ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「20世紀少年 第二章」エキストラ参加のこと

 「20世紀少年」第二章も公開から1週間が経ちまして。川口でのロケにエキストラ参加したのは、もうかれこれ10ヶ月くらい前のことですが、当時は緘口令が布かれて(笑)いて、ネタバレダメ絶対!だったので、奥歯にものの挟まったようなことしか書かなかったなぁ…と。映画は封切られたし、そろそろ時効かな?と勝手に判断して、去年のゴールデンウィークを思い出してみようかと。
 映画の内容(しかも割とクライマックス)に触れるので、畳んでおきます。映画未見の方はお気をつけ下さい!
 
 えー、2008年5月5日・6日に埼玉県川口市で行われたロケに、エキストラ参加してきました。1万人くらい集めてがんばってたやつです。映画本編では、ともだちが新宿を訪れてパレードする、その群集を形成してきましたよ。撮影は両日朝から日没までの予定で行われていましたが、私が参加したのは5日午後からと、6日終日の2回戦。集まったエキストラは1万人とまではいかなかったような気がするけど、それなりに大人数になっていました。私のような一般公募のエキストラと、あと事務所に所属しているエキストラのプロみたいな人たちと、何だかよくわからないけどバスで乗り付けた人たち(笑)と、3種類くらいの人種(?)に分かれていたような。基本的に、セリフがあったり、表情が映ったりしているのは、プロの方々で、我々はその後方に広がる賑やかし部分でしたよ。
 5日は午後から参加しまして。撮影は朝からやっていましたが。駐車場みたいな広場に集合して、説明や注意事項を受けてから、撮影に合流しました。撮影場所に行くまでの道で、ランダムにともだちマーク入りの小旗が配られましたが、我々は受け取れず。まだ使うのであとで返して下さいって云ってたよ。午後からの合流なので、出演者の挨拶とかはありませんでした…朝だったらあったのかなー。この日撮影したのは、オッチョさんがパレード中のともだちの車の前にショットガン構えて飛び出して、騒然となる群集に囲まれながら、ともだちと対峙して言葉を交わす、くらいのシーン。…たぶん(笑)。何せ1年近く前なのでな…この老いぼれスポンジ脳みそはおぼろげな記憶しか残っておらんでのぅ…。
 で、その騒然となる群集の、とても後ろの方に配置されまして。えーとねー、この場面のオッチョさんを正面から映した時に、後方に時計が立っているんですが、その時計の後ろの方(笑)。で、あまりの距離に何が起こっているのかもあまり判別できない感じでしたが、まず拡声器でシーンや動き、表情とか*1 *2、状況説明などがされまして、後でメイキング見たらそれが堤監督だったのがわかりましたが(笑)。ともだちのパレードを見物しに来ていた群集の前に、テロリストがショットガン片手に乱入してきて、恐怖におののきつつ状況を見守ると、テロリストがショットガンを構えるのでうわぁ!ってちょっと逃げ、つつも気になって見てる、みたいな。しかし如何せん距離が遠くて、拡声器の声もなんとなーくしか届かないし、足元は芝生だし、後方は何だかのどかな感じでした(笑)。
 説明を受けてから、何度か予行練習をして、「そういう感じでお願いします!」とか云われてから、いよいよオッチョさんが入りました。拍手とかはなかったかな、ざわざわ…と迎える感じ。オッチョさんのトヨエツさんは背が高いので、後方からでも群集の向こうに頭がぴょこんと出ていて、わかりました(笑)。で、この時に、オッチョさんとともだち*3の他に、かすかにセリフらしい人の声がしていた…ような気がしたんだけど、でも姿は見えず…今の角田かなぁどうかなぁ、とコソコソ云っておりました(笑)。この時点では、今のきっと角田だよね未來だよね見えないけどね!ということになっていた…のですが、でも映画見たらそこに角田のセリフとかなかったから…アヤシイな…。とにかく、ともだちとオッチョさんの姿は確認できましたが、角田その他の姿は確認できませんでした。で、オッチョさん交えてテストを数回やってから本番になり、さすがに本番は緊張感ありましたが、しかし後方なのでカットの声がかかってんだかかかってないんだかもよくわからず(笑)。前方からさざ波のように伝わる雰囲気で、あ、終わった…の?みたいな感じでしたよ。
 それから場所移動の指示が出まして、今度はパレードの沿道を囲む群集になります。服や顔や全身がはっきり映る前列の人たちは動かさず、その後ろの「いっぱい」の人たちを撮影する場面ごとに動かして、群集を作っていました。テロリストの乱入にともだちを守ろうとするSP、恐怖に凍りつく観客、の後ろの方です(笑)。カメラ位置がオッチョさん側なので、オッチョさんはいませんでした。SPのお兄さんたちが演技指導を受けていて、たしかお兄さんたちもエキストラだったと思うんだけど…大変だなぁ、と…暢気なものです(笑)。
 この辺りから、天気が悪くなってきてしまって、暗くなってもきてしまって、雨も降り出して、5日は日没を待たずに撮影終了となりました。SPさんたちの配置を写真に撮って、あと観客の前列の並びも写真に撮って、明日も同じ格好で来て下さい、って云っていたので、あの写真と同じ状態を明日も作るのだなぁ、と。これが「繋がり」ってやつですね! この日予定していた分を撮りきれていなかったようで、明日がんばりましょうみたいなことになっていました。未來さんと、あとこの日予定にお名前があったARATAさんも、結局お姿を確認することはできませんでしたが、きっと撮りきれなかった部分で参加する予定だったんだろうなぁ…と。この日の午前中にも撮影していたかも知れないので、わかりませんが、でもずーっと待機してて結局中止、なんてことにもなりかねないわけで…ただ待つだけって疲れるよねぇ。衣装とかメイクとかもあるし、あんまりふらふら出歩くこともできないだろうし…大変だなぁ。帰り際に記念品のTシャツと、交通費*4を受け取って、臨時運行してくれたバスで駅まで戻り、沖縄料理屋でソーキソバとジーマミー豆腐と海ブドウ食べて帰りましたよ。Tシャツと交通費を受け取るのに長蛇の列で、えらく時間かかったような覚えが…(笑)。
 翌6日は雨も上がり、前日と同じ川口で朝から参加してきました。集合場所に着いたら寒いの何のって…集合時間、7時くらいだったような気がします。風が強くて吹きっ晒しで寒かった…。駐車場で注意事項や説明を受けて、ペットボトルのお茶と記念品引き換え券をもらって、撮影場所に移動しました。繋がりとかは関係ない人々なので、適当な場所…でも前日の、時計の後ろだとあまりに遠くて、もし角田がいてもわからない(笑)ので、もうちょっと近付いてみますよ。
 撮影開始の前に、堤監督からご挨拶があったりして、人ごみから道路脇へふと眼を向けると…金髪の男性が植栽の縁に登って立っておりまして。まっすぐの長めの金髪に、黒っぽい汚れたブルゾン、紺の作業ズボンに細い銀ブチのメガネ…って、わぁ未來さん! え、角田金髪なの!? 金髪は、その数日前にゴーイングKOBEで見たまんまな感じで、お顔はメイク…というか、汚しがかかっている感じ(笑)で、全体的に小汚い金髪青年、といういでたちでした…。茶色っぽい前ボタンのシャツの上に紺色の作業着ジャンパーを着込んで、その上から黒っぽい、襟にボアの付いたブルゾンを着て、その全アイテムが絶妙に小汚い感じという…。ああでも、これはこれでアリかもね、こういう漫画家いそうだよね?とちょっとワキワキする我々(笑)。植栽の縁に登って、腕を組んだり、両手を前で組み合わせたりで、左足に体重乗っけて右足を斜めに出してる感じの…何と云うか、森山未來ニュートラルな立ち姿でした…でも何か眠そうというか腫れぼったい顔してたよ(笑)。角田メイクの所為かも知れませんが! しかも未來さんいつの間にかいて、いつ出てきたのかどこから出てきたのかサッパリでした…。で、監督から出演者紹介がありまして、トヨエツさんに続いて未來さんだったかな? 「角田役、森山未來さんです」ぱちぱちぱち、で未來さんは植栽の縁でぺこりとしていました。コメントとかは特になく。未來さんの次にARATAさんだったような…ARATAさんはスナイパーしてらしたので、近くの建物の屋上みたいなところにスタンバイしてらして、上から手を振って下さいました。…が、ああスキンヘッド…?くらいしかわからない高さでした(笑)。小日向さんとか佐藤二郎さんも撮影にはいらしたんですが、朝は…いたっけ。いなかったような。すいません10ヶ月前なもので記憶が…。
 ご挨拶後、キャストの方々は一旦控え室? 待機場所?に戻られた…ような。確か、昨日の続きのSPさん緊迫シーンから始まったような。とにかく金髪角田の未來さんは、我々の網膜にキラキラを投げつけて一度いなくなりましたよ。で、昨日と同じように観衆とSPを並べて、続きを撮って、カメラクレーンを移動させたりして*5、次のシーンのセッティングに入り、民族大移動宜しくエキストラ群も「この辺の皆さんはこちらに移動して下さーい!」とか云われながら、次の配置について…基本的に待ち時間なんですが。大変だなぁ撮影って…としみじみ思う待ち時間でしたよ…。
 そして、移動先が先ほど金髪角田が立っていた植栽の辺りになったので、わーい未來さんがいたところだーみたいな感じになっていたら、その向うに人の頭越しに見える紺ブルゾンが。あ…と思ったのも束の間ですよ! さっきまで金髪だったのに、見事なブロッコリー頭に変身されていまして! …わぁ角田だ…原作そっくりだね…と軽く無口になる我々(笑)。ブロッコリーヅラをメイクさんの櫛のお尻側、とんがってる方でちょいちょいと直されながら、原作そのままの角田になられた未來さんが、スタッフの方と笑顔で言葉を交わしていらっしゃいましたよ。いや、今となってはもうすっかり、目も慣れて、案外可愛いじゃないかなんて思えますがね、この時はねぇさすがにねぇ! 初めて目の当たりにする角田姿な上に、直近の生未來さんがゴーイングKOBEのふわふわ金髪ですからねぇ! この落差は計り知れないですよ(笑)。でも、たとえブロッコリーでもあれを脱いだら金髪なんだ…と唱えながら(?)ガン見。隣の友達は直視に耐えない感じだったようにも思えましたが(笑)。
 そんなこんなの衝撃を挟みつつ、撮影です。ともだちと対峙するオッチョ、そこへ群集の中から飛び出す角田、頭上の13号に気づき「ショーグン、逃げて!」と叫んで群衆に紛れ走り出す…の辺り。の、角田が出てくる群集のずずいと後ろの方に入りました。ブロッコリー頭が人波をかき分けて飛び出し、「ショーグン、逃げて!」と叫び走り出す、のをテスト3回、本番2回、くらい繰り返して終了。「ショーグン、逃げて!」が何度も聞けて嬉しかったです…たとえブロッコリーでも声は未來さんだもの…。
 それから未來さんと豊川さんは一旦、控え室?に戻られまして。この辺でエキストラも待機になったのかな。何か、日が昇ってからどんどん気温が上昇してきて、かなり暑くなっていました。建物の蔭に入って待機してたような。近くに、ともだち車の前で花を撒いてたかわゆい女の子二人が、白いふわふわドレスのまんまで遊んでて、何かおとぎ話みたいな光景になってたり…可愛かったなぁあの子たち。ひとりがローサちゃんみたいな顔してて本当に可愛かったよ。お昼近くなってて、朝も早かったしお腹空いてきてたけど、お昼休憩と云われたわけでもなかったので…何か中途半端だったなぁ(笑)。近くの、というか施設内のコンビニでパンか何か買って食べたような…気がする。
 しばらく待機してたらようやくお呼びがかかって、オッチョさんと一緒に群集をかき分けて走り去る角田、を上から撮る撮影に入ります。また民族大移動で、今度は走り抜けるオッチョさんと角田にかき分けられる群集、の端っこの後ろの方(笑)。相手はともだちを狙うテロリストでショットガンを持っているので、群集は怖がって逃げなくてはなりません。ので、逃げまどいましたよ。どちらかというとカメラから逃げる気分でしたが(笑)。テスト2回本番2回くらい走ってたかな? かなり遠くまで走って、カットかかったらとっとっとっ、と足を緩めて、両手で眼鏡を外してからすったすったと元の場所まで戻っておられました。トヨエツさんも未來さんも息ひとつ乱さず(笑)。わたしあれくらい走ってもゼイゼイするわ…と思った覚えが。この時は何とも思わなかったけど、映画見たらここの角田が何か変ちくりんな、あんまりかっこよくない走り方していて、あれーあんなだったっけ?と思ったのですが、思い出してみたら角田とオッチョさんが走ってる時は我々も背ぇ向けて逃げてたんだった(笑)。走ってる姿をじっくり見ている暇はなかったので、わかりませんでしたよ。とりあえず、立松の校庭ダッシュとか、朔ちゃんの堤防ダッシュとかとは違う感じに走ってた(笑)。
 以上の2シーンで未來さんは控え室に戻られ、エキストラはまた待機。しばらくしてから呼ばれて、指示された配置につくと、今度は小日向さんが登場しまして。小日向さんがともだちに発砲→「この人よ!」と小日向さんを差す池谷のぶえさん→ARATAさんが小日向さんを狙撃→倒れる小日向さん、逃げまどう群衆、という流れの、逃げまどう部分になってきました。基本逃げまどってます(笑)。婚礼ぶりの池谷さんの美声も聞けて楽しかったなー。撃たれて倒れる小日向さんの、倒れる先の地面にクッション材やら布団やらがたくさん敷いてあったり、小日向さんは倒れる時の表情や手の角度や、いろいろを監督やスタッフの方と相談していたり、いろいろ面白かったです。小日向さんもスーツで暑そうだったなぁ、でもスタッフの方たちに囲まれて、楽しそうに談笑しながら控え室に戻って行ってて、現場を楽しんでる雰囲気がとても印象的でした。あ、あとともだちの人が…本当に暑そうで…中が誰なのかわからずじまいですが(笑)。とりあえずあの覆面を外す時がなくて、現場の出入りも両側からスタッフに手を引かれながら*6あのまんまで、…本当に大変そうでした…呼吸だけでも熱いよなぁアレ…。
 あ、確かこの時だったと思うんだけど、オッチョさんが待機場所から外に出ていて、ずーっと我々エキストラの後ろで…和んでらした(笑)。立って辺りを悠々と眺めていたり、あとスタッフさんがパラソルと椅子をセッティングして、ヨットの可愛い柄のパラソルの下で、携帯灰皿で煙草吸ったり、ペットボトルの水を飲んだりしてて…ショーグンが優雅にバカンスしてるみたいな光景でとても可愛らしかったです。またトヨエツさんが背ぇ高くて足長くて、動きがゆったりしてて…かっこいいんだ…。
 で、ええと逃げまどって、今回は発砲されてるので群集も本気で逃げなくてはいけなくて、けっこう何度も走らされて、暑くて、頭がくらんくらんしてきて、いい加減疲れたよ…となった頃にお昼休憩となりまして。駐車場の奥に広がる広大な草ぼうぼうの空き地に、ブルーシートとテントがいくつか張られていて、そこでお弁当を頂きました。もう暑くて暑くて日差しが強くて…朝から立ちっぱなしで疲労困憊でした…。お弁当はかんぴょう巻きとお稲荷さんと卵焼きが入ったやつだった、のにお箸はなかった(笑)。巻物はともかくお稲荷さんと卵焼きも手づかみかー、とか云いながら、でもお腹は空いていたので美味しく頂きましたよ。日陰もありがたかったし座れたのも助かった…。
 しかし。助かった…なんて座っていられるのも短い時間でしたよ。この後起こる恐ろしい出来事を目の当たりにして、お弁当どころじゃなくなりましたよ。
 それはテントの影で手づかみで稲荷を食べている時の事でした…一緒にいた友達がふと遠くに目をやると、6棟ほど並んだプレハブの間に、見覚えのある姿があったのです。その距離数十メートル、かなりの距離がありました。が、離れていても見間違うはずのない見事なブロッコリー頭…「あ、角田だ」と呟く友人の声に、背を向けていたわたくしも振り返り、「ほんとだ角田だ…」ええ、未來だ、とは云わなかった(笑)。角田さんはブルゾンを脱いだ衣装のまま、プレハブ建物の間をぷらぷらと、歩くでもなく居ておられまして。どうやら暑いらしく*7、まず作業着ジャンパーの裾をぱたぱたさせて、そのうちそれを半分脱ぎ、出てきたスタッフのお姉さんに「暑いなら脱いじゃえば?」的に脱がされていました。ジャンパーの中は茶色のシャツで、その前ボタンを外し、インナーの白Tシャツ…というかおっさんの下着的な、襟首がだらんと伸びた感じのヤツでしたが、その白シャツの裾をぱたぱた扇いでおりました。茶色のシャツをいったん脱いでまた羽織ったりして、結局それも脱いでスタッフさんに回収され、白アンダーシャツも一瞬脱ぎかけましたがそれはやめて(笑)、白アンダーシャツに紺作業ズボン姿になりました。もう、弁当どころじゃない(笑)。いや弁当は食べたけどさ。
 で、まだ暑そうにしながらぶらぶらしている角田さん、今度はブロッコリーヅラが暑いようです。襟足の辺りから指を突っ込んだりして、空気を入れ換えようとしているように見えました。何か、端っこを持ち上げて、少し浮かせて頭の上に載っけておく、みたいにしていたよ(笑)。微妙にヅラ浮いてて、遠目にもおかしなアタマになる角田。そのうち、女性のスタッフさんが二人出てきて、何かしゃべりながら…結局角田の頭からブロッコリーヅラを外しにかかりました。角田さんはちょっと前に頭を下げて、お姉さんが頭に届くようにして外してもらっていましたよ。で、ピンとか外してもらいながらよいしょ、とブロッコリーが外れて、中から現れたのはネット頭…おおお。何かレアなものを。しかも黒っぽいネットに抑えられているのがきんぱちゅなので、ネット越しに何か緑色がかって見えて…不思議な感じだった…。襟足からもみあげからもちろん前髪全部、きっちりネットにしまわれてて…何か、スキッ!!!!とした感じだったです…遠目だったからほんと印象だけど…。オペラグラスあったらなぁって距離だったけど! でもオペラで見てたらほんとキモいっていうか多分追い出されるわ…。そして、そのネットもぐるん!と外してもらうと…中からぺしゃんこになった金髪が! わぁ角田が未來さんになったわ!! ぺしゃんこの金髪を気にして、手でもしゃもしゃとかき回しながら、未來さんになった元角田さんはプレハブの一つの中に入って行きましたとさ。…はぁ、何かすんごいもの見ちゃったね…手づかみで稲荷食べてる場合じゃないね…。
 …と。息をついていたらば。…あらら金髪未來さん、プレハブから出てきたよ。今度は右手に赤〜オレンジ色のボトルのようなものをぶら下げて、あと白いタオル?を持って、プレハブ群を抜けて草っ原をぷらぷらと歩いています。
 我々エキストラが休憩していた場所と、プレハブ*8 *9がいくつか建っている場所とは、距離は離れているけど遮蔽物は特になく、視界は開けていたんですね。でもあんまり、角田や未來さんに気づいている人は…たぶんほとんどいなかった。で、遮蔽物のほとんどない、草ぼーぼーの原っぱで、ただ小さめのコンテナみたいな鉄の箱?みたいなのが、そのプレハブとかの方とエキストラのテントがある場所との、ちょうど中間くらいに置いてあったんですよ。置いてあったというか、置きっぱなしの野ざらしになっているというか。で、赤いボトル片手にぷらぷら歩いている未來さんが、我々から見てそのコンテナ?みたいなものの影に差し掛かった辺りで、急に姿を消したのね。ふいっと視界から消えたのね。あれ?と思ったら、その箱の向こうに、ちょうどウエストというか、腰の部分だけがちらちら見え隠れしてるのですよ。腰…で、たまにその腰に、片手がぴらっと上がって、めくれた背中のシャツを引っ張り下ろしてるの(笑)。つまり、前屈体勢になってるみたいなのね。で、前屈体勢で何かしてるんですよ。何してんのかなー、と首を傾げる我々。前屈になって何する?って考えて、…靴紐結ぶ、とかくらいしか出てこなかったんですが、しばーらく見ててもずっとそのまま、腰だけちらっちら箱の向こうに見えてて、たまに片手が背中を引っ張るだけなんですよ。どんだけ靴紐結んでるんだっていう(笑)。これは靴紐じゃない。あの赤い箱の影では一体何が起こっているのだ。
 そこで友達が、「ちょっと見てくる」と…テントを出まして。距離は保ったまま角度を変えて、箱の向こうを覗いてみたところ…アワアワしながら「いいからちょっと見てきな!」と…(笑)。なに? 何が起きてるっていうの一体??と、わたくしもテントを出まして、突き刺さるような日差しの下に出てみたところ、箱の向こうでは。
 みらいさんがきんぱつをあらっていた。
 ちょうど、テントから見て箱の影になっている場所に、屋外用の水道が設置してありまして。よく公園の隅っこにあるような、ただコンクリートの低い棒に蛇口だけ付いてるような、簡素な水道ですよ。蛇口に短めの青いホースが繋がってるようなのですよ。そのホースを片手で持って、腰から二つ折り携帯みたいになった未來さんが、シャンプーしていたわけですよ…なんっじゃそっりゃ。直射日光何のその、テント出て座り込んで眺めておりましたよ…暑かったけどそれどころじゃなかった(笑)。膝を全く曲げることなく、腰からかっきり前屈で、片手でホース持って片手で金髪をがしがしと洗う未來さん、時折まくれたシャツを片手で引っ張り下ろしながら、そろそろすすぎに入っている様子でした。何の白昼夢かっていう。だって蜂蜜色の日差しの中で、周りは緑の草木で、青空の下で、水しぶきキラキラ散らしながら、金髪を洗ってるモリヤマミライですよ。わけがわからない。何のおとぎ話だ。傍らには赤いボトル、あれシャンプーだったんだね! そのままの姿勢で前髪をぎゅうっと何度も絞って、絞ってから顔もがしがし洗って、また前髪濡れちゃって絞り直しで(笑)。水を止めてまた絞って…そんなに前髪絞らなくてもって感じですが、でも長かったもんねー前髪。で、白いタオルで顔を拭いてから、がしがしと頭を拭きます。CMみたいです。かっこいいです。が、何故かサイドの髪はこう、横にして両手でぱんぱんと挟むみたいに拭いています。「…ティモテ…」と呟く我々。左右のサイドはティモテで拭いて、首や喉もごしごし拭いて、いつの間にか金髪はふわっふわになっていて、満足したのか後頭部〜首に白いタオルをひっかけて、赤いシャンプーボトルをぶら下げて、未來さんはてくてくと元のプレハブ群へ歩いて戻っていきましたとさ…。水道の近くでお昼を食べていた何人かは気づいていましたが、他はほっとんど…見てなかったみたいで…炎天下の我々は、…何だったんだ今のは。たぶん夢だね。とぶつぶつ云いながらテントの日陰に戻りましたよ…。
 で、プレハブのひとつに入っていく未來さん、すぐに手ぶらで*10出てきて、次のプレハブに入ります。そこもすぐに出てきて、そしたらもう私服にお着替え済みでした(笑)早い! すげー早いよ! 男子の着替えってそんなもんか!? 私服は、青緑色っぽい地に黒っぽい大きな柄のプリントがあるTシャツの上から黒い上着を羽織って、黒っぽいパンツ、Tシャツの下に黒いインナーみたいな裾がちらりと覗いていました。重ね着なのかな? いや、如何せんかなり遠いので、…ぽく見えた、です。で、着替え終了後に、我々のいるテントとは逆の方向(駐車場がある)に歩いて行きまして、いったん視界から消え、そして再び現れた時にはお弁当らしき箱とペットボトルのお茶を手にしておられました。で、またプレハブのひとつに入り、しばらくしてから出てきた時にはお茶とお弁当はナシで、どうやらそこで召し上がったようです。それも早かった(笑)。そのまま駐車場の方向へ小走りで消え、それっきりでございましたよ…いや充分でございましたよ…。
 という白昼夢のお昼休みを挟みまして、午後の撮影にもまだ参加しました。あ、↑部分がやたら詳細なのは、その日の内に目にしたものをメモっておいた為です。で、他の撮影の詳細はメモってなかったからうろおぼえー(笑)。自分に正直なメモです。
 午後からは、ひたすらパレードの観衆をずーっと、ちょっとずつ場所を変えながらやっておりました。鼓笛隊が先導するシーンとか、ホームレスのおじさんたちが映るところとか、細かく…あとどっかのタイミングで、小日向さんに撃たれて車の上に倒れ込むともだち、のシーンも撮ってた…これは昼前の待機中だったかもしれない。日テレのアナウンサーさんがパレードの様子を実況中継リポートするシーンとかも撮ったなぁ。で、延々とパレードシーンを繰り返し、いい加減西日がまぶしかったり、足が棒になったり、唇が日焼けでびりびりしたり、疲労でろくに頭が働かなくなったり、相当ダメなことを呟き始めたり、わりと大変な感じで…とてもつかれました…が脳裏に妖精シャンプーが残っていたので、思い出しては「…いや。わからない」と理解に苦しみつつニヤニヤし、プロのエキストラのおじちゃんに話しかけられてお話ししたり、気を紛らわせつつ人差し指を掲げ、いい加減そろそろマジ疲れたんですけど…という頃に2日目の撮影が終了しました。やぁ本当に疲れたよ、でも面白かったよ! いいもの見たよ!! 良いゴールデンウィークを過ごせたよ!
 で、最初の集合場所だった駐車場に戻り、初日よりは多少手際の良くなった感じで交通費と記念のTシャツを頂き、臨時バスに乗って、駅まで帰りました…バスの窓から、私服に着替えた花を撒いてた女の子たちが見えて、私服だとイマドキの子だねぇという感じだったり。でも可愛かったけど! あと、バスから新宿の教会の辺りのセット群も見えました。外から見るとほんとベニヤで出来てるんだよーハリボテなんだよー映画で見るとちゃんと、狭苦しいごちゃごちゃした裏町になってるのにねー。不思議不思議。
 帰りにミスドで、友達とデコ付き合わせて、反省会をしましたよ(笑)。議題は主に、角田の残念なまでの原作再現っぷりと、角田→未來の奇跡のメタモルフォーゼと、妖精シャンプーについてでしたよ。重い、重すぎる…! 処理しきれない情報量だよ!
 そんなこんなのエキストラ参加でございまして、それが10ヶ月の時を経てああいうシーンになっているのだなぁと思うと、何とも不思議な気持ちになります。懐かしい、のに初めて見る、でも懐かしくて知ってる、って面白いわー。

*1:笑わないで下さい的な

*2:案外難しいんだこれが…

*3:の声はスピーカーから流れてたような

*4:支給されたんです。領収証作って持っていかなくちゃだったんです

*5:人力で押していくんだよあれ。びっくりした

*6:あんまり見えないんだろうなアレ

*7:そりゃそうだ

*8:おそらくはキャストの着替えとか控え室とかだったんだと思います

*9:待機場所は撮影場所の建物内でした

*10:タオルとシャンプーが消えて