから、プレミアム10のナビゲーター時に中立に立てず悩んだこと、その悩んでいる姿に京田さんが興味を持ったこと、そこからいろんな形での震災との関わり方があるということがわかり、3年を通して自分なりに神戸の震災をこんな風に思っていけばいいのかな、と捉えられた瞬間があったので、そんなことを話していければいいのかな、と。
  • サトエリちゃんは、経験がないと、戦争はいけないとか自然災害は大変とか、云われても実感わかないかもしれなくて、それは普通のことだけど、と前置いてから、被災してすぐに大阪に移った時、学校側の受け入れ態勢がすごく早くて、引越しマニアじゃなくて転勤族*4だったから転校も多かったけど、そんな対応の早いのは本当になくて、奇跡的なくらい早くて、図書室で掃除中に男の子がからかって「地震だー!」とか騒いだ時にマジギレして喧嘩になった時も、普通なら喧嘩両成敗みたいに、どっちも悪い!ってなるのに、その時は「佐藤が正しい」って先生が云ってくれて、大阪でもそこはちょっと被害の大きい場所だったから、少しでも経験のある人は大変さとかがわかるから、大阪の学校で募金を募った時にいつもはほとんど集まらないようなところなのに、震災の時はすごく集まって、少しでも経験してる人は関心もすごく大きいし、経験していなくても関心を持って下さるのはとても嬉しいし、これからいつ東京でもどこでも地震が起きるかもわからないので、見て頂けたら嬉しいなと思います。と。
  • 最後に監督からメッセージ。えーっと、と云う監督に未來さん、「大丈夫ですか、だいぶほぐれましたか?」と茶々を。サトエリちゃんも「わたし盛り上げましたよ!」って(笑)。監督がいじられ役になって下さるんですね…。
  • さっき不発だった茶々入れタイミング、ここで巡ってきたようです。嬉々として監督をいじる未來さん(笑)。「NHKの監督が舞台挨拶なんて滅多にないんで!」とか「これで2回目だよね(笑)」とか。サトエリちゃんも「これ私服ですから!埃だらけで(笑)」とか(笑)。監督、「云おうとしてたことわすれちゃった…」って冗談ですが(笑)。
  • 街を意識して撮った作品です、と。スタッフ、キャスト、脚本、みんなで悩みながら撮っていった過程が映し込まれていると思います。震災はどこにでも起こること、なので、震災後の話を撮ったつもりです。その街からうまれた、その後のこどもたちを撮りたかったのです。映画館を出た後、帰り道とか、街の風景が、変わって感じられたらいいなぁと思います。どうか楽しんで観て行って下さい。
  • 以上で舞台挨拶は終了、上手の通路から退場する3人。途中で、上手ブロックの真ん中列くらいにいらしたおじ様が未來さんに何か話しかけて、未來さんも笑顔でお辞儀していました。何云ってたんだろーう!

 その後映画をもう一度観て、外に出たら、冷たい空気が心地よくて、人の少ない夜の街が神戸のあの夜と繋がっているみたいな錯角を覚えました。ひとりで観て、ひとりで帰りたい映画だなぁ。誰かと一緒に観てもきっと、無口になってしまうから。無口でいられるひととなら、いいのかもしれない。
 昼間の時間を長く共に過ごすより、一晩語り明かす方が、分かり合えるとか、そういうのってありますよね。美夏と勇治、明後日…もう日付では明日だけれど、明日の朝はまた会えるのかな。今年は勇治も、あの横断歩道を渡れるのかな。渡った美夏と、渡れなかった勇治、ふたりの距離はあの横断歩道分離れてる。でも、出会った時はお互いに、完全に背中を向け合って違う方向を見ていたけど、横断歩道を渡る美夏の背中を、勇治はしっかり見つめてた。あとは、その一歩を踏み出せるかどうか。早く踏み出せ、とは決して云わない、その時が来たら歩き出すといいよ、て見守っているような、そんな脚本の視点が本当に暖かくて優しい。
 本当に、愛おしい作品です。また観に行く、一緒に歩きに行くよ。

*1:未來さん演奏!

*2:って聞こえた気がする

*3:?だっけ??

*4:未來さんが「ん?引越しマニアなの?」って引っかかってた(笑)