ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

劇団四季「キャッツ」@キャッツシアター(4/4)

 日曜日、目黒川沿いの満開の桜を眺めつつ、大崎はキャッツシアターにて初!四季観劇してきました。初四季で初キャッツ!
 その昔、わたくしがまだ森山未來さんとか舞台とか芝居とかミュージカルとかに興味を抱く前*1、当時勤めていた会社の同僚ちゃんたちが、ライオンキングを観に行こう!という話をしていまして。お誘い頂いたのですが、当時のわたくしは所謂タモリさんと同じスタンスだったわけですよ。え!? ミュージカル!? マジで!? 行くの!? なんで!?と…いや行かないでしょ(笑)、と…ええどの口がどの口があがががが。人生、どこでどんな転機が訪れるかわかりませんね☆ YKちゃんYTさんわたし四季観に行ったんだよ〜! 笑えるよね〜!!*2
 そんなわけで初四季です。キャッツです。クローズする前に一度観てみたいと思っていたら、お友達がお安い席を取ってくれました…何か、エライ大変だったみたいで…ありがとうありがとう! 3000円なので、まぁ見え方は期待しないで、見えればいいよ見えれば、という感じで。3000円で入れるなら御の字じゃないか!
 待ち合わせ時間に待ち合わせ相手が起床するという、まぁありがちなようななかなかないような事件に見舞われつつ。1時間半くらい本屋にいた…古田さんの文庫本立ち読みしてた(笑)。大江戸ロケット終了から始まる、雑誌に連載してたっぽいものでしたよ。はまぞうあるかなー?柳に風 (新潮文庫)あっこれこれ。立ち読みしながら唇噛み締めて笑いを堪えておりました。
 えー、キャッツシアターです。大崎駅からちょっと歩くのね、知らなかった。でも、おそらく同じ場所へ向かっているであろう人がちらほら伺えたので、ついていけば自然に着いたよ(笑)。


 みたことあるー! しってるー! 黒い箱みたいな建物が見えてきて、黄色い目がありました。わーキャッツだー。

 わーキャッツだー。猫に見えないけどキャッツだー。(←これが基本スタンスです。だって猫に見えない…! むしろ怖い…!)
 けっこう開演時間近かったのと、あとロビーがすごい人でごったがえしていたので、あまり周りを見ることもなくさっさと座席へ向かいました。2階の2列目上手端、端だけど見晴らしいいし、段差がかなりがっつりついているので、全然ストレス感じず観られました。これで3000円は安い〜! もっかい観たかった〜! でも東京全日完売だった〜!
 長くなったので畳んでおきます。
 
 
 ステージは円形に近い感じで、都会のゴミ捨て場、みたいな。客席の壁もゴミでできてる、んだけどゴミが全部大きいのね、巨大洗剤の空き容器とか、巨大シリアルの箱とか、巨大スリッパとかが壁にくっついてるのね。なるほど、猫サイズまでちっちゃくなった気分…にはあまりなりませんでしたが(笑)、でも云いたいことはよくわかった。1階の前方席は、何か面白い作りになっていて、お客さんが着席する為にステージ上を歩かなくちゃいけなくなってて…え、そこ通っていいの!?みたいなことに。係の人も案内してたし、正式な着席順路なんですねー。何かあそこ通るのドキドキするなぁ、通らないけど。ちょっと通ってみたかった。前方席の間には、スロープ状になった通路がいくつも通っていて、けっこう細かく客席はスロープで分断されていました。円形ステージから放射状に近い感じにスロープが出てるのね。で、おそらくセンターだと思われる方には、何やら大きなセットがそびえていて…あれで見えるのか?とちょっと不思議になったり。
 不思議に思っているうちに開演しました。暗転…する前から、…あれ? 何かいる…? 下手奥のスロープから、何かがするりと…あ、猫…。そのうち何人も、いや何匹も、いつの間にか色んなところから現れて、通路やスロープを音もなく這い回…いや歩き回る…うわー猫だー*3。すごいです。全然猫に見えないじゃーん、なキャッツスタイルなのに、四つ足で動いてるのを遠目で観たら、ちゃんと猫に見えてくる…というか、ミュージカル的お約束に早速はまる(笑)。こりゃライオンキングもさらっとはまれるんじゃね?*4などと思いつつ。そのうち徐々に暗くなり、音楽が鳴り響く…暗闇の中、猫たちの目だけが黄色く光る…! 怖! 怖い! でも何か面白ーい! 2階の3000円の席なのに、すぐ前まで猫が来てくれて、近くで見るとでか!って感じでしたが、暗闇で目だけすぐそこで光るのも怖オモシロでしたが、でもサービスいいなぁ。嬉しいですね何か。子供さん泣かないかなぁとちょっと心配でしたが全然大丈夫でした、というかむしろ通い慣れてる感じだった…。さらに驚きが、1階席…客席ごと円形舞台が半回転した…! すげー!! ネズミーランドのアトラクションみたいだ!! あれ座ってみたかったなーでも高いだろうなー…。そして半回転したら、大きなセットは背景側になり、円形舞台がキレイに広がりました。なるほどーすげー! こりゃ特設劇場も作るわな!
 ストーリーは、正直よくわからない…というか、「都会の片隅で繰り広げられる猫たちの生き様」的なもの…だと思うので…うん。で、「ジェリクル」って結局なんなのかしらね、という(笑)。ジェリクルキャットが選ばれし特別な猫なのはわかった。ほどよい大きさでちょっと小さめで白と黒なのもわかった。しかし「ジェリクルジャンプはハイジャンプ」辺りから…ジェリクルって何なんだ…と。最後まで観たらジェリクルの意味がわかるかなーと思ったけど、結局わかりませんでした。ジェリクル族=猫、ってわけでも…ないのよね? わからない! でもわからなくても別にいい感じ!
 本当に、しょっちゅう近くに猫が来て、来るたびに「でか!」となってしまうのだけど、でも観ているうちに違和感なんて欠片もなくなるのね。スロープや舞台上を猫たちが、膝でつーいと滑って移動するのとか、可愛いなぁってなるのね。面白いなぁ。当日のキャスト云々以前に、そもそも「誰も知らない」状態なので、それはそれで純粋に全体を楽しめて良かったです。初めての四季でしたが、何か…すごいなぁと。歌も踊りもあのレベルで、あのレベルの人たちがあれだけ集まっていて、舞台上にあのレベルの人ばっかり、というのが…正直、日本じゃなかなかないですよね。贅沢だなぁ…と思いました。それだけでも観る価値ある、それだけでも感動する。曲は「メモリー」くらいは知ってたけど、あとはほぼ初耳で、でも耳馴染みのいい面白い曲ばかりで、歌は上手いし、しかも歌でも歌詞がはっきり聞き取れる(笑)。レントとかからしたらものすごいことですよこれは(笑)。一番難解だったのが猫の名前っていう…そんな難しい名前、舌噛んじゃうわよ。CMで使われてる部分が流れると、あっ知ってる!ってなるのも面白かったな、CMはすごくいっぱい観たからな。あと、一番最初の暗転時に流れてた…下降音階でキラキラした音のやつ*5が、何か可愛くて素敵だったなぁ。
 キャストは存じ上げないので、役でざっくりと感想を。とりあえずラム・タム・タガーの色男猫っぷりに爆笑しつつ惚れ気味(笑)。歌声がわずかに川村隆一的ひっくり返り系で、ナルシー度高くて素敵でした。襟元のふわふわをふわふわさせる仕草もかっこよく…て笑えた。マンカストラップさんは、歌もすごい上手くてかっこよかった…んだけど、あんまりこう…引っかからなかった…気になるところがないというか。あれー印象薄いなぁどうしてだろう、メインだったのに。グロールタイガーかっこよかったけど、シャム猫隊の何か間違ったアジアンテイストが面白くてそっちの方が印象的だなぁ。ギルバートカッコ良かったですよ。あとあの壁収納ベッドみたいなセットはびっくりしたー。グリザベラが、何かもうちょっとこう…ストーリー的に、感情移入して「メモリー」で泣かせるキャラクターなのかと勝手に思っていたら、割とキャラクターの描かれ方があっさりしてて*6、意外でした。「私に触って」でもっとこう、エドガー的に泣かせるのかと思ってたら…あら、そうでもないのね。あっさり感が逆に新鮮というか、お涙ちょうだいな感じもしなくて、それはそれでとても猫らしく感じました。歌はさすが名曲だった! あとわりと随所で歌われていて驚いた、グリザベラのキメ曲なのかと思っていたわ。いろんな猫が歌ってて、ああそういうものなのか、と。ジェニエニドッツとアレのタップは面白かった、けどアレがでかくて怖かった(笑)。デフォルメされてるんだけど何かもう怖いよ! ギザギザしてるよ! とげとげしてるよ! やだよ!! マキャビティが「オペラ座の怪人」みたいで面白かったです、たくさんいるよねアレ(笑)。目で追うのが大変だった…で結局どうなったんですかあの怪人。誘拐されたオールド・デュトロノミーはミストフェリーズが見つけ出し(?)て良かった良かったになったけど…悪人は別に退治されないんですね。まぁいっか、マキャビティも猫だからね! ミストフェリーズは小柄でカッコ良かった! 脚(腿)の筋肉がすごくて、ダンサーというよりは体操選手みたいだったけど…フェッテ凄かったなぁ。ぽん!って煙出るのとか、普通にびくっ!てしてました(笑)。子供か。白猫のヴィクトリアがソロで踊るの、すごい綺麗だった…とうっとりしていたら、どこだろう、最後の方で2階席のすぐ目の前まで白猫さんが来てくれて、あのキャッツメイクなのにすんげー美人でびっくりしました。キャッツメイクであんだけ綺麗ってどういうことだ。美人だった、美人猫だった…。
 あと、個人的に何だか目を惹かれたのが、タンブルブルータスかな? 短毛種っぽい白黒まだらの小柄な雄猫…群舞の中にいたんだけど、どことなく動きがクラシカルじゃないというか、同じ振りなんだけどコンポラっぽい雰囲気があって、どうにも目が行ってしまった(笑)。衣装の所為もあるのかなーちょっと暗黒舞踏みたいにも見えなくもないからなー。ちょっとキニナル猫さんでした。
 お隣に座ってらした方が、どうやらとってもリピーターらしく、「この曲の拍手のタイミングはココ!」とか「この曲の手拍子はここからここまで、次ここから!」みたいなタイミングがものすごく完璧で、楽ちんというか何というか(笑)。でも劇場全体がわりとそういう、お約束は了解済みです!みたいな雰囲気で、クローズ近いとそうだよね…と思いました…。フライングしたら怒られそうな感じでちょっと怖かった(笑)。あれですかね、レントの最後の方もそんな感じだったんですかね。でもあそこまでのコンセンサスは得られてなかったよなぁ。すごいなぁ。
 とにかく、思っていた以上に面白くて、素敵でした。もっかいくらい見たかったー。こんなに満席なのに終わっちゃうのもったいない〜と云ったら、「終わっちゃうから満席なんじゃないの?」と云われました。そ、そうなのか…でももったいないなぁ。終演後、やっとロビーを見回したら、壁に各猫たちの写真が額に入っていて、その額の下から猫しっぽがぶら下がっていてちょっと可愛かったです。ちょっと鹿の剥製*7的なものも感じつつ(笑)。もっと、猫の名前とか、どういう猫なのかとか、頭に入ってから見たら、また違って楽しめるんだろうねきっと。少し遅かったです、残念〜。

*1:バレエとコンポラダンスは前から見てたけど

*2:届かない

*3:刷り込み完了

*4:あれってお芝居中、人の顔見るもんですか、それとも上のライオン顔を見るもんですか?

*5:わかりにくーい

*6:グリザベラに限らず猫みんなね

*7:壁から顔が生えてるアレ