ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「マリー・アントワネット」@帝国劇場

 e+から半額チケットのお知らせが来ていたので、わー東宝ミュージカルって見たことない!と行ってみました。初帝国劇場。席は1階後ろから2列目のサブセンター上手側、くらいかな。遠いし後ろだし見にくいだろうけど、まぁ半額だし〜、と思っていたら、帝劇すごく見やすいですね! 段差がかなりきっちりあるので、全然ストレス感じずよく見えました。良かった! 座席もクッション効いてるし! あと、オーケストラピットがあって、編成小さそう*1だけど生オケで、すごいうきうきしました。生オケ付きのミュージカルなんて初めてなもので(笑)。生バンドはだいぶ見たけどね!
 Wキャストのマルグリット・アルノー役は笹本玲奈さんでした。何か…怒ってた。小柄な全身から怒りが吹き出すような、「怒」の感情を丸ごと背負って体現してるような、小さな火の玉みたいでした。特に1幕。何か、こんな感想申し訳ないというかむしろ失礼な気がするんですが、…歌上手いなぁ、としみじみ。笑顔がほとんど見られないお芝居だったのがちょっと残念な気も。そういう話で役どころだから仕方ないんだけど。
 涼風真世さん演じるマリー・アントワネットは…すいません前半、めちゃくちゃむかつきました(笑)。さっさとその人何とかした方がフランスの為よ?とおもいました…。そういう役、浅はかで世間知らずで高慢で無邪気な役だから、なんだけど。でもむかついたー! 後半は誇り高き悲劇の王妃になっていくのですが、…正直前半のダメ女っぷりがアレ過ぎて、皇太子と引き離されるところとかも、…でもそんだけのことしてきたしねぇ、とわりと冷ややかに見てしまいました…すみません私市民の同志です。打倒ブルジョワジィ。でも涼風真世さんは可愛らしく無邪気に困った王妃様っぷりで、断頭台に登る時の気品はもう、さすがでした。鳥肌ちょっと立った。
 謎の錬金術カリオストロ…初の山口祐一郎さんでした。もう楽しみでこの人が! さすがの声、さすがの歌、さすがの立ち居振る舞い、さすがの存在感、そしてさすがの役どころ! つーかカリオストロさん何する人なのかさっぱりわからなーい!! わからないけどそこにいるー!! すみません、かっこいーい!と思いながら、黒ローブが出てくるとぶるぶる笑いをこらえておりました…だって面白い…。かっこいいんだけど面白い…。素敵なステッキをちょいと軽く振ると、ぼんっ!と何かが暴発したりしてね。とてもキュートでございました。しっかし歌すごいなぁかっこいいなぁ! やっぱり「ダンス・オブ・ヴァンパイア」見たかったなぁ、吉野さんもいたし。
 ボーマルシェさんは愉快な感じで、暗く重くなりがちなストーリーにイイ具合に笑いを配してくれました。オルレアン公は衣装が黒くて眉毛がなくて目の下が黒くて、見るからに悪役です!という顔でとても格好良かったです。異様な雰囲気がとても素敵。しかし謎の女装はどうかと…(笑)。
 そして2幕、ロベスピエールが登場してびっくりしました。…アレ? 何か…あの人、パーカー先生に…似てない? っていうか福井喜一さん? じゃない? え、何かちょっと…カッコイイんですがすっごく。あれ、パーカー先生ってそんっっなに格好良かった、っけ?(笑)
 えっと福井さんだったんです。がうっかりめちゃくちゃ格好良くて、一瞬「福井さんに似てるカッコイイ人」だと思いかけました…でも声も福井さんだった! 何か、再演時よりすっきりとしていて、無精ヒゲもなく、とても格好良く…何でパーカー先生は格好良いままでやってくれなかったんだろうか(笑)。やっぱりアル中演出だろうか。初演はもう少し格好良かった気がするんだけど!
 うっかり福井さんがロベスピエールだったおかげで、とても楽しく見てしまいました。半額じゃお安いですよこれなら。
 しかし…本当にこんな感想は申し訳ないし失礼なんですが、みんな歌上手いなぁ! 安心して見ていられる、全っっ然ヒヤヒヤしないでドキドキしないで済む! いつもどんだけ心配してるんだって感じですが(笑)。
 アントワネットに憎しみしか抱いていなかったマルグリットが、アントワネットの傍に接し彼女の最期が近づくにつれて、その思いを揺らがせ、変化させていく。断頭台へ向かう直前、一瞬だけどふたりの心が重なる瞬間が、悲しいけれど美しかったです。まぁ仕方ないけどね!
 そしてやっぱりカリオストロさんは何者で何をする人で何をしたくて何をしたのか、よくわからない。よくわからないが存在感はもの凄かった…。

*1:見に行ってないけど音から推測