ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

第参回天蘭舞踏会(12/16)

 日曜日、のろくさと出向いてばびゅんと帰ってきました。お寺の地下で繰り広げられる、踊りを愛する幽霊と生き霊たちの舞踏会、今年で3回目です。…って云うと初回がどんなだったか気になってくるんだな(笑)。
 今年も、3人の魔女が「Beauty is Dirty, Dirty is Beauty」と云うのは変わらず。しかも今回は何と…オープニングから「Willkommen」ですよ! キャバレーですよ! 何かもう、いろんなものが駆けめぐってぐらぐらしました…もちろん、原曲歌詞のまま歌われていたので、「ヴィルコメン、ようこそ、」じゃなかったですが。時々お下品に、もありませんでしたが。でもMCもいて、もちろんモーツァルトみたいじゃないMCで、わりと正統派な感じがしました。柔らかくて綺麗な声で、かっこよかったーしかも「どんだけー」云ってたー。「よっぽどー」で返すべきかと思いました(笑)。
 前回公演に比べて、ダンスに重きが置かれていた印象でした。その分、ストーリー性とかキャラクター性、「役柄」っぽさは薄味だったかな。去年もいた踊り子さん(笑)もいれば、去年はいたけど今年はいない踊り子さんもいたり。あや困っちゃう嬢がいなかったのが残念…。でも、中山陽子先生のダンスが久々に見られて嬉しかった! やっぱりカッコイイです、踊る姿も振付も。あと、ビョークの曲を使った作品がめちゃくちゃかっこよかったのです! 関西ビョーク様振付作品の!(笑) が、その時中山先生は…たぶん、カットソーを…穿いてらした…(笑)。片袖に片足入れて、反対の足は首から出して、余った片袖はぶらぶら垂らしてたの…面白かった、けど、ちょっと異様な感じの振付に、その妙ちくりんな格好が、コワカワな雰囲気を余計に高めていたように見えました。かっこよかったんだー何か、何でも食べ尽くして増殖する粘菌みたいな生物っぽくて。増殖・分裂・集合の繰り返し、みたいな。しかも曲がビョークってツボ過ぎる。
 中川先生は、まぁ目当てで行ってるわけですが、今年も軽やかに間久部様でした。客席登場はもう定着なのでしょうか(笑)。ピンスポ浴びまくってとても楽しそうでした…なのに、踊りまくるシーンはもう何か、あーそうだよかっこいいんだよこの人は、という感じで。男性3人が和服(2人が袴で1人が大阪商人風)の一場もかっこよ可笑しかったー。春琴お嬢様に三味線のバチで叩かれる、谷崎かぶれの商人さんがたまらなかった(笑)。中川先生の詰め物出したらスッカスカ具合*1もたまらなかった(笑)。でもソワレは詰めすぎな気がしました。だって四角く出っ張ってんのが見えるんだもの(笑)。
 前回惚れ惚れしたミカヨン・シューマッハ*2は、今年もまた麗しく…そんな、ミカヨンちゃんなんて呼べません。様です。今回はまたマドロス化したり自転車乗ったり自転車倒したり西野バレエ団出身だったり、どうしてそう麗しいのにオモシロいの〜。でも、1幕ラストで踊る場面は、さすがというか…完全に無音の舞台上で、踊る彼女の身体が、ゆっくりと描く指先の軌跡が、音楽のよう、というか…本当に美しかった。無音で踊るのって何か、凄いなぁ。もっとこう、張り詰めきった空気の中で息を殺して見たかった、です。やっぱりどうしても、見る方が間が保たないというか、ね。咳とか、もぞもぞしたりとか、してしまうものでしょうかね。もっとガッチゴチになって見たかったシーンでした。すごい綺麗だったのです。キラキラが上から降ってきて、夢のようなのです。
 3魔女様たちは相変わらず面白く、でも関西ビョーク様の泣き虫なダンスは可愛くてかわいそうで、最後本当に舞台上にジョウロで雨降らせるし、びしょびしょだし、何て可哀想なんだー!! あと、2幕だったかな? ラヴェルの「ボレロ」に合わせて、一瞬だけ3魔女さんたちでベジャールの振り*3の真似みたいなのをしてて、個人的に小さくツボ入りました。

 シメはとても素敵な誘導スタオベ(笑)でフィナーレ。やっぱり、来年も見たいと思わせてくれる真冬のエンターテイメント舞踏会でした。
 …課せられたノルマはこれでクリアできるかしら(笑)。
 ついでに関西ぴあを連れて帰ってきました。

*1:和服の懐にタオルだの競馬新聞だのたくさん詰めてた

*2:て名前が付いてるのです

*3:ジョルジュ・ドンで有名な。「愛と哀しみのボレロ」の