ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

談ス・シリーズ第0弾「イキ、シ、タイ」@さい芸小ホール(12/21夜)

 ツアー2日目の横浜公演から2週間ちょっとを挟んで、ツアー最終日のさいたま芸術劇場での公演を観てきました。横浜公演を観た時には何だかどんどん、不穏な方向に連想ゲームが進んでしまって、笑って観ながらお腹の底に冷たいものを感じているような気がしていたのですが、今回はかなり、終始楽しい気分で観ていました。というのは、客席に子供のお客さんがとても多くて、小学生の笑い声に包まれる会場だったので、暗い方向にあんまり頭が向かなかったのかな、と。静かで照明も暗くなるシーンではやっぱり、若干のほの暗い空気を感じたけど、それはあるべきものなんだろうな。薄暗がりに打ち捨てられたような大植さんの身体、生き、死、体、遺棄、死体、のイメージはどうしても離れなかった…。でもトータルではとても楽しく観ておりましたよ!

 パワーコンタクトで子供たちの笑いがたくさん起きていて、面白いよねーってニコニコしてしまうんだけど、ただあれオモシロげに簡単そうにやってるけど、実はめちゃくちゃ筋力とテクニックが必要なものなので…教室の後ろで試すと怪我するやつなので…気をつけてね…?ってなりました(笑)。でも試してみたくなっちゃう子がいたらそれはそれで嬉しいなぁ!

 横浜以来のわたしが個人的に感じた変化は、不穏さが薄まったこと以外には、何となく「談ス」っぽさが増した感、かな。横浜で観た時は、談スの原型っぽさというか、「元」っぽさをとても感じたのだけど、今回はすごく談スだこれ!ってなったの…は何が違うんだろう。こなれ感かなぁ。公演2日目に比べたらきっと、硬さが取れたりいろんな部分がよりスムーズに可動するようになったりしているだろうし、その辺のスムーズさが洗練された印象に繋がった…のかな、って。その分プリミティブさが薄まって、練られた感が出てきたとか…。談ス第0弾、ってなっているけど、これシリーズ第4弾でいいんじゃない?ってくらい、談スでした。

 あとは大宮さんのおひげがなくなっていました(笑)。これはあれですかね、アフトの未來さんの指摘が繁栄されたと観て良いんでしょうかね(笑)。ちょびひげの大宮さんはどことなくチャップリンっぽくてそれはそれでキュートだったけど、おひげないとキュートがより増してキュートと比例して何かヤバそうな感じもより増していました(笑)。何なんだろうあの胡散臭いイノセントさは…。柳本さんのトークはさらに冴え渡って楽しかったし、大植さんは相変わらず美しい筋肉と美しいバレエとその美しさを自ら打破していくような面白くも破滅的な印象で…大好き…いっぱい笑ってちょっとしん…として、でも最後は元気になる、やっぱり「談ス」だなぁ。

 中島みゆきが流れ、舞い飛ぶ袋たちが白い羽のように見えるラストの美しさも変わらず、今回は低めの前方席から観ていたので高い天井に吸い込まれるように舞い上がる様もとても美しくて、あの中で踊り続ける3人が泥臭くもどこか祝福されているようで、とても素敵なラストです。祝祭感あるよね何となく…ビニール袋なのにね…。

 終演後は「是非体感してみて下さい!」と大植さんが云って下さって、袋舞い飛ぶ舞台をちょこっと味わわせて頂きました。思ってたより風が強かった! 真下から見上げるとまた光景が違って見えて、そしてさい芸の小ホールは「お気に召すまま」思い出の劇場なので何だかそれも思い出したりして、とても…印象深い…良い経験をさせて頂きました。チー●ラボ*1面白かった!!

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 子供たちが楽しそうにはしゃいでて、踊り出す子とか自撮りする子*2とかもいて、自然に笑顔になってしまう光景でした。とてもあったかくて幸せな時間だったなぁ。子供たちは今日観たものを、どんなふうに感じて、どんな記憶になっていくのかな。時間が経ってから、そういえば何かヘンなの観たなって思い出す時に、どんな匂いを感じるんだろうね。きっとヘンテコだけど面白くて、何かすごくてカッコヨかった、そんな記憶になると思います。どうかな。大植さんのお尻かもしれないな。

*1:って大植さんが云ってたの

*2:流石デジタルネイティブは自然に自撮りするんだな…