ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

雑誌掲載 演劇ぶっく

 昨日買い逃して、今日地元の本屋に行ったらなくて、電車乗って隣の駅までお迎えに行きました。何で地元にないのかなー。いつもあるのになー。表紙が森田くんだからかなー。
 キャバレー舞台写真が3ページ、松雪さんと一緒にインタビューが1ページ。舞台写真はゲネみたいですね、源ちゃんにも阿部さんにもおひげがない。もちろんシュルツさんにもない。そして、わーい! やっと解禁、三揃えのジャケットなしクリフ! もっと大きい写真で見たいよーぅって贅沢ですね。後ろ姿も見たいよーぅってそんなの私くらいですかね。ベストの後ろ身ごろがサテンの裏地なのに柄入りってのがたまらなくツボだったんだもの…。ピンストライプといい、臙脂のネクタイといい、完璧過ぎて涙が出そうです。あーこの紅茶色髪が今はもう…ううう。ナイス中のクリフも小さいけどあってすっごく嬉しい。「んナイス!すっぎるーベェるり*1ッン」の所ですね、もうめちゃくちゃスキだよこの時の顔というか表情。
 インタビューは、お二人の言葉でクリフとサリーが、キャバレーという作品が語られるのが、公演終了した今となってはとても…何だろう、ある種の「解答編」みたいに読めて、面白い。そう、サリーとクリフの関係性は、劇中では点でしか描写されていないんですよね。出会いの点、同居の点、妊娠したの!の点、アメリカに帰ろうの点、別れの点。その間に流れた1年弱(ですよね? 10ヶ月くらい?)の時間の、ほとんどを観ることができない。流れとしては、シュルツさんとシュナイダーさんの方が、ちゃんと時間が流れてる感じさえする。クリフ/サリーの心情の移り変わり、過程がさっくり割愛されていて、その結果としての「点」の部分だけを提示される。その加減を最初、測れなくて、違和感というか…あれ?という…肩すかし的な印象は受けました。演じる方も難しかったんですね。点と点の間を埋める、点と点を結ぶ線を引く、そういう作業を勝手に*2やりながら、観る回数を重ねるうちに、そこを観られない、見せてもらえない、見せないことによって、余計に二人の関係が刹那的であったり、切なかったり、そんな風に思えてきました。楽しい「最中」ではなく、「きっと楽しいよ」と「楽しかったね」の部分だけを切り取って並べられる。「楽しかったのに」を見せられる。「楽しい」の最中が描かれないことに、最初はすごく戸惑ったけど、今は何となく、そこはわかるだろ、わかれよ、と云われてたのかな、と…思わなくもないです(笑)。
 松尾さんの「ズレ感」、の部分は、なるほどー、と。うん、なるほど。確かに。これ読んで思い出したのが、リヒャルト・シュトラウスの歌劇「サロメ」…いや、作風がとか演出がとかセリフがどうとかじゃなくてですね、このオペラ*3の中で、サロメが「ヨカナーンの首が欲しい」と歌う場面でね、そのメロディーラインの落ち着き先の音が、普通こう上がってこう下がってきたらこの辺に落ち着くよね、という音と、悉く違う辺りに落ちるんですよ(笑)。で、その、「え、そこなの!?」という感じがとても面白くて、高校時代にすごく気に入っていたのです。その、「え、そこ!?」感を思い出した、と。すみませんだいぶ遠かった。でも、松尾さんの「えっそっちなんだ!?」感は私の中では、R.シュトラウス的な「そっち!?」感ととても近くて、面白かったのです。こっちじゃないの!? でもそっちの方が面白い!という感覚。おお、サロメ聴きたいな。持ってたのはカセットかな。聴けないな。
 松雪さんのハプニングがどうとか云ってますが、いや全公演通して最大のハプニングはやっぱり初日のアレだよ…と思ってしまう。「もう、忘れたんだ」ってことかしら。
 改めて、ああ、バイセクシャルで良かったんだ、と今さら再確認。だってほらホモっちゃホモなんだとか云うからさ。バイなんじゃーん。未來さんの「クリフ」像考察が興味深いです。うん、未來さんのクリフは、根はヘテロで、退屈なのとか刺激が欲しいとか興味とか流れとか、そういうのでちょっと遊んでもみましたがやっぱり女の子の方がいいです当然、みたいな、そのくらいの「バイセクシャル」に見えます。映画の小説家はもうちょっと、根っからどっちもみたいなオチだったけど(笑)。田舎の平凡な中流の上の方の、そこそこイイおうちで、お金の苦労もなくて、お母さんは顔も見たことのない息子の彼女にセーター編むくらい人が良くて優しくて、息子もママに嘘ついたことないようなイイコで、大学在学中にうっかり書いた小説がたまたまどっかの目に留まって出版されて「小説家」なんて肩書き付いて、でも2作目が書けなくて、それでも両親は応援してくれるし、平凡な田舎町なんかに留まっていたら小説なんか書けない、と旅に出てヴェニスにもローマにも行ってそれでも書けなくて…わぁ世間知らず坊ちゃんが出来上がってしまった(笑)。
 何だかわからなくなってきたぞ。
 で、結局はこの呑んだくれ!オチなんですな(笑)。未來さんもたまにはハーブティにしてみたらどうですか。

*1:巻き舌

*2:脳内で補って

*3:正確には違うらしいですが