ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「変身」虫観察日記13日目/大千穐楽@りゅーとぴあ

 よれよれなのでとりあえず、手短に。
 東京楽以来の観劇だったので、地方公演中にひたすら、噂に聞き続けてきた「変化」の数々が、変化というかもう全部新鮮で、初見の時みたいな「口開けてぽかーん」感をずーっと覚えておりました…本当に変わってた、全然違ってた、違うって何と比べて違うの?ってくらい、新しくなっていた。脚本も舞台装置も人物の配置も同じなんだけど、知ってるんだけど、でも何かが、どこかが違うものを見ている感覚が、すでに「再演を観ている」くらいのレベルで感じられて…不思議な体験でした。はぁ〜これが変化か。これが進化か。これが「変身」か。
 何せ東京楽以来なもので、どこがどう違うとか、あそこのアレがああだったのがこうなってる!とか、今の初めて観た!とか、もうそんなのも追いきれず。えー全部初めて観るよ(笑)。それでも、これが噂のくずおれるグレゴールか…とか、手を使わず脚力だけで鉄枠に飛び乗るのとか、は確認できました! あとお食事後に盛大なゲップしたりとか(笑)。お父さんが別人のようでした、何があったの一体!?ってくらい。良い方向に別人だった!
 最後の1回なのに、再演の初回みたいな気分で、しかも最前列*1で、うわーはわーふわー…で終始してしまう観劇でした。最後!という実感をかみ締められたのはほんと、だーいぶ後半に差し掛かってから…だなぁ。リンゴ以降は何かがぷちんと切れたように、そこら中で目から水が垂れてきました。鍵穴照明はすごく意識して観てたんだけどわからなかったなぁ。
 ラストの開放感(グレゴールは「虫」からの、家族はグレゴールからの)が、役としてはもちろんそうなんだけど、この公演からも飛び立っていくんだなぁ…と思うと、3月頭から今までが走馬灯のように駆け巡ってしまい…飛び立っていくグレゴール/未來を始めとするカンパニーの皆さんの後姿を見送る気がして、寂しくて、でも祝福したくて、でも寂しくて、うわああああってなりました。ここでようやく、「千秋楽」を実感した気がする…。
 レポ的な…いや、今回はレポにはならないだろうなぁ。メモになるかどうか…くらいのアレは後ほど改めて。とりあえずカテコだけ置いておきます。
 
 

  • カテコ3回かな? 2回目くらいから立ちだす人が出て、一度緞帳が下りてから再び上がった3回目でオールスタンディング…に思えたんだけど、でしたよねきっと。あれ? 4回だっけ?
  • 1回目の緞帳が上がった時点で眼鏡を外していた未來さん。やっぱり眼鏡ないと…綺麗だよなぁ。グレゴールの丸眼鏡、すごく好きだけど、やはり加味されるのは若干オモシロなテイストなのね(笑)。
  • あの世にも美しい動きで久世さん永島さん穂のかちゃんを呼び出し、小さく上手へもう一度で福井さん丸尾さん、低い体勢で下手側へさらにもう一度で朝里さん滝本さんをお呼び出し。ミュージシャンお二方を呼ぶ時の動きが、初めて観る低さでの美しい動きで…はわわっとなった…。
  • あ、滝本さんのネクタイがピアノの鍵盤柄ですっごく可愛かった! 遠くから見たら「ピアニカ2本持ってる?」って見えたそうですが(笑)*2
  • 朝里さんの撥もカラフルだったような気がしたんですが気のせいかなぁ。
  • 深々とお辞儀をしながら、口が「ありがとうございました」と繰り返している未來さん。
  • 充実感をかみ締めているような、本当に、良いお顔でした…泣けて泣けて仕方なかった…。
  • 2回目にひとりで上手から走って出てくる時も、お顔ほころんでて…この日のこの瞬間を、そんな表情で迎えられて、迎えられているのを見られて、感無量ですよほんとに。長かったねぇ! 色々あったものねぇ! 無事にこの瞬間を迎えられて本当に良かった!!
  • 開演前に、最後だなぁと思いながら、どうかあと1回、事故なく怪我なく無事に終えられますように、と誰にともなくお祈りしたのを思い出した。良かった…。
  • 自然にこぼれてきちゃう笑み、がたくさん見られました。目が横線になってたよー。おめでとうおつかれさまありがとう!!
  • 上手にハケ際にお辞儀、顔を上げてから客席をちらりと見渡すようにして、もう一度小さく頷くみたいにぺこんとしてた。
  • ご挨拶とか、何か特別なことがあったわけではない、いつもどおりの静かに熱のこもったカーテンコールでしたが、やっぱり何だか…熱が高かったように思える。
  • カテコ最後のハケ際、右手をぶん!と高く振り上げた未來さん。振るというよりは、高く掲げた。顔はこっち向いてなかった(笑)。相変わらず面映そうで得意ではなさそうだったけど、でも高く掲げた片手が誇らしげで、嬉しくて泣き笑いだったよ…。どこに向けても誇れるものをやったんだものね! 
  • 誇らしげな貴方がわたしはとっても誇らしい。のです。
  • そんなこんなで顔がめちゃくちゃになったまま、眼鏡でごまかせるだろうとロビーに出たら、やってますよ下宿人さんサイン会! 並ぶ並ぶ!
  • 長蛇の列でした。パンフの丸尾さんページにお名前入りでサインして頂きました。吹き出す汗をタオルで抑えつつ…ありがとうございました…!!
  • 丸尾さんがそれはそれはもう本当にエレガントで! 下宿人の似非ガントとはぜんぜん違う、本物のエレガンスで! 物静かで柔らかな声に優しいまなざし、背は高いし、ついさっきまで酔っ払って踊り狂ったりサルの物まねしたり唾棄したりしていた人と同一人物とはとても思えず…素敵でした…おいちゃんの中にわずかに残っていた錆付いた乙女の回路がちりりと震えたわ…きゅーん…。
  • おつかれさまでしたとか東京*3から来ましたとか何かもごもご云った気がする。舞い上がっていて覚えていない。間近で見上げた丸い目が印象深いです。
  • あ、開演前に出演者全員のサイン入りポスターを数量限定*4で売っていました。開場後あっちゅー間に売り切れた(笑)。買えば買えたんだけど、もう持ってるし、おんなじの2枚あっても…ねぇ。と、いや正直若干揺れたんですが(笑)、でも我慢しました。当たり前! 数少ないんだから欲張ったらダメ!!

 丸尾さんのおかげで、号泣引きずって終了にならず、楽しい千秋楽アフターになりました。おつかれさま!!!!っていう気持ちの方が強かったんだけど、時間が経つにつれてじわじわと、少しずつ、喪失感が…いや、でももうグレゴールは虫にならなくていいんだから…ね。
 「ただ、優しさと愛に満ち溢れた家族の顔を思い出した」のセリフを聞きながら、それはいつの思い出なのかしら、と思ったら、すごくすごく悲しくなった。そんな顔、もうずいぶんと長い間、見ていないよなぁ。虫になる前から、「ただ優しさと愛に満ち溢れた顔」なんてしていなかったもの、あの家族は。遠い遠い記憶の中の顔か、訪れなかったクリスマスの幻想の中の顔か…どちらにしても遥か遠くて、そんな幽かなものを抱いて飛び立っていくグレゴールが切なくて*5、哀しくなった。…もう千秋楽なのにね。
 アフターはとても楽しくて美味しくて日本海の味覚堪能でした。甘エビの雌雄のお話はとても興味深かった…*6。初めましてのkさんと、実は同じ観光循環バス*7に乗っていたり、同時に水族館にいたり、したことが判明したのも面白かった! ていうか恥ずかしかった!!
 新潟観光?のこともまた書きたいです。イルカとか! パイプとか!!

*1:最後の最後で!

*2:mmoohさん曰く

*3:の方

*4:何枚だったんですかね? 20枚くらい?

*5:たとえそれを失わせた原因の一端が彼自身にあったとしても

*6:そこ!?

*7:犬夜叉