ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「NHKバレエの饗宴2019」@NHKホール(4/6)

 大植真太郎さんと辻本知彦さんが、C/Ompanyが、「談ス」シリーズが、「bolero/忘れろ」が、NHKのバレエの饗宴に出ちゃうの!?と、去年末の「イキ、シ、タイ」ツアーの時から気になっていたこれ、クラシックバレエ好きで今でもトゥシューズ履いて週2で踊っている母も楽しめるんじゃない? あわよくばついでに談スがどういうものか見せてみよう、と連れて行ってみました。3階のお高見席だけど(笑)。

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 NHKホールの3階、たぶん初めて登ったけどまぁ高いけど見晴しは良くて視界良好でありました。もちろんオペラ持参で。東フィルの生オケ付だしお得感溢れるお手頃価格でありがたい…でも、いつもの談スのキャパとはものすっごーくかけ離れているので、しかも2人だし、大丈夫かな…届くかな…そしてこのアウェー極まりない雰囲気で一体どう受け止められるのかな…等々、いらない心配とむしろそこも楽しみな感じでわくわくしましたよ。談部分果たして3階席まで聞こえるんだろうか、マイクないもんね…?

 まずは東京バレエ団の「セレナーデ」、はチャイコフスキーの弦セレでした。流石コール・ド・バレエの美しさに定評がある東京バレエ団、水色に少しだけクリーム色の混ざったのロマンティックチュチュも美しくてうっとりでした。上野水香さん流石の貫禄というか綺麗だった~手も足も長い~。あとわたし(と母)が思っていた弦セレよりも長かった(笑)。終わりと思ってた楽章の先まであって、あれーここから知らないね、ってなりました。あそこで終わりじゃなかったのか…。でも久々に生で弦セレ聴けて、それだけでももう元取った。目も耳も贅沢でした。バレエは譜面を、というかフレーズをダンサーに置き換えて視覚化したみたいな、わかりやすくて素敵な弦セレだった!

 続くヒューストン・バレエ団プリンシパルによるロミジュリのバルコニーのパ・ド・ドゥ、こちらもロマンチシズムの極み…リリシズムの体現…素人なのでテクニカルな凄さとかは正直わからなくて、みんなすげぇ…になっちゃうんだけど、とても素敵でした。語彙がない。プロコフィエフはそれこそロミジュリの、あそこ(某携帯通信会社のCMに使われた)くらいしか知らないので、音楽もピンとこなかったんだけどうん…ロマン派末期。

 そして完全にロマンチシズムとリリシズムの吐息に満たされたまま休憩に入るNHKホール。えっこの空気の中やるの? 「bolero/忘れろ」? 大丈夫なの…?と何故かわたしが緊張してしまう(笑)。母には、面白いやつだからね、笑っていいやつだからね、と再三云い含め*1、ドキドキしながら休憩時間を座席で過ごしていると、幕の開いたステージの上に、見覚えのある…裸が(笑)。大植さん! 我らがリーダー!! が!! パン一姿で!! NHKホールに降臨したーー!!!

 まさかのパン一です。しかもまだ休憩時間中。オーケストラもチューニング前だし気づいてないお客さんもたくさん、席を立っている人ももちろん、そして気づいた人はざわざわ(笑)。見事な肉体とちっちゃいビキニパンツをステージ上に顕現させ、動き始める大植さん。美しいバレエポーズにたまに発される気合いとか声も相まって、最初はざわついてた会場がだーんだん大植さんに釘付けになっていくのがわかりました。拍手や笑い声もたくさんで、特にお子さんの笑いがいっぱい聞こえてわたしも嬉しかった(笑)。まだ始まってないからー!とか云いながら、舞台の上で衣装を着始める大植さん、手を使わずにボトムを穿く技(?)に大きな拍手が上がる。そしてやっとオケのチューニングが始まり、開演ベルも鳴って、本番スタートになりました。金髪に赤いニッカボッカ姿の辻本さんも出てきて、弁髪に水玉スパッツの大植さんと、舞台上に赤いシートとガムテープで大きな「×」や「→」を描いたり、バミリのような何かの標的のような、小さな×をあちこちに張り付けたり、それをめがけていろいろしたり、その合間に小さくぽつりと言葉を発したり、内容はいつもの談スで…でも生オケのボレロはずっと鳴っていて、そのボレロに乗っかったりあんまり関係なさそうだったりなふたりの、談スとしてはいつもの、でもあの場で観るとめちゃくちゃ異質な、パフォーマンスが、何だか不思議だった。音楽がある談スって初めてだなぁとか。×とか→とかの意味、ちゃんと考えたらきっと何かあるんだろうけど、今回はわーい!って楽しい側に全振りして観てしまったのでわかりません…。そういえば冒頭、大植さんがオケピに向かって指揮するように両手を振り上げてもオケが鳴らなくて、辻本さんがやったら始まったのも面白かった。この辺の、オケも巻き込んで面白いことしちゃうのがとっても…らしいというか、楽しかったし、付き合ってくれる東フィルも域だなぁと思います! でも絶対オケ側は面白がってるよね(笑)。

 ボレロのクライマックスに向かって息を吐かせぬ連続技で、最後かっこよく決めた!…と思ったら…だったり、終わった!!…と思ったら…だったり、なところもとても談ス的でわたしはにんまりしていました。拍手喝采だし大技(?)決まると拍手起こるし、子供の笑い声は楽しそうに響くし、一体何が始まったの…?な最初の空気がどんどん、C/Oに取り込まれ引き込まれていくのが3階席からも感じられて、とてもNHKホールとは思えないホームな雰囲気になっていました。隣の母もオペラ覗きっぱなしで、「えっ(笑)」とか「すごい…!」とか漏らしていました。しめしめ(笑)。すごいでしょーわたしがいっぱい観に行った人たちだよーおふたりとも未來さんと一緒にやってるんだよー談スは未來さんもやったんだよー。

 すっかりオモシロな空気に包まれた会場の空気を、改めて、という感じでクラシカルに戻す東京シティ・バレエ団「Octet」はメンデルスゾーンの八重奏曲で。ちょっとモダンな雰囲気もある振付で、衣装も洗練された感じでスタイリッシュでした。男性ダンサーのみのパ・ド・カトルとか面白かったなー。そして何やら建込みの音が休憩中に響いていた牧阿佐美バレエ団ドン・キホーテ第3幕は、衣装もセットも公演丸ごとお引越ししてきたみたいで絢爛豪華でしたよ。キトリがちっちゃくて可愛かった…そしてバジルのソロ観るとちっちゃいみらいくんが1-8ですっ転ぶのとか、ステテコ姿の大植さんとかを思い出すのでした…。あと宮廷の貴族を見て「古田さんがバイトでやってたやつだ」と思ったり。

 フィナーレで再び登場した大植さんと辻本さん、お辞儀してくるりと背中向けたらその背中に、赤いガムテで大きく「C」「/」って(笑)。バレエ風の優雅なお辞儀をしてみせるのもオモシロ格好よく、最後まで楽しませて下さいました。大植さん隣のキトリちゃんと手繋がないの何でだろうって気になった(笑)。気遣い? シャイなの?(でも東フィルの指揮者さんが隣になったらちゃんと繋いでた/笑)

 すごかったね~楽しかったね~と云いながら母とロビーへ向かうと、何となくその前から声が聞こえていたのでもしかしたら、と思っていたけれど、案の定(笑)大植さんと辻本さんがロビーにいらして、ファンサービスに勤しんでおられました。わーいやっぱり! 最後の方に出たので、もうだいぶ人も減っていて、ちょっとお話させて頂いたり写真撮らせて頂いたりできて嬉しかった! お子さんたちにも大人気で、ですよねー辻本さんパプリカだもんねー!

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 そしてわたしは撮らないのに何故か大植さん辻本さんと3ショットを撮る母上でした。何か…不思議な写真がある…次元の壁を越えた感…なぜこの人たちと母が一緒に写ってるの不思議……。

 で、この日の模様は5月19日21時~のEテレクラシック音楽館」で放送予定とのことです。大植さんの開演時間前パフォーマンスは放送されない?らしいけど、ぜひおふたりの勇姿を目撃して下さい!

 観終わってから読んだのだけどなるほどーだったり、そうだったのか!だったりの大植リーダーインタビューもぺたり。

www.nhk-p.co.jp

 そして翌日の日曜日、母上に「アナザースカイ」や日曜美術館の談ス回を見せたりして、そっと実家に「談ス」DVDを置いてきたら、こうなったそうでわたしにっこりよ。

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 かーちゃんどうしても改行ができないんだよね…あと「釘づけ」だよね…。

 

*1:「よくわからない」ってすぐ云う人だから…