ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

劇団☆新感線「蛮幽鬼」@新橋演舞場


 面白い!とか堺雅人さんが…!!とか太一くん…!とかじゅんさんじゅんさん!!とかお噂はかねがね、の「蛮幽鬼」、やっと観てきました!
 おっっっもしろかっった………!!!
 すんごく面白かったです! 文句なしのエンターテイメント! 重く苦しい復讐譚に、軽妙洒脱な笑いをまぶして、笑って泣かせて胸詰まらせる3時間半でした…ほんと、もう、満足。こーいうスタオベがしたかったんです! 新感線、やっぱサイコーだぜ! ナンボの! モンじゃーい!!*1
 ごちゃごちゃしない筋立てを、まさに適材適所なキャスティングで、豪華だけど派手やかではないセットと共に、華やかに、でもシンプルに見せる。国と国、人と人の関係が、絡まりながらもスルリと頭に入ってくるのは、中島脚本さすがです。決して明るい話ではないけど、笑いとシリアスパートのバランスもちょうどよく、笑えた分だけ悲しくもなり、悲しい分だけ虚しくなり、それでも力強い何かが最後に残る…そんな、悲しくて強くて弱い人間たちのお話でした…。
 とにかくキャラクターの魅力的具合が半端じゃない。観てきた方が口々に、「堺さん…っつかサジ…」状態になってらしたのも納得です。ありゃー好きだ、大好きだ(笑)。上川さんが、ある意味「美味しくない主役」な感じもしてしまう分、堺さんの美味しい脇っぷりが際立つ際立つ。ずるいわあれは(笑)。
 早乙女太一くんは「トゥーランドット」ぶりに拝見しましたが、トゥーランドットの時も所作や動きの美しさは目を引かれたけど、今回はそんなもんじゃなかった! これぞ新感線演出! 持てるスキルは最大限に生かすいのうえマジック炸裂! すいません太一くん出てくるたびに、オペラでガン見でした…うっつくしーい…。もちろん本業(?)の方なので、殺陣もお手のものでしょうが、…うっっつくしーーい!! もうね、重心の低さがね。回転時の軸の重心の低さがね。たまらない。未來さんの殺陣も舞いますが、やっぱり重心が高いというか、ふわっふわしてる印象がどうしてもあるのね。浮き上がってるのね。カルマは役としても和風の殺陣とは違うし、純白のマント閃かせて舞うように斬るには、あの躍動感や無重力・反重力感がファンタジックでそりゃもう大変よろしいんですが…太一くんの、あまり浮き上がらない、地面に足をしっかり付けた、それでいながら軽やかな殺陣はね…正しく美しい殺陣だなぁ、とね…見とれました。流れるような、滑るような動きで、本当に綺麗。良いもの見た気分です…すごいなぁやっぱ天才なんだなぁ! もちろん努力の賜物でもあるんだろうけど! お顔もお人形さんみたいで、葬式シーンでしばらく太一くんだって気付かなかったくらいの……羨ましい…(笑)。甲冑姿もほとんどお竜の甲冑姿みたいで、……ずるい…(笑)。彼の魅力を余すところなく使いきった役だったと思います! こりゃ惚れるわ! トゥーランドットの時に気になった発声も、全然違和感なくなっていて*2、セリフもしっかり聞こえました。上手くなったねぇ!なんて、何様だよな発言をうっかりしてしまうくらい(笑)。それにしても…堺さんと並んで、美味しいとこ取りの役だったなぁ…。
 じゅんさんはもう、じゅんさんで! コール&レスポンス最高! 時事ネタ危険!(笑)アドリブがほぼ某りピーネタで…いやいやいやいや(笑)。全員尿検査とか、いやいやいやいや。妻は芸能人ゲフンゲフン! 500万円で解放わーー(笑)。ハチャメチャで大笑いさせられた分、悲しい場面が余計に辛くなるパターンでした…そしてメイクがペドロみたいだった(笑)。ほぼ絵画(笑)。
 大笑いした分辛くなるのは、聖子さんも同じで。日本語のセリフが少ない、みたいなことをご自身のブログで書かれてましたが、どういうこと??と首をひねっておりましたが、観て納得。可愛かった〜! 可愛くて面白くてかっこよかった〜! その分…泣けたわ…。サンボさんとさとみちゃんも可愛かったです。さとみちゃん鼻水も10円ハゲもナシの美少女っぷりで、個人的に眼福でしたよ。
 右近さんもとっても右近さんだったし、よし子さんは素晴らしかった*3し、どちらもしんみりさせられるし、粟根さんは見事な小者っぷりだし、山内さんもかーなーり面白かった*4し、うん。ほんと、みんなキャラクターがすごく個性的で生きてて、それぞれ掘り下げたら別のお話ができてしまいそうなくらい。特に、カナコさんの役が…個人的に美味しかったです(笑)。可愛い、健気、切ない! 惜春と丹色はそこだけで1本できそうな感じですよ…おんぶ可愛かったなぁ…。
 稲森さんも、凛としてて美しくて、儚さと強さが同居している女の感じと、絶対的な神々しさが溢れていて…眩しかった。ですが、すみません…声を張るとどうしても、…鳥居み○き嬢みたいに聞こえてしまい…声を張るシーンなんてカッコいいキメのところばかりなのに、どーしても鳥居さんが出てきて困りました…。多分、わたしの耳が残念なせいです…。
 上川さんは、主役だからこその…美味しくなさ、というか、それこそが主役、なんですが。でも、基本シリアスなキャラクターなのに、たまぁにお茶目が挟まるのとか、ホッとするというか…余計面白いというか。堺さんに冷静につっこむのとか、ヘンテココンビで楽しかったです。そこは。
 とにかく、極上の、最高級の、エンターテイメントを堪能させて頂きました! 楽曲もかっこよかった、蛮新教の粥配るシーンのお祭り騒ぎ→マイナー転調で飛頭蛮登場、とか鳥肌立ったわ…。
 開演前、スクリーンに写し出されているタイトル文字が「蛮勇記」になっていて、それが「蛮憂記」になり、オープニングロール時に「蛮幽記」になるのが、土門の心の変化とシンクロしていて、なるほど〜!と思いました。復讐の幽鬼となった男に、最早名前などない、のか…。
 終演後に演舞場の外に出ると、何やら大きな機材車が数台停まっていました。…あ、やっぱり明日の昼夜でカメラ入るんですね。これはもう、今からゲキシネが楽しみになっています(笑)。おもしろかった〜!!

*1:演舞場で思い出作った!

*2:年齢的に不安定な頃でもあったのかな〜

*3:豹柄+猪鹿蝶×ゼブラ柄!

*4:覆面吹いた