ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

東宝「エリザベート」@帝国劇場(6/8昼)

 mさんにお誘い頂いて、人生初エリザ決めてきました!! 愛希エリザ、古川トート、平方ヨーゼフ、三浦ルドルフ、涼風ゾフィー、成河ルキーニ、小ルドは大橋冬惟くん、という布陣。フレッシュなメンツの初日だそうです。何せ初めてなもんでよくわからない…誰よりわたしがフレッシュだから……。

 はじめてのえりざべーと、なのでキャストがどうとか演出がどうとかは何も云えることがないのですが、みんながどうして稀少チケットをめぐり血で血を争う(※イメージです)戦いを繰り広げているのか、その理由がわかった気がします。うん、好き!! みんな大好きだよね!!! 納得の世界観と音楽、あとお歌もみなさん素晴らしかった…キャスト初日だったそうで、今回初参加のトート閣下とかは流石に1幕ちょっと、緊張してるんだろうなぁそりゃそうだよなぁなんて思ったけど、2幕はもう全然堂々とした素敵な死の帝王っぷりで…かっこよかったですハイ…文句ないわ~。チケットお高いけどお高い分払うだけのものはあるわ~~。あとWキャスト罪深いですねこんなん片方観たらもう片方観たくなるに決まってんじゃんね!?!? まぁ観たくなるくらいで手に入るチケットじゃないのは重々承知ですけどね!!?!

 目が足りないという評判を小耳に挟んでいましたが、まったくその通りでした。あのねールキーニも観たいし閣下も観たいしもちろんシシィも観たいしセットの美しさも観たい上にトートダンサーなる方々がいっぱい出てらして、独立単眼それぞれにメモリー付けた目玉があと8個くらい欲しかった。トートダンサーズ全員観たいじゃん!! 無理じゃん!! エリザ沼大変だな!!! 音楽もすごく素敵で、メロディラインはキャッチーなのにオーケストレーションが捻りまくってあったりしてめちゃくちゃかっこよかったなぁ。個人的に印象に残っているのは、シシィとフランツ・ヨーゼフが海辺でランデヴーのシーンのお歌が…それこそメロディ美しいのに弦の高音刻みがめっちゃ不穏で微妙に不協和音で、最高でした。あっあとシシィの婚礼の御仕度を手伝うのがトートダンサーズなの最高ですね!? どっからどう見ても全く幸せになれる気がしない婚礼!! だいすき!!!

 そしてネタでは何度も観ているけど実は本物(?)は初めて観た闇は広がる……わたし先に「お湯に溺れる」*1観ちゃってるからダメだな……(笑)。いやでも本家の、本物の、元ネタの(こら)ヤミヒロは、耽美を煮詰めて凝縮したような耽美の煮凝りでしたよ…いやぁ美しかった。またりょんりょんが美麗な王子でな…声がちょっと太めなんだけどまぁ圧倒的美顔そして小顔。古川トートがこっちはこっちでオペラでお顔観るたびに「えっ美形」「わっ美形」っていちいちびっくりするので、美の乗算でした…は~~長生きするわ~~。あとトート閣下の死の口づけがとてもおざなりというか、あっっきらかに本命じゃありません~ついでです~って感じがしてとても良かったです。片手間に与えられる死……ひどい……さいこう……。

 あとはセットとか衣装とか豪華でしたねぇ、ゾフィーのドレスが軍服っぽい装飾付いてるのとかとても好きです。愛希ちゃぴさんのシシィもお転婆と可憐と気の強さ芯の強さが年齢ごとに現れていて可愛らしかったなぁ。

 ハプスブルグ家と歴史の波に翻弄された女性の悲劇の一生、なんだけど、ラストはもうこれはハッピーエンドですよね…ってなる。死しか彼女に安寧を与えることはできないんだな…そしてそれが最後に与えられることを知っていたからこそ、最期のその瞬間まで彼女はトートを撥ねつけ続けた。何よりもその誘いが甘美なのを一番知っているのは彼女、だろうなぁ、とか、だからこそその姿は美しいトートの形をして彼女の前に現れるんだろうなぁ、とか。いやー贅沢なお芝居だ。お誘い頂けて本当に良かったです!! でないと観られる機会がなかった!

*1:新感線「犬顔家の一族の陰謀」